インフィニット・ストラトス 夜天の息子の鮮烈なる物語   作:ウィングゼロ

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三十一話『1から0へ』

「…そう…そんなことが…」

 

『ああ…正直許せるもんじゃないよ…これはな…!』

 

もう既に夜の八時、俺はアリサ姉と連絡を取っていた。

 

事情を話した俺は右手を力強く握りしめ倉持技研に対して憤りを覚えた。

 

「…それで…弐式のパイロットの彼女は?」

 

『……今はもう…寝てるよ…』

 

アリサ姉は簪のことを気にして俺に伺うと俺は後ろへと振り返り眠っている簪を見る。その目元には涙を流した後のある彼女の姿を

 

 

 

 

数時間前…

 

 

整備室にやってきた俺と簪は目の前にある、打鉄弐式を見上げ眺めたあと早速作業に乗り出すことにした。

 

『取りあえずまずは…』

 

と俺は懐からUSBを取り出すと簪に手渡す。手渡された簪はこれが何なのな分からず首を傾げるが俺は中身について話し出す。

 

『そのUSBの中身は昨晩一夜で俺が作ったOSプログラムだ、取りあえず動作確認程度のスペックだから…試運転ぐらいなら問題ないはずだ』

 

「OS!?昨日一日で作ったの!?」

 

『ああ、試運転程度のOSならまだ簡単だからな…』

 

といってもロンギヌスも力を合わせてくれた点があるけどな…流石に口には言えないし

 

『取りあえずこのOSを打鉄弐式にインストールしよう』

 

「うん」

 

そういって簪は手前にあるコンソールの前の椅子に座りコンソールに先程のUSBを差し込むとコンソールをそう差し出す。

 

「………OSインストール完了」

 

『簪のISとの拒絶反応もないよな』

 

「え?う、うん、ないよ…でもどうしてそんなこと聞くの?」

 

と不思議そうに理由を訪ねてくる簪

 

というのも俺のリヴァイヴは戦うこと自体嫌っていたわけで…もしかしたらOSを受け付けないということもあり得たために俺は簪に聞いたのだ。

 

『無いなら別に良いよ…気にすることでもないし』

 

「う、うん」

 

まだ気にしているようだが今は打鉄弐式に集中しなければならない 。

 

「やーくん、かんちゃん、遅れてごめーん」

 

と漸くいつも通りのほほんとした本音がやって来た。

 

『本音も来たか、今から動作確認をするんだ。何か気になることがあったら言ってくれ』

 

取りあえず簡単に今の状況を本音に話し、本音もわかったと首を縦に振って頷くと簪はコンソールを操作して動作確認を開始する。

 

背部のウイングが細かく動く…今まさに組み立てた打鉄弐式が動いてることに簪と本音は笑みを零すが…俺は少し違った。

 

(…なあロンギヌス…動作遅くないか?)

 

(私もそう思いました…インストールしたOSから推測するに予定より下回る性能です)

 

「次は春雷の武装展開の動作を」

 

そんな俺の考えを他所に簪は次にと両翼に付いている春雷の展開しようとコンソールを操作し春雷が銃口が前方へと展開するが…左右の春雷の展開する速度に違いが見て取れた。

 

『右の方の春雷が遅れてる簪、一度打鉄弐式のシステムを全てダウンしてくれ』

 

「え?うん、わかった」

 

俺の指示に簪は戸惑いながらも打鉄弐式のシステムを全て止めると先程簪が操作していたコンソールを操作してハンガーに付いているアームを操作して打鉄弐式の春雷を取り外す。

 

「優希!?何するの!?」

 

『ちょっと気になってな…簪、確かパーツは倉持技研から届いたんだよな…パーツの中は見たか?』

 

「え?見て…ないけど…」

 

『………』

 

嫌な予感がしてきた…

 

俺はアームを操作して春雷を静かに地面に下ろすと春雷に近づき工具を使って2門の春雷のフレームを取り外し中を見る。

 

『…………やっぱりか…倉持技研のやつら!』

 

中身を見て俺は憤りを隠せなかった、その異変に気づいた簪と本音も近づいてきて俺の後ろから覗いてくる。

 

「ほえ~春雷の中身ってこんな感じなんだ~」

 

「私も初めて…あれ?」

 

本音は単純に中身を見れて感想を述べたぐらいだが簪の方は俺が思っている異変に気がついた。

 

「優希…こっちの春雷の駆動部の部品…錆び付いてない?」

 

『気付いたか簪。明らかにこの駆動部のパーツは使い回した形跡がある…その上もう一つの方も錆び付いてるパーツとは微妙に違う…恐らく駆動部ではあるけど機種が違うんだ』

 

左右の展開時間に差があったのはそのため……嫌な予感しかしない。

 

言いたくはなかった、しかし…安全性を考慮すれば…

 

 

『簪…今から言うこと…気分を悪くすると思うけど…聞いてくれ…』

 

「な、なに」

 

少し重い空気の中俺は真剣な顔付きで話しかけたことで簪は嫌な予感を頭に過ぎりながら俺の言葉を待った。

 

 

『打鉄弐式を一度オーバーホールした方が良い……もしかしたら倉持技研から見かけ倒しの不良品を掴まされたかもしれない』

 

「不良…品…!」

 

告げたくなかった言葉…その衝撃の言葉に簪は立ちくらみをしてその場で倒れた。

 

「かんちゃん!?」

 

「簪!」

 

ショックから倒れるとは流石に思ってなかった俺は本音と一緒に簪に近寄り状態を確認する。

 

『…大丈夫…気絶してるだけだ……けど…』

 

命に別状はないが簪の精神は…相当な傷を負ってしまっただろう…しかし黙っていては簪の身に危険もあった…

 

『本音、簪を保健室に連れて行ってくれ…』

 

「え?やーくんは?」

 

『俺は打鉄弐式を全て調べてみる…簪のこと…頼む』

 

「うん」

 

そういって本音は簪を連れて整備室から出ていき俺は打鉄弐式に他に不備がないが調べ始めた。

 

 

 

 

「それで…あんたはどうするの?」

 

涙を流す簪を見つめていると電話しているアリサ姉からこれからのことを聞かれる。

 

『決まってる』

 

簪が一生懸命に努力することを無意味にはしない…俺がさせない…だから

 

『アリサ姉…力を貸してくれ』

 

絶対に俺達三人で打鉄弐式を完成させてみせる!

 

 

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