筆記試験は自己採点の結果合格ラインを突破していた。問題は実技試験の方だな
そう思いながら芯時は機械の回路をいじっていた。
親父の退院まではあと5ヶ月かかるらしい、それまでは絶対安静とか言ってたな
「芯時〜居る?」
藍が玄関のドアを勢い良く開けながら言った。
「居るから空いてるんだろうが!」
「あっ!それもそうか」
藍ってすごく天然(?)な部分があるよな
「で、どうしたんだ?それに珍しいな、藍だけが来るなんて」
芯時はリビングに案内し、お茶を入れながら聞いた。
「宅間はなんかさっきまで用事があってたみたいで、今急いで来てるよ〜」
あっ、来るのね
「いや〜芯時の所にも、もう合格発表来たかな?って思って♪」
「合格発表ね──って藍の所に来たの!?」
「え?まだなの?てっきり来てるのかと思ったよ〜」
そろそろ来てもいい頃なのか──うっ、そう思うとだんだん胃がキリキリしてきた。
「そ、それよりも藍、宅間はどうなんだ?合格したのか?」
「うん、私と宅間はもう合格確定したよ!」
「そうか、ならあとは俺だけなんだな?」
「おーい、芯時!」
外から宅間の声がした。
もう来たのか、意外と早かったな
「宅間!空いてるから入って来ていいぞー!」
「芯時、ほら!お前のだ」
宅間がリビングに来ると一通の封筒を渡した。
「なんだこれ?俺の誕生日はまだ早いぞ?」
「なんでそうなる!合否通知だ、合否通知!」
あっ、そう言うことな
「って、合否通知!?なんでお前が持ってんだよ!」
「そこの郵便受けに入ってたぞ?」
「ねぇ!早く見ようよ〜!」
「そ、それもそうだな」
そう言い芯時は封筒を開けた。
なんだこれ...投影機か?
『私が投影された!!』
芯時が投影機らしき物を机の上に置くと大きな画面が映り誰もが知る人物が映し出された
オールマイト!?
『やぁ!初めまして止効少年!』
芯時のリアクションを見て藍はニヤリと笑った。
『知っていると思うが念のため自己紹介しておこう、私の名前はオールマイト!!No.1ヒーローと呼ばれている男だ!』
知ってるけど──えっ!?何でオールマイトが出てくるんだ!?卒業生だから?いや、それだけの理由はおかしい気もするけど
『それでは本題に入ろう、筆記試験はギリ合格、そして問題の実技試験の方だが──45ポイントこれだけでは合格ラインに少し足りてない5点ほどね!』
もしかして俺って落ちたのか!?
『だがこの試験にはもう一つ隠されたポイントがある。』
隠されたポイント?
『まずはこちらを見ていただこう!』
そう言いオールマイトは背後にあったモニターにスイッチをつけた
この映像って確か俺たちが戦った0ポイントのやつじゃねぇか!
『そう、君達は彼女を守るために戦った、これはヒーローとして必然の行動!そして隠されたポイントとはこれだ!レスキューポイント!それを君達3人には10ポイント!よって合計52ポイント!合格だ!』
「や──やったぁぁぁぁ!」
「やったな、芯時!」
「おめでと〜!」
『それでは止効少年!雄英でまた会おう!!』
そう言うと投影機の電源は落ちた。
「さてと、芯時!行こうぜ!」
「行こうってどこに?」
「決まってるじゃん、学校へ報告だよ〜」
学校(職員室)
「まさか、記念すべき雄英合格者がお前たち3人とはな」
芯時達の担任は頭を抱えそう言った。
「「「え?」」」
「あっ、いや勘違いしないでくれ、これは良い意味で頭を抱えたんだ」
良い意味で頭って抱えるものなのか?
「まさか幼馴染3人が受かるとなるとこれは何というか我が校の教育方針が間違ってたのかもしれないと思ってな」
「教育方針?」
「こっちの話だ──とにかく合格おめでとう、君達が良きヒーローになるよう応援するよ」
「「「はい!」」」
その後俺たち3人は校長や教頭から同じような話を何度も聞かされた。
「それでは雄英高校での健闘を祈るよ」
「「「失礼します。」」」
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繁華街
それにしても雄英合格か〜!なんかまだ夢みたいだな
「ね〜芯時?」
「ん!?」
「聞いてなかったのか?」
「わ、悪りぃ考え事してた」
「考え事?浮かれてたの間違いだろ?」
その言葉を聞くと芯時は少しイラッとする表情をした。
「浮かれてない!」
「そうか、それは悪かったな」
「ま、まぁまぁ2人とも落ち着いて!喧嘩しちゃダメだよ〜!」
藍がそう言うなら仕方ないか、それにこんなことで問題起こして合格取り消しとかなったら嫌だし
「なぁ芯時、一つ聞いていいか?」
「なんだよ」
「お前のなりたいヒーロー像ってなんだ?」
「は?なんだよ急に」
俺のなりたいヒーロー像?そんなの宅間みたいな──いや
「オールマイトみたいな最高のヒーローになりたい、それが俺のなりたいヒーロー像だ」
「そうか」
「宅間は誰なんだ?」
「あ〜っ、それちょっと気になる」
「俺はお前達みたいなヒーローになりたい」
「なっ!///なんの冗談だよ!///俺はまだヒーローじゃねぇぞ!」
宅間が俺みたいになりたい!?
「冗談なんかじゃない、本当のことだ、実際俺は何度かお前達に救われたからな」
「そんな事したか?俺」
「あぁ、無意識かもしれんがな、俺はお前や藍の笑顔に何度も救われてる、だから俺は芯時や藍みたいに笑顔で人を救えるヒーローになりたいんだ」
笑顔で人を救う──か
「でもそれは無理だよ〜」
「なっ!?」
「藍!今そんなこと言っちゃダメだろ!」
「だってそうでしょ〜、宅間は宅間の良さがあるから良いんでしょ?」
「──でも、それじゃダメなんだ、俺の目指すヒーローはそこじゃないとそう約束したから」
宅間は苦虫を噛んだような表情をしてそう言った。
「すまない、それじゃ俺帰る」
「あっ、うん!」
そう言うと宅間は帰って行った
俺は宅間とは小学校からの付き合いだからそれより前のことはよく知らない、もっと言えば宅間の家に遊びに行ったことすらない。
「なぁ、藍──お前は宅間とは長い付き合いだよな?」
「うん!幼稚園の時からの付き合いだよ!」
「宅間って何があったんだ?」
「私と宅間は幼稚園に入る前からの幼馴染なんだけど・・・」
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宅間side
宅間の家
「ただいま」
宅間が挨拶をするが家中にそれが響き渡るだけで特に何もない、返事が返ってくることもなかった。
って、返事が返ってくるわけないか...
宅間は家の仏壇へ向かい手を合わせた。
「母さん、さっきも報告したけど俺、雄英を合格できたよ──あの時の約束を果たすまで多分もう少しだから」
その時が来るまで天国で見守っていてください。
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芯時side
芯時の家
「それで宅間は両親を亡くしたって聞いたよ」
宅間にそんな過去があったなんて、俺は知らなかった
「でも変だよな?それだと宅間も巻き込まれたんじゃ?」
「私も詳しい事はよくわからない、その時のニュースとかでは両親の”個性”で子供を助けたとか言ってたし...少なくとも宅間の”個性”ではないよ、宅間が”個性”を使えるようになったのは幼稚園の時だからね」
宅間のやつ、そんなこと隠してたのかよ!何で俺に言ってくれなかったんだ──確かに言いづらい事ではあると思うけど
「宅間の”個性”が発現した時ね、宅間は泣いてたんだ」
「泣いてた?」
「うん、もっと早くこの”個性”が備わっていればお母さんを助けれたのにって」
そう言うと藍は暗い顔をし、雨雲が生成された。
「そっか──教えてくれてありがとな、藍」
とりあえずこの事は聞かなかったことにしてたおいた方が良いかな、宅間も触れられたら嫌だろうし