CGSという名を捨て、鉄華団と名前を改めたオルガたち。
その最初の仕事はクーデリアの護衛任務の続行だった。
資金に関しては独立運動のスポンサーとして彼女を支えたノブリス・ゴルドンという人物を当てにすることになる。
だが、鉄華団として動き出すにはまだ必要な手続きも多く、鉄華団のマークも考えなければいけなかった。
「……案が思いつかないってのは分かってる。分かってるけどソレスタルビーイングのやつ真似るのは良くねぇぜ兄貴」
「ふむ、私たちらしいと思ったのだがな」
「オレと兄貴なら確かにすっげぇ似合う。けど、鉄華団にこれは何か……違う気がする」
「……まあなんだ、まだ他にも任せてる奴はいるからそいつらにも聞いてくる」
その後、オルガたちは会議の為に場所を移動した。
ミハエルは難しいことは分からないと言ってある場所に向かう。
「よ、桜のばあちゃん」
「ミハエルか。またヨハンに放っていかれたか?」
「ちげぇよ!! 難しい話は分からねえから手伝いに来たんだよ!」
ミハエルは暇な時、基本的に訓練かここで農場の手伝いをしている。
今日も訓練の気分ではなく、ここに来ているのだ。
「さてと、しっかりと働くか。……お、クッキーとクラッカー!」
「ミハエル!」
「ヨハンは! ヨハンは!?」
ミハエルには何も触れず、二人はヨハンのことばかり聞いてくる。
「……可愛くねえ奴ら。オレより兄貴かよ〜」
クッキーとクラッカーにとって、ミハエルは普通の友達感覚であり、ヨハンはビスケットの次の次に頼れる兄という認識だった。
「ったく、仕方ねえな。オレだって兄貴みたいにカッコいい所見せてやらねえとな!」
ミハエルが張り切って歩くが、道中で転んでしまう。
それを見て二人は面白そうに笑っていた。
ーーー
「……それで、わざわざ火星に連れてきて何がしたいわけ?」
車に揺られながら彼女は不機嫌そうに話しかけた。
「まず、ソレスタルビーイングという組織のことだが……」
ガエリオがソレスタルビーイングに触れた瞬間、女性の動きが変わる。
「あ、ごっめーん♪ あれ私が昔作ったごっこ遊びのことなの。死んだと思ってた時に私の友達に似た二人がいたからねー」
「……やけに設定の凝った組織だな。まあ、今はそういうことにしておこう」
ガエリオは呆れたように車を運転する。
ここは火星。彼らの目的は行方をくらませているクーデリアの捜査と後ろで座る女性に色々と質問をすることだった。
「次に、あれはガンダム・フレームなのか?」
「……そのガンダム・フレームかどうかは分からないけど、あれはガンダムよ。ガンダムスローネ三号機、スローネドライ」
「三号機……他にもスローネという名前のガンダムが存在するということか」
マクギリスはスローネドライの写真を見つめながら話す。
彼女は手錠で身動きが取れず、不便そうにしていた。
「ねぇ、ちょっと外に出ない? 私暑くて汗かいてきちゃった」
「そんなわけあるか、いいから大人しくしてろ」
「……チッ、ガリガリの癖に」
「お前……!! 私が何気に気にしているその名を!」
彼女は伺っていた。
この男二人から逃げる隙を、瞬間を。
「……最後に、名前の確認だが……やはり地球ではそういう名前の女は見当たらない。本当に「ネーナ・トリニティ」であっているのか?」
「……間違ってない。私はネーナよ、ネーナ・トリニティ」
ネーナは退屈そうに外を見た。
その先に、彼らがいるとは知らずに。