戦姫絶拳シンフォギアF   作:病んでるくらいが一番

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ギリギリ間に合った。本日2話目。

改めて、立花響さん、お誕生日おめでとうございます!

今回は今までの番外編以上に番外編してます。シンフォギアで言えば、絶唱しないシンフォギア。fateで言えば、カニファン。シンフォギアXDいうなら、セイレーンの歌がないヴァルキリーズ・サマー。

時系列がグチャグチャでメタや色々酷いで出来ています。ご注意ください。


#番外編03『立花響』

「早く入ろ、ただいま戻りました!」

 

「えっと、お邪魔します……」

 

 装者達及び板場やクリスのクラスメイト達にとって、集まる場所になっている流の家では、本日過去最高の人口密度を誇っていた。

 最後に遅れて入ってきたのは立花響。彼女に連れてこられたのは、洸やその奥さん、響のお婆さんも一緒に入ってきた。

 

「一番遅れてやってくるなんて、まるでアニメの主人公じゃない! それはそうと最近私達の出番無さすぎない!! もう少」

 

「AXZでもまったく出番ないからね」

 

「メインキャストが増えちゃいましたし、しょうがないですわ。元奴隷の方にTSFをした人もいましたわよね。今更ただのお嬢様キャラでは太刀打ちできないですよね」

 

 アニメちゃんがいつも以上にメタり、安藤と寺島も何やら電波を受け取っているようだが、番外編であり、時間軸もぐちゃぐちゃなので問題ないだろう。きっとギャラルホルン……いいや、これも全てフィーネのせい!

 

 装者一同にアニメちゃん達、S.O.N.G.の主要メンバーにF.I.S.科学者の二人、それに響の家族と沢山の人が流の家のリビングに一堂に会している。

 

 しかし、堅苦しい事情のない番外編故に、既に一部では飲み会が始まっている。ネクタイを脱ぎ捨てて茅台(マオタイ)酒(50度超え)を水のように飲む弦十郎、その弦十郎に酌をして含みのある笑みを浮かべている了子。

 お菓子のように甘いお酒を呑みながら、お菓子を貪り食うウェルに、ウェルの気を良くさせて無駄に高いお菓子に貰う切歌。八紘の絡み酒に体調が良いのか、雰囲気がF.I.S.と違って楽しいのか、笑顔を絶やさないナスターシャに、その横で唯一の二十歳を超える少女であり、最近ふと、シンフォギアの格好を二十歳でやるのはキツくない? と思い始めたマリアがお酒をちびちび飲んでいる。

 友里が今度はエージェントのいない合コンに巡り会えたのに、結局うまくいかなくて藤尭に当たっている。

 

 一人を除いて、お酒が飲める人たちは出来上がってしまっている。

 

「なんか……凄いな」

 

「でも皆いい人なんだよ?」

 

「響がお世話になっているなら、挨拶にいかないといけないわね」

 

「そうだねぇ。洸は弦十郎さんの所に行ってきなさい!」

 

「は、はい!」

 

 一人だけ無駄にキメてきた立花父はお婆さんにせっつかれて、『学校で仲良くなれたあのアイドルの風鳴翼の、叔父であり武術の達人で、響が体を鍛えたいと翼にお願いした所、師事してくれる事になった風鳴弦十郎先生』の元に向かった。

 この家は『流の昔の友人の願いを聞いて買い、昔の友人と同じ世代くらいの()()()達がルームシェアをしている部屋』ということになっている。

 

「響おかえり」

 

「未来ただいま。皆さんお待たせしました、主役の登場です!」

 

 未来が響を迎えに行き、お手拭きを渡していた。今回響が遅れたのはまた人助けをしていたからである。その人助けは父親と二人で協力したが、逆に手間取ってしまい時間がかかった。

 

「遅れといてよくそんなこと言えるな。流がそれを見越して、温かいものをズラしてなかったら、結構冷めてたぞ」

 

「ごめんねクリスちゃん。お腹ぺこぺこだよね?」

 

「そうデス! お腹が減ったので、流早くデスよ!」

 

 ちゃっかりウェルのお菓子をパクってきた切歌が響にお菓子を渡している。どうやらパクってきたのではなく、ウェルからの誕生日プレゼントらしい。それは有名なショコラティエが日に数個しか作らないケーキで、流に買わせに行かせたついでに、一個多く買わせたものだった。その為に流は数日店に張り付いていた。

 

「ありがとうございます、ウェル博士!」

 

「ああ、存分に感謝しろ。英雄である僕が自ら買ってきてやったんだからね!」

 

「嘘ついてんじゃねえよ。俺が四日張り付いて三つ買ってきたんだろうが。しかも俺達の分はどこかのアホが全部食っちまったし」

 

「酷いアホもいたもんデスね」

 

 流がまったくジャンルの合わない料理を大量に運んできた。ウェルの言葉に突っ込んだ後、ウェルから貰った他のお菓子を食べている切歌を見ながらそう呟く。

 切歌は汗を流しながら、吹けない口笛を吹いている。

 

「ショコラトゥショコラってどんな味なんだろうな〜」

 

「口の中でふわーってチョコの甘さが広がるのデスけど、中のビターな奴がチョロチョロと出てきて、くどくないちょうど良くなるデスよ。あれは一度は絶対に食べた方がいい……ハメられたデース!?」

 

「……あれは流が私が生身で、水蜘蛛の術を出来るようになったご褒美に、ひと口くれるって約束してたのに……犯人は切ちゃんだったんだ」

 

「し、調!?」

 

「切ちゃんなんて大っ嫌い。一人でずっとチョコを食べてればいい」

 

「調……しらべえええええ!!」

 

 切歌はorzの格好で自分の蛮行を嘆いている。美味し過ぎたのがいけないのだ。流はあまりチョコを作らないので、尚更美味しく感じてしまった。

 調は一袋百数十円のチョコの詰め合わせを切歌に投げて、キッチンに戻っていった。

 

「……流、それでここにあるチョコは何なのだ? 甘さの後にチョコの苦味が来て、それが交わってスッキリした美味しさになるが」

 

「ショコラトゥショコラだよ」

 

「それは切歌が食べてしまったのでは?」

 

 翼は二ヶ月鍛錬をした時、自分の弟子を苗字で呼ぶのは距離感があるからと、切歌と名前で呼ぶようになった。そして最近翼はマリアの『夜に体型を気にして食事を控えるから、そんななのよ(胸を見ながら)』と言う酔った時の言葉を受け、夜にも食べるようにしている。ちなみに今はまだ昼だ。

 

「俺は店頭で食べたしな。それで味を覚えて、店に張り付いて素材を大体把握して、自分で作った。前に翼が老舗和菓子の味を再現しろって言った時にやった方法だな」

 

「なるほど。ならば何故切歌や月詠に言ってやらない」

 

「あの格好だと切歌のお尻が見えるじゃん? 可愛いよね」

 

「……何となくわかっていた」

 

 翼と話しながらも料理を運んでいたが、いきなり後ろから誰かが抱きついてきた……この胸の圧力はクリスだ! とコンマで彼は理解した。

 

「ながれ〜、だっこ」

 

「……誰だ! クリスに酒を飲ませたのは! すぐに酔っ払って、幼児退行しちまうから飲ませんなって言っただろ! しかも今の状態の記憶が残っちゃうんだぞ。過去のバルベルデをリセットするかのように、幼児退行するんだよ。やめろよマジで!」

 

「私よ! 悪い? どうせ私なんて、背が高くて胸が大きくて、運動神経が抜群で歌がうまくて、戦闘のセンスもあって、処女な21歳よ! セレナ、セレナああああああああ!」

 

『……なんで変身して、SERE†NADEをやる時の大剣を出して、前の空間を斬ってるんですか? にしても、暑いですね。しかも私の名前を呼んで斬ってますよね? アニメのフロンティアの時みたいに迷いなく、ぐしゃっとやるんですかね? ああ、なんで霊体は酔えないんでしょうか。これも脱いじゃいましょう』

 

 セレナが()()で流に絡みついている。どうやら霊体もしっかり酔っ払ってしまうようだ。

 

「なんかもう皆出来上がってるね」

 

「鮎は初めて食べる。響さんには一番大きいのを持ってきた」

 

「ありがとう調ちゃん」

 

 装者達が集まるテーブルはとても大きいのに、テーブルの隙間が全く見えないほど料理が置かれている。全てが響の好物であり、響が食べてみたいと自重をしないでピックアップした料理の数々だ。

 

『はい、準備が出来たんで、響の誕生日を祝う歌を歌って乾杯しましょう。酔っ払ってる奴ははよ治れ』

 

 流が統一言語を普通に使っている気がするが、番外編であry。

 

「イザークパパが残した状態異常を直す錬金術がここで役に立つ…………次の剛敵は俺だけど、何千回と殴られ続けないといけないんだろうな。あの暁光とか言うのを撃つサイコレズにボコられる未来が見える……ミライであってミクではないぞ! もしくはXDクリスだな。絶唱からの極太レーザー。はぁ〜、痛いの嫌だな」

 

「戦闘キャラとして出れるんだからいいじゃないですか。僕なんてキャロルと合体してるのに、未だにキャロルナインとして戦いに出れてないんですよ? そのせいでキャラ無いですし、ずっと働いてる流しそうめんしか食べてない系女子になってるんですからね? 知ってます? 僕ってキャロルの戦いからAXZの賢者の石の汚染除去もやってますけど、あれって二ヶ月ずっと働き詰めですからね? 死んじゃいますよ? 労働基準法は?」

 

「す、すまん。俺が融合したせいで、二人分働いてくれているんだもんな。エルフナインは偉い。だから、そのダウルダヴラは下ろせ!! 何故収集していない呪いの旋律がこもってる!」

 

「このギャグ時空なら、僕だってナイスバティーになれるはずなんです! 止めないでください!!」

 

 パパ()の手伝いをしていたキャロルと、そのキャロルをサポートするエルフナインもリビングに戻ってきて、二人でイザークの残した治療系錬金術を、一般人がいるのに使った。なんか色々メタっているが、番外ry。あとエルフナインが大人化してもきっと貧乳枠にされてしまうだろう。この作品のバランス的に。

 

「皆さん、私に続いてください。Happy……」

 

 部屋の中心に置かれた大きなケーキに17本のロウソクがついていて、飴細工でガングニールの槍やガングニールを纏った響が乗っている。部屋の電気が消されて、緒川が火遁の術でロウソクに火をつけてから、未来の音頭で誕生日の歌が歌われ始めた。

 世界的なトップアーティストや友達、親や師匠達に誕生を祝われて、少しだけ涙目になってしまう響。

 

「「「「『『……Happy Birthday to you お誕生日おめでとう!!』』」」」」

 

 響は精一杯ロウソクに息を吹きかけたが、この二年で響の肺活量は、鍛錬をしたり、歌いながら戦ったりした影響で鍛えられ、ガングニールの槍が呼吸で吹き飛んでしまった。

 

『ああ? あたしの槍があああ!』

 

 奏は満足げに眺めていたのに、地面に落ちて粉々に砕けたガングニールの飴槍を見て、めちゃくちゃ落ち込んでいる。

 みんなの分のケーキを取り分けてから、また各グループで騒ぎ始めた。そんな奏に流はケーキを持ってきた。

 

『奏』

 

『まるであたしが絶唱を歌った時みたいじゃねえか。粉々だ』

 

『おい奏。でも、周りは笑顔じゃん。あの時と違って』

 

 奏が周りを見直すと、確かに一部絡まれてウザったそうにしているが、それでもみんな笑顔になっている。

 

『……あのさ、昔にあたしと翼と流の三人で見たアメリカのホームドラマあったよな』

 

『俺が大きな家を買うきっかけになったやつだな』

 

『あの時、ドラマでは父さんや母さんがいて羨ましかったんだよ。でも、今は皆があたし達の家で楽しそうにしてる。なんか、あれだな……嬉しいな』

 

『夢がまた一つ叶っただろ?』

 

『ああ…………感動系の話をしている時に、他の女をお姫様抱っこして、あやしてなければ完璧だったのにな』

 

『言うな』

 

 クリスが構ってモードに入っているので、今の会話中ずっとクリスがお姫様抱っこされていた。頭の上では酔っ払ったセレナが『Apple』を歌っている……全裸で。

 

『今日はいいか。さて、めちゃくちゃ食うぞ!』

 

 奏はセレナをちらりと見て、ギルティー判定をしたが、なんとかセーフだったようだ。今日は奏も無礼講。

 

「先輩! なんかこのお好み焼きが凄くふらわーみたいな味がするんですけど!」

 

「それはふらわーで買ってきたからな。再現しようと思えばできるけど、あれはふらわーのおばちゃんが作るからいいんだし」

 

「でも出来立てですよ?」

 

「今さっき買ってきた。テレポート使ってね。あとおばちゃんもおめでとうだって」

 

 ふらわーのおばちゃんもキャベツを切るのを手伝ってくれれば、テイクアウトをしてもいいと言ってくれた。流は忍術などをフル活用してすぐに終わらせて、おばちゃんも本気を出して数秒で焼いてくれた。今回のは厚いお好み焼きケーキではないが何枚ある。あの人もきっとOTONAだ。

 

「また今度おばちゃんのお店で沢山食べて、お礼をしようと思います!」

 

「ほら響。ソースが服についちゃうよ」

 

「え? 未来取って〜」

 

「しょうがないな」

 

 未来は白のレースの綺麗なハンカチで、茶色いソースを拭き取った。流は早く洗わないと色が染み付いてしまうことに気が行く。すぐに未来からそれを受け取って、簡単に洗ってきた。すると、更にリビングのカオス度は増していた。

 

「なんでアニメの僕は逃げてしまったんだああああ!! よしんば、DVをしてしまう自分を抑えられなくて、家から離れるならわかる。DVまでしちゃってるのに、なんで平然と響とご飯が食べられて、あまつさえお金を払わせているんだよおおおおおお!!」

 

「何故もっと早く翼に伝えてやらなかったのか。そうすれば翼はもっと自由に羽ばたけたかもしれん。ああ、あと幼少期に甘やかせ過ぎて、家事が一切出来ないのも不味い」

 

『潜在意識で露出狂……『このくらいあれば不足はなかろう』って公然の面前で胸を揉みしだくなんて。やはり火炙りにされる時に、実は生きてましたからのラスボスになっておくべきだったか! NINJA緒川の時のように、僕も実は裏ボスなのでは? と思われてさえいれば!』

 

 パパーズは何やら三人で飲み交わして、うちの娘が一番最高やら、教育を間違ったやら言い合っている。何故かイザークがいて、ほかの人にも見えているが、きっとこれもフィーネのせい/バラルの呪詛のせい。

 

「今了子ママが世界のルールを書き換えた気がする」

 

 

 

「流! 私のお酒が飲めないというの!」

 

 調が使った筑前煮を食べて、最近よくオネダリされる頭を撫でながら顎の下を撫でる褒め方をやっていると、マリアがアガートラームを纏って流を呼んでいる。調が口を抑えて倒れたので、ソファーに寝かせてからマリアの元へ向かった。

 

「なんで纏ってんの?」

 

「流を逃がさないためよ。もし私の酒を飲まないのなら、私は自分をセレナああああああああ!! するわよ」

 

『セレナ……奏……どっちもいねえ! 助けてよ!』

 

 流はマムを見てみると、疲れてしまったのかうつらうつらしていて、セレナは調をつんつんしていて、奏は翼の横に座って酒を飲みながらお好み焼きをつついている。先程から肉のお好み焼きばかり食べている。

 

「いや、酒だけは無理なんだよ」

 

 翼や奏に絶対に飲むなと言われている。詳細は教えて貰っていないが、昔に翼が清め酒を飲んだ時、飲ませてもらったあとの流は記憶が無い。相当暴れたらしい。

 

「それ本当なの!?」

 

「それは未来のセリフだからね?」

 

「なんデスと!?」

 

「それは切歌」

 

 ちなみにマリアも記憶を保持していて、朝になって自己嫌悪で部屋から出てこれないパターンだ。

 

「ヒック……マリア、出来たよ。褒めて」

 

「調よくやったわ!」

 

「全く気配が掴めなかった、だと!?」

 

 先程までスカートを若干湿らせて倒れていた調が、いつの間にか流の背後を取って、流が動けば調()()クナイが当たる位置に手を添えていた。あと何故か調はピンクの忍者衣装を着ていて、微妙に酔っ払っている。

 

「秘技、人質私。これが流に対する最強の忍術」

 

「さあ、もし流が動いたら、調が死ぬわよ! 私の歌を聞けええ……じゃなくて、酒を飲め!」

 

「……え? あっ、待ちなさい! 流にお酒は本当にダメよ!」

 

 弦十郎とイチャついていた了子は、やっと流の状況に気が付き、止めようとするが時既に時間切れ、もう勝負は付いてるから。

 流は度数の高い蒸留酒を瓶ごと口に入れられた。調が傷つかないようにしているため動けなかった。

 

「……はは……あはははははははははははは」

 

『……そういえば流って、調理酒とかは大丈夫なのに、度数が高いのだとすぐに酔うんだよな。しかも超ハイテンションになって、()()()()()()

 

 きっとこの場が死屍累々になるのを予見した奏は、全裸のセレナを担ぎ上げて、欠片の中に避難した。

 

 

 その日流の暴走の被害は奏とセレナ以外、全ての人が受けることになった。そう、この家にいる全てである。

 

 

「流先輩? そういうエッチい事は駄目だと、ああああ! え? そんなにって、そのままだとマリアさんが死んじゃいって、次は調ちゃん? あれ? もしかして私達も危ない? って待って、その人女の子じゃないですの! 先輩のお父さんで師匠ですよ! わぁー…………」




なお、今回起こった事件はギャラルホルンですら発生しない可能性世界ですが、メタとふらわー関係以外は全て本編と同じ設定です。
あとお酒は二十歳になってから。

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