「一戦目で当たるとはな。待つ手間が省けたというものだ。」
「そりゃあ何よりだ。こっちも同じ気持ちだぜ。」
ラウラと、一夏。二者は鋭く睨み合い、獰猛に嗤う。それはさながら相見えし竜虎のように…
「「叩きのめす」」
奇しくも同時に同語で宣戦布告し、試合開始とともにぶつかり合う。
「「…」」
約二名をその場に置き去りにして…。
気合十分、開始とともに
AICによってその動きを封じられる。
AIC、アクティブ・イナーシャル・キャンセラー。慣性停止能力ともいわれる兵器。全てのISはPIC(パッシブ・イナーシャル・キャンセラー)によって浮遊、加速、停止を行っている。ここでいうパッシブ・イナーシャル(PI)とは、常時掛かる慣性、つまりは重力や慣性そのもので、それらを無効化し、別の力(下記のAI)を発生させることによってISは動いているという訳である。一方、アクティブ・イナーシャル(AI)とは、そのISが発生させた独自の慣性、つまりは浮遊、加速、停止等の動作の事である。つまりAICの能力をまとめると
1、IS自身がPIを無効化
2、それが動き出すためのAIを無効化するのがAIC
3、捕らわれたISは自身では何の力も生み出せなくなる
4、結果としてそのISは全く動けなくなる
ということである。ISが機械であることを最大限に活かした罠であり、使用者がそれを解かぬ限りは、ISを脱ぐしか離脱方法はない。
さて、一夏はそんな罠に掛かり、既に抜け出す目はなくなった。開始前の竜虎は一体何処へ行ったのか、そこに居るのは獰猛な蛇と捕らわれた鼠である。因みに、ISを脱ぐなどは危険行為、ひいては棄権行為に等しい。
「開幕直後の先制攻撃、か。相も変わらず分かりやすいことだ。」
「そりゃどうも。以心伝心で何よりだ。」
「ならば私が次に何をするかも理解できるな?」
既に聞き慣れたといっても過言ではない、ガゴン!という恐怖を煽る大きな音。巨大なリボルバーの回転音が鳴り響き、白式からはしきりに警告音が鳴り響く。
ここで忘れてはいけないのは、これがタッグマッチだということだ。
「させないよ」
一夏の後背からシャルルが飛び出し、六一口径アサルトカノン『ガルム』が火を噴く。肩部カノンの砲身に次々と着弾、一夏へと向けられた殺気の塊は空を切る。なおも迫るシャルルの銃弾を受け、煩わし気に後退する。一夏が開放され、チームワークによって一瞬の隙を勝ち取る。この間、
「私を忘れてもらっては困る」
カバーに入った箒。防御型ISである打鉄の特性を存分に生かし、シャルルの銃弾を防ぎきる。シャルルは現在、近接武装を手にしていない。それを見て取るや、すぐさま距離を詰める。
が、
「な、なにをする!?」
そんな箒をワイヤーブレードでキャッチ、踏み台のようにして弾き飛ばしながら、ラウラ、第二ラウンドへと突入。こちらはチームワークの欠片もない。
過熱していく戦場の中、一夏とシャルルは、アイコンタクトを介して温めていた次の作戦へと駒を進める。
悟られることなく、密かに、今、この時をもって『箒を先にやっつけよう作戦』が発令されたっ…。
AIC,PICについては独自解釈です。多分こんな感じじゃね?的な。
先々週に「来週の月曜日」と言っておいて結局一週間開いてしまいました。文系大学のレポートの典型みたいに「本購入→出来るだけ短期間で読破→それについてレポート→次の作品へ」を繰り返しており、ようやく落ち着いた次第です。ビバ、冬休み。
そんなことしてたらもうクリスマスではないか、と。皆様は、毎年この時期限定で超上の力を発揮し子供たちに夢を配りまわる赤いおじいさんには何を頼みましたか?私は迷わず「時間」を下さいと、手紙をしたためました。返事は来ず、枕元には何もありませんでした。