龍の手使いが頑張る話   作:花咲爺

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日常からの非日常。
感想くれた人ありがとうです!


第五話 要警戒と厄介事

 先日の一件で僕の、引いては家族にまで危害が行きそうになった日から3日が経った。どうやら僕は要警戒人物として見られてるらしい。

 当然と言えば当然か、グレモリー眷属倒しちゃったんだし。

『監視も無しとでも言っとけば良かったかもやな』

 全く、その通りだよ。

 はぁぁ…と深めなため息が出て机に伏せる。この手の視線は嫌なもんだ。自分の本質を見透かされてる気分になる。

 見てるだけだから、一応、関わってはいない、けどなぁ…

 

 

「うぇ〜い!どした晴天、そんなに暗い顔してよ」

 

「松田か…何だよやけにテンション高いな…」

 

 そんな感じで暗い雰囲気を纏っていたはずの僕に当然のように近づいてくる坊主の男、松田。

 この学園の癌とまで呼ばれるエロ三人衆の内の一人。セクハラパパラッチと言う名称はこの学園に広く知れ渡っており、見た目通りのエロ坊主で僕と同じく陸上部に所属している。

 

 しかし部活に所属しているにも関わらず変態行為を繰り返すため陸上部の恥部と呼ばれている男だ。

 何故退部、退学にならないのか、それは僕の中での七不思議となっている。まぁ、十中八九で悪魔が関連しているんだろう。

 

 エロ坊主だが、一応下着泥棒やストーカーをやっている訳ではない。覗きやセクハラ言動とかなら害は…あるか。もちろん悪いことは悪いこと、褒められるべき行いではない。

 だが、憎めないやつではあるのは確かだ。

 僕も何だかんだで松田と付き合ってるのは自分の本当の姿をさらけ出せることを羨んでるからかもしれない。

 僕なんて皆を巻き込みたくないからって若干ぼっち臭まで出てる始末だ。ちくしょォおお…理性と理性がせめぎ合うぅ…

 

「ムフフン、元浜の奴が新しい覗きスポットを見つけたんだよ。しかも三年生の着替え場所だぞッ!リアス先輩のたわわな胸、朱乃先輩のスレンダーな体…コレがテンション高くならない訳が無いだろ?それにお前は何時にも増してテンション低すぎだ。何かあったのか?」

 

 だらしない顔で僕にそのことを伝えてくる松田。相も変わらず性欲に忠実でむしろ感心すらしてしまう。

 まずフフンとか言う奴現実で初めて見た。

 

「いや、それがさ…めっちゃ見てくるのよ「誰が?」あの子」

「ブフォ!」

 

 僕が指を刺した所を見た瞬間机に松田が吹き出した唾が飛ぶ。汚い…

「ワリィワリィ、でもアレこの学園のマスコット女子の子猫ちゃんだろ?それが何でお前なんかに」

 

 制服の袖で唾を拭き、さらにその被害を拡大させる松田。ちょっと眉根が寄ってしまうのはしょうがない。

 それが監視されていることへか、松田の行いかは知らないが。半分以上は前者だろう。

『まぁ、仕方ないやろ。むしろ校舎裏で始末されない事に感謝するべきちゃう?』

 いや、それは無い…あり得るか?悪魔だしかなりプライド高いって聞いてるし、口封じとして校舎裏で…無い、と思いたいなぁ。取り敢えずは返り討ちにして、もう、本当にどうしようかね。

 にしても僕なんかに執心してるなんて、ねぇ。そんなことよりトレーニングでもしておけばいいのに、あれじゃずっと僕にも勝てないままで終わるぞ。

 

「何かとは何だよ、松田。これでも僕は優良物件なんだぞ?身長はまあまあ高いし料理もできるし部活でも好成績、勉強関連は…奮っちゃいないけど悪くはない。さらに一人暮らしもしているから私生活でも駄目人間じゃない。これならもしかしたらもあるだろ」

 

「大体そうだけど自分で言うのは無いわ」

「ほっとけ」

 

 ハハハハと嘘っぽい言葉を含めたりして皆で笑う。そうだ、僕はこんな日常が欲しいんだ。

 そこに、塔城小猫、悪魔がいなければもっと良いんだけど。にしても監視があの子ね…何だろ、喉まで出て来てるんだけどな、思い出せない。

 確か何処かで前にもこんな感じの人と会ってるような、会ってないよな…もー、イライラするなぁ。

 

「にしたってお前、子猫ちゃんに目を付けられるってのは思い込みじゃないか?」

 

(´<_` )

 そう言われて僕はこんな顔になった。理由は

「じゃあ、僕がトイレに行く時も飯を食べてる時も毎度毎度物陰から覗いてくるのが目を付けられてないと?」

 

「何ッ!?ほほう、それは元浜が聞いたら喜ぶだろうな、俺的にも割とご褒美だが…スマン、俺が間違ってた」

「お、おう…」

 

 反応に困る返しをされる。

 いや、え、元浜ってロリコンなのか?じゃあ何でここの生徒に対してセクハラ行為を?割と広範囲なロリコン?

 ハッ!?分かった、合法ロリ狙いか!(錯乱)確かに子猫を筆頭に割と駒王には粒が揃っている。

 

 小学生の中学年位の見た目の女子なら数は少ないけれどまあまあいるのだ、もしかしたらその子達を狙っているのかもしれない。

 何だろう、今更感が凄いが僕が通ってるこの学園、恐ろしいな。エロ三人衆と言い二代お姉様と言い、何というか、こう…濃い、濃すぎて胸焼けを起こしそうだ。

 ここに越して来たのは間違いだったかもしれない。でもあの時は運命的な物を感じたんだけでどなぁ…どうせ越すならここで、と。カンサイが僕に何か言ったのかね?

『呼んだ?』

 呼んでない『ちょ、ひど…』

 

「あ、そうだそうだ。イッセーがよぉ、彼女作ったとか言うんだよ」

「…(゚Д゚)は?(゚o゚;;え?いや…(゚Д゚)!?」

 

 本気の返事が松田に返る。

 あ、あの変態が?いや、まぁ、確かに割とイケメンだし結構面倒見も良いし情熱的で草食系男子の僕とは根本的に違うがそれでもあのエロ小僧に対して行為を抱く女子がこの学園にいるのか?

 

「そうなんのも無理ないよなぁ…何だよ、その『この学校にアイツに対して行為を抱く女子がいるのか?』って顔は…」

「エスパーかよお前」

 

 普通に心を読まれた…ポーカーフェイスは得意な方なんだけどなぁ、高校入ってからの付き合いとは言え割と深い仲の松田にはそういうのが分かるらしい。

 僕がやってる事は分からないようだが、辛い時にはいつも話掛けてくれる。

 きっと僕が女だったら惚れてるな…いや、変態行為でチャラかな…

 

「当たりかよ…それが他校の子なんだってよー、あのイッセーが鼻の下伸ばして夕菜ちゃ~んとか言ってくんだよアイツめちゃくちゃにノロけちまって、見ていてかなりイラついた」

 

「他校の子ね、それなら一応有り得なくも無いか。多方イッセーがその子を助けるなりしたんじゃないの?」

「なんとマジの一目惚れ、クソッ結局顔か!?顔なのか!?今度デートに行くとかどや顔で言うしよッ!」

 

 机をダンッ!と叩いて苦悶の声をあげ唇を噛みしめている。

 いや、お前は普通にしてれば行けるだろ。もっとエロスを押さえれば全然女子ウケは良くなると思うけどなぁ。

 もう遅いか…二年と言う歳月でこの学校の女子には「変態死すべし慈悲はない」という精神が深く根付いている。無駄な足掻きとなるだろう。

 ご愁傷様と心の中で合掌する。

 自業自得ではあるが最近は一応変態行為の頻度は減ってるんだよな。ま、目に見えては減ってないから効果は薄いのだろう。

 

 にしても一目惚れ、ね。可能性は低いけど、もしかしてがあるかもなぁ…調べておこうか。

『ほーん、この事件、匂いまっか譜代はん?』

 どこの関西弁探偵だよ、瀬谷糧駆動さんのマネか?

『せやかて譜代「黙らっしゃい」あいよ』

 

 会話もそこそこにこれ以上話すとまたヒートアップしそうなので打ち切っとくが、覗きの件は桐生さんにでも言っておこうか。エロ三人衆のストッパー役だし。

 

 

 その日の放課後、『僕達は反省してます』と言う看板を首から付けた変態三人組が便所掃除をしている様を僕は見てしまった。

 

 またつまらぬものを、見てしまった…

 

 

 翌日

 

 僕はいつも通りの帰宅路を歩いていた。一日練がやっとこさ終わり、少し辺りが暗くなっている。

 いつもはもう少し早く家へと帰れるのだが、今日は油を売りすぎていたのかもしれない。

 まぁ、そんなのはどうでも良い。こうして夜の方が気持ちのいい風を受けて帰れる。ポジティブシンキングは大事、良いね?

 

「それでも意外と遅くなっちゃ、た?」

 

 普段とは違う、意識が反らされるような感じがして僕は不意に横を見た。ただの寂れた公園、ではなく。これは、結界!?

『アカン、やな予感しかせーへん、晴天!』

「分かってる!」

 

 言った瞬間「龍の手」を禁手化させ、飛び出す。一気に最高速度まで引き上げられ人通りのない道を通る。

 やはり結界だったようで、膜のような所を潜ると途端に雰囲気も空気も変わり、外側からは誰一人いなかったはずの公園にひと組の男女が映し出される。

 

 だが様子が可笑しい。男は丸腰、反対に女の片手には光る槍って、アレ確かこの前僕を狙ってた堕天使じゃない!?

「死んで?」

 

 漫画の決め台詞のように他に音の聞こえない中でその声がとても大きく聞こえる。

 弾丸を思わせる速度で駆け出した僕が堕天使にかける言葉はこうだ。

 

「お前が死ねよ」

 

 突き抜かれた僕の右手からバキャ、と何かを破壊した音がする。だが僕の体に染み付いた感覚は何時ものとは違うように見受けられる。

 

「腕がァッ!!!お、おのれェ下等な人間の分際でッ!!」

 

 わざわざ説明してくれた、寸前で少し避けられ、腕に当たったようだ。いつもの神父服着てないからか気づかれたか?

 クソッ…でも骨は折れてるはず、今のうちに追撃ッ!

 

「お、覚えてなさいッ!」(バサァ)

「知るか!」

 

 少しフラつきながらも翼を広げて一気に空へ飛ぶ堕天使。そこそこの高さに行かれてしまったため僕は追撃を止め、ソレに地獄に落ちろとジェスチャーで表す。

 堕天使も死んだら地獄行きだろうか?それとも存在が消されるのかね。どうでも良い現実逃避はヤメだ。

 

「あぁ…欝」

 

 堕天使は取り逃したしこの場面を見られてる。

 

「夕麻ちゃん…そんな」

 

 目から涙を流し、膝から崩れ落ちている男、兵藤一誠。エロで熱血漢だが心はまだ年相応か。よっぽど、愛してたんだな。

 その気持ち、分かるぞ。手のひらを返されたあの時は…ん?今僕は何て言ってた?

『晴天晴天、どないする?コイ……ん?んんんん??晴天!?え、いや嘘やろ。マジ?、でも間違えようが……」

 

 カンサイから焦った気持ちがダイレクトに伝わってくる。

 嫌な、予感がする…具体的には目の前の変た…いや、兵藤から、何か、途轍もないオーラが…

「…やっぱりコイツ、赤の気配持っとるやん!オイオイオイ、何でよりにもよって今なんや…クソッ!コイツ赤龍帝や!!』

 

 カン……サイ…?

 

「じゃぁ、この変態が神滅具の『赤龍帝の篭手』持ちなの!?」

 

 僕がそう言った途端足元に転がっていたチラシから赤い光が放たれた。

 

 




松田の陸上部設定はオリジナルです。そこまで本筋には変わりはないでしょうけど。
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