インフィニット・ストラトス 夜天の息子の鮮烈なる物語   作:ウィングゼロ

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六十話『襲撃者達の末路』

NOSIDE

 

商店街前に位置する海鳴の駅前、遠い別の街からも来訪する人々が多く、電車が停車すると多数の人がその駅に降りてくる。

 

そんな海鳴に降り立った二つの影……

 

「ここが……海鳴」

 

初めて海鳴に降り立った少女…簪は駅前の辺りを見てそう呟いた

 

「私もここに来たのは初めてね」

 

簪の後ろからやってくる楯無は口元を扇子で隠している。

 

この二人が来た理由は勿論、優希達の説明を聞きに行くことが目的であり、あくまで観光というわけではなかった。

 

しかし、まだ午後12時45分と約束の時間までには一時間ほど残っていたが楯無には早く来た目的があった。

 

《この機会に簪ちゃんとの仲を戻したらって虚は言ってるけど……どうすればいいのよ》

 

簪との仲を戻すこと……それは楯無自身が一番望んでることであり、そして一番彼女にとって難しいものでもあった。

 

「か、簪ちゃん…」

 

「何?」

 

「まだ時間もあるから商店街を見て回らない?」

 

ぎこちないやり取りだが簪との仲を戻そうと必死になる楯無、そのやり取りで簪は少し溜め息を付いた。

 

「元からそのつもりだったんでしょ?なら言わなくてもわかってるよ」

 

「うっ……」

 

刺々しい簪の言葉に精神的なダメージを負う楯無、気まずい状況の中、海鳴の商店街をぶらり歩き始める。

 

《気まずい、どうすればいいのよ!何か……何か簪ちゃんの気に入りそうな話は~》

 

必死に簪が乗りそうな話題の話を模索するも中々そういった話題が出てこない。

 

そんな時、近くで爆発音と爆風が吹き荒れた。

 

「爆発!?」

 

「此処から近いわ…っ!」

 

平穏な所でいきなりの爆発にしゃがんで驚く簪に横にいた楯無は少し冷静に爆発した地点が此処から近いことを分析し、その場に急いで向かった。

 

 

 

 

突如平穏な海鳴の一角が爆音に支配された。

 

どこにでもある公衆トイレ、それが突然木っ端みじんに爆破されたのだ。

 

爆破した直後辺りは騒然となり人は一目散にと悲鳴を上げて逃げ出していく。

 

そんな中公園の木の陰から爆破されたトイレを見る三人の女性達がいた。

 

その者達は爆破されたにも関わらずしてやったりと笑みを浮かべていて一人の女性の手には何かを起動させるスイッチが持たれていた。

 

「やったわ!忌々しいあの男を殺せた!」

 

「私達に泥を塗った哀れな男に罰が当たったのよ」

 

と、優希自身に恨みのあるのか何かに対しての腹いせで今回の爆破に至ったようで爆破されたトイレ跡を悠々と眺めているとそこに、近くにいた楯無と簪が駆けつけた。

 

「あなたたち、そこは危険ですから直ぐに避難を」

 

楯無は悠々と眺めている女性達に退避するよう促すが、彼女達は動こうとしない。

 

それに不思議がり更に近づいてみると、一人が持つ起爆装置に目が入り後ろに付いてきた簪を守るように立って彼女たちを警戒する。

 

「あなたたち…その装置爆弾の起爆スイッチね」

 

「あら、よく分かったわね、丁度、私達をはめた忌々しい男に鉄槌を下した所よ」

 

楯無が女性が持っているものを見抜くと彼女は隠すことなく話し出した。

 

「公共施設の爆破に殺人…言い逃れは出来ないことよ」

 

そういって楯無はミステリアス・レイディを展開して蒼流旋を構えた。

 

「ああ、更識さん、殺人じゃなくても殺人未遂ね、でもまあ、器物損壊に爆弾所持…まあ罪が重いのは変わらないけどさ」

 

 

楯無と女性達とで膠着状態が続きそうになると思いきや、そこに第三者の男性の声が聞こえてくる。

 

そしてそれを耳にした五人は聞こえた方向を向くと、トイレの爆発に巻きこまれた優希が気を失っている子供を背負ってそこにいた。

 

「優希!」

 

「八神くん!丁度良いところに!」

 

騒ぎを聞きつけて来てくれたと思った楯無達は優希が現れた事に歓喜するが変わって優希を爆弾で爆殺したと思っていた女性達は無事な優希を見て信じられない表情を浮かべる。

 

「ば、馬鹿な!?あの爆発でどうやって!?」

 

「ん?ああ、直ぐに爆弾見つけてこっそり抜け出したんだよ、ついでに近くに子供もいたから背負ってな」

 

《実際は……爆発する直前にロンギヌスに爆発規模と範囲を割り出しとその範囲内に民間人の索敵をして爆発する中を民間人担ぎながら目の力使って飛んでくる破片と爆発を避けたんだがな……》

 

さすがに言っても信じないか……と心の中で溜め息を付きながら木を背をもたれさせるように子供をゆっくりと下ろし、優希は今回の首謀者達を睨みつける。

 

「全く、付けられてるとは思ったがまさか、こんなことまでしでかすとはな……」

 

「う、うるさい!全部お前のせいだ!お前がいたから私達は居場所を失ったんだ!」

 

「はあ?どうしてそうなるん……ん?待てよ……」

 

睨まれて当然のことをしでかした彼女達だがそんなこともお構いなしに彼女達は優希が一方的に悪いと言い、優希は呆れる中彼女たちの顔を見て眉をひそめた。

 

「思い出した、お前達……バニングス社で俺を保護しようと襲撃してきた奴等だろ……全く…ちゃんと帰れるようにしてやったのに恩を仇で返すのかよ」

 

「うるさい!何が恩だ!あれからの私達の苦しみも知らずに…!」

 

優希は今回の首謀者が以前にも優希を無理矢理連れて行こうとしたIS委員会の手のものだと思い出し、交渉(脅迫)の末に無事に解決したはずが…彼女達にとってはそれが生き地獄となって優希に対しての憎しみが強くなっていた。

 

「……はぁ…仕方ねえ……取りあえず」

 

優希は彼女達の言い分を聞いた後、呆れて溜め息を吐くと次の瞬間優希が消えたと思うと女性達は次々と気を失い倒れ込み、直後優希は少し移動した所に現れた。

 

「少し寝てろ、後のことはじっくりと警察が聞いてくれるからな」

 

優希も長々と聞くのはめんどくさかったため、即行で女性達を鎮圧した。

 

「いつの間に……」

 

「簡単な動きを力を使って早めただけですよ……その気になれば誰でもできるような…ね」

 

物凄い早業に圧巻の一言を述べる楯無に優希は淡々と簡単にできるという。

 

「はぁ……取りあえず……警察の事情聴取を受けないとな……約束の時間には遅れそうだけどな」

 

そう優希は言いながら、遠くから聞こえはじめるパトカーのサイレン音を聞きながらこの場で警察がくるのを待つのであった

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