インフィニット・ストラトス 夜天の息子の鮮烈なる物語 作:ウィングゼロ
入学式の後、すぐにISの授業は始まった。
授業内容はISの基本構造…これを知らないとIS操縦者失格とも言って良いことだろう。
(あの~マスター…少しいいでしょうか?)
授業を受けていると俺の頭の中に女性の声が響いてくる。
これは念話といって魔導士なら誰しでも使うことが出来る魔法?でいいのかな…これを使うと作戦なんかを外部に漏れるのを限りなくなくすことが出来る便利な力だ。
っで今俺に語りかけてきてるのは俺の首から下げられているペンダント…これは母さんが知り合いのデバイスマイスター、マリエル・アテンザさんが制作してくれた俺専用のデバイス、ロンギヌス…俺のことをよく見てくれる大切な家族の一人
(ん?どうしたロンギヌス?)
そんなロンギヌスからの念話が何かと思い耳を傾ける。
(ターゲットのオリムラが妙に左右を見て慌てふためいています)
(織斑?…あ)
と俺は黒板を見ながら片目で織斑を見るとロンギヌスの言うとおり顔を青くしている。
「?織斑くん、どうしたの?」
あ、織斑の挙動不審に気づいた一人が声かけて全員の視線が集中した。
「織斑くん、何か分からないところとかありますか?」
と副担任の山田先生が挙動不審だった織斑のことを気遣い親切に訪ねてくれた。
「先生!」
「はい!なんでしょうか?」
織斑は意を決して手を上げて、それに山田先生が反応して質問を聞き入れようとする。
「全部分かりません!!」
…おいいぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!!
そんなこと大きな声で言うもんじゃねえだろ!?
周り見て見ろよ!予想外の言葉にみんなまた椅子からずり落ちたぞ!俺も体勢を崩してまた頭ぶつけたわ!
母さん、本当にこんなやつ監視する意味あるんですか?
そんな今後の任務の不安に溜め息をつきそうになるも教室内にいた織斑先生が出席簿でまた振り落とそうとスタンバっている。
「織斑、入学前に届いた参考書はどうした?」
「古い電話帳と間違えて捨ててしまいました!」
……判定は……もちろんギルティだろ
そう思った直後、織斑先生の出席簿が織斑の頭に炸裂……まああれだ因果応報……
「必読と書いてあっただろうが馬鹿者!!はぁ…もう一人も大丈夫か気になるな…八神、アラスカ条約について説明して見ろ」
おいおい、織斑が馬鹿やらかしたからこっちにも火の粉が飛んできたじゃないか!…まったく!
「はい」
そう思った俺はすぐに立ち上がって参考書を見ずにアラスカ条約について話し出す。
『アラスカ条約とは、正式名称はIS運用協定、21の国と地域が参加して成立しました。軍事転用が可能になったISの取引などを規制すると同時に、ISの技術を独占的に保有していた日本への情報開示とその共有を定めました。因みにこの学園もその協定に基づいて設立されました。…以上でよろしいでしょうか?』
「よかろう、では次にISコアの性質についても述べろ」
『はい、現在ISコアはこの世界に467個しか存在しません、そのコアを作り出したのは篠ノ之束博士です。しかし篠ノ之束博士は突如コアの制作を拒否し姿をくらまし、残ったコアもブラックボックスなため現段階でどの国でもコアの製造が不可能な状況です。そのため、世界各国は残されたコアを世界各国の企業に割り振られISの開発、制作に着手しています』
「上出来だ、わかったか?織斑、これを1週間で覚えろ」
あの参考書を1週間で…ねえ、まあかなりきついだろうな
「1週間っ!?無理です!」
「やれと言っている、貴様に拒否権はない」
「うへぇ…」
織斑先生によって逃げ道を塞がれたか…そして織斑は望んでここに来たわけじゃないって顔だな……まあ俺もだけど
「織斑、貴様は自分が望んでここにいるわけでは無いと考えたな?」
「…………」
「望む望まずに関係なく、人間は集団の中で生きなくてはならない。それすら受け入れられずに放棄しようと言うなら、人間である事や他人と関わる事を辞めてしまうことだな」
おお、またまたこれはきついお言葉を……まあ織斑先生は遠回しで現実から逃げるなと言いたいみたいだな。でもまあ、突然の事だから受け入れるにはやはり時間が必要なのもまた事実なんだがな。
織斑先生の言葉を終えた直後にタイミング良く授業の終了のチャイムがなった。