インフィニット・ストラトス 夜天の息子の鮮烈なる物語   作:ウィングゼロ

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六十九話『学生最強の妹VS世界最強の弟/開幕』

NOSIDE

 

一夏と話し合いが終わって10分ほど漸く簪の準備室にやってきた鈴

 

中に入るとそこに居たのは優希だけで元々訪ねようとしていた簪の姿は何処にもない。

 

「鈴、お疲れ…簪に会いに来たのか?簪なら少し前に次の試合に向けてカタパルトデッキで弐式の調整中だ」

 

「そっか…」

 

優希は簪がすれ違いで出ていったことを説明するが鈴は先程の一夏のやりとりにまだ思うことがあるのか俯いていて表情が暗い。

 

「……なんか……あのバカとあったのか?」

 

鈴の表情から優希は察して、少し遠慮しながらも俯いている理由を訪ねる。

 

「……ちょっとね……ここに来る前に一夏とあってね…全部…終わらせてきたの」

 

暗い顔つきで話し始める鈴、それを優希は静かに耳を傾ける。

 

「私……一夏のこと好きだったのよ……昔、あいつに虐められてたときに助けてもらって…それで仲良くなってね………いつの間にか好きになってた…鈍感で唐変木な所は今も変わらないけど…いつも真っ直ぐ前向きでお節介なところに……けど……今のあいつは……もう昔の一夏じゃなくなってる……力に溺れて、何も見えてない」

 

一夏のことを語る鈴、昔の一夏のことを話した後、今の一夏のことを話し始めるとその瞳には涙が貯まっているのが分かる。

 

「力はただ力…力を求めるものは愚者、理想の夢だけを追うものは哀れな夢想家、力と理想…二つのものを持つものこと真の強さを持つものである…だから力だけを求めるな…理想だけを追い求めるな…力と理想二つを追い求めてこそ真の強さを手にする」

 

「……誰かの偉人の言葉?」

 

詩人のように語る優希に、何処かの偉人の言葉かと訪ねる鈴、それを優希は横に首を振って否定して、昔のことを思い出しながら話した。

 

「いいや、四年ほど前に亡くなった……ある男性の言葉だよ……あの人のこの言葉は今でも清明に覚えてる」

 

《そうでしたよね……ゼストさん》

 

あの日地上本部でのシグナムと一騎打ちをする前…傍に居た優希に語った言葉、それは今でも優希の心に残っていた。

 

「………それと織斑のこと…恐らくは俺に…嫉妬してるんだろ?」

 

ゼストのことを思った後、優希は一夏のことで一夏は優希に嫉妬していることを見抜いており、それを鈴に指摘するとやっぱりという顔で頷いた。

 

「分かるわよね、あんたなら……さっきの一夏とのやりとりでよく分かったわ……多分一夏はあんたが羨ましいのよ……強いから……もし自分にも優希ほどの力があれば守りたい者を全て守れるって……そう思ってるんじゃないかしら?」

 

「……それは間違いだ……俺の力でなんて、たかがしれてる……精々両手いっぱいにしか守れるもんなんてないさ」

 

戦いを……JS事件を経験してわかる優希は自分は完全無欠ではないと言いきり、優希は鈴を見るとまだ落ち込んでる様子がハッキリと分かり、咄嗟に鈴用に勝っていたジュースを鈴の頰につける。

 

「う、うわぁ!?な、何するのよ」

 

「湿っぽいのもやめやめ……過ぎたことに囚われてたら中々前に進めないぞ」

 

優希は鈴を励ますとジュースを渡し、渡された鈴はありがとうとお礼を述べる。

 

「さてと、観客席に戻るか、鈴も来るだろ?」

 

そういって優希は鈴に向けて手を差し出し、鈴も少し考えた後、優希の手を取り観客席へと向かった。

 

 

そして観客席に戻るとその直後、歓声が響き渡り優希と鈴は何かと思ったがアリーナの方を見ると第二試合の勝者が決まった直後だと理解した。

 

[勝者、クラス1-1、織斑一夏]

 

アリーナ内で立っていたのは白式を纏う一夏の姿、それを見て鈴は少しだけ表情を歪ませるがそれを見かねた優希か安心させるように頭に手を当てて落ち着かせ、本音の元へと戻る。

 

「あ~やーくん、それにりんりんといる~」  

 

「あっ!お疲れさま、凰さん!さっきの試合凄かったよ!」

 

本音の元に辿りつくと本音が優希達に気づき、声を上げると続けて本音の声で気づいた清香が先程簪と戦っていたことを労いの言葉を言う。

 

その後感謝言葉をかけられた鈴は軽くお礼を述べて空いている席に座ると誰もいないアリーナ内を見る優希達

 

「…いよいよか…まあ俺の中じゃあ予想通りの展開だな」

 

「なによそれ、それは私が簪に負けるって予想してたの?」

 

遂に決勝と優希は頭の中でイメージした通りにことが進んでいることに頬緩ませたが、隣に居る鈴はその予想に不服を申し立てる。

 

「いや、鈴と簪の方じゃなくて……織斑の方……まさか訓練機に負けるほど弱いわけじゃないからな」

 

不服に思われた鈴に優希は簪達の方ではなく一夏の方だと指摘して、その理由も述べると本音は何処か困った表情で優希を見てきた。

 

「それがね~おりむーさっきの3組の子に……シールドエネルギー半分くらい持っていかれたんだよね~」

 

「……は?」

 

本音から明かされた衝撃な事実に優希は呆気にとられ、それに続くように鷹寐と清香も話し始める。

 

「うん、3組の子、ラファール・リヴァイヴを使ってたけど……」

 

「織斑くん、射撃武器に結構苦戦してたよ?」

 

「…………」

 

ふたりの供述に優希は右手を目を隠すように顔に添え顔を上に向けて、溜め息を溢した。

 

「………いや…まあ…まさか…織斑…そこまでか…」

 

「おりむーの白夜って射撃武器ないのいたいのね~」

 

「どうして、織斑くんの機体に搭載されてないんだろう」

 

《そりゃあ、製作者の……気まぐれだろうな》

 

まさか、織斑がそこまで弱いのかと優希は少し哀れみ、本音と鷹寐は射撃武器について話し合い、それを聞いて製作者の気分だろうと心の中で優希はまた溜め息を付いた。

 

 

それから数分した後、決勝戦が行われようとしていた、既に簪と一夏も互いの打鉄弐式、白式を身に纏って、対峙していた。

 

《漸くこのときが来た、織斑一夏あなたには直接的にも間接的にも色々と恨みがある……悪いけどここで鈴のことも入れて恨みを全部晴らす!》

 

 

簪は睦月と如月を持つ手の力を強めて、一夏を見据え、対して一夏も簪を見据えていたがその時、管制室から通信が入る。

 

「聞こえるか織斑」

 

「千冬姉?「織斑先生だ!馬鹿者!!」うぐっ!」

 

「全く……更識妹の機体、打鉄弐式についてだが…恐らく機体性能から見て第三世代型の中では1番性能が良いと見ていい、武装もデータベースにあるものとは違うが昨晩登録された新型の武装だ……十分警戒して当たれ……」

 

「ああ、分かってる、でも、こっちには千冬姉と同じ雪片があるんだ…負ける気なんて…「自惚れるな馬鹿者!!」」

 

「先程も訓練機相手にそれで足元を掬われていたのを忘れたか……それと……いや良い…織斑、精々頑張ってみろ」

 

《流石に倉持技研のことは避けるべきか……一夏のコンディションを下げるやもしれんしな》

 

そんな姉弟の会話があり、最後に打鉄弐式の出所と経緯を説明しようとしたがそれは一夏の精神面に影響を及ぼすと考え織斑先生は口を閉ざした。

 

「なんだったんだ?……まあいいか」

 

一夏も織斑先生が言いかけたことに気にしたが直ぐにどうでも良いことだろうと気にするのを止めて簪のことに集中する。

 

 

そして、互いに戦闘準備完了し数十秒後……試合開始のブザーが鳴り響いた。

 

 

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