デスゲーム開始から二週間が経った。
シエンとユウキは共に互いのレベルを上げながら、危なそうな人達や危険になった人達を最優先に助けていた。
そして助けられたパーティー達がシエン達と一緒にレベル上げするようになり、気付けば三十人を越えていた。
ある日、最初に助けたパーティーのリーダー、アキラがシエンに声をかける。
「あのさ、シエン」
「どうした」
「皆にも言いたい。デスゲームが始まって二週間が経ち、シエン達と一週間一緒に戦って思ったことがある。シエンと一緒なら、このデスゲームもクリアできるかもしれない。だからシエンをリーダーにギルドを作らないか?」
アキラの提案に皆が顔を見合わせた。
「ギルド……か」
「いいと思う」
「やろうぜ!」
周りから声が上がる。
「わかった。皆、ついてきてくれるか?」
シエンの問いに皆が「おう」や「はい」「どこまでもついていきます」と答えた。
ギルド立ち上げを決めて三日目。ギルドができた。人数は35人。シエンが総隊長。ユウキが総隊長補佐だ。デスゲームが始まって最初のギルドだった。
「今日はギルド『
あちこちで乾杯の声が上がり、数人はジョッキが割れるということもあったがそれはそれでさらに盛り上がった。ちなみに料理はシエンの手製だ。
『戦英旗隊』。戦は最強集いで、弱い者を助ける意味。英は利益を分け与え笑顔を増やすと言うのでつけた。
それから初期の分け方で、前線組、教導組、製作組の三つだ。
前線組は高レベルの集まりでボスとやり合い、迷宮区にも挑む。
教導組はレベルはまだ弱いが、将来的には攻略組に入りたいという者達で、できる限り安全に、効率よく教導する組。
製作組は基本後方支援で、前線組や教導組の武具防具を生成したりする組。
ギルドの資金は、前線組や教導組から得た金やアイテム。それから製作組が熟練度を上げるのに作ったものを売ったりして得る。
ギルドを作り、制度等も安定してから二週間が過ぎた。そしてシエンやユウキ、他の前線組が戦英旗隊用の制服を作ることに決めギルド内の皆からシエンが決めるのがいいということになり、記憶にある胴着を基本として、その上に羽織や鎧を考えた。
「デスゲームが始まってもう二ヶ月になるのか」
「うん。早いね」
シエンとユウキが敵を軽く倒しながら話す。他の前線組は今は別行動だ。何故かお二人で仲良くどうぞと言いながら別のところへ行ってしまった。なぜかユウキはありがとうねとお礼を言っていたが、シエンにはよくわからなかった。
「ん、前に誰か……数名いるな」
「わかるの?ボクには見えないけど…」
「現実世界で武術をやっていてな。気配を感じとる……技のようなもの。最近、この世界でなれてしまったのかだいぶわかるようになってきた」
「凄い!武術をやってたんだ」
「凄いか?」
周りにモンスターに囲まれ戦いながら、平然と会話をしていた。そして倒し終えたところでその気配の主達がきた。
「こんにちは。調子はどうだ?」
シエンがパーティーに話をかける。
「こんにちは。調子は上々ですよ。向こうの階段を上がった先で、ようやくボス部屋を見つけましたしね」
「見つけた?じゃあ……」
「これから戻ってすぐにパーティーやソロ達に伝えて、早速明日にでも攻略会議をやろうと思ってる。シエンも来てくれるかな?」
「あぁこちらの前線組を揃えていくよ。ん、俺のことを知っていたのか?」
「二人は有名だよ?『夫婦で』ギルドをやっているってね」
それを聞いてユウキの顔が一気に真っ赤になった。
「ぼ、ぼぼボクとシエンが夫婦だって?!」
「あれ、違うのかい?」
パーティーリーダーがおかしいなぁと頭を掻きながら声を漏らす。その後ろのパーティーメンバー達も同じ感じだ。
「ち、ちちち違うよ。シエンとは……まだ……」
ユウキは下を見ながら黙り混んでしまった。
「あはは。『まだ』だが、いつか『攻略』するよ」
シエンが笑いながらパーティーリーダーに言い返すとユウキが目をぐるぐるにして後ろに倒れてしまった。
「あ、大丈夫かユウキ?しっかりしろ!」
すぐにシエンが倒れたユウキの肩を持つ。
「刺激が強かったかなぁ……」
「ちょっとやり過ぎてしまったな」
「仲がいい夫婦になりそうだな」
「ボス攻略くらいに楽しみにしてますよ」
「また会いましょう」
パーティーメンバー達も笑いながら行ってしまった。
「さてどうするかな」
とりあえずユウキを端に寝かせて、シエンは休憩することにした。