インフィニット・ストラトス 夜天の息子の鮮烈なる物語   作:ウィングゼロ

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四十六話『あの日見た背中』

「そんなに大声出さなくても…聞こえてるよ」

 

救い主の声が聞こえた後直ぐに何かにぶつかった衝撃音と今も続いている擦れる音が聞こえてくる。

 

しかし私の体には何ともないため、私は恐る恐る目を開けると…そこに映ったのは…

 

『あっ…』

 

私達の目の前に立つ優希の背中…左手を突き出し三角形のパープル色をした魔法陣のような物で化け物の攻撃を防いでいる。

 

一目見ただけでも異様な光景が広がっていて絶句しているが私は優希の右手に持っている物に気がつく。

 

『機械仕掛けの…槍…』

 

その槍には見覚えがある…

 

あの日何も出来なくて泣いていた私を颯爽と、現れて助けてくれた口の悪いヒーロー(男の子)

 

そのヒーロー(男の子)が持っていた槍と優希が持つ槍は正しく瓜二つだ。

 

その時、私は優希とあのときのヒーロー(男の子)の影が合わさって見えた。

 

背中の大きさも衣服も違うけど…あの時見た背中が、全く同じように!

 

きっと…きっとそうなんだ…あの日…私を助けてくれたヒーロー(男の子)は…

 

「全く、待ってろって言ったのに…まあ…色々と探す手間が省けたけど…取り合えず…こいつが居るとまともに話せそうにないな…」

 

優希はこんな間近で化け物を防いでいるというのに取り乱している様子が無い…ううん、何処か馴れてるように見える。

 

「取りあえず…」

 

[ロードカートリッジ]

 

優希が何か仕掛けようとしているとどこからともなく声が聞こえる…

 

すると優希の持つ槍の束の先端がスライドして元に戻る。

 

でもスライドして戻るとき、スライドして見えた所に弾薬?らしき物が見えた…もしかして炸薬か何かなのかな?

 

[魔力刃形成]

 

直ぐに槍に変化が起きた、突然、槍の刃の間が窪むとパープル色のエネルギーで形成された刃が展開される。

 

これって…織斑一夏の白式と…同じ?

 

色々と思うところはある中、そんなこと他所に優希は左手を更に強く突き出すと魔法陣も突き出すように動いて化け物を弾き飛ばす。

 

弾いたのを好機として優希は一気に飛び込み、化け物との間合いを詰めて槍を両手で持つ。

 

「臥龍…一閃!」

 

その掛け声とともに優希の鋭い一撃は放たれなすすべも無く当たり化け物は物凄い勢いで吹き飛ばされて壁を破り姿が見えなくなる。

 

さっきの一撃…威力からしてミストルテインの槍と同等の威力があるように見えた。

 

一撃を放った優希は少し息を吐くとそれと同時に槍も蒸気が排出する

 

どうして蒸気を排出するのだろうか…あの一撃を起こすために相当な熱が槍に籠もるからなのかな?

 

色々気になることが有るけど…あれだけの威力を軽々と…やっぱり優希は凄いな…

 

私は優希を尊敬の目で見てると優希はこちらに振り返る。

 

「簪、服屋で待ってるようにちゃんと言ったよな…俺は…」

 

何処か恨めしそうに私を見る優希

 

それもそのはず私は優希との約束を破って此処にいるから…でも後悔だけはしたくないな…

 

「…まあ、それで助けられた者もあったみたいだから良いけど…」

 

先ほどまでの恨めしい顔は消えて、仕方がないと割り切った顔を見せる。

 

[マスター…少々よろしいでしょうか]

 

「どうした?ロンギヌス」

 

少し間が空いた後、またどこからともなく声が聞こえてきて、すると優希は槍に目を向けて話し始めた。

 

でもロンギヌスって…

 

この前優希が寝ぼけて口走った名前と同じ…ということは…

 

あの時は槍を持っていたということになる…一体あんなの何処に隠し持ってたんだろう…

 

そう言えば何か転がっている音がするような

 

[さっきの生物、三時の方向から接近しています]

 

そう槍が警告して私も優希もそちらに向く。

 

向いた方向からさっきの化け物が凄い速度で回転しながらこちらに近づいてくる。

 

「まさか、加速して来たのか…あれは受け止めるのはきついな…ロンギヌス」

 

[了解、シューティングフォーム起動]

 

迫り来る化け物を見て優希は未だに至って冷静に槍に声を掛けると意思疎通に優希の意図を組み取った槍が動き出す。

 

突然、槍の刀身が先端から左右に分かれて片方が少しだけ手前にスライドすると柄の長さが長くなりトリガーが付いたグリップが現れる。

 

シューティングフォーム…つまり射撃するってことだろうけど…一体何なんだろう…私は思ったことを思わず口にした。

 

『優希…優希は何者なの…』

 

小さくて直ぐに掻き消されそうな小声…近くに居た優希は私の言葉に気づいて、少し考えた後、優希は話し始める。

 

「普通ならはぐらかす所だけど…」

 

[ロードカートリッジ]

 

「まあ強いて言うなら…」

 

[ディバイン]

 

 

 

 

 

 

「騎士だ」

 

[バスター]

 

そういった直後優希はトリガーを引いて槍?の先端に貯まったエネルギーを前方に放つと見たこともない位のレーザー…そんなものじゃない得体の知れない砲撃が化け物を飲み込んだ。

 

その優希の後ろ姿を見ながら私は優希がいった言葉を思い浮かべる。

 

騎士…

 

そんなのもうこの時代に居ないと思ってたけど…今の優希の姿を見ると正しく騎士そのものに見えた。

 

 

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