それは木々に張りついたセミどもがやかましく鳴く、蒸し暑い夏の午後。
俺ーー
本日発売のライトノベル【ハイスクールDxD】の新刊を買うために近所の本屋に向かっていたのだ。
ハイスクールD×Dってのは、主人公がおっぱいの力でどんな格上の敵、例え神様でも己の信念、仲間のためにぶっとばし、どんな絶望でもひっくり返し、最後は大勢のヒロインの美少女たちとイチャラブするという王道ハーレム物語である。
ちなみに俺は、
あの庇護欲を誘う可愛い容姿に加えて小柄で華奢な身体。
素っ気ない態度を取りつつも、本当は仲間想いで、お姉ちゃん大好きってところもグッドだ。
それに加えて、甘える時ーー俺は甘えん坊モードと呼んでいるーーの小猫ちゃんはそれはもう可愛い!
超抱きしめたい!!
なんだったら、ペロペロしたいッ!!!
……と、話が逸れたが、とりあえずエロが世界を救う。
それを体現するのが【ハイスクールD×D】であるのだ!
基本エロい。
そんな中にも熱い男たちのバトルがあったり、有名な神話の神様たちの勢力とぶつかり合ったり、協力しあったりと、物語は思いのほか壮大であり、細やかなところまで作り込まれているため大変おもしろかったりする。
とまあ、そんな説明を独り言のように心の中でしている内に目的の本屋へと到着した。
お目当があるライトノベルコーナーに足を運び、新刊ゾーンに目を向ける。
「おっ、あったあった。ハイスクールDxDの新刊だ」
俺はお目当の新刊を手に取り、足早にレジに向かい、店員さんにお金を支払った後、本屋を出る。
そのまま、軽い足取りで自宅に帰ろうと歩き出した。
「いや〜待ちに待った新刊がようやく出たな。早く家帰ってよーもおっと〜」
そんなことを思いながら機嫌よくルンルンに歩いていた。
その時、
キィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィイーー!!!!!
突然の出来事だった。
機嫌よく歩いている最中、耳をつんざくほどの騒音が聞こえてきたのだ。
俺はとっさに騒音の方へと振り向いた。
すると、そこにはーー
ーートラックが迫っていたッ!
気づくのが遅れた。
もうトラックと俺の距離はわずか。
脳をフル稼働させ、一瞬で判断、そしてそれを行動に移した。
俺は持ち前の反射神経と運動神経を駆使し、その刹那の中で横に飛びトラックを避けるッ!
なんてことが俺のようなメタボ君に出来るはずもなく……。
俺は茫然と立ち尽くしたまま、トラックと衝突した。
そして一瞬の激痛に苛まれた後、俺の意識は途切れたのであったーー