ラブライブ!side “M” お兄ちゃんは魔法使い   作:真仁

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なんか久々の更新のような気がします。相変わらずの駄文ですがよろしくです。


第8話 Eの選択/やりたい事は? その3

束「魔法の力、見せてやるよ」

ブチッ!

束は首から紐でかけていた赤い石で出来たリングに手をかけると紐を引きちぎりリングを指にはめる。

束「さあ、ショータイムだ」

凪「何がショータイムよ!指輪ひとつで何が変わる訳でも!」

凪は再び火炎つむじの術で炎を束目掛けて放つ。しかし今度は束は避けようともしない。

束「はっ!」

指輪が光り輝くと同時に束は右手を前に出し炎を巻き込むように右手で円を描く。凪の放った炎はそれに巻き込まれ束の右腕を覆うように回転しながら留まる。

凪「な⁉︎」

束「返すぜ、コレ」

『フレイム』

束が再び右腕を前に突き出し、握った手を開くと同時に周りで渦を巻いていた炎がまるで龍の形となり一気に凪目掛けて放たれる。

凪「く!隱流忍法、水柱の術!」

咄嗟に水柱を発生させ、炎を遮る凪。高熱の炎と水がぶつかる事で大量の水蒸気が発生、辺りは一時的な霧に包まれる。

凪「この霧じゃ姿が・・・、何処にいるの?」

辺りの気配を探りながら攻撃を警戒し、身構える凪。しかし一向にその時は来ない。

凪「なんで攻撃して来ないの・・・?ッ!まさか!」

束「ちょっと遅かったな」

霧が晴れ、束の姿が露わになる。

『グラビティ』

束は両手を地面につけるとオレンジ色の光が分身した凪達の足下に浮かび、そのまま地面に押し付けられる。

凪「「ぐっ⁉︎身体が・・・重い⁉︎」

束「重力操作ってとこだ。これだけ強力なのを広範囲にやるのはちとしんどいが・・・」

更に束は右手に魔力を集めた状態で思い切り横に振り抜く。

『ブリザード』

束の右手から冷気が放たれ、霧となっていた空気中の水蒸気が反応し、辺り一面を凍らせる。その中心にいた凪も例外ではなく、足下が凍りつき、身動きが取れなくなる。魔法を使っている間、束の右手の指輪が光り輝く。

凪「やっぱりその指輪・・・何か秘密が・・・」

束「まぁな。俺の母親が海外に行く時にくれたもんでな。

魔法石で出来た指輪だ。これを指にはめていれば魔法の力を飛躍的にあげる事が出来る。ただ、魔法石の純度が低いもんでそう何回も使えないのさ」

束が光る指輪を見せて説明をするがその説明の途中で指輪にヒビが入る。

束「やっぱ限界か・・・。という訳で、これでフィナーレだ」

束の身体がゆっくり上空に浮き上がり、凪の真上に来る。

『サンダー』

束「はあっ!」

束の両手から雷が放たれ真下の凪に直撃する。

凪「きゃあぁぁぁっ⁉︎」

衝撃で氷も砕け、凪がその場に倒れこむ。

凪「う・・・くっそぉ・・・」

意識はあるもののダメージが大きく、立ち上がれそうにない。

パキィンッ!

それと同時に束の指輪も砕けてしまった。

束「・・・お疲れ」

束は砕けて指輪の痕のみ残った手を見ながら呟く。その後凪の元へ近づく。

凪「・・・トドメを刺す気?」

束「んな事しねぇよ。これに懲りたらもうこんな事はやめて故郷に帰るんだな」

凪「あの指輪がなければ私が勝ってたわ!指輪がない今のアンタになら負けない!」

束「あのなぁ・・・」

「潔く負けを認めなさい。凪」

いきなり声がしたかと思うといきなり風が吹き、一人の女性が現れる。

凪「お師匠様!」

束「何?この人が・・・?」

凪の言うお師匠様の言葉の響きと忍者への勝手なイメージからてっきり老人の姿を想像していた束は少し驚く。目の前の女性の外見はどうみても20代後半かそこらである。

「この度はうちの弟子がご迷惑をお掛けしてしまい申し訳ありませんでした」

女性は深々と頭を下げる。

束「あ、いや・・・大したケガもないので・・・大丈夫です」

いきなり頭を下げられて束は戸惑いながらも返答をする。

凪「お師匠様!そんな奴に頭を下げないで下さい!」

「お前は黙ってなさい。凪」

凪「はいっ!」

束(あの暴走娘を一瞬で黙らせるとは・・・どうやら師匠ってのは伊達じゃないみたいだな・・・)

「先程の戦いは拝見させて頂きました。こんなのでも一応里ではそれなりに腕だけは立つ忍なのですがそれを抑え込むとは・・・流石は魔法使い、ですね」

束「そんなんじゃないですよ。それに過去に魔法使いがそちらで迷惑をかけたみたいで・・・」

「ああ、あれは事故みたいな物なので・・・里に魔法使いに恨みを持つ者はいませんから安心して下さい」

凪「いるわよー!ここにー!家が潰されたんだからねー!」

「それはあなたが家の柱を手裏剣の練習台にしてボロボロにしてたせいでしょう」

束「やっぱお前バカだろ」

凪「なんですってー⁉︎」

「とにかく、この馬鹿弟子は私が里に連れて帰ります。それでは・・・。あ、そうだ。皆道さん、コレを」

束「え?」

女性は束に竹で出来た小さい笛を渡す。

束「コレは・・・?」

「隱流の呼子です。どうやらあなたの大切な物を壊してしまったようですのでそのお詫びといった所です。その笛を吹けばうちの馬鹿弟子が助太刀に参ります。どうしても忍の力が必要な時に使って下さい」

凪「えーっ⁉︎」

「何か?」

凪「何でもないです」

「よろしい。では皆道さん。これにて御免!」

二人は突風と共に消えてしまった。束はしばらく呆気にとられて呆然としていた。後に残ったのは束の手の中の小さな笛のみだった。

 

 

 

束「やれやれ・・・」

そこに希が駆け寄ってくる。

希「束君!何かあったん⁉︎」

束「あ、希ちゃん。どうした?」

希「どうしたもこうしたも・・・屋上で練習してたらいきなり雷雲は現れるわ水柱は上がるわここだけ霧が出るわで学校中大騒ぎや。また魔力憑きが現れたのかと思って・・・」

束「あー、魔力憑きは現れてないよ」

希「じゃあ一体・・・?」

束「・・・忍者」

希「へ?忍者?忍者ってもっとこう、隠れて行動するもんじゃ・・・」

束「いやー?どうも最近の忍者は忍なれども忍ばない、忍ぶどころか暴れるらしいぜ?」

希「忍者ならちょっとは忍ぼうよ・・・」

そんな話をしていると二人の前に絵里がやってくる。

絵里「束さん・・・」

束「ん?絵里ちゃんか。どした?」

絵里「・・・すみません。少しお時間を頂いていいですか?希も一緒に来て?多分、あなたも関係してる事だろうから・・・」

希「えりち・・・」

束「やれやれだぜ・・・」

 

 

 

 

 

時間は少し戻り、音ノ木坂学院 屋上

束が凪に絡まれていた頃、μ’sのメンバーは絵里の指導の元練習に励んでいた。柔軟を始めとしたかなりハードな内容であったが誰一人弱音を吐く事なく真剣に取り組む。やがて全てのメニューが終わった頃にはまともに立っていられるメンバーは一人もいなかった。

絵里「・・・もし出来ないようだったら早めに言って?時間が惜しいから」

冷たい口調でそう告げて屋上を去ろうとする絵里。すると穂乃果が立ち上がり絵里を呼び止める。

穂乃果「ありがとうございました!」

絵里に向かい深々と頭を下げる穂乃果、他のメンバーも後からそれに続き頭を下げる。

絵里「ッ・・・・・」

絵里は黙って屋上から出て行った・・・。

絵里(あなた達はどうしてそんなに・・・。私も・・・あんな風に・・・)

そう考えた所で首を横に振り考えるのを止める。

絵里「・・・わかった筈よ。楽しくやるだけじゃダメだって・・・」

ドォォォォン!

そんな絵里の迷いを遮るかのように轟音が響く。驚いた絵里が音のした方の窓を見ると、巨大な水柱が校庭に上がり何故か束が吹っ飛ばされていた。

束「うおぉぉぉぉぉっ⁉︎」

絵里「つ、束さん⁉︎なんで⁉︎」

ここからでは良く見えないので慌てて絵里は水柱の上がった場所に急ぐ。

到着した絵里は物陰に隠れて様子を伺う。目の前にはコスプレかと思うほど特徴的な服装の少女が立っており、対する束は傷を負っており、足元もフラフラしていた。

絵里「いけない!助けないと・・・!」

絵里は束を助けようと飛び出そうとする。しかし・・・

束「今のままじゃお前はいつまで経っても半人前だって言ってんだ。自分の価値観だけで物事の良し悪しを決めて、本質を見ようともしない。そんな事して前に進もうとしたって、そんなんじゃ開ける道も開けねぇよ!」

絵里「ッ・・・!」

束が目の前の少女に向けて放った言葉に思わず動きが止まったしまう。自分に向けられた言葉ではない事は分かっている。しかし絵里はその言葉が決して他人事には感じる事が出来なかった。

束「魔法の力、見せてやるよ」

そして絵里は右手に光る指輪をはめた束の戦いを見守る事になるのだった・・・。

 

 

 

 

 

場所を変え、三年生の教室に来た三人。既に放課後であったことから他に生徒の姿もない。束達は適当な席に腰をかける。

絵里「・・・この学校でそんな事が起きてたなんて・・・」

希「ゴメン。騙すつもりはなかったんだけど・・・」

束から事情を教えられた絵里。希も今まで隠していた事に対して申し訳なさそうに謝罪する。

絵里「いいのよ希。私だって実際目の前で見なきゃ信じられなかったし・・・。とにかく、この事は皆には秘密にしておくわ。出来る限りバレないようこちらでもサポートはしてくつもりよ」

束「そりゃ助かるな。しかしそれより・・・・」

束は座っていた席を立つと絵里の前に立つ。

束「見つかったか?『やりたい事』?」

絵里「・・・いえ、まだ・・・」

束「嘘だな」

絵里「ッ・・・」

真っ直ぐ自分を見てくる束に対し、思わず視線を逸らしてしまう絵里。

束「本当は自分でも分かってるんだろ?本当にやりたい事が何なのか」

絵里「・・・・・」

黙ってしまう絵里に対し、束はため息をつきながら話し始める。

束「もうこの際だからハッキリ言わしてもらうけどさ?君は穂乃果達に、スクールアイドルに憧れてるんだよ」

絵里「そんな事ありません!」

束「同じ目的の為に動いている筈なのに生徒会長として自分を押し殺してまで動く自分と違い、思いのままに、楽しみながら活動するあいつらの姿に少なからず憧れてたんじゃないか?」

絵里「私は・・・自分を押し殺してなんか・・・」

希「えりち・・・」

束「さっき見た動画の女の子は心から楽しそうに踊っているように見えたけど・・・俺の前にいる少女は・・・どうかな?」

絵里「楽しむだけじゃ、結果は出せません。私はそれを知ってます・・・」

束「昔はそうだったかもしれない。でも・・・」

希「でも今は、えりち一人じゃない。そうやろ?」

束(・・・一番良いとこ盗られた・・・)

希「あの子達と一緒なら、きっと何か出来る。そう思うんや」

絵里「・・・私はこの学校の生徒会長なんです・・・。私情を優先する訳には・・・いかないわ」

希「えりち・・・」

絵里「あなたと一緒に彼女達の活動に参加してみて、彼女達が真剣に活動に向き合っている事は分かったわ。・・・でもそれとこれとは別、今まで散々あの子達の活動を否定してきた私が今更アイドルをやりたいなんて・・・言える訳ないでしょ?」

自分の感情を吐露する絵里の目には涙が。

束「・・・だってよ。皆」

束がいきなり廊下の方に向かって呼びかける。

絵里・希「え・・・?」

二人が困惑していると穂乃果達μ’sのメンバーが教室に入ってくる。

絵里「全部・・・聞いてたの?」

希「いつの間に・・・」

束「絵里ちゃんの『自分を押し殺してなんか〜』の辺りからかな?」

左手にコッソリ隠し持っていた携帯を見せながらそう言う束。

穂乃果「いきなりメールが来るから慌ててきたよ〜。コッソリ廊下で待機なんて言うから」

束「悪い悪い。こうでもしなきゃ本音聞けないと思ってさ。と、言う訳で・・・どうする?」

絵里「わ、私は・・・」

穂乃果「生徒会長・・・いえ、絵里先輩!先輩の力を貸してください!私達、もっともっと上手くなりたいんです」

凛「あそこまで言っちゃったらもう入るしかないにゃ!」

にこ「全く・・・入りたいなら素直に言いなさいよね」

真姫「先輩がそれ言うの?」

希「えりち、今度はウチも、皆も一緒だから・・・」

希が手を差し伸べる。

希「だから、もう一度・・・楽しもう?」

絵里「希・・・。本当に・・・いいの?」

海未「断る理由なんてありません」

ことり「先輩が一緒なら心強いです!」

花陽「お、お願いします!」

そして絵里は希の手を取る。

穂乃果「絵里先輩、ようこそ!μ’sへ!」

その様子を後ろで見ていた束が呟く。

束「これでようやく一人か・・・」

にこ「今良い場面なんだから指輪の魔法使いネタぶっこむのやめなさい」

 

 

 

 

おまけ

あの後、メンバーが別れて帰宅し、誰もいなくなった教室に最後まで残っていた束と希。

希「ありがとね。えりちの事・・・」

束「ん?あぁ、別に大した事はしてないけどな」

希「あれだけの事をして大した事無い訳ないやん」

束「俺が居なくても、そんときゃ他の誰かがその役割は果たしてたさ」

希「そういうもん?」

束「そういうもん」

二人もぼちぼちと帰り支度を始める。

希「でも、まさかこの為にウチをμ’sに入れるなんてなぁ。よく考えつくね、そういうの」

束「いや、何にも考えてないよ?ただ人数欲しくてその場の思いつきで入ってもらっただけ」

希「え?・・・えぇぇぇぇっ⁉︎」

束「アレ?乗せられちゃった?」

そう言いながら素早く逃げ出す束。

希「コラー!待てこの嘘つき男!」

束「言葉の裏には針千本、千の偽り万の嘘、人生を楽しくするのは千の真実より一つの嘘だぜ?」

希「思いっきり千とか万とか言ってるやん!」

束「じゃーなー!」

束は転移魔法を使いその場から消える。

希「全く・・・.!でも、えりちを助けてくれたのは本当やし・・・ありがとな。束君」

そんな希の感謝の言葉を希のいる教室のすぐ隣の教室に転移した束は微笑いながら黙って聞いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 




なんとか9人揃いましたが原作ベースで進めるかどうかはまだ未定です。とりあえず次回は気楽な日常編です。
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