仮面ライダーDRAGOON 赤龍帝で仮面ライダー 作:名もなきA・弐
それでは、どうぞ。
頭に響く鈍痛が、イッセーの意識を急激に呼び覚ました。
周囲を見渡すとそこは自分の部屋であり、辺りは暗くなっている。
「目覚めたようですね」
そう聞こえた瞬間、銀色の魔法陣が展開されてグレイフィアが現れる。
「グレイフィアさん!勝負は…」
「……」
イッセーの質問に、彼女は黙って首を横に振る。
しかし、彼はそれだけで分かったのだ…自分たちは負けたのだと、グレモリー眷属は…ライザー・フェニックスに敗北したのだ。
具体的には異なるが、勝負に敗れたことに変わりはない…ベッドを思い切り殴るイッセーに声を掛ける存在が現れる。
「イッセー…シャークックスが記録した映像がある。見てくれ」
そう告げて、ヴァイアが差し出したボックス形態になっているシャークックスに触れた途端、映像が映し出された。
リアスとライザーが激戦を繰り広げており、滅びの力はライザーに命中することなく炎で体中がボロボロになっている。
アーシアが必死に回復を図るが、そうはさせまいとライザーは容赦なく責め立てる…それでもリアスは何度も立ち向かうが彼の炎で吹き飛ばされる。
そして、ライザーが最後に放った鳥を模した炎が…一筋の涙を零したリアスを包み込み、そこで映像が終了した。
「…勝敗は、ライザーの炎だった。残りのメンバーは冥界にいるよ、リアスちゃんの結婚式のためにね」
「……っ!!」
淡々と語るヴァイアの言葉にイッセーは強く拳を握り、涙を流す。
あれだけ大見得を切っておきながら、結局自分は彼女を助けられなかった……映像に移ったリアスの表情を見て、彼の表情は歪む。
勝負は勝負、家柄の事情なのも頭では分かっている……だけど。
「それでも俺は、部長が嫌がっていることを認めるなんて…親同士で決めたことに嫌々従う部長なんて…見たくない…!!」
そう口にした一誠をグレイフィアとヴァイアは黙って見ていたが、やがてヴァイアが口を開いた。
「だってさ、グーちゃん。どうしよっか?」
「自分の思ったことを正直に出せる方は…今まで初めてです。サーゼクス様も、あなたを面白いとおっしゃっていました」
そう微笑んだグレイフィアは、ライザーとリアスがいる婚約パーティ会場へ転移するための魔法陣ともう一つ別の魔法陣が書かれた紙を手渡す。
彼女はイッセーに向けて話しかける。
「『妹を取り戻したいなら殴り込んできなさい』…これを私に託したサーゼクス様からのお言葉です。そちらは、お嬢様を奪還した時にお役に立つと思います」
優しくそう告げたグレイフィアは、銀色の魔法陣を展開してそのまま姿を消した。
彼女の言葉を何度も反復したイッセーは涙を拭い決意を新たにする。
「考える必要なんて、ない…!!」
「イッセー、さん…?」
ドアの開いた音と共に、アーシアの声が聞こえる。
彼女は、立っているイッセーを見て涙を流しながらその身体を強く抱き締める…どうやら丸二日眠っていたらしく、ずっと看病をしていたらしい。
「ありがとう」と感謝の言葉を口にしたイッセーは、アーシアの目を見て口を開く。
「アーシア、聞いてくれ。俺は…部長を取り戻しに行く」
「なら、私も行きます!私だって一緒に戦えます!守られるだけじゃ、嫌ですっ!!」
「俺のことなら、心配しなくても…」
「大丈夫なんかじゃありません!イッセーさんを見た時、怖かったんです…あんな血だらけになって、ボロボロになって…いっぱい痛い思いをするイッセーさんは、見たくありません…!!」
また、アーシアの瞳から涙が零れてくる。
彼女は誰よりも心優しい…だからこそ、誰かが痛い思いをすることを、自分のことのように悲しめる。
それを分かっても、イッセーは彼女に語りかける。
「俺もアーシアと同じで、誰かが目の前で傷つくのが一番辛い。それに、俺は死なない…絶対にだ…!!」
「……それなら、約束してください。必ず、部長さんと帰ってきてください!!」
涙を拭って、しっかりと見つめたアーシアにイッセーは「もちろん」と彼女の頭を撫でる。
その様子をヴァイアと、シャークックスにセットされているハートバッテリーが輝くとイッセーのいる方へと遊泳する。
「…イッセー。ライザー戦の時、そいつのバッテリーを持っていくんだ。アーシアちゃん。用意してほしい物がある」
「えっ?」
小首を傾げるアーシアを横目に、ヴァイアは口元を吊り上げた。
冥界にあるパーティ会場にて、グレモリー眷属たちは正装で訪れていた。
会場には上級悪魔の面々が会場におり、談笑をしたり、御馳走を食べていたりする人たちもいる。
その中でも一際目立つのは金髪をツインにし、縦にロールした少女が扇を持って来客者と談笑をしている。
ライザーの眷属にもいた『僧侶』であり、彼の妹である『レイヴェル・フェニックス』は口を開く。
「お兄様ったら、レーティングゲームでお嫁さんを手に入れましたのよ!…」
そこからは兄の武勇伝を自分のことのように語っており、話の内容はともかく誇らしいのだろう。
その話が聞こえていた木場は苦笑いするが、蒼那が挨拶に来たためそちらに挨拶をする。
「拝見していましたが、勝負は拮抗…いえっ、それ以上であったのは誰が見ても明らかでした」
「ありがとうございます。でも、お気遣いは無用ですわ」
「多分、まだ終わってない…僕らは、そう思ってますから」
「終わってません…」
黒い和服に身を包んだ朱乃は感謝を口にして微笑み、木場も笑みを見せるとドレスを着ている小猫もそう呟いて飲み物を飲む。
すると、ライザーは炎に包まれながら会場に姿を現す。
派手な演出に来客たちが視線を向ける中、彼は朗々と言葉を紡ぎ始める。
「冥界に名立たる貴族の皆様!御参集くださり、フェニックス家代表として御礼申し上げます……本日皆様においで願ったのは、このわたくしライザー・フェニックスと名門グレモリー家次期当主リアス・グレモリーの婚約という、歴史的瞬間を共有していただきたく願ったからでございます」
ライザーの話に対してグレモリー眷属はやや彼を睨むように、レイヴェルは嬉しそうに目を閉じてスピーチを聞く。
やがて、ライザーが両腕を再度広げた。
「それでは!ご紹介致します!我が妃、リアス・グレモリーッ!!」
グレモリーの魔法陣がライザー・フェニックスの隣に浮かび上がると、少ししてからウエディングドレスを身に纏ったリアスが現れる。
しかし表情は硬く、その瞳も閉じられており、いつもの活発な印象を持つ彼女とはまるで別人だった。
その表情はすぐに変わることになる。
なぜなら……式場の扉がけたたましい音と共に破られたからだ。
「な、何だっ!?」
『ヒヒイイイイイイイイイイイイイイイイイインッッ!!!』
嘶く声が混ざり合ったエンジン音と共に…侵入者、バイクモードとなっているブレイブニルは警備をしていた悪魔たちを吹き飛ばしながら爆走するがやがて停止する。
そしてブレイブニルに乗っていた少年はヘルメットを外してその素顔を見せた。
「よぉっ、色男」
「き、貴様は…!?」
「イッセー!?」
少年…辰巳一誠は瞳に闘志を宿しながらライザーを睨みつけた。
当然、式を邪魔しに来たこと乱入者に残りの警備も集まって彼を追い出そうとするが、木場たちがそれを妨害する。
手助けをしてくれた仲間たちに感謝しながらも、イッセーはライザーたちの元へとゆっくり近づいていく。
「これは一体!?」
「リアス殿!一体どうなっているのだ!!」
「私が用意した余興です」
周りいる来客がざわつく中、サーゼクスは公然と言い放つ。
イッセーは初対面であったが彼がリアスの兄であることが分かる……貴族の一人が彼の名前を呼んで驚く中、サーゼクスはライザーに話しかける。
「サーゼクス様!余興とは…」
「ライザー君、レーティングゲーム…興味深く拝見させてもらったよ。しかしながら、ゲーム経験もなく、戦力も半分に満たない妹相手ではね……」
「…あのゲームに、御不満でも…!?」
問い詰めようとする彼を手で制したサーゼクスは穏やかな口調で話すが、ライザーは彼を睨む。
「いやいや。何分、モニターの事故で満足にゲームを見られなかったのでね…可愛い妹の婚約パーティー、派手な趣向も欲しい物だ……そこの少年!」
彼はイッセーを真っ直ぐに見つめる。
魔王の視線をもろともせず、彼も視線を向ける。
「君が有するドラゴンの力…この目で直接見たいと思ってね、グレイフィアに少々段取ってもらったのだよ。ドラゴンVSフェニックス…伝説の力を宿す者同士で会場を盛り上げると言うのはどうかね?」
「…はい!」
「このライザー…身を固める前の、最後の炎をお見せしましょう!」
サーゼクスからの提案にイッセーとライザーは了承する。
二人の言葉に満足した彼は、イッセーに対してある質問をする。
「さて、少年…勝利の対価は何が良い?」
「サ、サーゼクス様!下級悪魔などに対価などど…!!」
「下級であろうと上級であろうと、彼も悪魔だ。こちらから願い出た以上、それ相応の対価を払わねばならない」
周りにいた来客たちが、苦言を呈するが彼はそれを一括して黙らせる。
会場が沈黙したのを確認したサーゼクスはもう一度イッセーを見る。
「何を希望する、爵位かい?それとも絶世の美女かな?」
「部長を…いえっ、リアス・グレモリー様を……返してください!!」
彼からの問い掛けに、イッセーは深く息を吸い込み今の自分の願いを…対価を口にするとサーゼクスは満足そうに微笑んだ。
イッセーは今、戦闘用のフィールドに立っている…目の前にいるのはライザーであり、彼は忌々しそうに睨み付けている。
サーゼクスの言葉と同時に始まった赤龍帝の籠手を装備したイッセーは、深く息を吸い込んで力強く宣言した。
「部長!十秒でケリを付けます!!」
『お兄様を十秒ですって!?正気で言ってるのかしら!』
「ふん。ならば俺は、その減らず口を五秒で封じてやる……二度と開かぬようになっ!!」
レイヴェルの言葉を聞きながら、鼻を鳴らしたライザーは炎の翼を生やして飛翔する。
「行くぞドライグッ!!」
『おうっ!!派手に暴れて来い、相棒っ!!』
「『
【WELSH DRAGON BALANCE BRAEKER!!】
イッセーの掛け声と、神器から流れる音声と同時に彼の身体には赤い鎧が次々に装着されていく。
やがて、そこに立っていたのは一匹のドラゴン……。
『禁手ッ!禁じ手ってこと…!?』
外の会場で驚くリアスを気にせず、彼は各部に備わったブースターで飛行しライザーへと突っ込む。
「見せてやるよ、ライザー!!最強のドラゴンの力をっ!!」
【BOOST! BOOST! BOOST! BOOST! BOOST! BOOST! BOOST! BOOST!…】
連続して鳴り響く倍加の音を聞きながら、イッセーは一瞬で距離を詰めてライザーを殴り飛ばす。
凄まじい衝撃で吹き飛ばされたライザーを追撃するように、ドラゴンショットを連続して発射する。
ライザーも応戦して炎を放つが、打ち落とせなかったエネルギー弾を受けてしまう。
「ぐぅっ!?舐めるなよくそガキッ!!火の鳥と鳳凰…不死鳥フェニックスと称えられた我が一族の業火!その身で受け燃え尽きろおおおおおおおおっっ!!!」
「そんなちんけな炎で、やられるわけねぇだろうがあああああああああああっっ!!」
全身に炎を纏ったライザーがイッセーを焼き払わんはかりに勢いで突進するが、彼は左手に力を込めて思い切り振り下ろす。
力のぶつかり合いを行い、互いに拮抗していたが競り勝ったのはイッセーの方だった。
「何っ!?ぐぼあぁっ!!!」
弾かれて隙だらけとなったライザーの鳩尾目掛けて殴り、地面へと叩き落とす。
地面が砕ける音と共に、叩きつけられた彼目掛けてブースターの勢いを利用した突進で再度叩きつける。
このまま行けば、イッセーの勝利は間違いない…しかし、今の彼ではカウント10が精々であり残り時間は後八秒。
果たして決着が着くかと思われた時、青いハートバッテリーが輝く。
『その勢いと覚悟…気に入りました!私の力、存分に使ってください♪』
その言葉が、誰なのか分からない…だが自分の力を貸してくれる存在であり、シャークックスであることを直感的に理解したイッセーはバッテリーのインジェクタースイッチを押した。
【CHANGE SPLASH FANG!】
その音声と共に赤い鎧には水を思わせるような青いラインが全身に広がり、緑色の宝玉も青く変化する。
『
「火を消すには、水だよなぁっ!!」
そう叫んだイッセーが取り出したのは『聖水』の入った瓶…アーシアの所持していた物を彼女から譲り受けたのである。
もちろん、それだけではライザーを倒すことは不可能だろう…しかしイッセーはそれを可能にさせる。
瓶のふたを開けて躊躇いなく突き出した左腕に中身を浴びせる。
【ICE FANG!】
【BOOST!】
「いっけえええええええええええええっっ!!!」
音声と共に聖水の雫は刺々しい氷柱へと変わると、呆然としているライザーの顔面に思い切り倍加した拳を叩き込んだ。
「ぎゃあああああああああああああああああああっっ!!!」
弱点+凶悪な一撃を受けたライザーは顔を抑える。
その攻撃は体力と精神を著しく消耗させ、再生が追いついていないのだ。
悶える彼を横目に制限時間が切れたイッセーは倍加した力を集中させると同時に十字架を赤龍帝の籠手に装備し、残った全ての聖水を浴びせる。
「これで、終いだ。ライザー!!」
「ま、待てっ!分かっているのか!?この婚約は、悪魔の未来のために必要で!大事な事なんだぞっ!?お前のような何も知らないガキが、どうこうするような問題じゃないんだっっ!!」
命乞いをするように、早口でライザーは言葉をまくし立てる。
確かに種族の安寧と未来のことを考えたらこの婚約は必要不可欠であり、それを邪魔する下級悪魔のイッセーに問題がある。
それが大事なことであるのはイッセーにも分かる。それでも彼は…。
「そんなこと知るかよっ!!でもな…もう一人の相棒が見せてくれた映像で、はっきりと分かったことがある!」
左腕を真っ直ぐに突き出し、映像に映っていたリアスのことを思い出す。
まるで助けを求めるように、流したあの涙を……。
「部長が、泣いてたんだよ!!俺がお前を殴る理由はっ、それだけで十分だああああああああああああああああああっっ!!!」
駆け出したイッセーはライザーが最後の抵抗で放った攻撃を躱し、中心線を狙って抉り込むように最後の一撃を打ち込んだ。
それを受けたライザーは、言葉にならない声を呻きながらその場で崩れ落ちる。
すると、外にいたレイヴェルが兄の危機にフィールドへ入り込むと両手を広げて庇おうとする。
それを見たイッセーは、赤龍帝の籠手を彼女に突きつけて強く宣言する。
「文句があるなら俺のところに来いっ!!いつでも相手になってやる!」
「……ぁっ///」
真っ直ぐに、自身の想いを叫び自分を見つめる綺麗な彼の瞳にレイヴェルは場違いにも頬を赤らめてしまった。
そして彼の行動に胸を撃たれたのは彼女だけではなかった。
「イッセー…あなたって、あなたって…!」
リアスもまた、自分を見てくれた心優しい彼に喜びの涙を一筋流す。
だが…その空気を台無しする存在がいる。
「ふっざけるなあああああああああああああああああっっ!!!」
人間態でライザー眷属に紛れ込んでいたピーコックが、頭を掻きむしって憤怒の形相で叫ぶ。
眷属たちが突然の豹変に動揺する中、一人の少年の鋭い声が響き渡る。
「ついに化けの皮が剥がれたね!偽物ちゃん!!」
ヴァイアはある人物…ライザーの屋敷で軟禁されていたカーラマインに肩を貸しながら、意地の悪い笑みを見せる。
「君は『勝利』に対して異常なまでの執着心を見せていた。だからイッセーが邪魔しに来た時は逃げるに逃げられなかっただろ?何せ、自分が作り上げた勝利が粉々に砕けたんだからね!!」
「黙れええええええええええええええええっっ!!!」
叫びと共に、ピーコックは怪人態へと変化すると大剣を振り回して手上がり次第に暴れ始める。
突然の出来事に理解の追いつかない来客者たちはパニックになるが、事態を素早く判断したサーゼクスとグレイフィア、木場たちが避難誘導をする。
ピーコックはフィールドへと足を踏み入れた。
イッセーたちがいるフィールドへと降り立ったピーコックは、イッセーを睨みつける。
『良くも私の完全な勝利を汚してくれたなぁ…そこにいる焼き鳥ごと叩き切ってやる!!』
「それはこっちのセリフだ。前回のリベンジをしてやる!」
宣言したイッセーはレイヴェルがフィールドから避難したのを確認した後、ドラグーンドライバーを巻きつけて青いハートバッテリー…『シャークバッテリー』を装填し、ホルダーを下げてインジェクタースイッチを押した。
「変身!」
【CURSE OF CHARGE!…水と氷の魔法でGO! SAHRK BISHOP~!!♪】
ローカストバッテリーとは違う軽快な電子音声が鳴り響くと、イッセーの身体は赤いスーツに包まれる。
そして、何処からともなく響いた銃声と共に銃弾が額を撃ち抜く…すると僧侶を思わせる刺々しいデザインを施された青いローブに全身を覆ったことでドラグーンは新たな形態へと変身した。
「さぁ、アクアミッションのスタートです!十秒で片付けてあげます!!」
『ほざけっ!!姿を変えた程度で私に勝てるかぁっ!!』
『仮面ライダードラグーン シャークハート』の宣言に、ピーコックは羽根型の矢を弾幕のように発射するが、彼はそれを躱すと同時に専用武器を召喚する。
【BAKKYU-N RIFLE!!】
「ふっ!」
『バッキューンライフル』から水属性の魔力を帯びた弾丸を乱射し、精密な命中精度で弾幕を相殺する。
「何っ!?」と動揺するピーコックを無視してドラグーンはインジェクタースイッチを押す。
【ZABU-N SPLASH!】
「そらっ!」
『ぎぎゃああああああああああああっっ!!?』
銃口を上空へと向けて放った途端、豪雨のように高圧水流が降り注いだことで避けられないほどの量が浴びたピーコックは火花を散らす。
溜まった水を駆使して氷のフィールドへと変化させて、今度はインジェクタースイッチを連打する。
【KACHIKOCHI FROST!】
「これでも喰らえっ!!」
『グガガガガガガガガッ!?』
足元を凍りついたピーコックに向けて集中砲火する。
ドラグーンの激しい銃撃から逃げようにも、足元が凍り付いているため身動きが取れない。
全ての銃弾を受けきったピーコックの身体からは煙が上がっており、ドラグーンはバッキューンライフルにシャークバッテリーを装填してインジェクタースイッチを押した。
【FULL ACTION! CURSE OF SAHRK!!】
「吹き飛びなさい!『ファングブラスター』ッ!!」
『私が敗北するっ!?嘘だ、こんな…こんなあああああああああああっっ!!!』
激流と氷弾が混じった集中砲火を受けたピーコック・ネオストラはシンボルごと爆散し、勝利の雨の中をドラグーンは立ち尽くすのであった。
ライザーとネオストラ、連続して激闘を終えたイッセーはリアスの元へと歩き優しく笑う。
「…迎えに来ました、部長」
「イッセー…!」
涙を溜めて笑う彼女に安堵した彼は倒れそうになるが、リアスがそれを支える。
優しく抱き締める彼女を見て、笑みを見せたサーゼクスはこちらへと近づく。
「見事だった…約束通り、リアスは君に返そう。先ほどの怪物とフェニックス家の方々については私に任せてくれ」
今回のレーティングゲームやイッセーとライザーとの戦いを通して、両家は互いに反省し破談となるだろう。
それを二人に伝えた彼は穏やかに微笑む。
「ありがとうございます」
「これからも、君の活躍を期待しているよ」
イッセーは頭を下げるとリアスと共に会場から外に出る。
外には木場や小猫に朱乃、ヴァイアとブレイブニルも集まっており、それを横目にイッセーはグレイフィアに渡された魔法陣が書かれている紙を掲げる。
そこから、頭部はワシ、身体はライオンのような動物…グリフォンが現れる。
「あらあら、うふふ。ではイッセー君が部長をお送りして差し上げたら?」
「えぇっ!?」
「そうね……じゃあ、お願い出来るかしら?イッセー」
楽しそうに微笑みながら言った朱乃の言葉にイッセーは驚くが、リアスは彼の目を見て手を差し伸べる。
驚きながらも、イッセーはそれに「俺で良ければ」と緊張しながらも手を差し伸べる。
手袋越しでも分かる彼女の手に鼓動を跳ねながらも彼は、リアスと共にグリフォンに跨って空へと飛ぶ。
「先に部室で待ってるぜーっ!!」
夜空を高く飛翔するグリフォン…本来なら、逃走用として用意していた幻想動物なのだが、帰宅用として使用されたことに遠くから見ていたサーゼクスとグレイフィアは微笑む。
そんな事情を知る由もなく、イッセーとリアスは夜空を眺める。
ふと、リアスが口を開いた。
「バカね、こんなことをして…私なんかのために……」
「そんなことありませんよ、こうして部長を助けることが出来たんですから…むしろ得したと思ってます」
そう言って笑うイッセーだが、対照的に彼女は寂しげな表情のままだ。
リアスは続ける。
「今回は破談になったかもしれない…でも、また婚約の話が来るかもしれないのよ」
「その時が来たら…あなたが助けを呼ぶなら、何度でも何度でも助けに来ますよ。だって俺は…」
そこで小さく息を吸った後、イッセーはリアスの顔を見てはっきりと宣言した。
「リアス・グレモリーの…『兵士』ですから」
「……っ!///」
その言葉に、リアスは顔を染めた。
まるでその表情は今まで見せていた年長者のそれではなく、年相応の少女のそれであった。
次にイッセーの視界に入ったのは、近距離でのリアスの顔と唇に当たる柔らかい感触。
突然のことに理解出来なかったが、一秒二秒経ってようやく理解する。
……自分は、リアス・グレモリーにキスをされたのだと。
「…ふふ、ファーストキスよ。日本では、女の子が大切にするものよね?」
「え、えぇ…そうですけど…じゃなくて!!良いんですか、俺みたいな奴に…」
「あなたはそれだけ価値のあることをしてくれたのだから、ご褒美よ」
(おめでたいな相棒、ヒューヒュー!!)
悪戯が成功したように微笑むリアスに、イッセーはただ驚くことしか出来ないが、彼女は気にせず笑う。
ドライグが茶化していたが、それすらも気にならなかった。
「それから」とリアスは付け足す。
「私もあなたの家に住むことに決めたわ」
満面の笑顔でそう告げた彼女の爆弾発言に、イッセーはしばらくの間呆然としていたがやがて言葉の意味を理解すると……。
「えっ、えええええええええええええええええええええええええっっ!!?」
夜空に、今代の赤龍帝の混乱に満ちた悲鳴が木霊するのであった。
辰巳一誠の青春と戦い、そして彼を送る悪魔ライフはこれからである。
新フォーム、シャークハートは水属性を司る形態となっています!魔力で生成した水ならば凍らせたり水流を操るなど万能です。その気になれば聖水も生成して操ることが出来ます。
リアスにフラグをたてられました、メインヒロインなのでこれからしっかりと活躍させたいです。ではでは。ノシ
ピーコック・ネオストラ ICV原田ひとみ
ライザーの『騎士』であるカーラマインの心の中に僅かに潜んでいた『勝利への執着』を糧に培養して進化した。
青い西洋甲冑に極彩色の尾を持った騎士のような姿をしており、大剣を武器とする他羽根型の矢を弾幕にして放つ。また、炎を纏わせることも可能だが水が弱点。