インフィニット・ストラトス 夜天の息子の鮮烈なる物語 作:ウィングゼロ
優希SIDE
取りあえず打鉄弐式の性能チェックは終わった……そして第4アリーナのカタパルトデッキ、そこで俺は正座させている本音の前に仁王立ちしている。
『さて、本音、言いたいことはあるか?』
「あはは~足が痺れてるから…立って良い?」
『駄目に決まってるだろ?』
お決まりのやりとりで笑みを浮かべながら言葉を返す。それを見ている周りは俺を見て後退っているようだが気にしないでおこう
『本音、お前だよな夢現の調整してたのだったら例の部品!あれにも見覚えはあるはずだ』
俺は本音にカートリッジシステムのことを問い詰めると本音は苦笑いをしてその事を話そうとする。
「えっと…かんちゃんの武装夢現しかなかったし……どうにか強化できないかな~って思って……そしたらやーくんのケースの中に炸薬とその部品があったから……」
……まあ、本音の気持ちも判らなくはない…これは本音に取っ手の簪への負担を少しでも和らげようとする考慮だ…だがそれが仇になるとは思ってなかったようだが。
「優希のいいたいことも分かるけど、それより私達にもその例のあれっていう部品について教えなさいよ」
「そうですわ、なぜ簪さんの武装が砕けたのか納得のいく説明をしてもらわなければ納得もいきませんわ」
本音の説教もあるが、観客席から見ていたセシリアと鈴もカートリッジシステムに御執心で、寄りかかって問い詰めてくる。
……取りあえず、上手く誤魔化すか
『あれは……俺の知り合いが独自開発してるカートリッジシステムっていうものだ』
「カートリッジシステム?なによそれ、聞いたことも無いわよ」
当然、何それと鈴が聞き返してくる、それは当たり前の返答なんだがな
『カートリッジ、こいつにはエネルギーが圧縮されていて、それを戦闘中に装填して武装……または機体の性能を爆発的に高める効果がある、簪の夢現でシールドエネルギーを転用して強化していた俺の葵を簡単に折ったのが良い例だ』
「確かに……私の双天牙月でも折れなかったからね…」
鈴はあの日模擬戦した時のことを思い浮かべながら納得しカートリッジを使った夢現の威力に良く理解する。
「で、でも、どうして更識さんの武装は壊れてしまったんですか?」
次に質問したのは相川さん、これは一番気になることだよな
『簡単だよ、夢現がカートリッジのエネルギーに耐えきれなかったんだ、あれには耐えられるほどのフレームとそれを扱う使用者の技量を必要とする……もし扱えきれなかったら……ただの自爆装置にしかならないからな』
自爆装置……そう俺が言ったら周りのみんなぞっとした顔で俺を見てその後すぐに本音に顔を向けた。
「ちょっと、本音!あんたそんな危ないものを……」
「い、いや~私もそんなこと知らなったし~」
カートリッジを知らなかったこともあり、今更、焦って本音に詰めより問いただす相川さん、本音もそんなこと知らないため相変わらずのほほんと頭をかきながら自分のやったこと反省する。
「それで、これからどうするんですか?その更識さんの武装が……」
鷹月さんのいうとおりこれで打鉄弐式の使用できる武装は無くなってしまった。
修理するにも機材も無いため直ぐにはできない、加えてクラス代表戦まであと四日到底、間に合うものではない。
それは簪達も分かることなので俯いて気が沈んでいる中、まだ潰えたわけでない
一応の予防策…ちゃんとしていて正解だった。
『……そう落ち込むな、戦えないわけじゃない、実は俺の知り合い……というか母さんの友達が今、簪用の武装を作って貰ってる、聞いた話だと2日後には届くことになってるからそう気に病むことはない』
「そうだったんだ……よかった……」
簪はそれを聞いてほっとした顔をするが直ぐに何か思うことがあるのかそういった顔つきで俺を見つめる。
「優希、夢現にちゃんと改良すれば……私にカートリッジシステムを扱うことってできる?」
『……まさか簪、お前』
「うん、夢現にカートリッジシステムを取り付けてほしいの」
真剣な瞳で俺に訴える。
簪は本気だ……確かに簪の技量は目を張るものがある。きっとカートリッジシステムも扱うことが出来るだろう。
しかし……そのためには機材が圧倒的に足りない……夢現がここまで壊れてしまっては一から作り直すしか無い、勿論時間は幾分かかかるしクラス代表戦には間に合わない……でも
今の簪の決意に応えないのは……ここまで付き合ってきた俺にとって見捨てることなんて出来ないよな!
『わかった、だけど機材がないから此処では絶対無理だ、カートリッジシステムを扱ってる知り合いのフリー技術者に俺から頼んでみるよ』
今回、俺の不注意もあるけどマリエルさんも少しは非がある、何とか協力を取り付ける。
「うん、ありがとう!優希!」
簪が笑顔で感謝され、それを見て俺も自然と頰緩めた。
笑顔は良いものだ絶対に守っていかないとな
簪SIDE
漸くこの日が来た
クラス代表戦当日、既に試合を観戦したい生徒達でアリーナの席は埋め尽くされている。
選手の準備室、そこで私は対戦の組み合わせができるのを優希と一緒に待ちわびていた。
「いよいよだな……簪、緊張してるか?」
『うん、してるよ……でも…優希がみっちり鍛えてくれたから大丈夫』
「そうか……にしても……」
優希に一昨日からみっちり届いた武装を使っての戦闘方法を教えてくれたから戦えるはず……だけど優希こっちを見て顔を赤くして目をそらされる。
『優希?』
「ISスーツってどうしてこう……」
ISスーツ……はっ!
私、今優希にISスーツ姿見られてるんだった。今更意識すると……恥ずかしいよ
「わ、悪い……あっ!対戦表出たぞ……マジかよ」
なんか、話が逸らされた気がする……でもいいか
そして私は対戦表を見て優希が驚いた理由を理解した。
1回戦目
2組VS4組
2回戦目
1組VS3組
私が戦う相手…