次回から10月からのレギュレーションとなります。
「先攻は俺だ! ドロー!」
セント 手札:5→6
始まるバトルロイヤルルールでの決闘。先攻はセントから。
「魔法カード《トレード・イン》! 手札からレベル8モンスター1体を捨て、2枚ドロー!」
セント 手札:5→4→6
捨てたカード
A・O・J サンダー・アーマー
「永続魔法《デーモンの宣告》、そして魔法カード《カード・アドバンス》を発動! デッキトップ5枚を確認して好きな順番に置き、このターン、俺は通常召喚の他に1度だけアドバンス召喚ができる!」
セントはデッキトップを確認し、順番を入れ替えてセットする。
「永続魔法《デーモンの宣告》の効果発動! LPを500払い、カード名を宣言。そしてデッキトップをめくり、それが宣言したカードだった場合、手札に加え、違った場合は墓地へ送る! 俺が宣言するのは《A・マインド》!」
セント LP:4000→3500
セントはデッキトップからカードを引き抜くと、それを確認もせずにロックに見せつける。
めくったカード
A・マインド
セント 手札:4→5
「《レベル・スティーラー》を召喚し、リリース! チューナーモンスター《A・マインド》をアドバンス召喚!」
セントの場にレベル・スティーラーが現れると同時に光の中へと消えると、その光の中から不気味な気を放つ球体の機械が現れる。
ATK:1800 レベル5
「墓地の《レベル・スティーラー》の効果発動! 場のレベル5《A・マインド》のレベルを1つ下げ、特殊召喚!」
A・マインドをすり抜け、レベル・スティーラーが場に飛び出す。
A・マインド レベル5→4
ATK:600 レベル1
「レベル1《レベル・スティーラー》に、レベル4となった《A・マインド》をチューニング!」
A・マインドが自身を4つの光輪へと変えると、レベル・スティーラーを囲み、1つの光、そして光の柱へと変える。
「A・マインド コントロール! リミッター解放レベル5! IDシステム、セットアップ! シンクロレート120%! オールクリア―! ……GO、シンクロ召喚!」
光の柱から現れたのは、コアデストロイに似た四脚の白いロボット。コアデストロイよりも一回り大きく、頭部にはA・マインドが埋め込まれていた。
「正義の名の下に、現れよ! 《A・O・J カタストル》!」
ATK:2200 レベル5
「カードを2枚伏せ、ターンエンド!」
LP:3500
手札:1
モンスター
・ A・O・J カタストル
魔法・罠
・デーモンの宣告
・セット
・セット
「さあ次はテメェのターンだ! かかってこい!」
「バ、バトルロイヤルルールじゃ一巡目は皆攻撃できないよセント……」
「るせー! そんな事は解ってんだよ!」
意気込みを挫かれたセントがジョニーを怒鳴る中、ロックは表情を崩さずにデッキトップへと指を掛ける。
「俺のターン!」
ロック 手札:5→6
「魔法カード《融合》を発動! 手札の《リボルバー・ドラゴン》と《ヴォルカニック・バレット》を融合!」
ロックの場にリボルバー・ドラゴンとヴォルカニック・バレットが現れると、場の中心に現れた空間の渦に飲まれ、融け合い混ざり合う。
「荒野に轟く号砲よ! 炎を纏いし弾丸よ! 地獄の業火でその身を融かし、戦場に轟く咆哮を上げよ! 融合召喚!」
渦の中から現れたのは、号砲と咆哮を同時に上げる鋼鉄の獣――――
「現れ出でよ! 《起爆獣ヴァルカノン》!」
ATK:2300 レベル6
「さ、さっきと同じ素材なのに、違うモンスターが!?」
「融合召喚!? チッ!」
ヴァルカノンの登場に驚くジョニーと身構えるセント。
「おっほ! 融合召喚とはたまげたね! こんなん歴史本でしか見たことねーや」
「こらバーナード! 関心してんじゃねぇぞ!」
「そんな事言ったって融合召喚だぜ? こりゃジョニーも負けるわけだ! 融合召喚との戦い方なんて俺でも知らんわ」
さっきまでの怒りはどこへやら。バーナードは目を輝かせながらヴァルカノンを見上げる。
「ヴァルカノンの効果発動! 融合召喚に成功した時、相手のモンスター1体とこのカードを破壊して墓地へ送り、相手の対象モンスターの攻撃力分のダメージを相手に与える! 〈融爆〉!」
ヴァルカノンの機体が真っ赤になるまで熱せられると、カタストルに向かって突撃し、共に爆散する。
「うおぉぉぉ!? ぐあ!?」
セント LP:3500→1300
爆風に巻き込まれたセントは吹き飛ばされ、ゴミ山の中へと叩き込まれる。
「セ、セント!?」
ジョニーは慌てて駆け寄り、セントをゴミ山の中から助け起こす。その様子をバーナードは愉快そうに眺めていた。
「ハッハッハ! かかってこいなんて言うからホントにかかってきたな!」
「うるせぇ! くそっ、見てろよ……!」
セントは体についた砂埃を払い、再び身構える。
「墓地のバレットの効果発動! LPを500払い、デッキからバレット1体を手札に加える」
ロック LP:4000→3500 手札:3→4
「モンスターをセット。カードを2枚伏せ、ターンエンド!」
LP:4000
手札:1
モンスター
・セット
魔法・罠
・セット
・セット
「さぁーて、行きますか! 俺のターン!」
バーナード 手札:5→6
この瞬間、セントが罠カードを発動させる。
「罠カード《リバイバル・ギフト》! 自分の墓地のチューナー1体の効果を無効にして特殊召喚し、相手の場に《ギフト・デモン・トークン》2体を特殊召喚する! 《A・マインド》を特殊召喚!」
セントの場に再びA・マインドが現れる。
ATK:1800 レベル5
「そしてバーナードの場にトークン2体特殊召喚だ!」
バーナードの場には成長途中の手足が生えたオタマジャクシの様な悪魔が2体現れる。
ATK:1500 レベル3
ATK:1500 レベル3
「おお、いい贈り物だぜ! サンキューセント!」
「礼はいいから絶対に”アレ”を呼べ! ”アレ”ならこいつの融合モンスターにも刺さるはずだ!」
「オーケーリーダー! ……しかし、アレ呼ばわりは止めてくれよ。アイツは俺の最高のフェイバリット、最愛のステディだ。流石にお前でも――――」
「やかましい! とっととやれ!」
バーナードは騒ぐセントに向かって唇を尖らせた後、手に取ったカードを決闘盤に置く。
「へいへい、まったくせっかちなんだからうちのリーダーは……チューナーモンスター《トルクチューン・ギア》を召喚!」
場にカラフルに色分けされたギアを取り付けたエンジンが現れる。
ATK:0 レベル1
「永続罠《ブレイズ・キャノン・マガジン》を発動! このカードは《ブレイズ・キャノン-トライデント》として扱い、自分か相手のメインフェイズ時、手札の”ヴォルカニック”カード1枚を墓地へ送り、デッキから1枚ドローする!」
ロック 手札:1→0→1
墓地に送ったカード
ヴォルカニック・バレット
「手札交換か。だがそんなのも吹っ飛ばす俺のエースを見せてやる! レベル3《ギフト・デモン・トークン》2体に、レベル1《トルクチューン・ギア》をチューニング!」
トルクチューン・ギアが自身を光輪へと変えると、トークン2体を囲み、6つの光、そして光の柱へと変える。
「その美しくも雄々しき翼翻し、光の速さで敵を討て! ……シンクロ召喚!」
光の柱から現れたのは、6枚の翡翠の翼を広げて舞い上がるドラゴン。上空をぐるりと旋回してからバーナードの頭上に静止し、陽光を受けて輝く美しい翼を広げながら、雄々しき咆哮を上げる。
「現れろ! 《クリアウィング・シンクロ・ドラゴン》!」
ATK:2500 レベル7
「やった! バーナードのエースモンスターだ!」
「どーよジョニー! 俺のハニーは今日も決まってるぜ! なあクリアウィングよ……」
バーナードは頭上のクリアウィング・シンクロ・ドラゴンを見上げ、愛おしそうに目を細める。
「ああ、やっぱりお前が一番だ……どんなモンスターにも、どんな女の子にも無い魅力が、お前にはある……」
「気が済んだか? 済んだのなら早くターンを終わらせろ」
酔いしれているバーナードの背に、ロックの感情の無い声が掛けられる。
バーナードは再びロックに向き直ると、不満げな表情を浮かべた。
「何だよ~……余裕無さ過ぎだろ……俺のクリアウィングを見て、何かないのかよ?」
「……ドラゴン一匹で、俺をどうにか出来るとでも思っているのか?」
「そうじゃなくてさ~……まあいっか。カードを2枚伏せてターンエンド!」
LP:4000
手札:3
モンスター
・クリアウィング・シンクロ・ドラゴン
魔法・罠
・セット
・セット
「俺のターン!」
セント 手札:1→2
「デーモンの宣告の効果発動! 宣言するのは《手札抹殺》!」
めくったカード
手札抹殺
セント 手札:2→3 LP:1300→800
「魔法カード《手札抹殺》! お互いのプレイヤーは手札を全て捨て、捨てた枚数分ドローする!」
セントとロックは手札を全て捨て、それぞれの枚数分ドローする。
セント 手札:2→0→2
ロック 手札:1→0→1
「俺は手札の《トルクチューン・ギア》2体と《モンスターゲート》を墓地へ送ろう」
バーナード 手札:3→0→3
「おい、随分偏ってんじゃねーか! 俺のサポートなかったらどうするつもりだったんだ?」
「ナハハ、ぶっちゃけ事故ってました! でも結果的にはよかったろ? お互いに」
「……まあな。おいマント野郎!」
セントはロックへ指を突きつける。
「さっきはよくもやりやがったな! 目に物見せてやる! 《A・O・J アンノウン・クラッシャー》を召喚!」
セントの場にマンモス型のロボットが現れる。
ATK:1200 レベル3
「《ブレイズ・キャノン・マガジン》の効果発動! ヴォルカニックを1枚墓地へ送り、ドロー!」
ロック 手札:1→0→1
墓地に送ったカード
ヴォルカニック・ハンマー
「レベル3《A・O・J アンノウン・クラッシャー》に、レベル5《A・マインド》をチューニング!」
A・マインドが自身を5つの光輪へと変えると、 アンノウン・クラッシャーを囲み、3つの光、そして光の柱へと変える。
「A・マインド コントロール! リミッター解放レベル8! ISシステム、セットアップ! シンクロレート120%! オールクリア―! ……GO、シンクロ召喚!」
光の柱から現れたのは、機体に無数のサーチライトと胸部にA・マインドを搭載した巨大ロボット。機体を宙に浮かせてセントの頭上に移動すると、サーチライトの光を一斉にロックへと向ける。
「正義の名の下に、現れよ! 《A・O・J ライト・ゲイザー》!」
ATK:2400 レベル8
「ライト・ゲイザーのモンスター効果! 相手の墓地の光属性1体につき、攻撃力を200アップする! バーナードの墓地には光属性の《トルクチューン・ギア》が3体、よって攻撃力を600アップする!」
ライト・ゲイザーはしばらくロックへサーチライトを集中させていたが、何もないと解ると今度はバーナードへとライトを向ける。
「うおっまぶし!?」
ATK:2400→3000
「罠カード《メテオ・レイン》! このターン、俺のモンスターに貫通能力を与える!」
罠の効果を与えられたライト・ゲイザーは目を光らせると、サーチライトをロックのセットモンスターに集中させる。
「バトルだ! ライト・ゲイザーでセットモンスターを攻撃! 【サーチ&デストロイ】!」
ライト・ゲイザーはセットモンスターに向けられていた両腕のサーチライトを変形させ、そこからビームを放つ。
「罠カード《ガード・ブロック》! 戦闘ダメージを0にし、カードを1枚ドローする!」
ロック 手札:1→2
ビームがセットモンスターを貫くと、そこから炎を纏った猿が現れ、叫び声をあげて消滅する。
「戦闘破壊されたセットモンスター《フレムベル・パウン》の効果により、デッキから守備力200のモンスターを手札に加える。俺は同じ《フレムベル・パウン》を手札に」
ロック 手札:2→3
「くそっ! ダメージを与えられねぇのかよ! カードを伏せてターンエンド!」
LP:800
手札:0
モンスター
・ A・O・J ライト・ゲイザー
魔法・罠
・デーモンの宣告
・セット
「俺のターン!」
ロック 手札:3→4
「墓地にある《置換融合》の効果発動! このカードを除外する事で墓地の融合モンスター1体をエクストラデッキに戻し、デッキから1枚ドローする!」
デッキに戻ったカード
起爆獣ヴァルカノン
ロック 手札:4→5
「魔法カード《融合回収》! 墓地の《融合》と融合に使用した素材1体を手札に加える。《リボルバー・ドラゴン》を手札に戻す」
ロック 手札:4→6
「ああ!? また融合を!?」
「心配すんなってジョニー。その為に俺とクリアウィングがいるんだろう?」
不安げな表情なジョニーに、バーナードが安心させるようにVサインを送る。
「墓地のバレットの効果でデッキから最後のバレットを手札に加える」
ロック LP:3500→3000 手札:6→7
「魔法カード《融合》! 手札の《リボルバー・ドラゴン》と《ヴォルカニック・バレット》を融合!」
ロックの場にリボルバー・ドラゴンとヴォルカニック・バレットが現れると、場の中心に現れた空間の渦に飲まれ、融け合い混ざり合う。
「荒野に轟く号砲よ! 炎を纏いし弾丸よ! 地獄の業火でその身を融かし、不死鳥となりて燃え上がり、飛翔せよ! 融合召喚!」
渦の中から現れたのは、場を制圧する兵器の不死鳥――――
「現れ出でよ! 《重爆撃禽 ボム・フェネクス》!」
ATK:2800 レベル8
「モンスターをセット、カードを伏せ、ボム・フェネクスの効果発動! 場のカード1枚につき300ポイントのダメージを相手に与える! ……覚悟はいいか?」
ロックはセントに対して感情無く問いかける。
バトルロイヤルルールにおいてボム・フェネクスの効果は全ての場を参照する為、効果ダメージは全ての相手プレイヤーへと与えられる。場のカードはロックが4枚、セントが3枚、バーナードが3枚、合計10枚となり、ロック以外のプレイヤーは3000ポイントのダメージを受ける。バーナードは堪えられるが、残りLP800のセントはこれを受ければ敗北となるのだ。
「……〈不死魔鳥大空襲〉!」
ボム・フェネクスが3人の上空へと舞い上がると、それを瞬時に追い越し、頭上を取ったモンスターがいた。
「……何だ?」
「クリアウィング・シンクロ・ドラゴンの効果発動! 1ターンに1度、こいつ以外の場のレベル5以上のモンスター効果が発動した時、それを無効にして破壊する! 〈ダイクロイックミラー〉!」
クリアウィングが翼に回路の様な模様を浮かび上がらせ、そこから波動を放つ。それを受けたボム・フェネクスは光の粒子へと変わり、クリアウィングに吸収されてしまった。
「さらにこいつの効果でモンスターを破壊した場合、こいつの攻撃力をターン終了時まで破壊したモンスターの元々の攻撃力分アップする!」
ATK:2500→5300
「へへっ、どぉーだぁー! 思わぬカウンターに驚いたろ? 次やるときの為に覚えておけよな!」
バーナードが小躍りしながらロックに笑い掛けるが、ロックの表情は変わらず不愛想な真顔であった。
「《ブレイズ・キャノン・マガジン》の効果発動! 手札のヴォルカニック1枚を墓地へ送り、デッキからドローする!」
ロック 手札:2→1→2
墓地へ送ったカード
ヴォルカニック・カウンター
「おいおいおいおい!? 無視するなよ! びっくりしたろ?」
「……お前達の会話やそのドラゴンに対するお前の自信からして、何かあるとは解っていた。そして、俺の融合モンスターが破壊された……大した問題ではない。それだけだ」
「んな!?」
ロックは手札からカードを1枚抜き取る。
「《
ロックの場に亀裂が入り、そこから凄まじい火炎が噴き出すと、火炎の中からヴォルカニック・デビルが姿を現し、セントに向かって咆哮を上げる。
ATK:3000 レベル8
「くそっ! 融合モンスター以外にもエース級がいやがったのか!」
「カードを伏せ、ターンエンド!」
LP:3000
手札:0
モンスター
・ヴォルカニック・デビル
・セット
魔法・罠
・セット
・セット
クリアウィング・シンクロ・ドラゴン ATK:5300→2500
「よし! 俺のターン!」
バーナード 手札:3→4
「さーてどう攻めるか……ん? おおお?」
バーナードがふと上を見上げると、クリアウィングが息を荒げ、ヴォルカニック・デビルに対して敵意を剥き出しにしている事に気付く。
「どうしたクリアウィング? そんなに興奮して?」
「ヴォルカニック・デビルの効果だ。相手がバトルを行う場合、攻撃表示の相手モンスターはこのカードに攻撃しなければならない」
「へぇー……そいつモテるんだな。女の子限定、とかだったら羨ましい限りだ」
ハハハと笑うバーナード。しかし、笑っているのは本人だけであった。
「笑ってないでどうにかしろ! あのモンスターにも何かある! 今のうちに潰せ!」
「分かってるって。行くぜ! 永続魔法《補給部隊》発動! そして永続罠《リミット・リバース》! 墓地の攻撃力1000以下のモンスター1体を攻撃表示で特殊召喚だ! 攻撃力0の《トルクチューン・ギア》を復活! そしてリリース!」
バーナードの場に戻ったトルクチューン・ギアが光の中へと消え、その光の中から水晶の装甲に覆われた巨大な戦艦が現れる。
「《巨大戦艦 クリスタル・コア》をアドバンス召喚!」
ATK:2100 レベル5
「クリスタル・コアの効果発動! こいつにカウンターを3つ置く……のをクリアウィングで無効にして破壊する! 〈ダイクロイックミラー〉!」
「何!?」
クリアウィングが翼から波動を放ち、クリスタル・コアを光の粒子へと変えて吸収する。
ATK:2500→4600
「……成程、そんな使い方も出来るのか」
「攻めるも守るも自由自在! これがクリアウィングのパワーだぜ! ここで《補給部隊》の効果発動! 1ターンに1度、自分のモンスターが戦闘・効果で破壊された場合、1枚ドローする!」
バーナード 手札:2→3
「バトル! クリアウィングでヴォルカニック・デビルを攻撃! 【旋風のヘルダイブスラッシャー】!」
クリアウィングが旋風を纏って突撃し、ヴォルカニック・デビルを吹き飛ばして破壊する。
「ぐっ……!」
フリント LP:3000→1400
「ヒュー! 決まったぜ!」
「墓地の《ヴォルカニック・カウンター》の効果発動! 戦闘ダメージを受けた時、このカードを除外し、墓地にヴォルカニック・カウンター以外の炎属性が存在する場合、相手に同じ数値のダメージを与える!」
ロックは吹き付ける風に逆らいながら決闘盤を銃へ変形させると、バーナードに向かって炎の弾丸を放つ。弾丸は見事にバーナードの眉間に命中し、バーナードは悲鳴を上げながらその場にひっくり返る。
「ギャー!? ……ち、ちくしょう……恰好良く決まったと思ったのに、カウンターパンチを貰っちまうとは……」
バーナード LP:4000→2400
バーナードはよろよろと立ち上がると、手札からカードを1枚取り出し、決闘盤にセットする。
「カードを伏せてターンエンド! ばっちり決めてくれよセント!」
LP:2400
手札:2
モンスター
・クリアウィング・シンクロ・ドラゴン
魔法・罠
・セット
・リミット・リバース
・補給部隊
・セット
「任せろ! 永続罠《神の恵み》! 俺がドローする度にLPを500回復する! 俺のターン!」
セント 手札:0→1 LP:800→1300
「融合なんて古臭いカードを使う奴に、シンクロ召喚のパワーを見せてやるぜ! 魔法カード《終わりの始まり》を発動! 墓地に闇属性が7体以上存在する場合、5体を除外し、デッキから3枚ドローする!」
セントの墓地の闇属性
A・マインド
レベル・スティーラー
A・O・J カタストル
A・O・J サンダー・アーマー
A・O・J アンノウン・クラッシャー
A・O・J クラウソラス
A・O・J リーサル・ウェポン
「5体のA・O・Jを除外し、3枚ドロー!」
セント 手札:0→3 LP:1300→1800
「お、シンクロ行くのか! ならさっきの借りを返すぜ! 罠カード《ギブ&テイク》! 俺の墓地のモンスター1体を相手の場に守備表示で特殊召喚し、そのモンスターのレベル分だけ俺の場のモンスター1体のレベルを上げる! 俺の墓地からレベル1チューナーモンスター《トルクチューン・ギア》をセントの場に特殊召喚!」
セントの場にトルクチューン・ギアが現れると、それと同時にクリアウィングの体が光で包まれる。
「クリアウィングのレベルを1つ上げる!」
レベル7→8
「上出来だバーナード! これなら……《強化支援メカ・ヘビーウェポン》を召喚!」
セントの場に二門の砲身を装備した飛行メカが現れる。
ATK:500 レベル3
「魔法カード《機械複製術》を発動! 自分の場の攻撃力500以下の機械族1体を選択し、それと同名のモンスターをデッキから2体まで特殊召喚できる! 俺は残る2体の《強化支援メカ・ヘビーウェポン》を特殊召喚!」
さらに2体のヘビーウェポンがセントの場に現れ、3体が並ぶ。
ATK:500 レベル3
ATK:500 レベル3
「トルクチューン・ギアはチューナーであり、ユニオンモンスターでもある! ヘビーウェポンの1体に装備だ!」
トルクチューン・ギアがヘビーウェポンの1体に装着されると、ギアが高速回転を始め、ヘビーウェポンが上空へと飛び上がる。
「トルクチューン・ギアを装備したモンスターはチューナーとなる! 行くぜ! レベル3《強化支援メカ・ヘビーウェポン》2体に、レベル3チューナーとなった《強化支援メカ・ヘビーウェポン》をチューニング!」
飛び上がったヘビーウェポンが自身を3つの光輪へと変えると、2体のヘビーウェポンを囲み、6つの光、そして光の柱へと変える。
「A・マインド コントロール! リミッター解放レベル9! シンクロレート120%! オールクリア―! ……戦場にそびえる眩き塔よ。光を見下し、地上にうごめく蛆虫共を殲滅せよ! GO、シンクロ召喚!」
光の柱から現れたのは、ライト・ゲイザーよりも巨大な人型ロボット。全身に取り付けられたサーチライトで己を照らし出し、A・マインドが埋め込まれた頭部でロックを見下ろす。
「正義の名の下に、現れろ! 《A・O・J フィールド・マーシャル》!」
ATK:2900 レベル9
「バトルだ! フィールド・マーシャルでセットモンスターを攻撃!」
フィールド・マーシャルが目から光線を放ち、セットされていたパウンを焼き尽くす。
「フレムベル・パウンの効果により、デッキから守備力200の《ツインバレル・ドラゴン》を手札に加える」
ロック 手札:0→1
「フィールド・マーシャルの効果発動! セットモンスターを戦闘破壊し墓地へ送った時、デッキから1枚ドローする!」
セント 手札:1→2 LP:1800→2300
「これでトドメだ! ライト・ゲイザーで直接攻撃!」
「罠カード《異次元の邂逅》を発動! 互いにモンスターが1体以上除外されている場合、それぞれ除外されているモンスター1体を裏側守備表示で特殊召喚する! 俺は《ヴォルカニック・カウンター》をセット!」
「何ぃ? ……俺は《A・O・J カタストル》をセット! そしてライト・ゲイザーでセットされたヴォルカニック・カウンターを攻撃!」
ライト・ゲイザーが強烈な光を放ち、ヴォルカニック・カウンターを消し去る。
「へっ、攻撃を防いだついでに、カウンターを墓地に戻しやがったか。だがカウンターを狙える余裕がお前にあるかな? 魔法カード《黙する死者》を発動! 墓地から通常モンスター1体を守備表示で特殊召喚する! 《A・マインド》を特殊召喚し、そのレベルを下げて《レベル・スティーラー》も特殊召喚だ!」
セントの場に再びレベル4となったA・マインドとレベル1のレベル・スティーラーが現れ、シンクロ召喚を行う。
「シンクロ召喚! 2体目の《A・O・J カタストル》!」
ATK:2200 レベル5
「カードを伏せてターンエンド!」
LP:2300
手札:0
モンスター
・A・O・J ライト・ゲイザー
・A・O・J フィールド・マーシャル
・セット(A・O・J カタストル)
・A・O・J カタストル
魔法・罠
・デーモンの宣告
・神の恵み
・セット
「俺のターン!」
ロック 手札:1→2
「おいおい、あそこはバッチリ決めるとこじゃないかセントくん?」
「うるせ! やれるだけやってやる! 罠カード《マインドクラッシュ》! カード名を宣言し、それを相手が持っていたらすべて墓地へ捨てさせるぞ! さっきサーチした《ツインバレル・ドラゴン》を捨てろ!」
ロックはその宣言に従い、ツインバレル・ドラゴンを墓地へと送る。
ロック 手札:2→1
「これで完全に形勢逆転だ。今なら謝れば許してやらんこともないぞ? どうする追剥野郎?」
セントの場には4体の上級A・O・J。バーナードにはモンスター効果を封じるクリアウィング。二人を相手に優勢を保っていたロックだが、ここにきて厳しい展開を迎える。だがロックの表情は変わらない。むしろその目は勝機を見据える鋭い光が宿っていた。
「許しを乞う必要は無い。俺も、お前もな」
「はあ? なんで俺が――――」
「許しを乞われても、お前が負ければ俺は容赦無く奪い取る。俺が勝者だ。……《炎帝近衛兵》を召喚!」
ロックの場に炎帝近衛兵が現れる。
ATK:1700 レベル4
「このカードの召喚に成功した時、墓地の炎族4体をデッキに戻すことでデッキから2枚ドローする」
戻したカード
・ヴォルカニック・バレット
・ヴォルカニック・バレット
・フレムベル・パウン
・フレムベル・パウン
ロック 手札:0→2
「魔法カード《死者蘇生》! 墓地から《ヴォルカニック・デビル》を特殊召喚!」
ロックの場を砕き、地面の底からヴォルカニック・デビルが姿を現す。
ATK:3000 レベル8
「チッ、ツキがありやがるな! だが今更エースを復活させたところで、こっちにはこれだけの戦力が整ってんだ!」
「そのとーり! 俺のクリアウィングちゃんもいるからへっちゃらぷーって奴だ! さあどうするよ?」
「ならばいなければいい話だ。バトル! ヴォルカニック・デビルでクリアウィング・シンクロ・ドラゴンを攻撃! 【ヴォルカニック・キャノン】!」
ヴォルカニック・デビルが火炎弾をクリアウィングに向かって放ち、宙に浮かぶクリアウィングを火達磨に変えて撃墜する。
「ク、クリアウィングゥーーーー!??」
バーナード LP:2400→1900 手札:2→3(補給部隊の効果により)
「足掻くのはよしな! これで攻撃は終わった! 後は俺の軍勢で押しつぶしてやる!」
最愛のフェイバリットを破壊されて驚嘆するバーナードを横に、セントは勝利を確信した表情で叫ぶ。しかし、ロックの鋭い眼光はセントよりも先に勝利を見据えていた。
「ヴォルカニック・デビルの効果発動! 戦闘によって相手モンスターを破壊し墓地へ送った時、相手モンスター全てを破壊し、1体に付き500ポイントのダメージを与える! 〈ヴォルカニック・チェーン〉!」
ヴォルカニック・デビルが咆哮を上げると、セントの場から大量の火柱が一斉に上がり、A・O・Jの兵器達をセントごと焼き尽くす。
「ぐわぁぁぁーーーー!?」
セント LP:2300→300
「セ、セントォ!?」
「トドメだ! 炎帝近衛兵で直接攻撃!」
驚いて駆け寄ろうとするバーナードを遮るかのように炎帝近衛兵が飛び出すと、その長い尾でセントをフィールド外へと弾き出す。
「ぐはぁ!? ……ち、ちくしょう……強ぇ……!」
セント LP:300→0
「セ、セント!? 大丈夫かい!?」
ジョニーがセントに駆け寄り助け起こす。
「ああ……すまねぇ、お前への侮辱を晴らすことが出来なかった……バーナード! 後は頼むぞ!」
セントが無事なのが分かると、バーナードは胸を撫で下ろしてロックへと向き合う。
「後はお前だ。降参して物を置いていくならば見逃してやる」
「へ、へへ……二人掛かりだったのに、セントがやられちまって、俺も追い詰められている……すげぇやお前! お前みたいな決闘者、シティでも見たことがない!」
恐怖なのか、歓喜なのか、バーナードはわなわなと体を震わすと、拳を握りしめて振り上げる。その様子にロックは調子を狂わされ、小首をかしげてため息をつく。
「当たり前だ。俺はシティの決闘者ではない。カードを伏せてターンエンド」
LP:1400
手札:0
モンスター
・炎帝近衛兵
・ヴォルカニック・デビル
魔法・罠
・セット
・セット
「なあ、お前、何て名前だ?」
「……可笑しな奴だ。名前など、今の状況に関係あるか?」
「そもそもこんな熱い決闘をしてる相手の名前を知らないっていう状況が可笑しいんだ! 俺はバーナード! “バーナード・ブレン”! お前は?」
「……ロック、“ロック”だ。これで満足か? 早くターンを進めろ」
「ロック?」
忌々し気に答えるロック。バーナードはきょとんとした表情を浮かべた後、何かを感じるかのように目を閉じ、腕を広げて反り返る。
「ロック、ロック……うーん痺れるねぇ! イカした名前だ! ロックンロール!」
「……いきなりなんだ?」
「いいじゃねぇか、良い名前だよ。俺なんか犬とか言われる時あるぜ? あそこの奴といると余計に」
「指さすな。俺にだって良い迷惑だ」
指差すバーナードを睨み付けるセント。それを気にせずバーナードはデッキトップに指を掛ける。
「ロック! ここからは一対一だ! こんな楽しい決闘、そう簡単には終わらせてやらないからな! 俺のターン!」
バーナード 手札:3→4
「魔法カード《強欲なウツボ》を発動! 手札の水属性2体をデッキに戻してシャッフル! その後に3枚ドローする!」
戻したカード
水晶機巧-サルファフナー
水晶機巧-リオン
バーナード 手札:3→1→4
「来たぜ……俺のデッキの本領発揮だ! 《
バーナードの場に紫色に輝く水晶で身を包んだ飛竜型のロボットが現れる。
ATK:1500 レベル3
「シストバーンの効果発動! 自分の場の表側カード1枚を破壊し、デッキから“クリストロン”チューナー1体を特殊召喚する! 俺は使い終わった《リミット・リバース》を破壊し、デッキからチューナーモンスター《水晶機巧-シトリィ》を特殊召喚!」
プラシレータが水晶から光を放つと、場にあったリミット・リバースのソリッド・ビジョンが砕け散り、場に新たな“クリストロン”が姿を現す。
現れたのは少女の姿をしたロボット。頭からは黄色の水晶がツインテールの髪型の様に伸びている。
ATK:500 レベル2
「続いてフィールド魔法《クリスタル
バーナードがフィールド魔法を発動させると、場に陽光が差し込み、“クリストロン”達をキラキラと輝かせる。
「行くぜ! レベル3《水晶機巧-シストバーン》に、レベル2《水晶機巧-シトリィ》をチューニング!」
シトリィが自身を2つの光輪へと変えると、シストバーンを囲み、3つの光、そして光の柱へと変える。
「真実の愛、豊かなる幸運、集いし二つの結晶が、眩き光で彼方を照らす! シンクロ召喚!」
光の柱から現れたのは、紫と黄の水晶を纏った竜人の女性型ロボット。紫水晶と黄水晶の翼を広げ、鋭く研磨された紫水晶を取り付けた尾をロックに向けながら空中に浮かぶ。
「美しき魅惑の水晶! 《水晶機巧-アメトリクス》!」
ATK:2500 レベル5
「新しいシンクロモンスターか……」
「ここからが本番さ! アメトリクスの効果発動! シンクロ召喚に成功した場合、相手の特殊召喚された表側モンスター全てを守備表示に変える! そうら女王様に跪け! 〈スタン・チャーム〉!」
アメトリクスが妖しくも美しい光を放つと、ヴォルカニック・デビルが跪き、蹲って動かなくなる。
ATK:3000→DEF:1800
「バトルだ! フィールド魔法《クリスタルP》は“クリストロン”の攻守を300上げるぞ! アメトリクスでヴォルカニック・デビルを攻撃!」
ATK:2500→2800
「罠カード《イタクァの暴風》! 相手のモンスターの表示形式を全て変更する!」
アメトリクスが蹲るヴォルカニック・デビルに向かって接近し、鋭い尾を突き出そうとした瞬間、すさまじい暴風が吹いてアメトリクスをバーナードの場へと押し戻す。
ATK:2800→DEF:1500→1800
「んごっ!? ……ぐぐぐ、行けたと思ったんだがな……カードを伏せてターンエンド! ここで《クリスタルP》の効果発動! このターン、自分がシンクロ召喚した“クリストロン”の数だけカードをドローする! 1枚ドローだ!」
バーナード 手札:1→2
LP:1900
手札:2
モンスター
・水晶機巧-アメトリクス
魔法・罠
・セット
・補給部隊
・セット
「俺のターン!」
ロック 手札:0→1
「魔法カード《貪欲な壺》を発動! 墓地のモンスター5体をデッキに戻してシャッフル! 2枚ドローする!」
デッキに戻したカード
重爆撃禽 ボム・フェネクス
リボルバー・ドラゴン
ヴォルカニック・ハンマー
ツインバレル・ドラゴン
ヴォルカニック・バレット
ロック 手札:0→2
「《ヴォルカニック・ロケット》を召喚! このカードの召喚・特殊召喚に成功した時、デッキ・墓地から“ブレイズ・キャノン”カード1枚を手札に加える! そしてヴォルカニック・デビルを攻撃表示に変更!」
ロックの場にヴォルカニック・ロケットが現れ、ヴォルカニック・デビルがそれに合わせて攻撃体勢をとる。
ヴォルカニック・ロケット ATK:1900 レベル4
ヴォルカニック・デビル DEF:1800→ATK:3000
ロック 手札:1→2
手札に加えたカード
ブレイズ・キャノン
「手札に加えたブレイズ・キャノンを捨て、魔法カード《二重魔法》を発動! お前の墓地の魔法カードを発動できる! 俺が発動するのは《モンスターゲート》! お前が序盤で墓地に送ったカードだ。渡せ」
「よ、よく覚えてたな……ほらよ!」
バーナードが墓地からカードを取り出し、ロックへと投げ渡す。
「《モンスターゲート》を発動! モンスター1体をリリースし、通常召喚可能なモンスターが出るまでデッキトップをめくる。出た場合はそれを特殊召喚し、それまでにめくったカード全てを墓地へ送る。《炎帝近衛兵》をリリース!」
近衛兵が消えると、ロックは1枚ずつデッキトップをめくり始める。
めくったカード
融爆
ブレイズ・キャノン-トライデント
炎神機-紫龍
「3枚目のカード《炎神機-紫龍》は通常召喚が可能。よって特殊召喚!」
ロックの場に紫炎を纏った機械龍“炎神機-紫龍”が現れる。
ATK:2900 レベル8
「さ、最上級モンスター!? ここでそんなものを引き当てるなんて!?」
「ジョニー、強い決闘者ってのは、引いちまうもんなのさ。俺も野郎とやって実感したし、野郎もそれを知ってやがる。じゃなきゃこんな優勢な状況でモンスターゲートなんてやらねぇよ」
セントは最上級モンスターを召喚したにも関わらず僅かな気色も見せないロックの顔を見る。
「不気味な野郎だ……何でこんな奴が追剥なんてやってんだ?」
「バトル! 紫龍でアメトリクスを攻撃!」
紫龍が紫炎を吐き出し、アメトリクスを焼き尽くす。だが炎はそれだけでは止まらず、後ろのバーナードにまで襲い掛かる。
「紫龍は貫通能力を持つ!」
「ぐッ!? おおおお!?」
バーナード LP:1900→800 手札:2→3
襲い掛かる炎を必死に堪え、弱まった頃に炎を振り払い、バーナードは構える。
「アメトリクスの効果発動! シンクロ召喚したこのカードが破壊された場合、墓地からシンクロ以外の“クリストロン”1体を特殊召喚する! 《水晶機巧-シストバーン》を守備表示で特殊召喚!」
アメトリクスがいた場所が紫の光を放ち、そこからシストバーンが飛び出す。
DEF:1500→1800 レベル3
「ならばヴォルカニック・ロケットでシストバーンを攻撃!」
ヴォルカニック・ロケットが突撃し、シストバーンを粉々に粉砕する。
「トドメだ! ヴォルカニック・デビル!」
「させるかよォ! 罠カード《クリストロン・エントリー》! 自分の手札・墓地から“クリストロン”チューナーを1体ずつ特殊召喚する! 手札から《水晶機巧-リオン》、墓地から《水晶機巧-シトリィ》を守備表示で特殊召喚!」
ヴォルカニック・デビルが迫る中、バーナードの場にシトリィと、銀色の少年型のロボットが現れる。
少年型のロボットは腕や足から黒水晶が突き出し、頭部には長髪の様に黒水晶が生え揃っている。
水晶機巧-シトリィ DEF:500 レベル2
水晶機巧-リオン DEF:500 レベル3
「続行だ! やれヴォルカニック・デビル!」
ヴォルカニック・デビルは大きな腕を振り上げ、最初にリオンを叩き潰す。
「〈ヴォルカニック・チェーン〉!」
続けて火柱を呼び出し、シトリィを焼き尽くす。
「く……ううっ! た、堪えたぜ!」
バーナード LP:800→300
「しつこい奴だ……ターンエンド!」
LP:1400
手札:0
モンスター
・ヴォルカニック・デビル
・ヴォルカニック・ロケット
・炎神機-紫龍
魔法・罠
・セット
「へへ! 諦めが悪いってよく言われるんでね! 俺のターン!」
バーナード 手札:2→3
「それにしても……すげぇ、すげぇよ! ロック、こいつは本物だ!」
「関心するのはその辺にしろ! 勝てるのか?」
「解んね」
バーナードのあまりにも簡潔かついい加減な返事にセントもジョニーもひっくり返るしかない。そんな様子を見ながらバーナードは頭をポリポリと掻く。
「でも、負けるつもりはないぜ? 確かに勝ちはまだ見えないが……大丈夫だ! 俺の“心”には風が吹いている! 墓地のシストバーンの効果発動! このカードを除外し、デッキからシストバーン以外の“クリストロン”1体を手札に加える! 《水晶機巧-ローズニクス》を手札に!」
バーナード 手札:3→4
「“風”だと?」
バーナードの分けの解らない言葉に、流石のロックも眉を顰める。
「そうさ! ギュンギュン来てる! この風が俺をどこまで連れて行ってくれる! 魔法カード《ワン・フォー・ワン》! 手札からモンスター1体を墓地へ送り、手札・デッキからレベル1モンスター1体を特殊召喚する! 手札から《水晶機巧-ローズニクス》を墓地へ送り、デッキからチューナーモンスター《水晶機巧-クオン》を特殊召喚!」
バーナードの場に先ほどのリオンとよく似たロボットが現れる。
リオンが黒水晶であったのに対し、こちらは無色透明の水晶である。
ATK:500 レベル1
「墓地のローズニクスの効果発動! このカードを除外し、場に《水晶機巧トークン》1体を特殊召喚する!」
バーナードの場に水晶の柱が現れる。
水晶の中には何かの模様が浮かび上がり、根本からは赤と青の導線が伸びている。
ATK:0 レベル1
「墓地の《クリストロン・エントリー》の効果発動! このカードを除外し、場の“クリストロン”1体を選択! そのクリストロンと違うレベルのクリストロン1体をデッキから墓地へ送る! 俺はレベル1のトークンを選択し、レベル3の《水晶機巧-スモーガー》を墓地へ送る!」
バーナードの墓地にカードが送られると、水晶の柱が割れ、中から曇った様な茶色の水晶が機体から突き出した白い虎型のロボットが現れる。
「この時、選択したクリストロンは墓地へ送ったクリストロンと同じレベルとなる!」
水晶機巧トークン レベル1→3
「行ける……この胸の滾りがあれば……この“風”があるならば! レベル3《水晶機巧トークン》に、レベル1《水晶機巧-クオン》をチューニング!」
クオンが自身を光輪へと変えると、スモーガーへと姿を変えたトークンを囲み、3つの光、そして光の柱へと変える。
「純粋なる生命、漲る大地、集いし二つの結晶が、彼方に輝く地平へ踏み出す! シンクロ召喚!」
光の柱から現れたのは、白き機体の背から水晶と煙水晶を突き出した人型ロボット。
人型ではあるが虎の尾と煙水晶の爪を持ち、電子音で再現した虎の咆哮を上げてヴォルカニック達を威嚇する。
「穢れ無き調和の水晶! シンクロチューナー《水晶機巧-クオンダム》!」
DEF:2000 レベル4
「シンクロチューナー……?」
見たこともないカードに再び眉を顰めるロック。これがシティのカードなのかと納得しかけた瞬間、セントが身を乗り出して叫んだ。
「シンクロチューナー!? バーナード、やれるのか!?」
「解らん! 俺は解らんが……“風”は出来ると叫んでる! 俺にやれと背中を押す! 俺はもう止まれない! 魔法カード《星屑のきらめき》! 墓地のドラゴン族シンクロモンスター1体を選択し、そのレベルと同じ数値のレベル合計になるように墓地からモンスターを除外し、選択したモンスターを特殊召喚する!」
バーナードは高揚した様子で墓地から2枚のカードを取り出す。
除外したカード
水晶機巧-シトリィ レベル2
巨大戦艦 クリスタル・コア レベル5
合計レベル:7
「舞い戻れ! 《クリアウィング・シンクロ・ドラゴン》!」
バーナードの場に再びクリアウィングが現れ、透き通る翼を煌かせる。
ATK:2500 レベル7
「またそいつか。性懲りもなく攻撃力を上げて突っ込んでくる戦術か?」
それならば、俺の勝ちだ――――その台詞を発さずにロックは口を噤む。
「まだだ……まだまだ! 魔法カード《星に願いを》! 自分の場のモンスター1体を選択! そのモンスターと同じ攻撃力、または守備力を持つ自分のモンスターはこのターン、選択したモンスターと同じレベルとなる! 俺が選択するのは《水晶機巧-クオンダム》!」
バーナードが宣言すると、バーナードの場のモンスター2体が同じ光に包まれる。
「クリアウィングの守備力はクオンダムと同じ2000! よってレベルは4となる!」
クリアウィング・シンクロ・ドラゴン レベル7→4
「……繋がれ、俺の中の道よ……一本の道になって……アイツの元へ!」
「!? クッ……!」
バーナードの目がカッと見開いた瞬間、ロックは何かに堪えるように身構える。前屈みとなって両腕を顔の前で交差させる――――それはまるで向かってくる強風に堪えるかのようであった。
「(な、何だこの風は!? どこから吹いて来ている!? ……いや、これは……?)」
腕の隙間から辺りを見回すと、凄まじい強風だというのに周りにまったく変化がない。転がるゴミもなければ、セントやジョニーも微動だにしていない。服すらもなびいてはいないのである。
「(この強風にさらされているのは俺だけか!? 一体何が起こっている!?)」
「……うおぉぉぉぉぉーーーーー!!!」
バーナードは雄叫びを上げ、空気を一気に吸い込み、飲み込み、揺るがなき真っすぐな視線でロックを見据える。
「……クリアマインドッ! レベル4《クリアウィング・シンクロ・ドラゴン》に、レベル4シンクロチューナー《水晶機巧-クオンダム》をチューニング!」
クオンダムが自身を4つの光へと変えると、天高く舞い上がり、そのまま光の柱となる。
クリアウィングはバーナードと共に光の柱の中へと入ると、バーナードを背に乗せ、一気に飛び上がる。
「神聖なる光蓄えし翼煌めかせ、その輝きで敵を撃て! ……アクセルシンクロォォォォォーーーー!!!」
クリアウィングは加速を続け、バーナードが叫び終えた瞬間、光の柱と共に空の彼方へと姿を消す。
「消えたッ!? どこへいった――――」
柱を見上げていたロックが左右を見渡そうとした瞬間、場に光の柱が突き刺さり、中から神々しく輝く水晶の翼を持ったドラゴンがバーナードと共に姿を現す。
「風が征く彼方より、出でよ! 《クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン》!!!」
ATK:3000 レベル8
クリスタルウィングはゆっくりと場へ降下し、バーナードを背から場に降ろす。
「こ、これは一体……!?」
「さあロック! 名残惜しいが、決着をつけようぜ! 罠カード《クリストロン・インパクト》! 除外されている“クリストロン”1体を特殊召喚する! 《水晶機巧-ローズニクス》を特殊召喚!」
バーナードの場に紅い水晶で機体を包んだ鳥獣型のロボットが現れる。
羽の一枚一枚も紅水晶で出来ており、クリスタルウィングと共に並んで広げ、陽光で煌かせる。
ATK:1800 レベル4
「ローズ二クスの効果発動! シストバーンと同じようにデッキからクリストロンを呼ぶ能力だが……ここでクリスタルウィングの効果発動! モンスター効果を無効にして破壊し、その元々の攻撃力を自身に加える! 〈ダイクロイックプリズム〉!」
ローズニクスが紅い光を放つと、クリスタルウィングがさらに強い光を放ち、ローズニクスを光の粒子へと変えて吸収する。
ATK:3000→4800
バーナード 手札:0→1(補給部隊の効果により)
「(成程……やはりこれはクリアウィングの進化形態!)」
「バトル! クリスタルウィングでヴォルカニック・デビルを攻撃! 【烈風のクリスタロス・エッジ】!」
クリスタルウィングが大空へと飛び上がり、凄まじいスピードで直角に旋回しながらヴォルカニック・デビルへと突っ込む。
「(この土壇場でよくこの様な切り札を繰り出したものだ……お前は間違いなく俺が出会った決闘者の中でも最強の男だろう。だが……) ……俺は負けるわけにはいかない! 勝者は俺だッ!」
迫り来るクリスタルウィングに向かって吠えると、ロックはここまで温存していたセットカードを展開する。
「永続罠《女神の加護》! LPを3000ポイント回復する!」
ロック LP:1400→4400
「ああっ!? そんな!? これじゃあ倒しきれないっ!?」
ジョニーが絶望の声を上げる。
本来ならばこの一撃で削り切れるLPであったが、ロックの隠し手により大幅にLPを回復されてしまい、ロックのLPを多く残すことになる。だが、問題はそこではなかった。
「(俺の墓地にはヴォルカニック・カウンターが存在する。お前が俺のLPを削った瞬間、俺はお前を撃ち抜く!)」
ロックは決闘盤を銃に変形させ、バーナードへと照準を合わせる。狙いは一撃必殺、ヘッドショット――――と、ロックが狙いをつけた瞬間、バーナードが不敵に笑い、その後鋭い視線でロックを射抜いた。
「クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴンのもう一つの効果! レベル5以上のモンスターと戦闘を行う場合、ダメージ計算時のみ相手モンスターの攻撃力をクリスタルウィングに加えるッ!」
「何だとッ!?」
驚愕で歪むロックの顔。迎え撃とうと火炎を口に蓄えるヴォルカニック・デビル。ロックを見据え続けるバーナード。咆哮と共に突き進むクリスタルウィング――――今、2体のモンスターがぶつかった。
ヴォルカニック・デビル ATK:3000
クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン ATK:4800→7800
「……うおぉぉぉぉぉーーーーー!!?」
ロック LP:4400→0
吹き抜けた烈風がヴォルカニック・デビルを切り裂き、ロックを吹き飛ばす。
風に飲まれ、どこまでも飛んでいくと思われたロックの体は、この辺りで一番高いゴミ山に受け止められて止まった。
ゴミ山が崩れ、ロックがゴミと共に地面へと転がり落ちる。それと同時にアラームが鳴り響き、ソリッドビジョンが消滅した。
「はぁ……はぁ……って、うわっ!? あんなに吹っ飛ぶのかよ!? お、おい大丈夫か!?」
バーナードは我に返ったように飛跳ねると、慌ててロックの元へと駆け寄る。セントとジョニーは余韻に浸るように立ち尽くした後、少し遅れてバーナードに続いた。
「あ、あれが“アクセルシンクロ”……話は聞いてたけど、凄いね……」
「ああ……初めてやって見せてからその後一回も成功しなかったってのに、何で今頃……」
「おおい! 生きてるか!?」
バーナードが倒れているロックを助け起こした瞬間、ロックはバーナードの手を振り払い、目の前に決闘銃を投げ落としてその場に座り込む。
「お、おい……どうしたんだよ?」
「俺の負けだ。俺は全てを失い、お前達が得る。……好きにしろ」
バーナードは座り込んだまま両腕を差し出し、俯く。
「何言ってんだよ! 別にお前から何か取ったりなんてしないって! ほら決闘盤! 大事なもんなんだから投げるなよ!」
バーナードがロックの決闘銃を拾いロックに差し出すが、ロックは受け取ろうとしない。その様子にバーナードは眉を顰めると、決闘盤をロックの腕に押し込んでから両肩に掴み掛る。
「ふざけんな! 失うだの得るだの、そんなのが決闘の結末な訳ねぇだろうが! 馬鹿げてる! おかしいだろそんなの! 何とか言えこの―――‐」
「俺の“世界”ではそうだったんだッ!!! それが当たり前なんだッ! そうやって俺は生きてきたんだッ! おかしいのはお前の方だッ!!!」
沈黙を続けていたロックが不意に放った怒号。とても16の少年とは思えないほど落ち着いていたのが、今はそれ以下の子どものように自分を肯定し、バーナードを非難する。
「お、お前……」
「お前はおかしいッ! 何なんだお前は! 強い癖に何も奪わない! 明日を掛けた戦いのはずなのにヘラヘラしやがって! 意味の解らない事ばかりほざいて、意味の解らないカードを使って、意味が解らないうちに俺を倒したッ……!」
呆気に取られるバーナードの手をすり抜け、地面に手をつき、地面と向き合う。ロックは地面を睨み付け、地面はロックから零れ続ける涙を受け止めた。
「こんな奴に……どうして俺は勝てなかったんだッ……! お前も……俺に銃を渡した“あの男”も……訳が解らない……」
「ど、どうするのバーナード、セント……?」
「…………」
ジョニーがオロオロと仲間の二人を見やるが、セントは何も答えない。
バーナードはしばらくロックを見下ろしていたが、急にロックの胸倉を掴み、立ち上がって引き上げた。
「「 バーナード!? 」」
「好きにしろって言ったな? お前を倒したのは俺だ。俺が好きにさせてもらうぜ」
無理やり視線を合わされたロックはそれを聞くと、特に抵抗しないまま目を閉じた。
「よーし、それじゃあ……ロック、お前は今日から俺達の仲間だ! チーム“デルタ”に入れ!」
「え!?」
「何!?」
真っ先に反応したのはセントとジョニー。ジョニーはバーナードとロックを何度か見回した後、怯えた様子でバーナードに詰め寄る。
「な、何を言い出すのさ! 彼は――――」
「すまんジョニー、言いたいことはあるだろうが、後でな。……ロック、俺はお前がどんな“世界”でどんな人生を歩んできたかは知らん。想像も出来ない。お前の気持ちを解ってやりたいが、残念ながら解らん」
バーナードは胸倉から手を放す。体を釣り上げられていたロックはよろけたが咄嗟に足を動かして地面を踏み込み、体勢を整えて地面に直立した。
「だけど、俺は“俺の気持ち”は解る。このまま解り合わないでさよならじゃ、俺は納得出来ない。だから……俺が俺達の“世界”をお前に教えてやる!」
バーナードは再び地面に落ちていた決闘銃を拾いあげ、再びロックへと差し出す。
「決闘のことも、社会のことも、何だったら女の子のことだって教えてやる! 知って欲しいんだよ、こんな“世界”もあるんだって、お前に!」
バーナードは真剣に訴えかけるが、ロックは何も言わず、ただうつむいている。
「それに……俺はお前の事をもっと知りたい! だって……だってこんなに強い決闘者なんだぞ! 最初から一対一でやってたら、俺負けてたかもしれない! そんな……そんな奴を……放っておけるかよ!」
バーナードは自身も泣きそうになるのを堪えながら、ロックに詰め寄る。
「好きにするって言ったけど、やっぱりお前の口から聞きたいよ! 頼むロック! 俺達と一緒に来てくれ! 仲間になってくれ!」
「…………」
「……仲間になりたくないなら、それでも構わない。だけど、せめてこれだけはお前が持ってろ! これはお前に絶対必要なものなんだ!」
三度決闘銃を差し出すバーナード。ロックはまたしばらく沈黙を貫いた後、バーナードの手から決闘銃を引っ手繰り、踵を返して去っていった。バーナードはそれを追おうとした後立ち止まり、叫んだ。
「俺はッ……俺は何時でも待ってるからなッ! 同じ時に、ここで待ってるからな! 気が変わったら必ず来い! 俺は好きにしてるからなぁーーーー!!!」
* * *
次の日、セントとジョニーは二人で並んで歩き、昨日のジャンク置き場へとやってきていた。約束の時間になっても集合場所に来ないバーナードを捜す為である。
「本当にいるかなバーナード……」
「さあな」
「女の子の所じゃないかな……」
「かもな」
「……セントはあのロックって人のこと、どう思ってるの?」
「実力は確かだ。リーダーとして考えるなら、チームに是非ともほしい」
「……セントとしては?」
「あの時は頭に血が上っていたが、俺はチームの為になるならばどんな因縁があろうとも飲み込むつもりだ。あいつにその気があるならば、これから良い関係を築いていけばいい」
「そうなんだ……」
「まあ、あの様子じゃそれは無さそうだが」
セントが前方を指さすと、ゴミ山の上に一人座るバーナードの姿があった。
「バーナード」
「お……おおすまん。もう約束の時間だったっけ? 悪い悪い」
バーナードは謝りながらゴミ山を駆け降りる。
「バーナード、来ない奴を待ったって仕方ないだろうが」
「まあ……そうかもしれないが……」
「変な噂がたっても知らんぞ。“バーナードの奴、女が捕まらないから今度は男のケツを追いかけ始めた”ってな」
「ぶっ!!!」
セントの冗談にバーナードを勢いよく吹き出し、せき込む。
「まさかの“ツイン・ブレイカー”だよね。ただでさえ節操が無いって言われてるのに……」
「お前も乗るなジョニー! ツイン・ブレイカーと俺に失礼だろうが! くっそー……」
「バーナード……何を考え込んでいるんだい? 君らしくないね」
「む……」
ジョニーに問われると、バーナードは難しい顔をしてその場に座り込み胡坐をかく。
「今更なんだけどよ、好きにするって言ってもあん時の俺、流石にちょっと一方的過ぎたかなってよ……」
「……今更気づいたのかい? 君は何時だって一方的だ」
「えっ!?」
「だから女が捕まらないんだよ」
「ぐわぁぁぁ!?」
ジョニーとセントの直接攻撃を受けるバーナード。何処からかLPカウンターの幻聴が聞こえてくる。
「ダブルにくっそー……くっそぉぉぉ!!!」
バーナードは急に立ち上がると、昨日吹き飛ばされたロックを受け止めたゴミ山を駆け上り、頂上に立つ。
「今日はもう俺行くからなぁーーーー!!! また明日来いよぉーーーー!!!」
「バーナード、女の子でもあそこまで悩んだ事なかったよね?」
「もしかしたら“ツイン・ブレイカー”どころではないかもな」
「こらーーーー!!! 気色悪いこと言うなぁーーーー!!! ……え!?」
バーナードの叫びと同時に、パシュ、と何かが発射される音と、ガシャ、と発射された何かがぶつかって鳴った音が響き渡る。
「お、お、お……!?」
急にグラつくバーナードの足場。今にも崩れそうだが、バーナードは上手くバランスをとり、崩らせずに足場を維持させる。
「ふーアブね……あ、いたぁ!?」
発射音。今度はビシッ、っという鋭い音が鳴り、バーナードが倒れて山の反対側へと転げ落ちていった。
「ああ~~~~~!?」
「「 バーナード!? 」」
* * *
「いてぇ~……」
「無事の様だな」
回る目を押さえ、バーナードはゆっくりと上体を起こす。意識をはっきりさせ、上から聞こえてきた声の方へとゆっくり振り返った。
「……おい、何で俺を撃ち落とした?」
「お前が行くと言い出したからだ。止めなければならん」
「普通に声を掛けろ! 待ってたんだぞ俺は!」
バーナードは立ち上がり、服の埃を払ってから――――やってきた“ロック”へと向き直った。
「で、ここに来たということは……」
「……俺は知りたい。お前の“強さ”の訳を。俺は解らない。迷い込んだこの“世界”が」
ロックは視線を落とし、己の掌を見つめる。
「自分がいた”世界”が嫌だった……だが、俺はその”世界”での生き方しか知らない……」
バーナードは真っすぐにロックを見据え、話を聞いている。
「……”バーナード”、お前は本当にこの”世界”を俺に教えるというのか?」
「ああ」
バーナードが迷いなく答えると、ロックは目元が隠れるくらい帽子を深く被った。
「……よろしく頼む」
「……おおっっしゃぁぁぁーーーー!!! おおう!?」
バーナードはその場で跳びはねると、空中で力強くガッツポーズ。そして着地に失敗し、盛大にこけた。
「……おい」
「俺達は今日から“仲間”だ! よろしくなロック!」
ジャンク置き場から青空へ、バーナードの笑い声が響き渡る。
これが少年ロックと、バーナード、セント、ジョニーとの運命的な出会いであった――――
「……声も届かない、触れることもできない、なのに私はここにいる……何でだろう?」
少女は右に首をかしげる。
「誰が何の為に、私にこれを見せてるのかな?」
少女は左に首をかしげる。
「バーナードさん?」
右。
「フリント?」
左。
「もしかして……エアトス?」
ぐいー、と反り返り、後ろにいるエアトスと目が合う。
エアトスは困ったように笑うだけ。
「……黙って見届けろ、ってことなのかな? 行こエアトス」
ため息を付き、少女“フレア”は少年達を追って歩き出す。
“夢”の続きを見る為に――――
Q:《異次元の邂逅》発動時、バーナードには除外されているモンスターいなかったけど発動できるの?
A:互いはロックと”相手プレイヤー”という括りなので、二人で1体、つまりセントのモンスターが除外されていれば発動可能です
Q:バーナードが最初のヴォルカニック・デビルの効果ダメージ受けてないんだけど?
A:あの時はバーナードのモンスターは破壊されていないのでダメージはありません。バトルロイヤルでのヴォルカニック・チェーンの効果範囲は”破壊したモンスターのプレイヤーに、それぞれのモンスターの数分”です
Q:ご都合過ぎる
A:それが”バトルロイヤルルール”だ! ぶっちゃけ原作でも曖昧だよね!
まあこの小説での裁定ってことでお願いします。