インフィニット・ストラトス 夜天の息子の鮮烈なる物語 作:ウィングゼロ
本局の工業区画で思わぬ収穫があり、胸に期待を膨らませる俺はとりあえずメンテナンスが終えるまで暇を持てあますことになり…どうしようかと模索するとふと母さんの事が気になって母さんの執務室へと向かうことにした。
『さてと、なら転送ポータルでオフィス区画に行かないとな』
本局ってかなり広いから転移ポータル無しだとかなり移動に時間がかかる。
まだ幼い頃は転移ポータルの使い方分からなくて知らず知らずで迷子になってたっけな……
昔のことを少し思いながら歩いていると転移ポータル前で不思議と辺りをキョロキョロして不自然な感じをさせる女の子が一人
しかも知っている顔……どうして本局にいるんだ?
取りあえずと困ってるみたいだから見過ごすことは出来ないため俺はその子に近づいていく。
「あれ~可笑しいな~……確か…これに乗ったはずなのに…」
……転移ポータルの使い方を知らないからか、行きたかった場所に行けなかったのだろう。
取りあえず声を掛ける。
『ここで何しているんですか?神崎さん』
「ほえ?あっ!八神さん!」
キョロキョロしていた女の子……それは昨日の事件に巻きこまれた神崎奏さん本人で俺が声を掛けたことで驚いた表情を見せた。
それからどうやら神崎さんは母さんの執務室に向かおうと転移ポータルを使ったが転移先が違ったために別の場所に転移したようだ。
それ以上に気になったのは何故神崎さんが此処にいるのか
昨日母さんが神崎さんの家まで護衛していたはず…
だから俺はその事を聞くと神崎さんはその事を思い返しているのか苦笑いの笑みを浮かべていた。
「えっと…ね…実は~」
とどう説明しようか困った顔をしながらゆっくりと話し始めた。
『家出した!?』
事情を聞きながら母さんの執務室へと向かっている俺は、神崎さんが言った言葉に驚いて声を荒げた。
「うん、八神さんに家まで送ってもらったんだけど……家で親にくどくどと言われて……もう頭にきちゃってそのまま…」
『家出したと…』
なんとまあ……大胆な………俺も人のことは言えないが
「持ってきた荷物は必要最低限なものだけにして、八神さんとは連絡先を交換していたから、それで何とかなったんですよ~」
そう和やかに話すけど…きっと、母さんのことだから連絡した後、神崎さんの話しをまともに聞かずに転移魔法なんかで直ぐに現場に直行したんだろうな
昨日の事件後だから…
そんなことを薄々と思いながらも母さんの執務室前にやってくる。
隣の神崎さんも此処は見覚えのあるためここか~と頭の中の記憶と合致させ頷き、それを横目で見た後俺は母さんの執務室にはいった。
『失礼します…母さんいる?』
執務室内に入ると辺りは紙で散らかり、母さんとリインが机に突っぱねて疲労感から眠っているのがわかる。
『全く、昨日は色々あったからってここまで散らかさなくても……あれ?』
そう言いながら近場の書類を広い部屋を整理しようと動き出したがふと、床に落ちている母さんのケータイに視線の先がいく。
普通ならそこまで気に病まないんだけどな…問題は映し出されている画像。
なんで……
なんで俺と簪が抱きしめている画像が母さんのケータイから出てくるのかな?