インフィニット・ストラトス 夜天の息子の鮮烈なる物語 作:ウィングゼロ
NOSIDE
時は優希と簪が喫茶店に入り注文を頼んでいる頃
その喫茶店にまた新たなお客が入ってくる
「いらっしゃいませ、2名様でしょうか?」
「はいそうです。テーブル席って空いてはりますか?」
と返事を返すのは優希の母親のはやてと八神家末っ子2人組の1人、リイン
勿論彼女達の目的はただ単に昼食を取りに来たわけではない…優希と簪のデート(はやてはそう思ってる)を親として見守るためである。
「いや~優希もあの子もお熱いことでな~」
と優希が帰郷した時辺りにからかう時のネタになると思ってかニヤニヤと面白そうに優希達を見つめるはやて。
「いらっしゃいませ、ご注文はおきまりでしょうか」
「私はアイスコーヒーにホットケーキ」
「リインはミルクティーにフルーツパフェですぅ」
二人してとても昼食に食べるものではないものを頼むのであった。
「はい、畏まりました、ホットケーキがお一つ、フルーツパフェがお一つ、お飲み物、アイスコーヒーがお一つにミルクティーがお一つ…コーヒーの方お砂糖とミルクはいかがいたしましょうか?」
「いえ、いりません」
「畏まりました」
と店員は厨房の方へ行き2人になるとはやては優希達に目を向ける。
「なんや、楽しそうやな」
ここからでは何を語っているかわからないが表情から楽しそうだと読み取れた。
「はやてちゃんはえっと…簪…さんでしたか?あの子のことどう思ってるのですか?」
リインも簪のことを気にしているのか今日短い間だが観察してみてどう思ったのかを聞いてみる。
「そやな…まずええ子やってことは優希の話から聞いとったさかい、実際見てもそうやなって思った。それと内気な所とか…なんや守ってあげなって気持ちになるな」
まだ観察して短いというのによく見て答えを述べる。
「リインはあの子が家族になるって思ったらどう思う」
「リインは大歓迎ですぅ!」
とリインに簪のことを聞いてみると即答で賛成と述べた。
それからしばらく優希達を観察するはやて達、しかしそのはやての席に店員とその後ろから近づく水色の髪の少女がやってくる。
「申し訳ございません。今大変混み合っておりまして…この方と相席よろしいでしょうか?」
昼時ということもありこの店の席はほぼ満席になって埋まり、はやて達がいるところは元々4人席だったためかそうして相席の話を店員に持ち出されたのである。
「はい。別に構いませんよ」
とはやてはすんなりと肯定し水色の少女ははやて達に会釈して座る。
「私は紅茶とミックスサンドをお願い」
「畏まりました」
と水色の少女は注文を頼むと、何故か視線を優希達に向けた。
なぜならこの水色の少女…簪の姉である更識楯無、本人だからである
《見つけたわ、電車を一本遅れてきてしまったから、一度は見失ったけど色々調べて追いかけてこれたわ…それにしても…》
と優希達に気付かれないように観察をする楯無、2人を見ているとまるで恋人のように…
《な、何を考えているの!?簪ちゃんとあんな得体も知れない人物と恋人なんて…私は絶対に許すわけには行かないわ!》
と直ぐに頭を横に振りながら考えていることを思考から振り払う。
「あ、あの…どうかされたのですか?」
と流石にいきなり横に頭を振ったことでリインは不信感を抱きながら楯無に訪ねてくる。
「べ、別に何でもないわ」
と、戸惑いながらも楯無はリインに言葉を返すが、ただの子供ではない(本人は子供ではないと否定するが)リインは鋭くその点を突いてくる。
「ですが、声に戸惑いがあるですよ?何か良からぬことでも…」
《何この子…鋭い!》
とても子供とは思えない…と楯無はリインを警戒するがここであることに2人は気付いた。
《あれ?この子の保護者は?》
いつの間にかはやてが居なくなっていて辺りを見渡しているとはやてはなにやらレジのカウンターで店員と何かを話し合っていた。
しばらくして、はやてがニヤニヤしながら帰ってきて、気になったリインは声を掛ける。
「はやてちゃん、一体何をしてたですか?」
「なんや、それは見てからのお楽しみや」
と聞いても何も話してはくれないはやてにリインは首を傾げた。
そして少し待っていると、はやてが何をやっていたのかを理解することになる。
はやて達の席から見える優希達のもとにカップル用のクリームソーダが置かれた
「なっ!あれは!」
クリームソーダを見て思わず声を出してしまう楯無、しかし二人とも優希の方に集中していたからかその事に全く気付かない。
「ふ、ふふ~計画通りや」
と思う通りに言ったことでニヤリと笑うはやて、それにはリインと楯無も視線をそちらに向けてしまう。
「さっき店員に頼んだカップル用のクリームソーダ…あれこそ、優希と簪ちゃんの距離を一気に縮め、あわよくばそのままゴールインする。クリームソーダ計画や!」
と、どどんと力説を述べる計画の全貌…リインも流石に目を点にして呆然とするがここに一人…無関係とは言えない人物が居た。
「…なっ…!?そ、そんなの認めるわけにはいかないわ!」
そういうのは勿論、楯無…あれだけ優希を警戒しているのだ当然の返答と言っていい。
「あれ?あのもしかして…どっちかの知り合いやったりします?」
はやてもようやく楯無が二人のどちらの関係者と踏んだのか気になって訪ねてくる。
「簪ちゃんは私の妹よ!そういうあなたは何者なの?明らかに2人にご執心してるじゃない」
「簪ちゃんの姉…ああ、優希が言うとった楯無さんか!優希は私の息子です」
「八神優希の…母親!?」
互いに二人の関係を暴露するがはやてが優希の母親ということはやはり楯無に十分すぎる衝撃を与える結果となった。
《どう見たって二十代前半じゃない!こんな人が母親って…》
優希という息子が居ることに対してこの母であることにたいして若すぎると楯無も動揺を隠せない。
しかし、冷静さを取り戻し楯無ははやて達のことを考える。
何故この場所にいるのか…もしかしたら妹を拉致するために八神優希が母親を呼んだのでは!?
と全くの当ての外れたことを考えていた。
「も、目的はなんであれ…簪ちゃんをあんな男に渡すわけにはいかない」
「ええ~そないなこと言わんで…なんやあれお似合いカップルやんか」
少し動揺を残している楯無に対して未だ余裕なはやて…
「だいたいあの男は……」
「ふんふん、せやけどな…」
優希に妹である簪を渡さないと懸命に頑張る楯無。
優希と簪の交際を真っ向から推す…はやて…
正反対の考えの2人が言い争うのは必定であり…口論へと発展していく。
《あ、優希と簪さん…お店を出て行くです》
その話に入っていなかったリインは早急に食べ終えた優希達が店を出て行こうとしているのに確認する。
《とりあえずサーチャーで追いかけることにしましょう》
とリインは追跡用の無色のサーチャーを飛ばして優希達をサーチャーに追跡させていき、自分が頼んだフルーツパフェを堪能するのであった。