インフィニット・ストラトス 夜天の息子の鮮烈なる物語 作:ウィングゼロ
NOSIDE
IS学園第一アリーナ
今日ここでは一年一組のクラス代表を決める総当たり戦が始まろうとしていた。
既にイギリスの代表候補生であるセシリアは専用機、ブルー・ティアーズをその身に纏い対戦者を待ち構えていた。
そんな様子を観客席のとある場所で本音と簪は見に来ていた。
「やーくん大丈夫かな~」
「優希は勝つって言ってた…それほどの自信が優希にはきっとあるんだと思う」
やはり相手は代表候補生ということもあって大丈夫なのか本音は心の内に思っていることをもらし、隣にいる簪も同じであったがそれより優希の勝つと信じてそう述べた。
「あっ!出てきたよ!やーくんだ!」
「あれが…優希の専用機……見た目は第2世代のラファール・リヴァイヴだけれど…スラスターが増えてる…機動重視の機体なのかな」
カタパルトデッキから優希が飛び出してきて簪は初めて見た優希のリヴァイヴを見て高機動戦闘特化の機体であることを見抜く。
そしてアリーナへと降り立った優希は武器も何も構えることなくセシリアとその身に纏うブルー・ティアーズを見据える。
その名の通り青を強調している機体…背中のウイングには6機のビッドも搭載されていることもすぐさま優希は見抜いた。
「あら?あなたが先でしたのね」
優希が出てきたことに意外そうに見下ろすセシリア
「織斑は専用機まだ来てないとのことだ…さすがに待たせるのも気が引けたから俺が先に出てきた…これ以上待つのも嫌だろ?」
「ええ、そろそろ待つのに耐えられませんわ…それとあなた…また口調が変わってましたけど…貴族である私に対して無礼ではありませんこと?」
先に優希が出てきた理由をセシリアに述べる、しかしその時の口調は丁重語ではなく、それを聞きセシリアは不機嫌になりその事を指摘する。
「気に障ったのなら謝る…だがどうも戦いとなると…口調がこうなってな…早々直せるもんじゃないんだ…許せ」
「…まあいいですわ、ところで、あなたに最後にお聞きします。今ここで謝ってくださるのであれば、許してあげないこともなくってよ?」
戦いの空気で口調が少し荒々しくなることをセシリアに謝罪する優希、それを聞いたセシリアもその事は隅に置き最終通告を優希に言い渡した。
「……残念だけど負けるつもりもないし…約束を破るつもりもない…」
優希は何も怯むこともなく曇りのない瞳でセシリアを見据えた。
「そう……」
優希の言葉をどう受け取ったかは不明だが最後の通達を蹴ったことでセシリアは手に持つレーザーライフルスターライトmkⅢをすかさず優希へと銃口を向けた。
「ならこれでお別れですわね!!」
その声と共にスターライトmkⅢからレーザーが放たれ真っ直ぐ優希へと向かっていく。
「開幕早々の射撃…直撃コースか…避ける必要もない!」
迫るレーザーに優希はその場で止まったまま直ぐさまに
「……………」
レーザーを打ち落としたことでアリーナ全体が静粛に包まれる。
もちろんその理由は先ほどの光景からのことだ。
たったいま
当然唖然とならないわけがない。
当然管制室で試合を見ている教師も
「や、八神くん今…レーザーを刀で打ち落としましたよ!?!?」
「何処かきな臭い所はあったが…やはり化けの皮を被っていたか…」
《ということはあいつの手の者から逃れられたのも単なる見落としではないのかもしれんな》
カタパルトデッキでは…
「ば、ばかな…レーザーを打ち落とすなど…人間技では…」
「八神…あんなに凄いのかよ…」
一人は優希が平然と行ったことに箒は優希を恐怖し一夏も優希の強さに唖然とした。
そしてアリーナの簪と本音は…
「か、か、か、か、か、かんちゃん…み、み、み、見た!?さっきのやーくんの!?」
「レーザーを刀で打ち落とした…凄い…カッコイイ…」
あまりの光景に驚く本音に簪はその優希の行ったことに見惚れた。
他も先程の優希の技に驚きの声を上げる中当の優希はレーザーを打ち落とされたことで固まっているセシリアに葵の剣先を向けてしゃべりだす。
「どうした?オルコット!そんなところで突っ立ってないでかかってこいよ!さっき攻撃したことでもう約束の
今唖然としている相手のセシリアに檄を飛ばす優希、その言葉で我に返る。
「わ、わかっていますわ!お行きなさい!ブルー・ティアーズ!」
《八神優希…!全力でお相手しなければ私が負けてしまいますわ!》
先程の技を見たことで焦りを滲ませるセシリア、背部のスラスターに搭載されていたブルー・ティアーズを4基展開し四方八方へと飛び回る。
《八神優希は約束でまだ私には攻撃できない、でしたらその時間内で終わらせるしかありませんわ、四方八方からの
伊達にイギリスの代表候補生でもあるために優希の力量をわきまえ一気に終わらせようとビットを優希の周りに飛び回りレーザーを発射し始める。
「っ!」
レーザーが発射されて優希は最小限の躱しと葵での打ち落としでビットに対処する。
「残り…4分」
「やはり、簡単には…でしたらこれならどうでしょうか!」
角度や位置を変えての攻撃も徒労に終わったのを見てセシリアはビット2基を優希の左右に移動させると即座に射撃、流石に葵では2基も防げないので優希は後方に脚部のスラスターを点火して下がる。
「今ですわ!」
(マスター後方にブルー・ティアーズのビット残り2基の存在があります)
(なるほど…考えたな)
それを狙ったと言わんばかりに優希の後ろにはビットを配置しており優希が下がったのを見計らってその2基からレーザーが放たれる。
《例えあなたでも後ろからの攻撃、その上移動中ということもありますし…これなら…!》
入ると確信するセシリア、しかしこんな状況でも優希は何一つ表情を崩さなかった。
「でも…まあ…」
そう後ろからレーザーが迫る中優希がそう口をこぼすと後ろへと下がっていたスラスターを切って脚部のブースターで上に少し飛ぶとまた脚部のスラスターとメインスラスターに付いている小型スラスターを駆使して後方宙返りで後ろからのレーザーを避けた。
「なっ!?」
「なのは姉のアクセルシューターよりかは断然楽勝だしな」
(あ、
(ラクショー)
(リヴァイヴさんも気を緩めないでください)
(ハーイ)
慌てることなく避けた優希、そしてまた優希は自分しか見えない自分の横に表示しているタイムを横目で見る。
「残り2分半…さあどうする?」
攻撃開始まで残り半分…それまでどう楽しませてくれるかと優希は笑みを浮かべた。
一方観客席では本音と簪のテンションが上がっていた。
「すごいよ!すごいよ!やーくん!」
「うん!私にもあれだけ強くなれるかな」
「きっとかんちゃんならできるよ~だからそのためにも」
「うん、3人で打鉄弐式を完成しないとだね」
優希の力量から二人も打鉄弐式の製作の意欲を更に強める結果になった。
「残り1分…」
そしてアリーナでは避けまくる優希にもう時間が無いとセシリアは焦りの顔を見せて攻めたてる。
しかし焦りからかビットの攻撃も更に単調になり、優希にとっては避けやすくなっただけであった。
そして避け続けること…
「…約束の五分間が経過」
ついに優希は
「さて…一気に終わらせる」
牙をむいた。
時間を経過すると優希は攻勢に出るのが早かった
まず優希は
「ブルー・ティアーズを!?」
「驚くのはまだ早い!」
2基落とされて動揺するセシリアだが驚く暇など優希には与えてくれずその間にも優希の背後を取っていたビットも小型スラスターで180°旋回しメインスラスターを点火させて加速、その速度と共に3基目を葵で切り落とし最後の1基をガルムで撃ち落とした。
「これで
飛び交うビッドを殲滅した後スラスターで加速して優希は一直線にセシリアへと向かっていく
「一直線これなら…!」
「やらせない!」
一直線ならとセシリアはスターライトmkⅢで狙撃しようと構えるがそれを見逃す優希ではない、ガルムをセシリア…セシリアのもつスターライトmkⅢに向けると直ぐさま放ち弾丸はスターライトmkⅢの銃口の中へと吸い込まれ内部から暴発してスターライトmkⅢを破壊する。
「これで主力武器は全て失った」
スターライトmkⅢを破壊したことでガルムを
「まだですわ!まだブルー・ティアーズはもう2基ありましてよ!」
《この加速にこの距離なら流石に外しませんわ!》
加速する優希を見計らって奥の手と言わんばかりに残り2基のブルーティアーズのミサイルを発射
間もなく優希に直撃しようとしたとき優希は笑みを零した。
「知ってたよ…」
速度をあまり殺さずに脚部のスラスターを後方へと噴射させ続けてメインスラスターの上部の小型スラスターも噴射して今度は前方宙返りでセシリアの目の前でミサイルを躱した。
「あり得ませんわ!またしても!?」
あの加速状態からの回避、動揺を隠せないのは当たり前であるが優希は前方宙返りした反動を利用して葵を、セシリアに向けて打ち込みシールドエネルギーを削る。
「うっ!くっ!!」
「切り裂く!」
悲痛な声を少し上げるセシリアだが優希はお構いなしにメインスラスターを最大点火してセシリアのシールドを斬り破り絶対防御を、発動させてシールドエネルギーを大幅に減らしていき…
「これで終わりだ!」
上段からの縦切りでシールドを破壊した後続けるようにもう一撃下段からの斜め切りを放ちシールドを張られる前にセシリアの体を切り裂き絶対防御を発動させたことによってブルー・ティアーズのSEは尽きた。
[勝者 八神優希]
システム音声と共に勝者の名前がアリーナ中に響きわたる。
クラス代表決定戦…初戦の優希VSセシリアは周りの予測を覆す優希の圧倒的圧勝で終わりを迎えた。