東方黒雷伝   作:chaco

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どうも、今回も見に来ていただきありがとうございます。
まぁ、ここで話すこともないので本編どうぞ!!

※一部キャラの名前の表記を変更。


4話 1日の終わり

藍と俺が地上に着いた時、ちょうど紫も帰ってきた。

 

「よっこいしょっと。

あら、ちょうど透夜たちも帰ってきたの?」

「はい。

今日は弾幕を教えるよりも先に、空の飛び方を教えていました。」

「それで、どうだったの。」

「すごいですよ、彼。

妖力制御で空中にとどまるだけで⒉3日かかると思っていたのですが、この短時間でそれくらいはできるようになりました。」

 

それを聞いた紫は満面の笑顔を作った。

 

「ふふ。流石、私が拾ってきた人間ではあるわね。」

 

そう言われるとこっちも照れてしまう。

しかし、一つ引っ掛かることがある。

 

「紫、拾ってきたってどういうこと?」

「そのまんまの意味よ。

確かにあの人間たちから保護したっていうのもあるけど、それと同じくらいに自分のものでない妖力を使うあなたに興味が湧いたの。」

「じゃあ、俺が妖力を使えなかったら・・・」

「えぇ、幻想郷には入れてたけど人里の近くに放ってたわ。」

 

あ、あぶねぇー。使えてよかった~。

使えなかったらきっと今頃妖怪の腹の中だっただろう。

 

「でも、本当にあなたを保護して正解だったわ。

面白いものも見れたしねぇ。」

 

そう言って紫はあの空間から四角い何かを取り出した。

俺は何を取り出したのか、と首を傾げると、それを見た藍は

「急にカメラなんて出してどうしたんですか、紫さ・ま・・・」

「カメラ?」

 

俺はカメラがどのような物なのか気になった。

多分、記憶を失う前は知っていたのだろう。どんなものかは忘れてしまったが名称は聞き覚えがあった。

 

「そう、カメラよ。これはね、風景とか生き物をと「紫様、それ見せてもらってもいいですか?」・・・藍、拒否権は「あると思っているんですか」デスヨネー。」

 

そういわれ恐る恐るカメラを渡した。

ちなみに、この時の藍の顔は笑っていた・・・目以外は。

表情から察するに相当怒っている様子だ。

そして、渡されたカメラを覗いた藍の顔はみるみる赤くなっていった。腕もプルプルしている。

俺も気になって藍の横からカメラを覗いた。

そこに写っていたのは顔を赤くしながらおぶっている藍と、同じく顔を赤くして藍におぶってもらっている俺の姿だった。

それを見た俺も顔を赤くしていく。

 

「いつから見ていかんですか、紫様。」

 

先に見ていた藍が復活し、紫に尋ねた。

 

「そ、そうねぇ、大体藍が『早く乗れ』って言ってたところかしらねぇ。

まさか藍が初対面の人、それも男の子をおんぶするなんて思わなかったわ。」

 

それを聞いた藍は手に持っていたカメラを空に向かって思いっきり放り投げ、すかさず弾幕を飛ばし、カメラを壊した。

 

「紫様、後でたっぷりとお説教です。」

 

その時の藍はかなり怖かった。

具体的に言うと、一瞬、後ろに般若が見えるぐらい怖かった。

まぁ、すぐに見えなくなったが。

「とりあえず、中に入りますよ。」

 

気付くと辺りは暗くなっていた。

 

 

―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―

 

 

「それじゃあ、私は夜ご飯を作ってきます。」

 

そういって藍はなぜか上機嫌で台所へ行った。

俺もここから離れたら一人暮らしになるだろうから参考にしようと思い、台所に行こうとしたが紫に呼び止められた。

 

「透夜、ちょっとこっちに来て。」

 

俺は紫の正面に座った。

すると、紫はあの空間から一本の刀を取り出した。

 

「この刀を透夜にあげようと思うのだけれど、どうかしら?」

 

俺は紫の取り出した刀を手に取り、抜いた。

見た感じすごい綺麗だった。

刀身は光を一切跳ね返さないような黒。鞘は黒いが刀身とは逆に、鏡のように磨かれており、鯉口の下には刀身と同じような黒で小さな花が描かれていた。

 

「すごい綺麗ですね。」

「そうでしょう。」

「これの名前はなんていうんですか?」

「この刀は『月華』っていうみたいよ。

なんか、その持ち主だった人たちが不自然な死に方をしていったことから妖刀って言われているみたいよ。」

「不自然な死に方ってどんなですか?」

 

俺はそう聞きながら、刀を手から放した。

 

「なんか発見されたときの様子としては、黒い花が死体を覆うように咲いているらしいわ。

まぁ、どれも死んだあとらしいからその刀に殺されるってことはないみたいよ。」

「そうですか、それならありがたく使わせていただきます。」

 

そう言って俺は、再び刀を手に取った。

その様子を見た紫は嬉しそうにしていた。

 

「そうしてくれるとありがたいわ。」

 

そう言いながらあの空間から扇子を取り出し、口を隠した。

そして俺は紫に言いたいことがあったのを思い出した。

 

「そういえば紫、俺をあの空間で移動させないでほしいんだけど。」

「え、嫌に決まってるじゃない。

なんで楽できるのに使っちゃダメなのよ?

それとあそこはスキマっていうのよ。」

 

あそこはスキマっていうのか。

いやいや、それよりも今は俺に対してスキマを使わせないようにしないと。

 

「なんかスキマを通ると頭痛がするんだよ。」

「あら、それならいいじゃない。

多分だけどそれは把握するための霊力が足りてないからだと思うわよ。」

「それはつまり、霊力の消費を増やせば痛くなくなるのか?」

「多分ね?確信は持てないけど霊力を増やせば大丈夫だと思うわ。

だからしっかり霊力と妖力も増やしておくのよ。

使っていれば勝手に増えるから。」

 

そうして、俺に対してスキマを使わせないのは無理だったが、対策と霊力の増やし方が分かったので良かっただろう。

 

「ご飯できましたよ~」

 

俺と紫で話しているうちにできたようだ。

台所のほうからいい匂いがしてくる。

 

「は~い、直ぐにいくわ~。

ほら、行くわよ透夜。」

 

 

―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―

 

 

とりあえず、食事の準備は終わった。

しかしなんだろう、この献立は。

 

八雲家、本日の晩御飯

・きつねうどん ・小松菜のおひたし (油揚げ入り)

・油揚げの素焼き

 

・・・どの料理にも油揚げが入っている。

素焼きなんか料理といっていいか微妙だが枚数はかなりある。

紫なんかは死んだ顔になってる。

俺も相当驚いているが、藍に尋ねた。

 

「あ、あの藍、なんでこんなに油揚げが多いんですか?」

「それは私が好きだからだ。

いつもは紫様に制限されているが今日はちょっとした腹いせにだ。いつもはこんなに多くないぞ。

っと、せっかくの油揚げが冷めてしまうからそろそろ食べようじゃないか。

それじゃあ、いただきます。」

「い、いただきます。」

「いただきます。」

 

こうして俺たちは大量の油揚げを食べ始めた。

・・・ちなみに紫は食べ終わるまで顔が死んでいた。

 

 

―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―

 

 

今、俺は刀を片手に外にいた。

あそこにいた時に我流だが、武器として使う時もあったから、今回も刀を選んだ。

そして紫にこの刀を渡された時、なぜか自分の手にしっくりときた。

本当に刀を選んで正解だったと思う。

 

「でもお前、妖刀なんだよなぁ。頼むから俺を殺さないでくれよ。」

 

そういって俺は刀を抜いて素振りを始めた。

 

 

 

何だろう、この感覚。

刀なんてあの場所でも数回しか握っていないはずなのに振り方がなんとなくだがわかる。

少なくともあの場所じゃ感じられなかった感覚だ。

そんなことを考えていると一人の気配を感じた。

 

「何しに来たんですか、紫。」

 

そう言って気配のするほうへ振り向くと紫がスキマから出てきた。

 

「あら、よくわかったわね。スキマの中の私なんて長年いて初めて察知できるようになるのに、これも能力の影響なのかしら?」

「十中八九そうでしょう。」

「でも、すごいわね、その能力。

スキマの中まで影響が出るなんて。」

「それより、なんか用ですか?」

「えぇ、お風呂が沸いたから今日はそのくらいにして入ってきなさい。

かなり疲れているはずだから。

あ、あと部屋はあそこを使っていいわ。」

 

そういってスキマの中へ入っていき、すぐに紫の気配は消えた。

自分では別に疲れていると感じないが、ここは素直に従って今日はここまでにして、風呂場に向かった。

 

 

―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―

 

 

脱衣所には男性用の服が用意してあった。

多分紫が用意してくれたのだろう。

俺の服は今着ているものしかないからありがたい。

心の中で感謝し、今着ている服をたたんで隣に置いた。

 

 

「ふ~」

 

身体を洗ってから湯船に身を沈めるとわず声が出た。

なんせあの場所へ連れてこられて時から初の風呂だ。

あそこでは基本、体を拭くだけで、週に一回水浴びがあるかないかだった。

 

風呂場では特に何もせず、ゆっくりとした後、湯船からあがった。

服は和服のようなもので少し着るのに手間取ったが何とか着て部屋へ向かった。

 

 

―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―

 

 

思い返せば、今日一日いろんなことがあった。

初めてのことばかりで楽しい一日だった。

紫には助けてもらったし、感謝してもしきれないな。まぁ紫なら「気にしないで」とか言いそうだけれども。

・・・ああ、早く強くなって幻想郷中を回りたいな。

何があるんだろう。どんな人がいるんだ、ろ・・・う。

 

そんなことを考えながら透夜は眠りについた。

 

 

 

―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―

 

一方そのころ、施設では・・・

 

 

「あー、クソっ、どこに逃げやがたあの野郎。

このことがあの人に知られたら・・・。

あー、そもそもなんで捕まえられねーんだよ。ここには愚図しかいねーのかよ!!」

 

薄暗い部屋の中、一人の女性が声を荒々しく上げ、近くにあった椅子を蹴り上げた。

 

「というか、ホントにやべーな。このことがバレ「コンコン」ハァ・・・あー入っていいぞ。」

 

彼女は嫌な予感がした。そしてその予感は的中していた。

部屋の扉が開き、一人の女性が姿を現した。

 

「レイナ様、主がお呼びです。すぐに主の元へ来てください。」

 

やっぱり今回のことで何かされるんだな。

 

「ユウナ、それは私だけか?」

「いいえ、他の御三方も召集されております。」

 

レイナは驚いた。

今回の件で叱られるんだったら自分一人だけだと思っていたからだ。・・・最も命があるかはわからないが。

 

「はぁ、わかった。すぐ行く。」

 

レイナはそう伝えるとユウナは一瞬で消えた。

 

「そんじゃまぁ、叱られに行きますか。」

 

そういってレイナは部屋を後にした。

 

 

―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―

 

 

外の世界のとある場所に男女が三人ずついた。

一人男性が椅子に座っており、その隣にはユウナが立っていた。おそらく彼の秘書のようなポジションだろう。

そして、彼の前には残りのメンバーが跪いていた。

 

「今日、レイナが担当する東棟で脱走者が出た。」

 

その言葉で全員に緊張が走った。

 

「番号は108番、奴にはかなり強力なアビリティを入れたがまだ自意識が残っていた良個体だ。

逃げた先は幻想郷。

お前らにはそこへ行って108番の捕獲、もしくは抹殺をしてもらう。

最悪、身体が残っていればいいからな。」

「そ、それで最初は誰が行くんですか?」

「お前だレイナ。お前のミスだからな。

だが、捕獲、もしくは抹殺に成功すれば今回はお咎めなしだ。一週間後にお前を向こうへ送る。

皆ももしかしたら行くことになるかもしれんから戦闘準備だけしておけ。

それと、レイナがいない間、東棟はショウマ、お前に任せる。」

「はっ。了解しました。」

「おし、それじゃあ解散だ。

くれぐれも脱走には気を付けろ。」

 

そして、解散の号令とともに彼らは、自分たちの担当区間へと戻って行った。




いかがだったでしょうか?
やっと敵側が動き始めました。名前、3人しかわからないけど。
ここで透夜がいた施設について説明します。一応説明しておこうっていうものなので別に知らなくても支障はないと思います。

この施設は中央に一つ建物があり、その建物を囲うように東西南北に4つ、それぞれ東棟、西棟、南棟、北棟と呼ばれている建物があります。
中央以外は4階建てで、1階には手術室があり、2階と3階にはそれぞれ被験体を収容しておく場所、4階は職員の生活スペースになっています。それぞれ1階に出入り口があります。
次に中央の建物ですが、こっちは3階建てで、1階には観察室、まあ、どれぐらい強くなったかを見る場所ですね。
そして、2階には幹部たちが集まる場所ですね。
3階はボスの自室になります。
ちなみに出入り口はなく、各棟の1階から廊下でつながっています。
施設は広い森の中にあり、基本出れないです。
透夜は戦闘後、収容場所に戻る途中に脱走しました。

アビリティについては=能力と考えて大丈夫です。
外ではそう呼んでるだけなので。

と、まぁ大体こんな感じで説明は終わりかな。

後書き長くなってすみません。次回の投稿は土曜日です。
それではまた、次のお話で。


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