インフィニット・ストラトス 夜天の息子の鮮烈なる物語 作:ウィングゼロ
休憩時間が終わり、2時限目の授業が行われようとしたが、何かを思い出したのか織斑先生が口を開けて話し出した。
「そうそう、1限目に伝え忘れていたが近々行われるクラス対抗戦に出場するクラス代表を決定する必要があるんだった」
……それってけっこう重要なのでは……
「自薦他薦は問わん。誰かいるか?」
「織斑くんを推薦します!」
「わたしも!」
「俺!?」
真っ先に上げられたのは織斑だった……まあ確かにいい客引きパンダなわけだしな
そう思っていると次に違う女性が声を上げた。
「八神くんを推薦します!」
「わたしも賛成」
『……』
……俺もまた客引きパンダか……
「納得いきませんわ!!」
少し黄昏れていたら一人の少女の不満の声が教室内を響いた。
その声の主はオルコットさん……なんとなく分かるけど……いらんことにならなければいいんだけど
「そのような選出は認められません!大体、男がクラス代表者だなんていい恥さらしですわ!わたくしに、このセシリア・オルコットにそのような屈辱を一年間味わえとおっしゃるのですか!?」
「実力から行けばわたくしがクラス代表になるのは必然。それを、物珍しいからという理由で極東の雄猿にされては困ります!わたくしはこのような島国までISの技術の修練に来たのいるのであって、サーカスをする気は毛頭ございませんわ!」
おうおう、良く吠えることでまあ……
「大体、文化として後進的な国で暮らさなくてはいけないこと自体、わたくしにとっては耐え難い苦痛で……」
うわぁ……オルコットさんこのクラス全員敵に回すような発言したよ。
「イギリス大したお国自慢ないだろ。世界一まずい料理で何年覇者だよ」
織斑のやつ売り言葉を買い言葉で買いやがった!!
「私の祖国を侮辱しましたわね!」
買い言葉で買ったことでオルコットさんも激怒……これは収拾が中々付かないかもな。
「八神も男なんだから何か言ってやれよ!」
おい……俺も巻きこむなよ
『……はぁ…全くお二人ともまず落ち着いてください』
「このような屈辱な言葉を言われて落ち着いてなどいられませんわ!」
『まず、オルコットさんはイギリス代表候補生というお立場、つまりオルコットさんの言葉は日英の関係を悪化させることに繋がることをお忘れですか?』
「っ!」
『そして織斑もです。確かに織斑の言葉にも一理あります。ですが……無闇に売り言葉を買い言葉で買ったことは些か目に余ります。何よりこの場には織斑の姉に当たる織斑先生もおられる。織斑先生の弟がイギリス代表候補生と一悶着あったと噂になれば苦労するのは織斑先生であることでしょう』
「ぐっ…!だけどよ」
……なんとか話術で二人とも黙らせたがこれで終わるとはとても……
「…ふん、自国が侮辱されたというのに随分と冷静ですわね、さぞ愛国心のないご家庭で生活なされていたのでしょうね。まだ織斑さんの方が愛国心に溢れていますわ」
……ああっ!?
こいつ今なんていった
家族を……母さんやシグナム達…家族を侮辱したか…!
『オルコット……家族……母さんのことを侮辱したな!』
「っ!それが何かおありで?」
いきなり口調が変わったことでクラス中が響めいたが今はそんなこと関係ない。
(ま、マスター!落ち着いてください!)
『俺のことは何度だろうと侮辱してくれて構わない……だがな母さんを家族を侮辱することは絶対に許さない!』
こいつに……母さんの母さん達が背負う重さの覚悟を汚されてたまるか!
「ならば、1週間後オルコット、八神、織斑の3名で決闘して勝ったものがクラス代表になる。異論はあるか?」
この気まずい雰囲気をものともしていない織斑先生によりクラス代表を決める試合を執り行うことが決定し俺の言葉は決まっていた。
「ありませんわ!」
『同じく問題ありません、それとオルコット、レディーファーストだ、少しばかりハンデもつけてやる』
ハンデをつけるという言葉にセシリアは驚きクラスのみんなもぞわぞわと騒ぎ出した。
「八神くん、男が女より強いなんて昔の話だよ?」
と男を馬鹿にしている発言確かに俺が行っていることは時代遅れなのかも知れないが……
『いいや、確かにその話も一理あるけど、それは女性がISを動かせたから、でも此処にいるのは男性でISを動かした特殊ケース…つまり女性が強いといわしめるISというアイデンティティはないに等しい』
と説明してクラスのざわめきを押し黙らせる。
『だから、ハンデをあげると言いました……ハンデとして開始5分間はこちらから攻撃は一切しない…これを破れば自分の負けで構いません……』
「っ!そこまでおっしゃうのでしたらいいですわ!もしあなたが負けましたら、私の奴隷にして差し上げますわ」
俺もオルコットも啖呵を切った。必ず負けるわけにはいかない、八神はやての息子としてもそして騎士としても
「…………」
因みに途中から完全に話に参加していなかった織斑は唖然として黙っていたことを追記しておく。