ハンターはダンジョンの町の夢を見るか   作:ぬるっときたぜ

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第3話

「助かった!討伐依頼を受けたはいいものの17階層までの行き方がわからなかったんだよ!」

 

 

「それは良かったです。でも、17階層にいるモンスターの討伐依頼を受けれるのに17階層に行ったことがなかったんですか?」

 

 

「色々と事情があるんだ。深い詮索はなしだ」

 

 

「そう…ですね。装備は変ですけどいい人だとは思いますし」

 

 

「おいおい初対面の人をそんなに簡単に信用していいのか?」

 

 

ベイは現在レフィーヤと呼ばれるエルフの女の子と16階層にいた。

 

意気揚揚とダンジョンに潜ったはいいものの15階層で迷っているところを16階層に向かおうとしていたレフィーヤと遭遇した。

 

ベイが前衛、レフィーヤが後衛ということもあり17階層までの即席パーティーを組むことになった。

 

ではなぜレフィーヤがダンジョンに潜っていたのかというとヴァリス集めである。レフィーヤは服や装備の調整その他諸々にヴァリスを使ったせいでお財布が寂しくなっていたのだった。

 

他の冒険者からしてみればそれでも十分だったのだが普段持っていたお金が急に減ってしまうと不安を覚えてしまうのが人間の性である。まぁ彼女はエルフなのだが。

 

細かいことはさておき寂しくなった財布を元の状態まで戻すために彼女はこうしてダンジョンに潜っていたときに、ベイと遭遇するのであった。

 

 

「この階段を降りれば17階層です」

 

 

「おぉ、ありがとな。レフィーヤ。お前のおかげで本当に助かった」

 

 

そう言って先に行こうとしたベイをレフィーヤは引き止めた。

 

 

「ちょ、ちょっと待ってください!どこに行こうとしてるんですか」

 

 

「なにって…さっきも言っただろ。俺は17階層にいるモンスターの討伐依頼を受けてるって」

 

 

「そういうことじゃなくて。なんで私をおいて行こうとしてるんですか!」

 

 

「そりゃあ…このさきは危険だし。もともと俺が受けた依頼。だから、俺がドジって失敗したなら自己責任だしいいけど、お前が怪我をしたらどうするんだよ」

 

 

「危険なのはお互い様です!それに私が怪我をしたとしても結局は自分で考えて自分で決めたんだから自己責任です」

 

 

ベイはそこまで聞いて渋々といった様子でレフィーヤの同行を認める。

 

それを見たレフィーヤは嬉しそうに階段を先に降りていくベイに後を追った。

 

そして階段を降りてすぐ先に行った広場のような場所に出る。

 

 

「…まじか。こやし玉ないんだけどなぁ」

 

 

「な、なんで。まだ復活には時間があるはずなのに」

 

 

広場には今回のメインモンスターアオアシラがいた。ただしとんでもないサイズだ。そしてその横には

 

 

グオオォォォォォォ‼︎!

 

 

《迷宮の孤王》ゴライアスがいた。

▼▼▼

ベイは本来の想定と外れていた今の状況は確認していく。

 

 

「(アオアシラ。まず第一に想定外だったのがそのサイズだ。ユクモ村とかでしか見ないような大きさだぞ。大きさはおそらく3mは超えてる。強さも上位レベルとなるとアオアシラの主とかいうレベルか。そしてもう1つ想定外だったのがもう一匹いるモンスター。見たことがないモンスターだ。おそらくだけどここに来るまでに何匹も殺してきたここ特有のモンスター。倒すなら胸の位置に埋まった石を壊すとって取り早いっていうのは倒してきたモンスターからもわかるけど)」

 

 

ベイはもう一匹のモンスターに目をやる。

 

 

「(すぐには壊せそうにないか…)」

 

 

そう判断したベイは隣にいるレフィーヤに話を聞くことにした。

 

 

「おいレフィーヤ。灰褐色の肌を持ったモンスターがどんなやつか知ってるか?」

 

 

「は、はい。階層主って言って今までいたモンスターとは比べものになりません。て、撤退しましょう!」

 

 

「…撤退する方が賢明か?」

 

 

「そりゃそうですよ!階層主とそれに比肩する強さを持ってそうなモンスターを倒すなんてアイズさんでも無理です!」

 

 

その言葉を聞いた瞬間ベイは目の前の女の子に対して抱いていた感情が全て負の方向に変わっていくのを感じていた。

 

 

「もう一度聞くぞ。それがお前の判断か?」

 

 

あわよくば、あわよくばそれが間違いであってくれと願いつつベイはレフィーヤに聞き直した。

 

 

「はい、アイズさんが無理なら私たちでも無理です」

 

 

あぁ。ベイはレフィーヤに抱いていた希望のようなものが全て崩れ去っていくのを感じた。こいつは考えてるんじゃない。全てをアイズさんとかいうやつに任せているだけだ。

 

 

「そうか。ならお前だけで帰れ」

 

 

「な、なに言ってるんですか⁉︎アイズさんで出来ないなら私たちができないなんて「もう喋るな。聞いてて腹がたつ」…え?」

 

 

「お前はそのアイズさんとやらが全てなんだろう?仲間が殺されてもアイズさんができないから仕方ないってずっと眺めてるんだろ?いいよ。それも生き方としてはありなのかもしれない。けど俺には絶対にわからないし、その生き方は腹がたつ。お前は自立できてない。ただそのアイズさんとやらに依存して自分ができない言い訳にしてるだけだよ」

 

 

「そ、そんなこと」

 

 

レフィーヤにはこの言葉は否定できなかった。

 

実際その通りだった。自分がアイズさんを尊敬してると言ってたのは間違いでただの依存だったのだ。

 

そんなレフィーヤを見てベイはなにも思わなかった。予想どうりの行動を起こされてもなんの驚きもない。

 

ベイはレフィーヤから目を離し目の前のアオアシラとゴライアスに目を向けた。

 

 

「空間が狭すぎるよなぁ」

 

 

そう呟いたベイはモンスター達に向かって走り出す。

 

自分の愛刀『飛竜刀【銀】』を抜刀しながら。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レフィーヤをその場に残して。

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