インフィニット・ストラトス 夜天の息子の鮮烈なる物語   作:ウィングゼロ

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第二章打鉄二式
二十八話『遠い過去の記憶』


クラス代表が織斑に決まり、セシリアもクラスとのいざこざが無くなって数日…

 

今日の授業も終わり、寮へと帰ってきた俺は直ぐさま部屋で報告書の作成に取りかかった。

 

夜からは簪と打鉄弐式の開発の話になるだろうから、今のうちにやれることをしておかないと母さんからの注意を受けることになる。

 

『俺ってやっぱりここに仕事できてるん…だよな』

 

ここ数日…今まで味わってきたこともない学園生活に戸惑いもあった…

 

恐らくエリオやキャロももし学校なんかに行ったらそうなんだろうなとおもう。

 

『さてと、報告書は完成…っと、ロンギヌス、ディスプレイから報告書をコピー、母さんの所に転送頼む』

 

こんな面倒な方法には訳がある。

 

簡単に言うと誰かに見られた場合の措置でディスプレイにはアドレスやメールの送受信の履歴が無いために第三者が見たとしてもわからないようにするためだ。

 

[了解、コピーした後にはやて様のデスクに転送します…お疲れなら少し休まれてはいかがでしょうか?]

 

『……ああ、そうだな…少し…休む』

 

俺は後処理をロンギヌスに任せて報告書を上手く隠したパスワート付きファイルに保存するとそのままベッドへと飛び込んで少し眠りについた。

 

 

 

 

……

 

 

これは…夢か…

 

どこか頭の中がぼんやりとしているためそんな気がした。

 

辺りに見える景色はどこかの街でもう日が傾き始めていた。

 

それと気か付いたのは夢で見ている視線が低い…つまりはもう何年も前の記憶を夢として見ているのだろう。

 

「………」

 

[マスター、そろそろはやてさま達の元へお帰りになられては…]

 

どうやら首にはロンギヌスを付けているようだ。

 

「うっせえ!そんなの俺の勝手だろ!」

 

と怒り任せに言い放つ昔の俺…

 

ああ、わかった…これは5年前の…機動六課が創設される前の記憶だ。

 

このときの俺は自分の真実を知って、それを隠していた母さん達にぼろくそ怒りをまき散らして…ミッドから地球へ家出したときのやつだ。

 

それで当てもなく道端を歩いていると…少し遠くで子供が複数のグループに車で拉致される場面を目撃する。

 

「あ?あれって誘拐か?」

 

[マスター、何故悠長なことを言っているんですか?]

 

「悠長も何も知ったこっちゃねえだろ?大体誘拐されたならもう誰かが警察に連絡して…」

 

[マスター我々以外近くにはいなかったようです]

 

「……ちっ…」

 

このときの俺は完全にぐれてたから…助けに行く気など毛頭なかったんだよな…

 

[マスター…直ぐに警察に連絡を言えるべきだと思います]

 

「警察が子供の言葉を信用するとは思えないけどな…」

 

このときの俺はまだ10歳と幼い…そのため真実を述べても信じてもらえない可能性を考慮して連絡を入れるのを拒んだ。

 

[ではマスターが助けに行かれては?今行けるのはマスター以外居りません]

 

「……ちっ…!」

 

気に食わぬ顔で昔の俺はロンギヌスをセットアップして顔を見られたくないためにフード付きのコートを羽織った昔の俺は空へと飛び直ぐさま車を追跡していった。

 

そして辿り着いた先は持つ使われていない工場

 

そこの一つの倉庫の屋根の上で昔の俺はそこから中をのぞき込んで状態を伺っていた。

 

中の状態は誘拐犯3人に水色の髪の女の子が一人…女の子は恐怖から泣いていた。

 

[たったいま匿名で警察にこの場を通報しました…これからいかがしますか?]

 

「……ぶっとばす」

 

[マスター…?]

 

「今あるイライラを解消するためにあいつらぶっとばす!」

 

残っている怒りをぶつけたくて仕方なかった昔の俺は勢い良く窓を突き破って飛び込む。

 

飛び込んで周囲は昔の俺に釘付けになるがそんなことお構いなしに昔の俺は女の子の近くにいる誘拐犯に左手で魔力付与のパンチを顔面に繰り出し勢い良く壁まで吹き飛ばして一人…気絶させた。

 

「なんだてめえ!?」

 

「何処のガキだこいつ!?」

 

いきなり現れた俺に辺りは騒然そんな中、昔の俺はお構いなしにロンギヌスを誘拐犯に向けてる。

 

「うっせえな…今、俺は機嫌が悪いんだよ…だから…ぶっとばす!!」

 

怒り任せに暴れまくる昔の俺…まあ一般人に止められるはずもなく1分もしないうちに残り二人も片付けてしまった。

 

「けっ、歯ごたえのない奴等だ」

 

「……凄い…」

 

「ああん!?」

 

まだ怒りが収まらない昔の俺はふと聞こえた女の子の声に過敏に反応し挑発的な返事をしてしまう。

 

でもそんなことお構いなしに女の子は昔の俺を好奇心に見つめていた。

 

「あの…!その…!」

 

「なんだよ…とっととどっか行きやがれ」

 

おどおどとしている女の子に昔の俺はまた威圧的に話しかけてしまう。

 

それにより怯える女の子は涙目に…さすがの昔の俺も怒りが失せて気まずい表情になってしまう。

 

[マスター…]

 

「ああ!わかってるよ!」

 

ロンギヌスにわかってることを言われて少しうっとうしく感じる昔の俺は倒れている奴から財布を抜き取り300円ほど手にするとバレないように元に戻し何故か有った自動販売機でジュースを2本購入する。

 

ジュースを持って女の子の元へ行くと昔の俺はジュースを差し出した。

 

「…?」

 

「ほらよ…ジュース…」

 

「…うん」

 

まだ涙声だが昔の俺が差し出したジュースを受け取り俺達二人してジュースを飲み始める。

 

飲み始めて無言の時間が広がるが、声を掛けてきたのは女の子だったけ

 

「ねえ…あなたは…ヒーローなの?」

 

ヒーロー…そんな言葉が聞こえるとは思わなかった昔の俺は笑った。

 

「ヒーローねえ…馬鹿馬鹿しい俺はヒーローじゃねえよ…どっちかってと悪役だ…しかもとんでもないな」

 

このときの俺は俺の真実のことを思い浮かべてついジュースの容器に力が入る。

 

「でも…私は…」

 

女の子は何か言おうとしたけどそこで途切れた…パトカーのサイレン音が聞こえてきたために

 

「ようやくか…」

 

昔の俺は警察が来たことを悟るとサイレン音を聞いた女の子がそっちに意識が集中していることを確認し気付かれないようにジュースを持ちながらその場から消えた。

 

 

………

 

また景色がぼんやりとしてきた…夢から覚めるのか…

 

 

 

 

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