(それにしても何故あそこまでして一夏様を狙うのでしょうか。)
あの後、余りにラウラが嵐の如く来ては去ったために一同数瞬フリーズしていたが、息を吹き返してからは慌ただしかった。特に一夏はそこかしこから無事かと質問攻めにあい、今も対応中である。そんな中、薄情にも一言二言話してから早々にその場を去ったルイスは一人考えていた。本人に直接聞けばいいじゃない、と。
幸いにもアリーナ担当教員はその涙ぐましいまでの努力により我関せずといった態度のラウラを少しだけ足止めしたようである。すぐに追いつき、
「失礼します、ラウラ・ボーデヴィッヒ様?」
躊躇いもなく呼びかけた。
「…次は貴様か。何の用だ。」
これまた幸運なことに、どうやらしつこい教員に怒りを通り越して辟易としていたようである。話くらいは聞いてもらえそうだ。
「先ほどの件です。ああ、別に責めている訳ではございません。単純に、なぜそうまでして一夏様を狙うのか、と疑問に思いましたので。良ければお聞かせいただけないでしょうか。」
「…貴様には関係ない。話す気もない。…それだけか?」
「そうですか。それは失礼致しました。ええ、これだけです。それでは。」
話してくれると期待していたわけではないのであっさり引き下がり、その場を立ち去ろうとする。と、
「待て、こちらからも質問だ。」
意外にも話を繋げたのはラウラの方だった。
「貴様の機体は何故あの場面で間に合った?いや、間に合っただけならばいい、あの一瞬であそこまで正確に逸らす事が出来たのは何故だ。」
「貴女の狙いが非常に分かりやすかったから、でしょうか。お見受けしたところ展開していた遠距離武装は肩部のカノンのみ。会話内容から一夏様を狙っているのは明らかでしたので、その砲向からあたりを付けた、という感じです。」
「…ふむ、合格だ。どうやら奇跡的に、ということでは無いらしい。試すようなことをして悪かった。謝罪しよう。」
と素直に頭を下げられた。
「え、ええ。では…」
と言って今度こそ別れる。まともに話が出来たということで収穫はあった。やはり対象は一夏のみらしい。
そのまま夕食を済ませ、部屋に着くと広がっていたのは互いに背を向けて黙り込むルームメイト二人という光景であった。
「お、おお、ルイスお帰り…」
手前、こちらを向いていた制服姿のルームメイトがこちらに気付く。
「…あ!?ル、ルイス!飯まだだろ!?行こうぜ!?」
「い、いえ。済ませてきてしまいましたが…」
「ま、まじか…えーと、えーと…」
と、何やらとてつもなく慌てている。
「い、いいよ一夏。こうなった以上、同室だしバレるのも時間の問題だろうから…」
といって振り向いたのはジャージ姿のもう一人のルームメイト…
…失礼、「によく似た女子」であった。
「…oh」
ルイス、珍しく絶句である。
お久しぶりです。まずは言い訳を。このシャルル→シャルロットイベントが鬼門でした。このために別室という設定に変更して書き直そうかと考えたくらいです。文字数稼ぎに考えたラウラとのファーストコンタクトも輪をかけて難しい。非常に悩みました。
…幻想の星でヒーローやったり、同じモンスターを99体集めるおはじきに奮闘したり、擬人化艦艇をこれくしょんするゲームのイベントにかまけたりとかでは決してありません。