インフィニット・ストラトス 夜天の息子の鮮烈なる物語   作:ウィングゼロ

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二十一話『悲しい過去を撃ち抜くストライク』

優希SIDE

 

「そんなこと、あなたに言われたくない!」

 

俺の言葉に気が触ったのか睨み付けるように俺を見てくる。

 

必死にやっていることを否定されているようなそう見えたのかもしれない。

 

「か、かんちゃん、どうしたの~」

 

すると後ろの扉が開いて慌てて布仏さんが入ってきた。

 

『布仏さん…!』

 

「あ、やーくんだ、おかえり~それでなにがあったの~」

 

入ってきた布仏さんが俺に気付いて挨拶するとことの顛末を訪ねてくる。

 

「何も知らないくせに!…特別なあなたに私の努力なんて…!」

 

布仏さんに話す間もなく簪さんが感情をむき出しにして俺に訴えてくる。

 

その言葉に説明しようとしていた布仏さんも大体理解できたのかこれからどうするのかと動向を気にする目で俺を伺う。

 

『別に努力を否定してるわけではありません…ただ限度を超えたオーバーワークは危険なんです』

 

「そんなこと…!私は姉さんを越えたいから…!だから私も一人で専用機を!」

 

……姉を超えるか…

 

全く…簪さん…似てるな…

 

『……詳しいことはわからない…けど…簪さんと似た人を知ってる』

 

「え?私に似てる?」

 

つい、敬語をやめたけど…今は良いか…

 

『その人には年が離れた警察官のお兄さんが居たんだ…けど…とある事件で殉職して…周りからは犯人を取り逃がしたとかで蔑まれたんだ』

 

「…酷い…」

 

『本当酷い話だよ…それでその人も兄の意志を…引き継ぐ…ううん兄と自分の力を証明するために警察官になって必死に努力を重ねたんだ』

 

「…………」

 

『その人は周りの人達からみたら凡人で…その事を自覚しているから力を証明するために物凄い努力をしたんだ…今の簪さんみたいに…無理をしてオーバーワークをね』

 

『そしてオーバーワークをした結果…その人は…現場でミスをしてた…頑張りすぎたために…無理をしすぎたんだ』

 

「……」

 

俺の話を何も言わずに耳を傾けてくれる。

 

『それからその人はもう失敗しないために今以上の練習を重ねたんだけど……まあ…当の本人もあまり言われたくない話だろうし…ここまでにしよう…長々と話したけど…結論を言うと…例え難しいことでも一人でどんなに頑張るより他の友達や仲間に手を借りたほうが良いってこと…』

 

「……でも…姉さんは…」

 

一人でやるよりみんなでやった方が何よりも経験になると説明したがまた姉のことを持ってきた。

 

この話から察するに簪さんは姉のことを気にしているみたいだな。

 

「かんちゃん…たっちゃんさんも一人で専用機を作ったわけじゃないんだよ」

 

思い悩む簪さんに布仏さんがフォローに入る。

 

「でも姉さんならもしかしたら…」

 

『俺には簪さんのお姉さんの凄さは分からない…けど簪さんは…簪さんだろ?』

 

「私は…私?」

 

『そう、簪さんは周りから多分、簪さんのお姉さんと比べられていたんだと思うけど……簪さんは簪さんのお姉さんじゃない……だから専用機を一人で作るってことに執着しなくてもいいんじゃないかな…お姉さんはお姉さん…簪さんは簪さんらしく…周りに認めてもらえば…ね』

 

「私は…私らしく…」

 

『困ったときは周りに助けを求めれば良い少なくても此処に一人…いや、二人いるわけだし』

 

後一押しと簪さんが困ったときは手伝うと俺は言おうとしたが隣の布仏さんも手伝う気があるようなので少し訂正して言った。

 

「…八神くん…本音も本当に良いの?」

 

「かんちゃんの頼みならいつでもいいよ~」

 

『俺も機械いじりは得意だから…力になれるはすだ』

 

「…っ!あり…がとう…!」

 

簪さんは助けてくれる俺達がいることを実感したからか瞳からは嬉し涙が流れて、俺と布仏さんもそれを見て笑みを浮かべた。

 

 

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