「あの二人を倒してきたか」
「あなたがフレア? へぇー! 可愛いじゃん!」
「え? ……えへへ……どうも」
第三の扉に辿り着いたフレアは出会い頭に容姿を褒められ、赤面する。
扉の前に立っている精霊二人は人間と同じ姿をしていた。
一人は精悍な目つきをした男性。
もう一人は、踊り子の様な派手な服装をした女性。
どちらも、特徴的な決闘盤を腕に装着していた。
「さあ、第三の試練を始めるぞ!」
そう言って男性は2本の剣が繋がれたような形をした決闘盤を展開させる。
「ええ!? まだ自己紹介もしてないじゃない! そんなに急がなくても……せっかく会ったんだし、フレアともう少しお話したいな~なんて―――」
「エルマ!」
「ちょ……そんな眼で睨まないでよもう! 解った解った! でも最低限の事は話させて貰うからね! ……では改めまして、こんにちはフレア! アタシは”エルマ”! こっちのせっかちでお堅いのが”トライス”。 ルールは、前の試練で解ってるよね?」
「大丈夫です! エルマさん、トライスさん、よろしくおねがいします!」
フレアは笑顔で答えると、自身の決闘銃を腕に装着し、決闘盤へと変形させる。
「ええ! だけど、手加減はしないわよ!」
エルマも同様に決闘盤を展開させて構える。
エルマの決闘盤はトライスの物より独特で、重なっている3本の短剣の様なプレートが扇の様に展開する。
「覚悟を決めろ! 行くぞ―――」
「「「デュエル!!!」」」
第三の試練。
扉を守る番人、”トライスとエルマ”との決闘が始まる。
先攻はフレア、後攻はトライスから始まる。
「私のターン! ドロー!」
フレア 手札:6→7
「モンスターをセット、カードを2枚伏せてターンエンド!」
LP:4000
手札:4
モンスター
・セット
魔法・罠
・セット
・セット
「俺のターン!」
トライス 手札:5→6
「《重装武者-ベン・ケイ》を召喚!」
トライスの場に現れたのは体中に矢が刺さった荒武者。
背負っている大量の武器を揺らしながら、両手に持った長刀をフレアに向かって構える。
ATK:500
「さらに装備魔法《デーモンの斧》、《融合武器ムラサメブレード》、《魔導師の力》、《ジャンク・アタック》の4枚を《重装武者-ベン・ケイ》に装備!」
「4枚も!?」
トライスの大胆な戦略に驚くフレア。
装備魔法はモンスター1体を対象に発動してその強力な効果を与え続けるが、装備モンスターが場から消滅すると同時に破壊されてしまうというリスクが伴う。
ベン・ケイは攻撃力500と貧相なモンスターである為、装備魔法でサポートしなければならないというのは解るが、ベン・ケイを失えば一度に5枚のカードを失う事になるので、トライスの戦術は後先を考えない無謀なものと言えるだろう。
しかし、フレアは気付かなかった。
ベン・ケイの恐ろしさを。
そして、トライスの防御を全て捨て去った必殺の”マジック・コンボ”を。
「装備魔法《デーモンの斧》、《融合武器ムラサメブレード》はそれぞれ1000と800ポイント攻撃力を上げるカードだ」
ベン・ケイの右手に不気味な斧が、左手に不気味な刀が握られ、ベン・ケイ自身も不気味なオーラに覆われる。
ATK:500→1500→2300
「そして《魔導師の力》は自分の場に存在する魔法・罠カードの数×500ポイント攻撃力を上げる。 よってベン・ケイの攻撃力は―――」
ATK:2300→4300
「4300!? さっきまでたった500だったのに!?」
「それだけではない! 重装武者-ベン・ケイの効果! このカードに装備された装備カードの数だけ攻撃回数を増やす事が出来る!」
「え? それじゃあ……攻撃力4300の5回攻撃!?」
フレアは驚愕する。
このまま全ての攻撃を受ければ、自分は一度負けるだけでは済まない程の大ダメージを負う事になるからだ。
「俺からお前に課す試練は”連撃”! 今のベン・ケイは、お前の首を一太刀で刎ねる”力”を持っている! お前にこの”連撃”を全ていなす事が出来るか!」
「うう……(でも大丈夫……こっちには《万能地雷グレイモヤ》が…!)」
だが、トライスは猪突猛進の猪武者ではない。
フレアの首を確実に落とす為、更なる魔法を発動する。
「魔法カード《拘束解放波》を発動! 自分の場の装備魔法1枚と、相手の場のセットされた魔法・罠カードを全て破壊する! 俺が破壊する装備魔法は《融合武器ムラサメブレード》! だがムラサメブレードはカード効果によって破壊されない効果を持つ! よってお前の伏せカードのみを破壊する!」
「嘘!? 速攻魔法―――」
この瞬間、フレアの場を衝撃波が襲い、フレアが伏せていた2枚の内の1枚、”万能地雷グレイモヤ”を吹き飛ばす。
だが、残る1枚の伏せカードが浮き上がると、そのカードから4匹の丸々とした羊が飛び出した。
「何…!?」
「《スケープ・ゴート》を発動! 私の場に4体の羊トークンを生成する!」
DEF:0
DEF:0
DEF:0
DEF:0
フレアのモンスターゾーンがモンスターで埋め尽くされる。
これではベン・ケイの刃がフレアに届かない。
「……命拾いしたな。 だがモンスターは破壊させて貰う! バトル! ベン・ケイでセットモンスターを攻撃!」
ベン・ケイがセットモンスターに斧を振り下ろすと、伏せられていた騎士は攻撃を防ぐ間もなく叩き斬られてしまった。
セットモンスター:砂塵の騎士 DEF:1200
「セットモンスター《砂塵の騎士》のリバース効果! デッキから地属性を1体墓地へ送るよ! 私はデッキから《マイン・モール》を墓地に!」
「ここでベン・ケイに装備されているジャンク・アタックの効果発動! 戦闘破壊したモンスターの攻撃力の半分のダメージを相手に与える!」
ベン・ケイが切り伏せた砂塵の騎士の鎧の一部を武器で剥ぎ取ると、それをフレアの方へと投げつける。
「きゃ!?」
フレア LP:4000→3300
まだ終わりではないぞ! ベン・ケイ! 羊トークンを全て蹴散らせ!」
ベン・ケイは持っている武器を乱舞させると、フレアの場にいる羊トークンを全て斬り伏せてしまった。
「ターンエンドだ!」
LP:4000
トライス 手札:0
エルマ 手札:5
モンスター
・重装武者-ベン・ケイ
魔法・罠
・デーモンの斧
・融合武器ムラサメブレード
・魔導師の力
・ジャンク・アタック
「……」
フレアは呆然としてから息を呑む。
”武器庫の召喚師”から”スケープ・ゴート”を譲り受けていなければ、自分はここで敗北していた。
フレアは心の中で召喚師に頭を下げると、デッキに指を掛ける。
「(強敵が現れただけ! 負けた訳じゃない!) 私のターン! ドロー!」
フレア 手札:4→5
「(とにかく、早くベン・ケイを倒さなきゃ……) 手札の獣族モンスターを墓地に送り、手札から《虚栄の大猿》を特殊召喚!」
フレアの場に現れたのは大きく恐ろしい影を持つ小猿、”虚栄の大猿”。
その影で相手を威嚇するが、その影の中に見覚えのある形の影が入ると、影が一回り小さくなってしまった。
ATK:1200
「虚栄の大猿の効果! 特殊召喚の為に墓地へ送った獣族モンスターのレベル分、自分のレベルを上げ下げ出来る! 私は墓地へ送った《キーマウス》のレベル分だけレベルを下げるよ!」
虚栄の大猿 レベル5→4
「魔法カード《死者蘇生》を発動! 墓地から《マイン・モール》を特殊召喚!」
続けてフレアの場にマイン・モールが現れる。
ATK:1000
「下級モンスターに死者蘇生……うちの相方もフレアも大胆な事するわねぇ」
意外そうにフレアの場を見ているエルマ。
自分の番が待ちきれないのか、腕を組み、軽く足踏みをしている。
「行くよ! レベル3《マイン・モール》に、レベル4《虚栄の大猿》をチューニング!」
虚栄の大猿が自身の姿を4つの光輪へと変え、マイン・モールを囲み、3つの光、そして光の柱へと変える。
「荒野を駆ける雷よ! 猛き烈風を切り裂き、地平の彼方に蹄を穿て! シンクロ召喚! 轟け! 《ボルテック・バイコーン》!」
光の柱から現れたのは、黒い二角獣、”ボルテック・バイコーン”。
場に降り立つと、前足を上げて嘶いた後、蹄を鳴らし、同時に雷鳴を轟かす。
ATK:2500
「ここで素材になった獣族シンクロモンスターの素材となったマイン・モールの効果により1枚ドロー! …! 速攻魔法《サイクロン》を発動! 魔法・罠カードを1枚破壊する! 私が破壊するのはあなたの装備魔法《魔導師の力》!」
トライスの場にいるベン・ケイが竜巻にのまれると、ベン・ケイはその場で持ちこたえたが、ベン・ケイを覆っていた怪しげなオーラが吹き飛ばされる。
ATK:4300→2300
「ベン・ケイの装備魔法を狙うか…!」
「さらに《首領・ザルーグ》を通常召喚!」
最後にフレアが繰り出したのは黒蠍盗掘団の首領、”首領・ザルーグ”。
ATK:1400
「うん? おお! 今度は私の力が必要ですかな?」
ザルーグは場に降り立つと、嬉しそうにフレアへと振り向く。
「ええ! よろしくねザルーグ! ……ところで、今どこら辺まで来てるの?」
「荒野の目の前ですな。 ここから徒歩では辛いので、適当な乗り物を探している最中です。 今しばらくお待ちを!」
「解ったわ、気をつけてね! …さてと、それじゃあバトル! ボルテック・バイコーンでベン・ケイを攻撃! 【ボルテック・ツインランス】!」
ボルテック・バイコーンがベン・ケイへ向かって突進すると、その二角で器用にベン・ケイの武器を叩き落とし、最後にベン・ケイを貫いて破壊する。
「くっ!」
トライス LP:4000→3800
「続けてザルーグ!」
「おう! 【ダブルリボルバー】!」
ザルーグが二丁拳銃を構え、トライスに向かって一発ずつ弾丸を放つ。
一発はトライスに、もう一発はトライスのデッキに命中し、カードを2枚弾き飛ばす。
「ぐぁ! な、何!?」
トライス LP:3800→2400
「ザルーグの効果発動! 相手に戦闘ダメージを与えた時、相手の手札を1枚、またはデッキの上から2枚カードを捨てさせる事が出来るよ!」
「うむ! よくぞ覚えていてくれましたな!」
「勿論よ! カードを伏せてターンエンド!」
LP:3300
手札:0
モンスター
・ボルテック・バイコーン
・首領・ザルーグ
魔法・罠
・セット
「へぇー! フレアやるじゃない! でも、簡単には乗り越えさせないわよ? アタシのターン!」
エルマ 手札:5→6
ここでプレイヤーが入れ替わり、エルマが前に出てくる。
第二の試練と同じパターンなら、エルマは違う役割を持ったデッキを使用してくるに違いない。
フレアの体に自然と力が入る。
「魔法カード《戦士の生還》を発動! 墓地の戦士族1体を手札に戻すわよ! 《重装武者-ベン・ケイ》を手札に!」
後ろにいるトライスの墓地からベン・ケイのカードが飛び出すと、エルマは前を向いたまま、真横に飛んできたカードを手に取る。
エルマ 手札:5→6
「そのまま召喚!」
再び場に現れたベン・ケイ。
満身創痍になりながらも戦場に立ち、先程不覚をとった相手であるボルテック・バイコーンを睨みつける。
ATK:500
「またベン・ケイ!?」
「そ、またベン・ケイ。 そして装備魔法《進化する人類》、《リボーンリボン》の2枚を装備! 進化する人類は相手のLPよりL自分のLPが低い時、元々の攻撃力が2400になるわ!」
ベン・ケイの体からオーラが発生した後、背中の武器の一つに青いリボンが結ばれる。
ATK:500→2400
「そして速攻魔法《旗鼓堂々》を発動! このターンの特殊召喚を封印する代わりに、墓地から装備魔法1枚を場のモンスターに装備させる事が出来るわ! アタシは《重装武者-ベン・ケイ》に墓地の《融合武器ムラサメブレード》を装備!」
ベン・ケイの手に再びムラサメブレードが握られる。
ベン・ケイはにやりと妖しく笑うと、刀をボルテック・バイコーンへと向けた。
ATK:2400→3200
「これでボルテック・バイコーンを上回り、4連続攻撃が可能となったわ! バトル! ベン・ケイでボルテック・バイコーンを攻撃!」
ベン・ケイがムラサメブレードでボルテック・バイコーンへと斬り掛かると、見事にボルテック・バイコーンを斬り伏せ、破壊する。
「きゃ!? …こ、ここでボルテック・バイコーンの効果発動! お互いにデッキからカードを7枚墓地に送る!」
フレア LP:3300→2600
「あら? いいわよそれくらい―――ん!?」
何でも無さそうな表情でデッキからカードを墓地に送っていたエルマが、フレアの場を見て急に驚いた表情をする。
突然、フレアの場に綿毛の様なモンスターが現れたのだ。
「今の効果で墓地に送られた《ダンディライオン》の効果発動! 墓地に送られた時、自分の場に綿毛トークン2体を守備表示で生成するよ!」
DEF:0
DEF:0
「むう……何かデジャブを感じるわね……まあいいわ。 続けて首領・ザルーグに攻撃!」
ベン・ケイが振り回す刀を避けようとするザルーグだったが、避け切れずに一撃を受けてしまう。
「きゃあ!? ザルーグ!?」
「こ、ここまでか……申し訳ないお嬢サンダー!」
フレア LP:2600→800
ザルーグは悔しそうに叫んで姿を消す。
「ここで進化する人類の効果。 相手よりLPが高い時、元々の攻撃力が1000になっちゃうんだけど、元々が500だし、相手は守備力0だから問題ないわね! 2体の綿毛トークンに攻撃!」
ATK:3200→1800
ベン・ケイは刀を振るい、綿毛トークンを全て蹴散らす。
またしてもフレアの首を取り損ねたベン・ケイは、歯痒そうにエルマの場に戻っていく。
一方、何とか攻撃を防ぎ切ったフレアは安堵により一息ついた。
「まさか、またベン・ケイが復活して来るなんて……」
「驚いた? アタシからフレアに課す試練は”再生”! 一度倒したからって油断しない事ね!」
トライスの”連撃”戦術は圧倒的な攻撃で相手を葬るが、それを防がれ、態勢を一度崩されると建て直しが厳しい。
だが、その欠点をエルマの”再生”戦術によってカバーする。
やはり第二の試練と同様、トライスとエルマのデッキはお互いの弱点を補い合う構成になっているようだ。
「それにしても、トークンは予想出来なかったわね。 やっぱりここまで勝ち抜いてきただけあって、運もいいわ。 カードを伏せてターンエンド!」
LP:2400
トライス 手札:0
エルマ 手札:1
モンスター
・重装武者-ベン・ケイ
魔法・罠
・進化する人類
・融合武器ムラサメブレード
・リボーンリボン
・セット
「私のターン! ドロー!」
フレア 手札:0→1
「罠カード《強欲な瓶》を発動! デッキから1枚ドロー!」
フレア 手札:1→2
「よし! 《サンライト・ユニコーン》を召喚!」
フレアの場に現れたのは”サンライト・ユニコーン”。
場に降り立ち、嘶いて蹄を鳴らす。
ATK:1800
「サンライト・ユニコーンの効果発動! デッキトップをめくり、それが装備魔法だった場合手札に加え、違った場合はデッキボトムへと送られる! 私がめくったカードは―――」
めくったカード
荒野の大竜巻
「(うーん……そう何度も上手くはいかないね……) めくったのは罠カード、よってデッキボトムに送るよ……バトル! サンライト・ユニコーンでベン・ケイを攻撃! 【グレース・ダッシュ】!」
「あら、相打ち狙い? いいわね! 反撃よベン・ケイ!」
サンライト・ユニコーンがベン・ケイに向かって突進すると、ベン・ケイも刀で迎え撃つ。
「残念だけど、勝つのはサンライト・ユニコーンよ! ダメージステップ時に墓地から罠カード《スキル・サクセサー》を発動! このカードを墓地から除外する事で、サンライト・ユニコーンの攻撃力をエンドフェイズ時まで800ポイントアップ!」
ATK:1800→2600
「え!? 何それ!? 何時の間に!?」
「ボルテック・バイコーンの効果で落ちたカードよ!」
サンライト・ユニコーンはベン・ケイの反撃をかわすと、その角でベン・ケイを貫き、破壊する。
「うう……でも、私もタダではやられてあげないわ! ベン・ケイに装備されていたリボーンリボンの効果発動! 装備モンスターが戦闘破壊されて墓地に送られた場合、その装備モンスターを墓地から特殊召喚する! 再生! 《重装武者-ベン・ケイ》!」
エルマ LP:2400→1600
ベン・ケイ、三度目の復活。
その姿は正しく”不屈の荒武者”と呼ぶに相応しいものだった。
ATK:500
「また…!? (でも、もう装備魔法は残っていない……大丈夫!) カードを伏せてターンエンド!」
LP:800
手札:0
モンスター
・サンライト・ユニコーン
魔法・罠
・セット
「俺のターン!」
トライス 手札:0→1
「エルマが伏せた永続罠《リビングデッドの呼び声》を発動! 墓地からモンスター1体を攻撃表示で特殊召喚する! 来い! 《トロイホース》!」
トライスの場に現れたのは大きな木馬。
トライスやエルマがベン・ケイ以外のモンスターカードをここまで使用していない事から、このカードは先程のザルーグかボルテック・バイコーンの効果によりデッキから墓地へ落ちたカードであろう。
ATK:1600
「トロイホースはアドバンス召喚を行う場合、1体で2体分のリリース素材となる……今度こそ、その首を貰う! 行くぞ! トロイホースをリリース! レベル8の《ギルフォード・ザ・レジェンド》をアドバンス召喚!」
トロイホースが光の中へと消えると、その光の中から大剣を手に持ち、マントと仮面を付けた逞しい戦士が現れる。
その戦士が持つ風格は、正に”伝説の戦士”と言えるものであった。
ATK:2600
「最上級モンスター!?」
「ギルフォード・ザ・レジェンドの効果発動! 召喚に成功した時、自分の墓地に存在する装備魔法を可能な限り自分の場に存在する戦士族モンスターに装備する事が出来る! 俺は墓地から4枚の装備魔法を《重装武者-ベン・ケイ》に装備させる!」
ベン・ケイに装備されたカード
進化する人類
融合武器ムラサメブレード
デーモンの斧
魔導師の力
ベン・ケイの腕に刀と斧が握られ、2種類のオーラがベン・ケイを覆う。
ベン・ケイはオーラに覆われると、これまでに見せた事が無いような高揚を見せた。
ATK:500→5300
「最上級モンスターに5連続攻撃のベン・ケイ…!?」
「これこそが俺達の”力”だ! 覚悟はいいな? バトル! ベン・ケイでサンライト・ユニコーンを攻撃!」
「させない! 罠カード《和睦の使者》! このターン、私のモンスターは戦闘破壊されず、ダメージも0になる!」
ベン・ケイがサンライト・ユニコーンに斬りかかろうとすると、サンライト・ユニコーンが光に包まれ、ベン・ケイの攻撃を弾き返す。
またしても攻撃を防がれたベン・ケイは怒りの咆哮を上げた後、トライスの場に戻る。
「おのれ…! これでターンエンドだ!」
LP:1600
トライス 手札:0
エルマ 手札:1
モンスター
・重装武者-ベン・ケイ
・ギルフォード・ザ・レジェンド
魔法・罠
・リビングデッドの呼び声
・進化する人類(ベン・ケイ)
・融合武器ムラサメブレード(ベン・ケイ)
・デーモンの斧(ベン・ケイ)
・魔導師の力(ベン・ケイ)
「私のターン! ドロー!」
フレア 手札:0→1
「! (このカード……でも足りない。 後もう一つ……)」
フレアは自分の場にいるサンライト・ユニコーンに眼を向ける。
「(お願いサンライト・ユニコーン……”道”を繋いで!) サンライト・ユニコーンの効果発動!」
フレアはデッキトップをめくる。
勝利出来るか出来ないかを賭けた、一か八かの大勝負。
フレアがめくったカードは―――
「……めくったカードは装備魔法《ビッグバン・シュート》! よって手札に加える!」
フレア 手札:1→2
「少量の攻撃力と貫通能力を付与する装備魔法……そんな物では強化されたベン・ケイどころか、ギルフォード・ザ・レジェンドですら倒せんぞ!」
「ううん! これが逆転の切り札よ! チューナーモンスター《柴戦士タロ》を召喚!」
フレアの場にタロが現れるが、目の前の凄まじい威圧感を放つ戦士2体に怯えてしまっている。
ATK:800
「そして《ビッグバン・シュート》を《重装武者-ベン・ケイ》に装備! 攻撃力を400ポイントアップ!」
ATK:5300→5700
「え? 何でベン・ケイに装備させてんの…?」
「(奴の狙いは……!?)」
エルマは不思議そうな顔をしているが、トライスはフレアの狙いに気付いた様子。
「レベル4《サンライト・ユニコーン》に、レベル2《柴戦士タロ》をチューニング!」
タロが自身の姿を2つの光輪へと変え、サンライト・ユニコーンを囲み、4つの光、そして光の柱へと変える。
「火を司りし獣の鍛冶師よ! 未来を切り開く神剣を鍛えよ! シンクロ召喚! 来て! 《獣神ヴァルカン》!」
光の柱から現れたのは”獣神ヴァルカン”。
場に降り立つと、ハンマーを振り回しながら、雄叫びを上げる。
ATK:2000
「獣神ヴァルカンの効果発動! シンクロ召喚に成功した時、お互いの場に存在する表側表示のカードを1枚ずつ手札に戻す! 私の場からは《ビッグバン・シュート》! 相手の場からは《ギルフォード・ザ・レジェンド》を手札へ! 〈バウンス・イラプション〉!」
「何だと!?」
獣神ヴァルカンがハンマーを地面に打ち付けると、それぞれの場から火柱が上がり、フレアのビッグバン・シュートとトライスのギルフォード・ザ・レジェンドは火柱によって打ち上げられ、手札に戻されてしまう。
それと同時に、ベン・ケイが突然現れた次元の間に吸い込まれ、姿を消す。
「嘘!? どうしてベン・ケイが……」
「装備されたビッグバン・シュートが場から離れた時、装備モンスターはゲームから除外される…! ベン・ケイとギルフォード・ザ・レジェンドを同時に退けるとは…!」
トライスの場に溢れていたカードが一瞬で消滅し、残ったカードは使い終わった永続罠”リビングデッドの呼び声”のみ。
トライスを守るカードは無くなった。
「これで止め! 獣神ヴァルカンで直接攻撃! 【獣神魂鉄槌】!」
獣神ヴァルカンが跳び上がると、手に持ったハンマーに全力を込め、トライスに向かって殴りかかる。
「ぐあぁぁぁ!!!」
トライス LP:1600→0
ソリッドビジョンが消え、決闘終了のアラームが鳴り響いた。
それと同時に、第三の扉が音を立てて開き始める。
第三の試練―――凄まじい連撃をかわし、隙を突いたフレアが勝利を勝ち取る。
「俺達の負けだ。 お前ならば、エアトスを助ける事が出来るだろう」
「ちょっとちょっと! まだ1つ残ってるのよ? 気が早いわね……でも、私そう思うわ! 次の試練も頑張ってね!」
「はい! 楽しい決闘をありがとうございました!」
フレアは二人に頭を下げると、扉を潜って先へと進む。
いよいよ最後の試練。
この先には何が待ち受けているのか。
フレアは気を引き締めながら、最後の扉へと向かった。
第三の試練、終了です。
エルマが使っていた決闘盤は、GXでヨハンに取り憑いていたユベルの決闘盤と同じ様な形をしていると思ってください。