白銀の魔道士がダンジョンに行くのは間違っている 作:ひでゆき
スマホから投稿してますので短いかもしれませんが
よろしくお願いします。
プロローグ02 少年魔道士の旅立ち❗️
麓の村に朝日が差し始めた頃、チュンチュンと鳥のさえずりも聞こえ始めました。
ここは村の端の方にある一軒の家。
その家の前で、1人の少年が片手剣を両手に持ち、素振りをしていた。
少年が素振りを終えると、構えていた剣を腰に付いている鞘に収めた。
すると、手を前に出し、ある言葉を唱え始めた。
ベル『ふー……空と大地を渡りしものよ。優しき流れ、たゆとう水よ。空と大地を渡りしもの、優しき流れ、たゆとう水よ。我が手に集いて力となれ! フリーズ・アロー!』
少年が最後の言葉を唱えると、少年の前方にある木へ氷でできた矢が飛んでいき、木の中心部が凍り付いた。
少年は、凍り付いた木を見て、どことなくまだ不満そうだった。
ベル『うーん……まだまだ魔力の練りが甘いよなー。これじゃあ、まだリナさんに届かないよ。(゚∀゚)』
少年が落ち込みながらこぼした人物の名前は、6歳の頃に出会った、ある魔道士のものだった。
その名は、リナ・インバース。
そう、少年ベル・クラネルに魔道の基礎から色々と教えた師匠なのだ!
リナはベルに四年間、魔道の基礎や戦い方などを教えたあと、故郷へ帰っていった。
それから2年が経ち、ベルの歳も12歳になった。
しかし、ベルは2年前から毎日、剣の訓練や魔法の基礎練習などを続けていた。
ベルが家の前で訓練をしていると、家の中からベルを呼ぶ声が聞こえてきた。
お爺ちゃん『おーい、ベルー! 朝飯ができたぞーい!』
その声を聞いたベルは、返事を返した。
ベル『はーい! 今行きますー! おじちゃん、ありがとう!』
そう、ベルを呼んだ人物は、ベルの祖父だったのだ。
見ると、背が高く、身体付きもベルよりガッシリしていた。
お爺ちゃん『ベルや、剣の練習は終わったかの?』
ベル『うん! 今日の練習は終わったよ。ご飯を食べたら畑仕事しに行くね! おじさんは村長と山に行くんだよね!』
お爺ちゃん『そうじゃよ。最近、山に魔物が多く出ると言うのでな。その確認じゃよ! 冒険者に依頼するにも情報がいるのでな!』
お爺ちゃんの言う通り、最近、山に多くの魔物が出ているらしく、村の人にも怪我をする人が出ているらしい。
今出てきた「冒険者」というのは、神々の眷属のことを言う。
基本的に冒険者はオラリオで活動しているが、依頼などをオラリオにあるギルドへ出せば、受けてもらえるのだ。
ベル『気を付けてね!』
お爺ちゃん『ガハハハ! ベルよ、儂はそう簡単にやられやせんよ! じゃあ、儂はそろそろ行ってくるでの』
ベル『行ってらっしゃい! ……ふー、僕もそろそろ畑に行かなきゃ!』
僕が畑に着くと、先に畑の周りの草むしりから始めた。
むしり始めて1時間くらい経った。
ベル『そろそろ水をくみに行かないとな!』
僕は桶を持ち、近くの川へ水をくみに行って戻ってきた。
くんできた水を畑の作物にやり終えた頃、おじさんと一緒に山へ入るはずの村長が、慌てて駆けてきた!
村長『ベルーー!』
ベル『村長、そんなに慌ててどうしたんですか! 何かあったんですか? あれ? おじさん、一緒じゃなかったんですか?』
僕は、一緒にいるはずのおじさんのことを村長に聞いた。
すると――
村長『ベルよ、落ち着いて聞くんじゃよ! お前の爺ちゃんが亡くなった!』
村長は、おじさんが亡くなったと言い、何があったのか話してくれた。
村長『お前の爺さんと山に入ってすぐに魔物に出くわしての。二、三体なら問題ないんじゃが、群れで現れての。何とか最後の一体まで倒したんじゃが、その一体がな、強くての……。そいつを倒すのに、一緒に崖から飛び降りていったんじゃよ』
僕は頭を下げたまま、その話を聞いていた。
今朝、あんなに元気に出掛けていったお爺ちゃんが亡くなった。
そう思うと、涙が溢れてくる。
そんな僕に村長は、お爺ちゃんからの最後の言葉と、お爺ちゃんが使っていた両手剣を渡してくれた。
村長『ベル、お前の爺さんからお前にメッセージじゃよ。
「ベルよ、オラリオに行き、冒険者になりなさい。お前の父と母のように強く生きなさい! 儂からこの剣をやるでの。この剣は、お前の父が昔使っていた物でな。いずれお前に渡してくれと言われとった物じゃ! あと、家の儂の部屋にお前の母が使っていたローブがある。それも持って行きなさい」
これが、爺さんからのメッセージじゃよ』
僕は、お爺ちゃんからのメッセージを聞いて涙が溢れてきた。
しかし、それを拭い去ると剣を受け取った。
僕は村長にお礼を言い、一度家に戻ると言った。
村長と別れて、僕は家に帰ってきた。
そして、お爺ちゃんの部屋に行き、引き出しの中の一番奥にある、一着の炎のように紅いローブを見つけた。
ローブの背中には、ワンポイントの刺繍がされていた。
盾に三本の剣が交差している、不思議な紋章だった。
僕は、そのローブを羽織ってみた。
なんだか懐かしい匂いがして、暖かい気持ちになった。
そして、いつの間にか眠ってしまっていた。
――翌日。
目が覚めると、僕はお爺ちゃんの部屋で、そのまま寝てしまったのだと思い出した。
僕は、お爺ちゃんの言った通り、オラリオに行くのはいいけど、まだ色々と知りたいことがある。
「そうだ! オラリオに行く前に旅してみようかな!」
よし!
僕は、村長に旅に出ることを話しに行くことにした。
ベル『あ! 村長ー! おはようございます。僕、決めました。オラリオに行きます! でも、その前に色々と知りたいので、旅に出ようと思います』
村長『ベル、おはよう。そうか、決めたか。で、いつ出るんだい?』
ベル『はい! これから準備して、明日の日の出前に出ようと思います』
村長『そうか。身体に気を付けて行くんじゃよ』
ベル『はい! そろそろ準備があるので戻りますね!』
僕は村長にそう言うと、家の方へ戻った。
家に戻ってきた僕は、前に旅の商人から買ったバッグに、数着の衣類と木製のコップ、小さい鍋などを用意した。
あと、二年間少しずつ貯めたお金も財布に入れた。
そして、お爺ちゃんから貰った剣の手入れと、普段から使っている剣の手入れをした。
翌日の準備が終わり、そろそろ寝ることにした。
――翌朝。
目が覚めると、僕は外に出て空を見上げた。
そこには、綺麗な青空が広がっていた。
ベル『旅に出るには良い日だな!』
僕は腰に二振りの剣を付け、背中にお爺ちゃんから貰った両手剣を背負い、ローブを着てバッグを持った。
そして、家を出て行く。
家を出ると、そのまま街道に出るため、村の外へ向かって歩き出した。
すると、村の入り口に村長が立っていた。
近づくと――
村長『ベルよ、行くのか。これは儂からじゃ。道中にでも食べてくれ』
村長が渡してきたのは、干し肉と日持ちする食べ物だった。
ベル『村長、ありがとうございます! では、行ってきます!』
僕は村長に別れの挨拶をして、村を出て行った。
――それから、2年の月日が過ぎた。
村を旅立ってから2年。
ベルはオラリオへ向かう旅商人たちの一団の中にいた。
商人の1人『ベル君、ここまで護衛してくれてありがとうね! ベル君のおかげで、無事にオラリオに着くことができるよ』
ベル『お礼なんて、いいですよ。僕もオラリオに向かう予定でしたし。旅は道連れって言うじゃないですか! (^。^)』
商人の1人『そうだね! だけど、ここまで無事に来られたのもベル君のおかげだから、ありがとうね〜!』
僕が商人の1人と話していると、他の商人が大きな声を出した。
他の商人『おーい! オラリオの街が見えてきたぞーー!』
商人がそう言うと、前の方にオラリオの街が見えてきた。
今日から、あの街で暮らしていくのか。
ドキドキするな!
ベルが村を旅立って2年。
ようやくオラリオに着くのだった。
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次回予告
次回、白銀の魔道士。
ある女神との運命の出会いとギルド登録です!