戦姫絶拳シンフォギアF   作:病んでるくらいが一番

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番外編や未来さん誕生日などは書いていたのですが、つまらなかったので全てボツになりました。未来さんアニメちゃんごめんなさい。
そして更新するかもしれない5期へのフラグとやり忘れていたことがあったので、この話を投稿されて頂きます。


#131『切り刻む歌と鰻』

 流は神として中途半端だ。

 

 ()()()()()には程遠く、それでいて人間だというには色々出来すぎる。

 だが、流は今の中途半端な感じを気に入っているし、これ以上に神に近づく気は今のところ無い。

 

 流が神の力に求めているのは愛する皆を失わない力と、失ってしまった過去は戻らないが、それを出来るだけ補う力だ。

 後者は主に自らが弱かったから色々あった奏やクリス、それにやろうと思えば救えたかもしれないセレナに対して思っている。もちろん皆はそこまでしなくていいと思っていることも分かっているが、流にも意地がある。

 

 奏は何だかんだ蘇り、翼達と今を生きている。クリスはバルベルデで過去のわだかまりを解消し、未来に思いを馳せている。セレナだって、未来の豊満なボティーを夢見て、色んな体操を行っている。

 そして過去の記憶を失っていた調はその記憶を思い出し、その記憶とうまく折り合いをつけている。前の調の人格であるツキの記憶によって、お嫁さんへの憧れが強くなったり、少しだけ社交性が出ているなどの変化はあるが、好ましい変化だろう。

 

 様々な物事がいい方向に変わっていく中、未だに過去を忘れ、その過去のある事を思い出したいと願っている少女がいた。

 

 

 **********

 

 

「ハァァァ! 逃がさないデース!」

「……」

 

 切歌はイガリマの鎌を二本同時に操り、自分の隙を補うために【封伐(ふうばつ)PィNo奇ぉ(ぴのきお)】で肩のアームを操作して、流に反撃の機会を与えない。

 

 流と切歌はS.O.N.G.内の訓練ルームで戦っていた。今回流はゴリ押しを禁止されているので、体をデュランダルにせず、生身の見た目で戦っている。生身でも充分硬い(その身は聖遺物)が、デュランダルの力を発揮させた状態であるデュランダルカラーの時に比べたら柔らかいし、何より流は切歌の攻撃を食らったら傷として受ける気だ。

 

 二本の鎌に四本の肩アーマーによる途切れることのない攻撃を、流は体全体を使って流していく。今回は忍術も使う気がなく、爆振などで地面から攻撃なんてこともする気は無い。故に流は二本の腕と二本の脚でのみ戦っているため、切歌の手数に押し負けている。

 

「……くっ! 喰らえデスよ」

「それは無理」

 

 しかし苦しそうにしているのは切歌だった。

 

 切歌は流のような人外レベルの集中力を持っているわけでもなく、弦十郎のような超人レベルの根性を持っている訳では無い。合計六本の攻撃の隙を補いながら操り続けているのだ。どんどん切歌は集中力へすり減らしていくし、当然その動きに綻びができる。

 

「そこ!」

「ちょっと待っ、ぐへっ!」

 

 切歌の集中力が散漫になった瞬間を狙い済まし、右肩のアーマー二本を流に握りしめられ、そのまま切歌は地面に投げ飛ばされた。

 前も流に集中力で負けた気がするが、きっと気の所為だろう。この戦い方は武人たちに鍛えてもらったものであり、この方法を切歌は変えるつもりはない。

 

 

 

「……はぁ。やっぱり勝てなかったデース」

「お疲れ。スポーツドリンク飲む? それともお茶とか入れる?」

「スポドリがいいデス」

 

 切歌の集中力も切れてしまっため、その時点で鍛錬を終え、今は割と露出の多いような気がする私服を着て、切歌は流の研究室に来ていた。

 

 流は了子やウェル達のように積極的に自ら研究をしないので研究室は要らないと思っている。しかし、流の研究しているテーマが、デュランダルによる第四のエネルギーの恒久的な利用という極めて危険な事であり、S.O.N.G.内でのみ研究が許されている。というか、外部でするなと釘を刺されている。

 そんなことを研究しなくても流という無限機関や、フロンティアにあるネフィリムの心臓という無限機関があるのだが、流は一応研究している。きっといつかどちらも無くなるのだから。

 

「それでどうしたのさ? いきなり戦いたいなんて」

「昔に比べて……流達と出会った時に比べて強くなったデスから、自分の強さを確認してみたかっただけデスよ」

 

 切歌は流の横に座りながら、笑顔でそう答えた。その切歌の頭を彼はワシャワシャと撫でる。流は普段は直接想いが流動によって人の考えを読み取らないように意識しているが、そんなものを使わなくても切歌の嘘には気がつける。

 

「俺には嘘は通じないよ」

「……神の力を使ったのデスか?」

「いいや。切歌が無理をしているのは何となく分かるし。今も空気を悪くしたくないから、無難な答えを出したのは分かる。そのくらい理解出来なくて、愛しているなんて言えないさ」

「その言葉を最低でも六人に言ってなければ、かっこいいセリフなんデスけどね」

 

 常温よりも少しだけ冷たいスポーツドリンクを飲み終えた切歌は、座っているソファーの流が座っていない方に顔を伏せるように倒れた。だが、流が無理やり自分の膝に切歌の頭が来るように体を一回転させる。

 最近は調の件やセレナ関係に風鳴関連、あとは神に関することばかり掛かりきりになっていた。クリスのように切歌は勝手に来てくれる訳でも無いので、流はじゃれつく意味も含めて、切歌の頭を太ももに乗せる。

 

「狡いデスよ。最近は調も似たような事を言って、私の事を見透かしてくるデス。見透かされて嫌な訳じゃないデスよ? でも、調が色んなものを克服しているのを見ると、少しだけ……少しだけ寂しいデスよ」

「緒川さんのせいで忍者的な要素が強く出始めてるしね」

「……そういえばなんで流は緒川さんの事はお父さんって言わないのデス? 前に緒川さんもお父さんだって言ってましたよね?」

 

 流の事を聞かなくてもだいたい知っているのは奏と翼、あとはセレナくらいだ。少し前まで流は秘密主義が過ぎていて、そのせいでマリアに軟禁された。それを改めるため、AXZ事変が終わったあとから流は聞かれれば何でも話すようになったが、皆が知りたいと思っていないことは特別話していない。

 

「え? あー、緒川さんとはエージェントとして、マネージャーとして、忍者として先輩だったり師匠だったりするのよ。父親でもあるけど、父親っぽい事は基本的に弦十郎父さんがやっているから、滅多に呼ばないかな」

「なるほどなるほど。でも、緒川さんはもう少し呼んでほしそうデスけどね」

「マジ?」

「大マジデス」

 

 そんな風に学校が休みの午前中に二人で駄弁っていたが、今の話が切歌がしたい本当の話ではない事を感じ取っているので、区切りがいいところでそちらに話を向け直した。

 

「俺に何か聞きたいんじゃない? 遠慮せず聞いていいよ」

「……調は過去の無くしていた思い出、昔の名前を思い出しましたよね?」

「ああ、予想外だったけど」

 

 調が調(つき)神社の宮司と血縁であること、そして前の人格の記憶なども全て思い出した事は、調はそのあとすぐ皆に告げていた。

 調は多少変わったかもしれないが、月読調のままなので言わなくても問題ないのだが、やはり隠し事はしたくないと話した。その時に切歌が少しだけ寂しげな顔をしていたのは、流も覚えている。

 

 S.O.N.G.は月読調と暁切歌とマリア・カデンツァヴナ・イヴを仲間として引き入れた。その過程で別段調達の過去については詮索してこなかった。過去になにをしていても、弦十郎はその時の彼女達自身を仲間にしたので調べなかったのだ。甘いと言われそうとそれが弦十郎だ。

 クリスも過去に色々あったため、知らない方がいいこともあるし、別段必要でもなかったので調べなかった。

 

 だがしかし、切歌が調が記憶を思い出したことを知って、寂しそうな反応をしていたので、流と了子は二人で日本及び他国の戸籍関連の情報を調べた。

 

 二人はオフラインでも、物理的に隔離されていてもハッキングしてみせる! と豪語する人達だが、切歌だけではなく、調の前の名前である調(ツキ)の事も分からなかった。

 どうやらデータを消されたあと、ハード自体を一新し、完璧に情報を隠蔽されてしまったようだ。流石に完全に消されたデータは二人にもどうしようもない。

 

 少し前までは日本政府内にもアメリカと通じている人が結構いた為、完璧な隠蔽も行えたのだろう。フロンティア事変後に風鳴や了子の協力のもと、裏切り者はすべて明らかになり、既に辞めさせられている。

 流を協力させられなかったのは、勝手に殺してしまう可能性があるので、訃堂が流を関わらせなかったためである。

 

「予想外だったのデスか?」

「ああ。ただ忘れた記憶なら思い出せる可能性はある。キャロルのように記憶の焼却をしなければね。記憶は想いの塊だ。例え自分の記憶でなくても、それを得てしまえば、自分は変わってしまう、影響されてしまうんだよ」

 

 マリアに軟禁されたあと、何度もパヴァリア三人娘が死ぬ場面を見て、流は絶対にあの子達を不幸にしてはならないと誓った。何となく気に入っていたが、あの記憶があったから絶対に助けると流は思えた。

 さらに言えば流は力がないとこの世界では生きていけない事を原作知識で知っていた。だからこそ、流は強くなることを選んだのだ。もしあれが無かったら、弦十郎の厳しい鍛錬に折れていたかもしれない。

 

「調はそんな変化は望まないデス。今の調は自分で変わる事もありますけど、自分ではない記憶まで受けれないと思うデスよ」

「そうだね。想いは望まない限り力をそこまで発揮しない。例外もあるけど、強く思わなければ忘れた記憶を思い出すことはあまりない。調は過去のことを知りたいとは思っただろうけど……」

 

 この考えは普通なら正しくない考えだが、想いという奇跡を起こせる力を基準に考えると、望んでいない奇跡など起こらない。流はそう思っている。

 

「更にいうと前の人格の子は、その子の記憶という想いの塊で、宮司さんの背後で見守っていたんだ。肉体から記憶が離れたのなら、残っていないと思っていたんだけど……すまん、そこら辺はまだわかんねえんだわ」

 

 脳を破壊されたら記憶は維持出来ないのか? と聞かれれば、流は否定しないといけない。

 人間は脳に記憶を蓄積させているが、今の流は頭を破壊されても再生できるし、()()()()()()()()()()()

 

 あまりにも常識外れな事ばかりやっている為、流は何を基準にすればいいのかイマイチ分からなくなってきている。

 切歌にこんな事を言っても、頭が壊れたら死ぬだけデスよ? と真顔で返されてしまうだろう。

 

「……強く願っても思い出せない記憶がある人はどうすればいいデスか?」

 

 切歌は難しいことはあまり分からないが、強い想いがあれば記憶だって思い出せるという言葉の後から考え込み、決意ができたのか流に質問をした。

 

「切歌は誕生日とか過去を思い出せないんだっけ?」

「そうデスよ。調と同じように一般的なことは覚えていたのデスが、誕生日とか家族の事は分からないんデスよね」

「やっぱり思い出したい?」

「……はい」

 

 切歌は誕生日のお祝いの時は特に力をいれて祝ったりしていた。それは自分の本当の誕生日が分からないからだったのだ。しかし最近までは切歌自身の誕生日については固執していなかった。調が過去を思い出すまでは。

 

 調が忘れていた過去を思い出せたのなら、自分もいけるのでは? と思ってしまったのも無理はないだろう。

 

「まずな、俺が調の過去の人格の子と会ったのは偶然なんだ。鼓星の神門を調べに行った時の宮司さん、その人の後ろに憑いていた子と会話をしたら、たまたま調の前の人格の子だった。だから、すぐに思い出せるとは思わないでくれ。やれることはやるけど」

「そんな事はわかっているデス。ゆっくりでもいいのでお願いします……デス」

 

 切歌は流の目を見て、ふざけ無しで頭を下げたが、恥ずかしくなり、取ってつけたようにデスを付けたのだった。

 

 

 なお、ウェルを筆頭にほかの人にも切歌の事を調べてもらったが、記憶の発掘は出来なかった。本来ならウェルが何千字と話すのだが、尺の都合でカットである。

 

 

 **********

 

 

「んっーん。はぁ〜、やっと一段落かな」

 

 流はAXZ後からずっと色んなものの精算を行ってきた。セレナや融合調、奏などについて動き回っていた。もちろんパヴァリア三人娘の事やチフォージュ・シャトーの説明なんかにも動き回った。

 

「忙しなく動いてたけどやっと終わったのか」

「居たのか、声をかけてくれればよかったのに」

「私もいる」

「今ちょうど帰ってきたんだよ。調に買い出しの手伝いを頼まれてな」

 

 流はクリスが帰ってきたことは分かっていたが、あえて今気がついたようなことを言った。だが、真横に気配を完全に消した調がいきなり表れ、表に出さなかった(本人はそう思っている)が仰天していた。忍術、侮りがたし。

 その反応にクリスと調は楽しそうに笑いながら、食材を冷蔵庫へと入れていく。

 

「今日は何にするの? 下処理必要なら俺がやるよ。最近は手伝えてなかったからね」

()()()()()()に教えて貰った鰻の調理方法を試すから大丈夫」

 

 調は前の人格の記憶と融合したあと、ちょくちょく調神社の宮司に会いに行っている。前の人格であるツキの記憶を持っているとは言わずに、調は宮司と仲良くなったらしい。

 

「鰻か……ウナギ? あれ? なんか忘れてるような……」

 

 調がキャロルにでもお願いして、産地にまで行って買ってきたであろう鰻を見せてもらうと、何か大切なことを忘れている様な気がした。

 

「鰻ウナギうなぎ、UNAGI?」

「……あれだろ? パヴァリアのあの三人が創り出した蛇みたいな奴」

「あー! ヨナルデパズトーリ!!」

 

 流がブツブツと鰻を連呼していると、流よりも早く事変の纏められた資料を読み込んだクリスが答えを出した。

 流はヨナルデパズトーリを適当に処理したし、その後が濃すぎて忘れていた。擬似神としてはティキの方が強いだろうし、神アダムとは比べ物にならないくらい弱いので、頭から抜け落ちていた。

 

「ちょっと行ってくる」

「行ってらっしゃい」

「奏さんのフライパンを借りる」

「ああ、調ならいいよ」

 

 流はその場で立ち上がり、玄関で靴を履いてから、位相差をズラして、ある空間に自らの位相をずらした。

 

 

「グオォォォォォォ!!」

 

 流はヨナルデパズトーリという倒すのに物凄く苦労しそうな擬似神を、空間幽閉した位相にやってきた。

 その位相に流は体の位相を合わせると、叫び声と共に何者かが流に向けて牙を突き立てようとしてきた。

 

「お座り!」

 

 流はその牙を拳で殴り折り、その存在、ヨナルデパズトーリを地面らしき場所にたたき落とした。すぐにヨナルデパズトーリの力である平行世界のヨナルデパズトーリにダメージを移したようで、折れた牙は元に戻る。

 

 この位相空間は何も無い。明確な空間と空間の狭間にあり、光すらない真っ暗な空間が広がっている。あるのは地面だけで、その地面は何で出来ているのかイマイチ分からない。

 だが、流もヨナルデパズトーリも互いの存在の場所がわかる。流は完璧に近い擬似神であり、ヨナルデパズトーリは実験的に作られた擬似神だ。互いに似た存在であるので、視界に頼らなくてもなんとなく分かる。

 

 ヨナルデパズトーリは再生するとすぐに流を食い殺さんと突撃してくる。それを流は何度も何度も拳で撃退していく。

 

『自分をこんな所に幽閉した怒り。本来兵器として作られた擬似神であるお前には絶対に芽生えない想いだ。だが、お前からは想いを感じる』

 

 流がヨナルデパズトーリを幽閉したのには二つの理由がある。一つはあの場でヨナルデパズトーリを殺し切るには時間がかかるから。

 もう一つは流は実験したかったのだ。想いを持たない造形物が自分との接触で、どのような変化をするのか。

 

 流は今まで本能や作られた目的に対するルーチン以外の行動を取るようになった存在を知っている。

 

 まずはノイズだ。ソロモンの杖の支配下にいるのに、飛行型ノイズ『鳥』は流の支配を振り切り、主をミカに変えた。ミカに相応しい姿になる為か、猛禽類のような綺麗な姿に変化も遂げている。他にも武術を習ったり、料理や掃除を好んでするノイズまで現れている。

 

 次にデュランダル。聖遺物全般に言えることだが、弱い意思を始めから持っていた。その意思と想いや魂などが合致すると、適合することができ、シンフォギアなどにして纏うことも出来る。

 デュランダルの場合、流に命令されれば全身をデュランダルに変えたり、本来なら増幅できない神の力なども無理をして増幅してくれたりする。

 

 最後はネフィリムだ。ネフィリムは元々生物型聖遺物であり、本能のようなものはあった。だが、今では少し大きい(流の感覚では)犬くらいの振る舞いばかりしている。

 

 流がフロンティアに行けばじゃれつく様に噛みつき、奏や調などの割と容赦のない人には怯えてお腹を見せる。AXZの時に流はデュランダルな腕を数本報酬として与えたが、1本その場で食べて、残りは地面に埋めていた。フロンティア自体が既にネフィリムと言ってもいいので、体内に隠したことになるのだが、傍から見たら完全に犬が骨っ子を隠したようにしか見えなかった。

 

 

 そんな風に流が関わると、種族的な進化でもするかのように、本来の性能とは違う方向へと進化してしまっていた。

 

 流は殺そうと噛み付いたり、体当たりを繰り返すヨナルデパズトーリを迎撃しながら話しかける。

 

『デュランダルは例外として、今いるノイズ達は一度くらいは俺と拳を合わせている。うちのノイズが弱いなんて有り得ないから、稽古をつけたことが何度かある。その時は強くなれ、そんな想いを抱きながら手加減して殴り飛ばしていた』

「ギュアアアア!!」

『ネフィリムだって初めはティーカッププードルみたいに小さい姿から成長したし、少しは愛着があった。まあ、あの時は心臓が必要だったから、優先順位を決めて殺した。殺す時は多少の謝罪の気持ちやセレナを殺した原因に対する怒り、その他の感情を胸に秘めながら殴り飛ばした』

 

 流にぼこぼこにされればされるほど、ヨナルデパズトーリは怒り以外にも、恐怖などの別の感情を覚え始めているように感じる。

 

『お前もきっと俺やアニメのシンフォギアの世界以上に「オモイノチカラ」が強い影響を出す世界のルールによって、個人の想いや感情を得ていくだろう』

 

 流はヨナルデパズトーリを殴り飛ばさず、空中で停止しながら、ヨナルデパズトーリを受け止める。

 

『俺を許せ……いや、俺だけを恨んでくれ。それ以外に変なことをするな。もちろん防衛にならいくらでも暴れていいが、その怒りを制御しろ。そうすれば、お前をここから出してやる。それまではお前はここで孤独に苦しめ』

 

 流はそれだけ言うとヨナルデパズトーリをブン投げて、自分の体をクリス達のいる位相へと戻していく。

 

「ギャアアアアアア!」

 

 本来なら想いのままに叫ぶことのないヨナルデパズトーリは、最後の最後に寂しいという感情を込めながら、叫び声をあげた。




切歌の過去が5期で触れられればこのフラグは活かせます。鰻は忘れていました。

番外編も面白い話が考えつかないので、当分更新はないと思います。ネタを思いついたり、しないシンフォギアで使えそうなネタがありましたら、投稿したいと思います。

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