海軍大将 白狐   作:汎用うさぎ

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最近多忙にて更新が出来なかったの巻。本当に申し訳ない。

ではでは、11話です。11話はシルヴィア中将昇格の功績となったクロッゾ海賊団についてです。どうぞー


11.クロッゾ海賊団

 

ーーシルヴィアが中将になる前ーー

 

 

「ーーおぉ、センゴク。なんじゃ新世界で大暴れしとる馬鹿がいるらしいの?わしが沈めてやるぞ?」

 

報告書に目を通して大きく溜息をついた矢先、更に大きく溜息をつきたくなる馬鹿(ガープ)が部屋に入ってきて報告書を奪い取っていった。

 

ガープは備え付けの煎餅を勝手にバリバリと頬張りながらどかっとソファに腰を下ろした。咀嚼と共に食べカスがボロボロと床に落ちる。いつもなら怒鳴っているところだが苛立ちを抑える。

 

「…お前は成果と被害が釣り合わんから大人しくしておけ、といつもなら言っているところだが…」

 

「んん?珍しく歯切れが悪いのぉ、それほど厄介な奴なのかコイツは」

 

ガープにクロッゾ海賊団の資料を追加で手渡す。主に被害報告や構成員の懸賞金を纏め上げたものだが、簡潔にまとめられたものなので馬鹿には丁度いいだろう。

 

「ボロボロの実の腐食人間だそうだ。奴はその能力を使って航海途中に立ち寄った街を既に5つ壊滅させ海軍支部の駐屯部隊も全滅だそうだ」

 

クロッゾが通った後は草一本残らない、とまで言われている。しかもクロッゾは捕らえた住民を拷問にかけて殺す、またはヒューマンショップに売り捌いているというのだからなお度し難い海賊だった。

 

「街を壊滅か…若造めが…!!」

 

ガープが資料を破りさり勢い良く立ち上がると大股で外へ歩き出した。

 

「待てガープ!!今回は貴様の出番はない!」

 

「なんだと!?」

 

「今回は…任務から帰投中のシルヴィア君に任せる。」

 

私がそう言った瞬間にガープは体をぐるりと180度回転させ、口をあんぐり開けていた。

 

「…本気か?」

 

「私とて少将を5億の賞金首にあてるなど気が狂ったとしか思えんがな…彼女を少将で止まらせておくべきではない」

 

「わしが言っておるのはそういうことじゃない!!ワシのシルヴィが怪我したらどうする!?責任取れるのか!?」

 

ガープが襟首を掴んで抗議してくるが、私は意見を変えるつもりはない。彼女には機会を可能な限り与えていく。

 

「責任は取る、私が指令を出したのだから当然だ。それよりもいいのか?貴様の愛娘の昇格のチャンスだぞ?」

 

「ぬ…ぐぅ…!!」

 

昇格をチラつかせれば承諾すると思ったが存外に渋るガープ。仕方がないので此方も最大限の譲歩をすることにした。

 

「特別にお前もシルヴィア君の討伐任務を観に行く事を許可する。だが邪魔はするなよ?お前が手を貸したとあれば昇格の話はなしだ」

 

「ぐ…!!わしは行くぞセンゴク!!」

 

コイツは愛娘の事になると扱い易くて助かる。思わずニヤリとしてしまうのも仕方がないことだろう。

 

「あぁ、勝手にするがいい。だが、分かっているな?」

 

「分かっとる!!」

 

ガープは乱雑に扉を殴り開けて出て行った。当然扉は破壊され、修理は免れない。

 

ふむ、奴の給料から天引きしておくか…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

海軍支部の視察を終えた私に電伝虫を通してセンゴク元帥から指令が下る。それは帰路につく船の進行方向を大きく変えて、自由の限りを尽くす海賊団を殲滅しろ、というものだった。

 

「分かりました。進路を変更し、クロッゾ海賊団の制圧に向かいます。えぇ、生死は問わず…ですね。了解しました。」

 

『任務終わりで疲れているかもしれんのにすまないな。これは私から君に送る特命だ、身の危険を感じたら撤退してもかまわん』

 

確か船長は5億の賞金首だっけ?まぁ、今聞いた悪行を聞く限りではもっと上がるだろうな。私が捕まえなければ。賞金が上がるまでもなく私が捕まえておしまいにしてやろう。

 

「あー、はい。分かりました。では、おーばー」

 

「シルヴィア少将…」

 

連絡を隠れて聞いていたのであろう部下のセラちゃんである。彼女は直接私が訓練兵の中からスカウトした海兵で潜在能力(ポテンシャル)はピカイチ…のはず。本人は気づいてないけど。常にオドオドしてるし、可愛いものです。

 

取り敢えず、ナイスタイミングと言っておこう。

 

「おーセラちゃん良いところに、総員に戦闘準備と伝えておいてくれない?まぁ、出るのは私だけだけど、一応ね。南西の島を襲撃してる海賊団制圧してくるから、皆んなには捕縛だけお願いするね」

 

部下の皆んなが相手するには荷が重い。当然打って出るのは私と桐代だけだ。

 

「そんな!シルヴィア少将だけ出撃するなんて…わ、私も行きます!!」

 

恐らく彼女は勇気を振り絞って懇願したのだろう。私一人で事足りるし必要はないのだが、彼女の勇気を不意にはしたくない。

 

「…セラちゃんは…見聞色の覇気を修めてたっけ?」

 

「は、はい!」

 

「なら、ついて来ても大丈夫かな。…うん、おいで」

 

見聞色の覇気を修めていれば私を見失う事もないだろうし。大丈夫かな。

 

「分かりました!」

 

嬉しそうに笑う彼女を引き連れ、甲板に上がる。

 

軍艦の航海に従事していた海兵達は動きを止め、敬礼する。それを確認してから私は宣言する。

 

「総員戦闘準備!!目標は南西に位置する島を襲撃しているクロッゾ海賊団だ、正義の名の下に奴らを捕らえる!」

 

「「「「「はっ!!」」」」

 

しかし…こういう口上を述べるっていうのは恥ずかしいなぁ。部下を鼓舞する意味では必要な事なのかもしれないけどさぁ…。やだなぁ…。

 

シルヴィアの愚痴は潮風に消える。そして軍艦は航路を変え、南西へと進む。

 




はい、クロッゾ海賊団船長のクロッゾさん。未だ一言も発してないけど、モデルはSCPで有名なオールドマンです。性格も人を痛ぶりながら殺すというイカレ具合です。仕出かした悪行を加味するに7億は超えるであろう危険人物さんです。
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