龍の手使いが頑張る話   作:花咲爺

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ギブミー文才、花咲爺です。

感想くれたらやる気が出る気がする。


第四話 え?呼び出し?

 キーンコーンカーンコーン

 

 学校終了のチャイムが鳴る。時は放課後、部活の始まり!

 あぁ^〜平和じゃ^〜…いやぁ、学校最高青春最高!たいていの人がどうかは知らないけどこうして部活が始まるちょっと前って何か良いよね。

 さっさと部活行って家帰ってオーフィスちゃんと遊ぶんだぁ~、正直家にいる間中僕のことずっと見てるだけだから殆んど一緒にご飯食べるだけだけど。アレはイイ物だ、尊いとまで言っていい。

『もう、何も言うまい…』

 カンサイが呆れるがお前も最近オーフィス慣れしてきて可愛いと思うことになっただろう?

『せやけどやっぱり怖いやん。口を塞がれてる毒蛇的な?もしかしたらの恐怖が拭えんねん、もうぶっちゃけごっつ怖い。でも晴天もワイと同じくオーフィスの力見たら絶対絶句するで』さ~て部活に行くとするかな~『聞けや』

 

 言っとくけどあの時、あの殺気当てられた時やっぱり少し怖かったんだけどその後の話聞いたら多分僕の勝手な妄想かもしれないけどオーフィスちゃん寂しそうだったんだよ。

 もしかしたら少しでも僕が拠り所かそれに近いモノになれればと思ったんだけど…人間と神以上の力を持った龍神なんだから実力離れすぎてるよなぁ…

『はっはぁー、やっぱりワイええ相方持ったわ』

 言うな、ちょっと照れる。

 

 

 僕はこの時注意を払うべきだった。

 

 最近の学校楽しい、部活楽しいと言う充実しすぎた生活で気が緩んでいたのかもしれない。

 ここ一月にはぐれ悪魔が出てこなくなったからかもしれない。

 だが、気が緩んでいた、警戒を忘れていた。

 

 ちょっと語ろう。

 この世には三種の人間がいる。これをABCとして考えよう。

 

 まずAの人間、イケメン、美人、ひょうきん、話術持ち等、プラスの位置まっしぐらのエリート達。

 

 そしてBの人間、いじられ、真面目、普通人間を含むまあまあな位置にいる人達

 

 最後にCの人間、いじめられ、根暗、コミュ症といった正直言って下位の人々。

 

 一応僕はBの真面目として認識されているがそれは今水滴ほどにどうでもいいことだろう。

 

 その中で特A級のポテンシャルを持った駒王のイケメン貴公子、そして悪魔(・・)の木部祐斗が僕の教室に来ていたことを気づいていなかった事の方が1万倍は大切だ。

 

 そんな人気者の登場で教室が少しざわめき、さらに「譜代くんいる?」と呼べばもう大変。

 

 ハッと気づいてももう遅い、いつかはバレると思ってたし覚悟もしていた。

 ただこの学校は悪名高きエロ三人衆だけじゃなく、様々な個性溢れる輩がいる学校だ。そんな所でイケメン貴公子がほぼほぼ普通な僕を呼んだらどうなるか…

 

「え?あの人畜無害な押し付けられ系男子の譜代君が!?」

「木部君に連れ去られ」

「2人きりの部屋で…」

 

「「「あんなことやこんなことやピーーーーを!!きゃーーー!!!」」」

 

 こ う な り ま す !

 

 女子がね、皆が見てる場所でそんなことを………もう、言葉になんね…

『カハハハハ!!いやーええもん見たわ。ドwンwマwいwこれしばらくはからかわれるで、覚悟しとき。まぁ、このまま何も無ければやけどな』

 

 カンサイのやけに真面目な声で正気に引き戻される。そうだ、何をされるか分からない。カバンの中の蛇、準備しておいたほうが良いかもしれないね。

 だがそれより何より。

 

「あの…それなら早く行かない?」

「それもそうだね…ごめんよ…来て欲しい所があるんだけど」

 

 僕と木部の意見が完璧に合致した瞬間だった。

 そして来て欲しい所が云々でまた貴腐人達が黄色い声で騒ぎ出す。僕は考えるのを辞めた…

 カンサイが場の空気を読まずに『カハハハハ!』と頭の中でめちゃくちゃ笑っていた。

 

 

 

 

 何だかんだで連れてこられた先は、オカルト研究部?

 

 まずそう思えてしまう外観の旧校舎の部室だった。ハッ、悪魔がオカルト語るのね…笑えるわー(棒)

 で、僕何されるの?こうして連れてこられて分かったけど何箇所か結界貼ってるでしょ。カンサイとかから教えらったから少しなら分かるんだよね。

 旧校舎の開かずの教室に結界が張られてるのは有名な話。悪魔関連説超濃厚。

 

『百パーそうやろなぁ…流石に結界内の事はワイでも分からんけど』

 

 やっぱりそうなんだな。さて何が封印されてることやら、色々確認するにグレモリーの眷属らしいから案外ヤバい神器持ちだったり?

 ちなみにグレモリーの持つ悪魔は転生悪魔だけだ。純粋な悪魔はグレモリーただ一人とまあ、このご時世ではスタンダートな感じかな?

 でも皆いろいろ抱え込んでそうだけどそこんところケアしてるのかね?神の子を見張る者(グリゴリ)幹部のバラキエルの娘に聖剣計画の被検体、もう一人、子猫は正直まだ分からないんだよな…情報が足りない。

 

 ちなみに思い出したくもないことだけどバラキエルはかなーーーり前にこの街近くで見たことがある。

 雰囲気は怖くないんだけどはぐれ悪魔に対する殺意が半端なかった。

 駒王近くの廃墟に多分、Sは下らないんじゃないかな?ってレベルのはぐれ悪魔がいたんだけどソイツをものの十数秒で倒した所を見たときはもうガクブルだったな…

 

「朱乃へのせめてもの罪滅ぼしになれば…ん?今そこに」と言うセリフまで聞こえた時は死を覚悟した。あの時ほど音を出さぬようと考えながら全速力で逃げたことはないと思う。

 

 はてさて、そうこうしてる内にドアが開けられ、中の様子が見て取れる。

 

 何か、すごく…オカルトです…

 

 天井含め、壁一面に広がる気色悪い文字に水晶ドクロにオカルト雑誌、魔法陣。最後のは多分本物?かな?

『これは…違うんちゃう?魔力は感じへんけど』

 じゃあ、違うね。そして、艶やかな赤色をした髪に人間離れした美貌の悪魔リアス・グレモリー…地毛で人の髪ってこんなに赤くなるものなのか?と疑問はまあまあにあるが、何をしてくるか。

 ウェルカムな雰囲気なのか良く分からない。眷属の勧誘でもしてきたら確実に断るけど。

 

「ようこそ譜代君、歓迎するわ。悪魔としてね(バサァ)」

 

 そう言ってグレモリーは僕の予想を裏切り悪魔の羽を展開する。

 何かイラつくわー、僕一応一般生徒よ?ただただ考え無しに翼広げたとなれば不都合が起こりそうなもんなのにねぇ…

 それとも狙ってる?

 

「え、え?ど、どういう事ですか?悪魔?先輩達ガ、悪魔??」

 

 反応は取り敢えずしらばっくれる方向で行こう。まだ確証が無いだろうからね、じゃなきゃ

「変な反応はよして、はぐれ悪魔狩りさん?」

 チィッ!

 

 その次の瞬間に僕はこの学園のマスコット女子こと塔城小猫に乱暴に組み伏せられ、地面に倒れ伏す事になった。

 グッふぅ…床と女の子のサンドイッチは痛い…

 

 情報が少ないが小学生と見間違うほどの女の身でここまで力が強いという事は、おそらく「戦車」の駒かそんな所だろう。魔力的には前に見た気がする気もするが…にしても強い、姿勢も相まって中々解けないな…

 僕の思考が纏まらなくなった。

 

「動かないでちょうだい、返答次第では貴方を消し飛ばすわ。貴方、私の領地で一体何をしでかしたか分かってるの?」

「はぁあ?ふざけるのも大概にしろよ…」

 

 オイ、グレモリー、お前はやっぱり僕を舐めてる…人を、舐めてる…

 

「何をしでかしたって?はぐれ悪魔を討伐しただけだろう?それにそっちは何人死のうがお構いなしで何もしてくれなかったじゃないか…お前たち悪魔や人外がどれだけ人を殺してきたと思ってるんだ?人を虫かなんかと同じ扱いしやがってよッ!アンタ領主なんだって!?領主ならせめて守れよ、どうにかしろよッ!隣の中井さんも、酒屋のおじさんも、木下さんの娘さんも…全部!人外に殺されたんだぞ…分かるか?なぁ!お前たちの勝手な都合に巻き込まれた被害者が、どんどん人を巻き込んで、殺して、殺されて…忘れられて…全員…全部…」

 

 言葉にならない感情がまだまだ続きそうだがもう、声にならない、言葉を紡げない。

 出るのはただ嗚咽のみだ。

 あぁ、情けない。守れなかった者はもうしょうがないと割りきる筈だった。

 なのにこれだ。

 

 恥ずかしいなぁ…

(カチっ)

 

「うぅ…お、おぉ…お゛ぉ゛お゛お゛お゛!!!!」

「この人、押さえ切れ…!!?」

 

「あ゛ぁ゛!!!」

(バンッ!)

 この前のようにまたもや怒りで僕のスイッチが入り、拘束していた子猫を壁まで吹き飛ばす。ぐェっ!と少なくとも女が出すような音ではない潰れたような声が聞こえた。

 

「悪いけどおとなしくして貰うよッ!」

 

 少し遅れて木部が剣のような物を創り出し、突進してくるがこちらは右手に出した篭手で弾いてその低い姿勢に踵落としを加えた。

 温い、何だその太刀筋、速さにかまけて直線的すぎる、まだ僕を舐めてるのか?

 多方相手は武器はないし数でも有利だし、まず人間なんだから自分たちだけでも大丈夫でしょうとでも思ってるのんだろう。

 

 こんなのぬるま湯以前の問題だぞ…

 

 あぁ、思考が止まらない。理不尽だ。何でここに悪魔がいるんだ?何で日本の神は人を守ってくれない?何で聖書の神は死んでいるのに信徒達は未だ主の為主の為と人間を化物に変える実験を繰り返す?

 

 何で?何で?何で?何で?理不尽で身勝手で可笑しいだろ。天使も、悪魔も、堕天使も、助けてくれない神も、死ねよ、消えろよ、なぁ!なぁ!

『晴天!晴天!!晴天!!!呑まれたらアカン!!』

 

 ハッ!?

 

 カンサイの呼びかけで怒りによって黒一色に染まっていた思考がクリアになる。危なかったよ、カンサイありがと。

 でも言いたいことは全く言えてないから言わせてくれ。

 

「僕は悪魔じゃないし神でも英雄でもない、あんた等悪魔が俗に言う下等で劣等でダメダメな『にんげん』ですよ。もう、二度と僕に関わるな」

 

 まさか拘束が解け、自分の眷属の半分がやられると思っていなかったのかあっけに取られている悪魔たちに対し、僕は早口でスラスラと出てきた言葉でまくし立てる。

 

 黒い思考は消えた。だがもう、コイツ等にイラつきが募るばかりだ。

 ただ、イラつく。死ねばいいのに、天使に悪魔に堕天使に…全部滅びればいいのに。

 

「それでは…」

 

 僕は床に転がっていたバックを乱暴に拾い上げると未だ動くことのない悪魔達に背を向けて部室をあとにした。

 

 何だよ、僕はあんな奴らを恐れていたのか?

 お兄さまーされたら分からないけどアレはイグァートより全然弱いぞ?オーフィスちゃんの蛇を使うまでもなかった。

 まあ篭手は使っちゃったからコレで僕の力は若干とは言えバレてしまったか。

 

 にしてもカンサイ、どうして色々丁度いい場面で話すんだ?この場面で話してくれたらって時にあんまり話してくれなくない?

 

『いや、それが最近晴天の方に声が伝わりにくいんよ。こっちではちゃんと話してんねんけどそっちに伝わらん事が割とあるんや。これでもさっきから呼びかけとったんやで?』

 

 えー…何で?悪魔が近くにいたから…ってのはいつも悪魔の巣窟にいるようなもんだから考えにくいし…

 僕はまた考え事をしながら家に帰った。

 

 にしても明日からのことはどうしようか?まあなるようになるかな?

 ザーゼクスはシスコンだし、支取会長の姉、レヴィアタンもまた魔王でシスコンだ。

 リアスの方は多分プライド云々責任云々で兄に言えないとは言え会長の方はどうだろうか?あっちからやって来た事だし正当防衛として認められてればワンチャン…無いな。

 覚悟はしてたけど大丈夫かな僕…もしかして相当マズったかもしれない…

 

 最悪全面戦争してやるか?だが悪い方に転べば家族にまで被害が及びそうな行動をした僕は内心冷や汗ダラダラでその夜を過ごすことになった。

 

 ただその日も遊びに来てたオーフィスちゃんはいつにも増して可愛かったことを伝えておく。後この一ヶ月で地味にオーフィスちゃんの背が高くなって来てる様な気もするが気のせいだろう。

 こう言う変化には僕は若干疎くなっていたのだが、妹や弟と分かれて生活するうちに何処かに行ってしまった父性が戻ってきたかもしれない、のか?

 

 ん?あれ?ちょっと待てよ、よく考えなくてもオーフィスちゃんも人外では?でも別に悪い気はしないよなぁ…

 じゃ、僕は何でこんなに三大勢力(・・・・)にイラついて…

 

 

 

 

 

 私はリアス・グレモリー、兄であり、魔王であるザーゼクス・ルシファーからこの駒王を預かっている悪魔だ。

 最初は色々と問題もあったけれど今ははぐれ悪魔と言った問題も少し(・・)はあるが大抵良好でと思う。

 

 しかし最近少し厄介な事が起き始めた。はぐれ悪魔の討伐がこちらに断りを入れず無断で行われるようになったのだ。本来害獣と同じようにはぐれ悪魔の駆除はこちらとしても有り難い。

 

 死体の方もただの人であるならば確実に気づかない程に処理されている。

 ただ、大公からの依頼で出されたはぐれ悪魔の討伐までされるとこちらとしても少し顔が立たなくなる。

 

 それが4度続いたのだから堪らない、今回の依頼はまさかのS級の討伐になった。

 最近ランクが上げられた転生悪魔で現在までに何十人と人を殺していると言う。

 神器自体は宿していないが身体能力が極めて高く、「戦車」の駒が使われているのでタフさも速さも兼ね備えた非常に厄介な悪魔だ。

 

 こちらも万全の準備をして望まねば勝機は薄い。

 なのに…これもまた誰かに倒されていた。

 

 これで5度目、本格的に調査に乗り出さないと信頼が薄れてしまう。

 

 一月掛かってやっとそれらしき人物にたどり着いた。名前は譜代晴天、駒王学園二年生で身長がやや高い以外は何も特徴らしき特徴が見つからない至って普通な高校生と言える。

 陸上部に所属しており、中々な記録を残しているがその実態を知っている身から見ても本当にこの子がはぐれ悪魔を?と首を傾げるほどにオーラを感じない。

 しかしようやく見つかったのだ、もう様子を見るまでもない。文句を言ってやる、これ以上私の領地で好き勝手にさせてたまるもんですか。

 

 そうして譜代君を招くことになったのだけど私は今、後悔している。

 と言うのも私の可愛い眷属の祐斗と子猫が物の数瞬の内に戦闘不能にまで陥ってしまったからだ。

 

 祐斗の時に使ったあの篭手は何?神器?なら何なのアレは?壊れないようにとは言え人間の何倍もの力で抑えてたはずの子猫を簡単に吹き飛ばし、私でさえ目で追えない祐斗の攻撃を簡単にいなす。

 そんな動き、神器込みでも普通の人間ができることじゃない…

 

 もしや神滅具《ロンギヌス》の赤龍帝の篭手《ブーステッド・ギア》?でもアレは、もっと赤いし何より形も雰囲気も違う。

 では龍の手?しかしアレも形が、それに力を二倍にするだけだからあんな力を出せるはずが…

 

 私はそのとき知らなかったのだ、人でも鍛えれば人外に勝るほど強くなることを。龍の手でも禁手に至れる程の力があれば私達悪魔を凌駕できることを。

 

 だから私の脳はアレは何?と言う思いが覆ってしまった。それよりも早く鎮圧させないと…と考えたが何も出来ることがない事に気づいてしまう。

 朱乃の雷撃はこの狭い空間では使えないし私の魔力では当たれば味方すら消し飛ばしてしまう。子猫も気を失っているのか反応も無いし、祐斗も…白目を向いている。盾にされれば私の可愛い眷属が文字通り消えてしまう…

 

 そうしてまごまごしてしまっている内にはぐれ悪魔狩りが声を上げる。その内容ははっきりとこう聞こえた。

 

「僕は悪魔じゃないし神でも英雄でもない。あんた等人外が俗に言う下等で劣等でダメダメな『にんげん』ですよ。もう、二度と僕に関わるな」

 

 人間、という単語がやけに強調されたそれは言外に死ねと言われてるような冷たさを感じて、私は何か言おうと、その顔を見た、見てしまった。

 

 瞳は感情と言える感情が読み取れない。暗い、深い黒のような色。さっきまでの優しさは消え、顔は無表情。

 

 ただ、さっさと消えろ、死ね。

 

 そんな感覚さえする…

 

 その視線に射止められ、最早私達は何も出来ず部室を出て行くはぐれ悪魔狩り、譜代晴天を見送ることしか出来なくなった。

 

 




オーフィスちゃん可愛い
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