戦姫絶拳シンフォギアF   作:病んでるくらいが一番

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前にキャラ崩壊のような何かを起こした人がまた起こします。ご注意ください。
ちなみに八紘さんです。


#47『想い出の地とパパとパパ』

 流は噛み跡マーキングをされて、了子と少し話したあと、弦十郎には殴られ、藤尭には怒られ、友里にも怒られた。皆にとても心配されていて結構反省した。

 

 一通りの説教が終わると、流はクリス達に逃げないように監視をされながら、家に帰ってきた。帰ってくる途中も、クリス達はシンフォギアでいるつもりだったようだが、弦十郎達が隠蔽に苦労するので、流は何度もお願いして私服に戻ってもらった。

 

 エルフナインも一緒に帰ってきていたが、クリスがエルフナインを家に住まわせる判断をしたようだ。

 アニメに比べて了子やウェル、ナスターシャがいるため、エルフナインの負荷が減っているので、普通の女の子としての生活を送らせているそうだ。もちろんギアの改修などの補佐の仕事もしっかりこなしている。

 

 そのおかげか、アニメでは初回のエロい服と白いワンピース、ワンピースの上に白衣の衣装しか着ていなかったのに、今は調のピンクの服を着ている。切歌やクリスなどの服はある部分(胸部)のせいで合わないから、調の服ばかりだと、調が悔しそうに呟いていた。

 

「流久しぶりね。ロンドンでおもてなしをすると言ったのに、再会が日本になってしまったけど……なんか疲れてる?」

 

「こいつらに襲われたから」

 

「流が悪い」

 

「そうだ。あんなもんつけてた流が悪い」

 

 ナスターシャの定期検診の付き添いでいなかったマリアは、先に帰ってきていて、みんなを出迎えてくれた。流がマリアに反応すると、調やクリスが噛み付いてきたので、家の中に逃げた。

 流はやりたい事があるので、部屋で一人になろうとしたが、監視という名の不法侵入があったので、用事は後回しにすることにした。

 

『流、腹減った』

 

『欧州にいた最後の数日は、食べないと動けない流さんを優先して食べてませんでしたからね。お肉が食べたいです。オニックゲインが足りません』

 

『は?』

 

『ボケただけなのに、真顔はやめてって言ってるじゃないですか! 始めの私への気遣いはどこにいったんですか!』

 

『セレナに気を使う必要……ある?』

 

『……もういいです。奏さんとはお話してあげません』

 

 お腹が減る感覚はあるけど、食べなくても何とかなる奏とセレナ。二人にはロンドンで逃げ回っている間、食べることを控えてもらっていた。保存食で食い繋いでいたので、それが減るのを避けたかったからだ。

 その場で買ってもよかったのだが、どれがサンジェルマンの組織の傘下ではない店か分からなかったので、やむなく持ち込んだ栄養剤で凌いだ。

 

 この後、結局構ってほしいセレナが奏に謝っていたところを流は見ることになった。

 

「調ー! 夕飯の準備するから手伝ってくれ」

 

 監視(クリス)を引き連れてリビングに行き、部屋に戻った調を呼んだ。心細いモードにクリスは入ってしまったようで、ぴったりくっついている。今回は流も両親のように自分を置いていくのでは? というトラウマに触れてしまったようだ。

 

「今日は作ってあげるから、流は休んでて」

 

「いやいや、この人数は大変だろ? 調は大変で泣いてたって聞いたし」

 

「泣いてない、疲れただけ。今日だけは私がやってあげる。明日からはしっかり手伝って……クリス先輩、流を止めておいてください」

 

「ん」

 

 調はクリスにお願いして、流をキッチンから追い出した。やることが無くなり、一人の用事もクリスがいるから進行できない。何をしようかとソファーに座って、足の間にクリスを座らせて考えていると、霊体の一人が提案してきた。

 

『流さん、流さん』

 

『なに? なんかやる事あったっけ?』

 

『マリア姉さんに花畑の映像を見せてあげてほしいんですけど』

 

『あー、それがあったね。早く見せてあげた方がいいね』

 

 ソファーに座りながら、腕を虚空に伸ばし、バビロニアの宝物庫へのゲートを開ける。その中からビデオカメラを取り出して、テレビと接続させる。しっかり整理して置いてあるので、猫型なあのロボットのように、どこにあるか分からなくなったりはしない。

 

「マリア! おーい、マリア!」

 

「一回で聞こえてるわよ! ちょっと待ちなさい」

 

 マリアをリビングから呼ぶと、少しキレ気味のマリアの返事が返ってきた。

 

「何を撮ったんだ?」

 

「欧州で見つけた綺麗な花畑」

 

「……観光もしてたんだな」

 

 クリスは流からカメラを取り、撮ったものをカメラで見始めた。クリスは流の写真の説明を聞きながら、どんどん見ていくが、あるものがないことに気がつく。

 

「流自身を写真に収めたのはないんだな」

 

「自画撮りしたってつまらんからな。花畑で一枚とヴェネツィアが一枚くらいかな?」

 

「後でくれ」

 

「俺の自画撮り?」

 

 クリスは頷いて、流にカメラを返した。クリスは顔を赤くして、膝に顔を埋めた。

 

『自画撮りなんてしましたっけ?』

 

『あれだろ。あたし達三人で撮った写真。あたしもセレナも写らなかったから、自画撮りみたいなもんだしな』

 

『もしかして、流さんの頭に花冠を乗せたやつですか? ぷぷぷ。全く合ってないやつですよね……あははははは』

 

 ヴェネツィアとドロミテでは風景以外の、三人の集合写真を撮った。奏とセレナが心霊写真のように写ったらいいなと思っての行動だったが、そんなに簡単に写るわけがなく、流が一人だけの写真になってしまった。

 ドロミテの花畑での写真は、三人の頭に花冠を乗せて撮った写真になるつもりだったが、男が一人で花畑の中で、花冠を乗せているという酷い絵面の写真が出来上がった。

 

 流の代わりに奏がセレナへお仕置きを敢行しているのを見ていると、扉の空いた音がした。個室の方ではなく、玄関からした。

 

 そちらを見てみると、私服姿の翼が部屋に入ってきた。

 

「久しぶり。あれ? 誰かが扉開けた? それとも鍵が開けっ放しとかだった?」

 

 翼にはここの家の鍵は渡していないはずなので、最後に入った人がかけ忘れたのかな? と流は思ったが違った。

 

()()()()。私もここに暮らし始めたのだが、雪音に聞いていないのか?」

 

 帰ってくる場所で言う言葉を口にしながら、翼は流に家の鍵を見せた。流は膝に顔を埋めているクリスに説明を求めた。

 

「キャロル達が襲撃してくるから、出来るだけみんなが一緒の場所にいた方がいいだろ?」

 

 クリスは翼を引越しさせた理由を話すが、口にしなかった理由もある。クリスは身内を失いたくない。ここにいる人達の中で人一倍その思いは大きく、自分の目が届き、自分が助けられる範囲にいて欲しいと思ったからの行動だった。

 流にそれを言うつもりはクリスにはない。クリスにとって、流も守りたい対象だからだ。

 

 翼が寂しがりモードになっているクリスにちょっかいを掛けていると、マリアが部屋着に着替えてリビングに来た。

 

「何か用?」

 

「見てほしい映像があるんだよ。まあ座って」

 

『きっとマリア姉さんは凄く驚きますよ』

 

 マリアが座った隣にセレナも座り、テレビの画面を見る。

 

「スタート」

 

 ドロミテへ向かう車の中の映像が流れ始める。日本では見ることの出来ない景色に、クリスも翼も目を奪われる。

 

「……え?」

 

 マリアは手で口を抑えて、有り得ないものを見るように画面に集中する。ドロミテに着くまでに三人で『Apple』を歌った映像も録画されていたが、もちろん奏とセレナの声は入っておらず、流が一人で歌っている場面が流れた。

 

 花畑前の村で一度映像が途切れ、次に映し出されたのは、山々に囲まれた黄色い花畑が画面いっぱいに現れる風景だった。

 いつの間にか調や切歌、エルフナインもリビングに来ていて、映像に見入っている。

 

「ねえ、流」

 

「なに?」

 

「何故この映像を私に見せたの?」

 

 マリアは嗚咽が漏れるのを抑え、涙をぽたぽたと流しながら、映像から目を離さずに流に問いかけた。

 マリアからすれば、セレナとの想い出の地を教えてもいないのに、撮してきたのだから気にもなる。もう記憶にしかない楽しかった花畑を唐突に見せられたのだから、泣きたくもなる。

 

 流はもちろん説明できるならしたい。セレナが行きたいと言ったから行った、などと説明できるわけもなく、説明しようとしても言葉にならないことは分かっている。

 

「キャロルとの戦いが終わって、その後の戦いも終わらせる。そのあと準備(死者蘇生)をして、時間に余裕が出来たら、みんなでこの花畑に行こう。ここにいる人とかここにいない響達も連れて、皆で遊びに行こうよ」

 

 

 流が取った方法は話題を逸らすことだった。映像では流がいつの間にか花冠を頭に乗せている。その冠の編み方はマリアの記憶に中にある物とそっくりだった。

 

「……ずるいわね。断れるわけないじゃない」

 

『マリア姉さん、泣きすぎだよ……ぐすっ』

 

 マリアが泣いているのに釣られて、調と切歌も泣き始めた。マリアに二人が突撃して一緒に涙を流している。セレナも釣られて泣き、奏がそんな彼女の頭を優しく撫でている。

 

 

 **********

 

 

 調が作った料理を皆で楽しんだ後、流の端末に連絡が入った。相手が相手だったので、クリスには少し離れてもらって、自室で奏とセレナに侵入者が来ないか見張らせてから、折り返し電話をした。

 

「もしもし、流です」

 

『久しいな。翼は元気か?』

 

「みんなとゲームをして笑い合う程度には元気ですよ」

 

『そうか……』

 

 連絡の来ていた相手は風鳴八紘(やつひろ)。翼の育ての親であり、翼自身は嫌われていると思っている人物だ。

 実際は物凄く溺愛していて、翼のグッズは販売されているものは全て持っている。八紘邸の翼の部屋を昔のまま綺麗に保ちつつ、ずっと保存していたりと、愛の深さが伺える。だからこそ翼を風鳴から遠ざけるために、嫌われるように仕向けている。

 

「それで、翼の近況のためだけに連絡したわけじゃないでしょ? 翼の写真なら少し前に送ったから、今はまだないよ」

 

『それも重要だが、その件ではない。翼は風鳴の後継者に選ばれている。君には包み隠さず言うが、娘に風鳴など継いで欲しくはない。だからこそ、私自身が嫌われたとしても、翼を風鳴から遠ざけようとしている』

 

 弦十郎も翼には自由にやりたいことをやって欲しいから、八紘が翼を愛していることを翼に教えることは無い。

 流は色々知ってしまったから、八紘もぶっちゃけている。色々な取引もしているので、隠しても意味が無い。翼ブロマイド(盗撮写真)などが最もな例だろう。

 

「それで?」

 

『私の予想では、もっと風鳴本家……訃堂殿から圧力が来るものだと思っていた。だが、翼がここまで成長しても、風鳴の行事はある程度は出ないといけないが、不自然なほど接触がなかった』

 

「で?」

 

 あまり知られたくないことなので、少しずつ流の声のトーンが下がる。種馬権利(婚約者)の事は八紘に知られたら、弦十郎に知られてしまうかもしれない。弦十郎が知ったら翼に知られてしまうかもしれない。

 そして何より、防人として秘密裏にであるが、表でも裏でも動いていて、流がたくさんの人を殺している事を、装者達に知られてしまうかもしれない。

 

『……単刀直入に言った方がいいようだな。翼のために、長い間身を挺していてくれて、本当に感謝している。ありがとう』

 

 八紘は流が防人として動いていることに気がついてしまったようだ。きっと少し前に鎌倉に行った時に、どこかで見られたのだろう。

 

「俺がやりたいからやっているだけ。でも、俺に感謝をしているなら、絶対に他言しないでください」

 

『ああ、弦十郎の拳に誓って秘密にし続けることを誓おう。だが、翼ならまだしも、弦十郎は察しているかもしれんぞ』

 

「まあ、あの父さんだしね。それはしょうがないでしょ。翼やみんなには絶対にバレたくないってだけだし。父さんは推奨はしないけど、きっと止めはしないよ。必要悪だしね」

 

『昔ならば弦十郎は乗り込んででも止めただろうに』

 

 八紘は電話先でお茶を一口飲んだ。そして八紘にとっての本題に入る。今までのは全て挨拶のようなものだ。

 

『……それで、まさかもう、翼に手を出していないだろうな!!』

 

 普段は絶対に見せないし聞かせない。親馬鹿な部分を前面に出し、八紘は叫んだ。流は端末の機能(録音)の一つを起動させる。

 

「うっさ! いきなり叫ぶなよ」

 

『これが叫ばずに居られるか! 弦十郎が育てたバカ息子が、私の可愛い娘に手を出したかもしれないんだぞ! 弦十郎のように映画の影響を受けたお前が、アメリカの映画のように、軽いノリで可愛い翼に手を出したかもしれないではないか!』

 

「出してないから」

 

『真か? 翼と一緒に寝たことがあるのに、本当にないのか?』

 

「いつの事言ってんだよ。奏と翼と三人で川の字になって寝た時のことだろ? まだ小学生くらいの年齢の時だろそれ」

 

『その時にも翼の婚約者としての権利を持っていたではないか!』

 

「キャラ変わりすぎだから! 翼に一度でもいいから見せてやれよ。翼と寝ても別に興奮しないから大丈夫だって」

 

『それが出来ぬことはお前だってわかっているだろう。それに翼に興奮できないだと? 貴様らの世代で可愛らしい翼に性的興奮を抱けぬとは……まさか不能か? 確か貴様は様々な女性に囲まれて暮らしているが、未だ誰にも手をつけていないらしいではないか。なるほど、その、強く当たってしまってすまない』

 

 八紘は急にテンションを下げて、ガチトーンで謝ってきた。流も流石にその侮辱には腹が立つ。

 

「ふっざけんな! 不能なわけがねえだろ。こっちはどんだけ我慢してると思ってんだ? あ? みんな綺麗で可愛い。無防備で色々見えたり、無邪気に触ってきたりする。興奮していないわけがないだろ! 翼を今すぐ抱いていいなら抱きたいわアホか!」

 

 流もキレるが、こんな事がクリス達に聞こえたら洒落にならないので、声の大きさ自体は抑える。

 

『貴様! やはり翼に性的興奮を覚えているではないか! それで手を出していないわけがないだろ!』

 

「ループさせんなや、八紘!」

 

 この後もループが何回か続き、クリスが突入してくるまで終わらなかった。

 

 

 **********

 

 

「それで、なんでリビングに布団を引いて、みんなで並んで寝ないといけないの?」

 

「お願いはなんでも聞いてくれるって」

 

「確かにそう言ったけど、このタイミングは嫌だ! お前ら盗み聞きしただろ!」

 

 クリスの侵入により電話が終わり、そのあと流が風呂から出てくると、そのままリビングに連行された。

 そこでクリスや調、笑いをこらえている切歌に、みんなで川の字に寝ようとお願いされた。普段ならそのまま寝るのだが、今回はタイミングが悪い。八紘との会話を聞かれたのだろう。

 

「まあ、良いではないか」

 

「良くないよね? もしかして翼まで盗み聞きしてないよね? てか、アイドルが同衾とかやばいからね?」

 

「それは奏に誓ってしていない。内容も聞いていない。昔を思い出すようで、少しだけ懐かしくなったからな」

 

 同衾についてはスルーするようだ。

 

『……流、翼の願いを聞いてやってくれ。昔みたいに横で寝るだけでいいんだしさ』

 

 翼が昔のような顔になって、引かれている布団を見て呟いた。その言葉を聞いて奏が流を説得する。

 

『でもさ、電話の内容って興奮する云々だったんだよ? それを聞いた後にこれとか流石に嫌なんだけど。ぶっちゃけ生殺しだし』

 

『平気、へっちゃらですよ』

 

『それはセレナが発する言葉ではないよね? 響の口癖だから……はぁ。わかったよ』

 

 奏とセレナも止めなかったので、流は諦めることにした。流がある条件で川の字に寝ることを了承した。なお、この訳の分からないノリについていけていないエルフナインは目をグルグルしている。

 

 

「昔を思い出すな」

 

「なんで私が隣で寝ないと行けないのよ! クリスとか調が寝ればいいじゃない!」

 

「何故翼先輩が選ばれたのか。胸はさほど変わらないはずなのに。くっ!」

 

「マリアは選ばれたんだから文句言うんじゃねえよ」

 

 流が川の字で寝るのなら、翼とマリアに挟まれたいと言ったため、暴動が起きそうになった。それ以外は認めないと宣言したことにより、騒いでいた何人かは静かになった。

 

「今のクリス先輩と調に挟まれるのは少し遠慮したいデスけど」

 

「頑張れでーすよ、切歌」

 

「デース!」

 

 何だかんだ女子達は夜遅くまで話し、流とその話に参加して、夜更かしをした。

 

 

 **********

 

 

 皆が寝静まってくれたので、流は動き出す。

 

『では、よろしく。ボロが出ないようにしろよ。多分出そうになったら、言葉にならないあれが発生すると思うけど』

 

『ああ。わかってる』

 

『またマリア姉さんと寝れるなんてとっても嬉しいです』

 

 流が翼とマリアを選んだ理由は、この場にいると色々我慢するのが面倒なので、奏とセレナに体を預けることにした。二人に隣で寝る人を選ばせたら、翼とマリアが選ばれた。

 二人に何度も憑依されたおかげで、体から奏達のように、霊体で体から出る方法。幽体離脱のやり方が何となくわかったので、それを実行して、体から離れた。

 

 流はこの体に結び付けられている精神なので、体からあまり離れることが出来ないようだが、リビングから一番近い位置にある、流自身の部屋に行くことは出来た。

 

 自分の部屋に着くと、付いてきているであろう存在に声をかける。

 

『……少し前から俺のそばに居るお前。姿を表してくれないか?』

 

『いや、別に隠れていたわけじゃないんだけどね? タイミングが悪かったから、空気を読んできたんだけど、警戒されちゃったみたいだね』

 

 流の声に反応して姿を現したのは、キャロルのような金髪のロン毛で、眼鏡をかけた作業着を着た男。流はそんな彼に見覚えがあった。

 

『俺はあんたを知っているが、一応自己紹介をお願いしてもいいかな?』

 

『もちろんだとも。互いの理解を深める最も簡単な手段は自己紹介だからね。初めまして。私はイザーク・マールス・ディーンハイム。キャロルの父親だよ』

 

 ズレた眼鏡を直しながら、イザークは流に自己紹介を始めた。


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