IS‐涙なくして瞳輝かず‐   作:三三三 三雲

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幕間です。はい。


幕間「彼ら彼女らの休日」

「…これですわ!」

 

自室、金髪縦ロールのお嬢様は「思いつきましたわ!」と何やら誇らしげな、また実に晴れやかな顔をして金曜日の夜を過ごす。

 

「…そうだこれよ!」

 

自室、黒髪ツインテールの少女は「名案!」とにんまり笑いながら金曜日の夜を過ごす。

 

「これだ…!」

 

自室、黒髪ポニーテールの大和撫子は「完璧だ…!」と会心の笑みを零しながら金曜日の夜を過ごす。

 

三者三様とは昔からある言葉だが、果たして三様と言えるほど違う過ごし方をしているのか微妙なところだった。

 

 

 

土曜日、朝十時。人によってはまだ寝ているかもしれないが、IS学園ではこの時間帯の起床はイコール朝食抜きを意味する。こうして極一部を除きIS学園生徒は規則正しい生活リズムを身につけていくのである。

 

さて、場所はIS学園寮唯一の男子部屋。

 

「たまには俺が緑茶を淹れてやるよ。」

 

毎朝決まって紅茶かコーヒーを出すルイスに代わって今日は一夏が日本の味を教えるようである。

 

「自分がしてもらうというのは…中々落ち着かないものですね。」

 

「職業病かよ…」

 

今日も流れる和やかなひと時。英国人が初めて日本のお茶に触れるというのは実に微笑ましい。尤も、様々な国の人間が集まるここIS学園では珍しいことではない。

 

だが、平穏というのは長く続かないのがこの世の常である。

 

コンコン、と。扉を叩く音。来客のようである。ここ最近は周りもようやく落ち着いてきていたので、珍しいことである。

 

「はい、どなた様でしょう?」

 

『セシリアですわ。』

 

ガチャ。迅速な開錠である。

 

「おはようございます、セシリア様。何か御用でしたらこちらから参りましたが…それとも一夏様でしょうか?」

 

「え、ええ。いえ、今回は二人とも、ですわ。貴方ともまだきちんとお話していませんし、その、一夏さんの事も…」

 

「ええ、そのことは万事心得ております。折を見て私は出ます。」

 

「…貴方が居てくれて、本当に助かりますわ」

 

がっちり握手。はじめは開錠の速さと察しの良さに若干引いていたがそれが味方であると分かった以上頼もしいものである。密約は交わされた。

 

「一夏様、今朝はセシリア様もご一緒するようです。」

 

「お?珍しいな、セシリアか。分かった。もう一人分持ってくるよ。」

 

「失礼いたしますわ。」

 

 

 

そうして三人で談笑すること数分。

 

コンコン。

 

今日は来客が多いようである。失礼します、と先ほどと変わらず席を立つルイス。

 

「はい、どなた様でしょう?」

 

「あ、私。鈴よ。」

 

(おや?これはまた珍しいですね。)

 

少々意外に思いながらもドアを開ける。

 

「おはようございます、鈴音様。本日はどのようなご用件で?」

 

「堅苦しいから鈴でいいわよ。ってそういえばアンタに名前を呼ばれたの何気に初めてね。」

 

来た当初こそ顔は合わせたが、鈴はその後一夏と一悶着あったらしく、そういえばしばらく話していなかった。

 

「そうそう、あの時のお礼もまだだったしちょうどいいかと思ってね。上がってもいい?一夏も居るんでしょ?」

 

前半も本音だがどうやら本命は後半のようである。靴の有無をさり気なく確認しているあたり確実に。

 

「…ええ、どうぞ。一夏様もいらっしゃいますよ。」

 

一瞬主との密約()が気になり怯むルイスだったが、ここで不自然に応対しては家名が泣くというもの。意外と健気である。

 

「一夏様、セシリア様。その…追加のお客様です。」

 

「やっほー、一夏。来たわよー…ってなんでセシリアも居るのよ!?」

 

「そ、それはこちらのセリフですわ!」

 

「…まあもう一人分持ってくるか。」

 

どうなっていますの!と言いたげな目でキッとルイスも睨むセシリア。密約とは()

 

 

 

お互いに牽制しあいながらぎこちなく過ごすこと一時間弱。時刻は十一時頃の事。

 

コンコン。

 

先程と同じく以下省略。

 

あ、これ嫌な予感しかしない(ですわ)、と女子二人。

 

「はい、どなた様でしょう?」

 

「私だ。篠ノ之だ。」

 

ここまで来るとルイスももはや察している。それでも形は崩さず。

 

「おはようございます、箒様。本日はどのようなご用件で?」

 

「ああ、この間のお礼にな。お陰で、その、なんだ…ちゃんと言えたのでな。改めてありがとう。それと、一夏は居るか?今日の昼食も自作しようと思ってな。三人でどうだ?」

 

「その、三人と言いますか…取り敢えずお上がりください。」

 

「あ、ああ…」

 

玄関には整った靴が三足。今のルイスの分で四足。明らかに不自然だが緊張で上の空な箒は気付かなかったようである。

 

「あの…新たなお客様です。」

 

流石に申し訳なさそうなルイス。

 

「い、一夏っ。そのだな、これからの昼食だが…ってなぜセシリアに鈴までも居る!?」

 

「ちょ、それはこっちのセリフよ!」

 

(あー、やっぱり、ですわ。)

 

「…もういっそポットごと持ってくるか…?」

 

こうして三人が三人とも前日夜から夢見た一夏との休日は叶ったものの、肝心の「二人きり」という部分は抜け落ちてしまったようである。この後、自棄になった三人+付き合わされた二人による三国合同昼食パーティが開催されたとか。

 




さて、毎度の独自設定ですが、まず、食堂のタイムテーブルです。前に食べ物がなくなることは無いみたいな設定を付けましたが、量は大丈夫でも時間帯くらいは決めるだろうと。

それと、靴についてです。外履きは設定絵がありましたが、寮の中でも同じ靴なのでしょうか。部屋の中は靴を脱ぐ方式なのか、履いたままなのか。アニメ見れば分かるかもですが時間が取れないもので。夏休みに一気見しようかしら。
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