インフィニット・ストラトス 夜天の息子の鮮烈なる物語   作:ウィングゼロ

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七十三話『乱入者(後編)』

簪SIDE

 

もう戦って何分経過したんだろう…

 

一つ一つ、油断もできないこの状況、緊張から体感時間が遅く感じる気がする。

 

そろそろ…鈴達が来ても良いだろうと……援軍を待ち望んでるけど一向に来ない……

 

え?援軍ならアリーナ内にいるだろ?……いや、あの織斑一夏(バカ)なら……

 

 

「…………」

 

地面に倒れてる(ヤムチャってる)

 

ことの顛末を話すと……

 

私は有効打を入れるため、広範囲に射撃して無人機の動きを鈍くしたの。

 

鈍くしたのを確認して、特大のエネルギー弾を収束して発射

 

だけど、同じく機会を伺ってた、織斑一夏(バカ)が飛び出してきて、案の定無人機には避けられた上、私のエネルギー弾の餌食に……

 

これは事件ではなく……事故だ……誤射だ……私は何も悪くない……悪いのは飛び出してきた織斑一夏(バカ)が悪い。

 

そんなわけで邪魔者も消えたことで少しはやりやすくなった。

 

けど、特大のエネルギー弾を空振りになったのは痛いな既にシールドエネルギーも四分の一以下になっていて、早々に攻撃も出来ない

 

どうしたらいいかと悩んでいるが敵は待ってはくれず、ビームを速射して避ける私を追い詰めていく。

 

『くっ!』

 

うまく攻撃に転じないと……! 

 

そうどうして攻撃しようか模索したのが悪手であった。

 

少し気を取られた私はビームの一発が背部スラスターに直撃、それによってバランスが崩れて地上に落下していく。

 

急いで立ち直ろうとするけど……敵にとっては絶好の的状態、無人機がビーム砲をこちらに向けてエネルギーを溜めているのがわかる。

 

駄目避けられない!直撃する!!

 

なすすべもなく、当たると予感し、恐怖する私だが、ビームは別方向から飛んできた青竜刀によって放たれるのが中止され、出てきた新たな(仲間)を警戒しだす。

 

マゼンタと青い機体……甲龍とブルーティアーズ!!

 

『鈴!セシリア!』

 

「待たせたわね!簪!」

 

「ここからは私達も参戦ですわ!」

 

私の元にやってくる鈴とセシリア、二人とも双天牙月とスターライトmkⅢを持って無人機に対して臨戦態勢を取る。

 

「ごめん、デッキの扉をこじ開けるのに手間取って…遅くなった…援軍も時期に来るだろうけど……私達三人であいつをとっつかまえる?」

 

私達三人でやるのは賛成だけど……

 

『捕まえるんじゃなくて破壊する、あれには人が乗ってない……下手をすれば自爆する恐れもある』

 

「なっ!?ISは人が乗らなければ動きませんわよ!?」

 

『けど、あれには人が乗ってるようには見えない……それにありえないってことは……ありえない』

 

「……確かに…あのIS不気味よね……わかったわそれじゃあぶっ壊す方向でやっていきましょう!」

 

『あいつの主な攻撃はビーム砲だけ!でも全力の砲撃に当たれば一撃で落とされると思う!』

 

「では、参りましょう!」

 

セシリアの掛け声共に私達は散開して無人機に反撃を開始する。

 

 

 

 

NOSIDE

 

 

アリーナ管制室では

 

「駄目です、通信及びアリーナ内のシステムは全て受け付けません」

 

山田先生が管制室のパネルを操作してシステムの奪還を試みるが全くもって駄目で、織斑先生もまたそれを聞いて苦い顔を滲ませる。

 

「くっ、ジャミングされていてはアリーナ内でどうなっているか確かめることすらできん……!」

 

「はい……」

 

何も出来ないことに苛立ちを覚える二人、所変わってアリーナの外……優希の活躍で外に脱出した生徒達が一纏めに集まっていた。

 

 

「鷹月!相川!」

 

優希も外に出てきて、辺りを見渡し鷹月と相川を見つけて二人の元へ駆け寄ると、二人も優希に気づいて近づいてくる。

 

「観客席を見て回ったがもう誰もいない、そっちは誰かいないやついなかったか?」

 

「はい、2組から4組は凰さん達を除いて全員いるのを確認したよ」

 

「いま、本音が1組の方を見に行ってる」

 

「そうか……」

 

《ならもう大丈夫だな……俺も簪達の援護に……》

 

優希は簪達のことを心配していると……慌てて本音が鷹月達の元へとやってくる

 

「た、大変だよ~ほーちゃんがどこにもいないって~!」

 

ほーちゃん→篠ノ之箒

 

「え!?うそ!?」

 

本音がほーちゃんと呼んだだけで篠ノ之のことだとわかったふたりは篠ノ之がいないことに驚き、優希に探しにいってもらおうと優希のいる方向に振り向くと……

 

「あれ?八神くんは?」

 

「いない!?何処に行ったんだろう」

 

既に優希の姿は無く、辺りを見渡しても見つかることはなかった。

 

 

 

所変わり、アリーナ内鈴とセシリアも合流し無人機を追い詰めていく簪達。

 

セシリアがブルーティアーズで同時攻撃(オールレンジ)で無人機の動きを封じ、そこに鈴が踏み込んで双天牙月で無人機に仕掛けるが、ブルーティアーズの抜け穴を潜り抜けられて近接攻撃が当たらない。

 

「こいつ、中々しぶとい」

 

「無人機にしぶといもない……」

 

中々落ちない無人機に少しだけ苛立ちを見せる鈴に簪は無人機だからと宥める。

 

「もう一度連携して追い詰めましょう私と簪さんで機体の動きを止めますわ。鈴さんはすかさず……」

 

セシリアがもう一度三人の力を合わせて無人機に畳みかけようと口にしていると彼女達を他所に自体は急変する。

 

「一夏ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!」

 

アリーナ中に響く声、放送室のマイクを通してその声はアリーナ内に響いていた。

 

「な、何ですの!?」

 

「この声……まさか箒!?」

 

突然のことでセシリアと鈴は戸惑いを見せるが鈴は声から声の主は篠ノ之箒だと直ぐにわかる。

 

「男なら!!この程度の敵勝たなくてなんとするか!!」

 

明らかに倒れている一夏に対して活を入れる激励……しかし当の織斑一夏というと完全に気を失っているため箒の激励も取り越し苦労に終わる……

 

しかしそれだけで終わることなく無人機は放送室に向けて右腕の銃口を向けた。

 

「不味い!あいつ!箒を狙うつもりよ!」

 

「急いでこっちに気を向けさせなくてはなりませんわ!」

 

「駄目!間に合わない!」

 

銃口が箒を狙っているのに気づき急いでこちらに気を向けさせようとするが既に遅く、今すぐにも右腕の砲撃が放たれようとしていた。

 

「ぁっ!!」

 

こちらに砲撃が来ることがわかり、箒も恐怖から後退るが避けることは叶わない……簪達も間に合わないとそう思っていると……

 

 

どこからともなく大きい氷柱が飛来し無人機の右肩の関節部分をピンポイントに狙い無人機の右腕を切断させる。

 

「なっ!?氷柱!?」

 

「なによ。いきなり!?」

 

突然のことで大きく戸惑う鈴とセシリア…しかし簪だけは違い身に覚えのあるこの事象に頭を回転させる。

 

《あの攻撃……もしかして……!》

 

「っ!ピットの上!誰かいるわ!」

 

鈴は指を指すと……ISか出てくるピットの上に黒フードを羽織、顔を隠した槍を持つ謎の人物が何かを投げたように左手を突き出しながら立っていた。

 

《あの槍は…優希のロンギヌス!!ということは……優希!》

 

謎の人物が持つ槍が優希のデバイスであることを確信した簪……そして、当の謎の人物……優希はというと……

 

 

《間一髪……中からアリーナ内に向かうのは面倒だから外からセットアップして飛び越えてきてみたら危機一髪な状況だったし……思わず魔法で迎撃してしまった………》

 

と少し後悔しながらも優希はアリーナを見下ろしていて……右腕を失った無人機を簪は好機とみてセシリアと鈴に話す。

 

「鈴!セシリアいまだよ!!一気に畳みかける!」

 

「わかったわ!」

 

「いきますわよ!!」

 

簪の号令に呼応して無人機に攻めかかる三人。

 

「先ずは私から、山嵐全弾……ターゲットロック!いっけぇ!!!」

 

まず、簪が打鉄弐式の山嵐全弾を発射させ四方八方からミサイルが迫り、無人機の逃げ場を完全になくす。

 

「今ですわ!ブルーティアーズ!!」

 

徐々に迫る山嵐にセシリアはブルーティアーズで無人機…ではなく山嵐をビットで射撃し直撃した山嵐は爆発し密集していた他の山嵐も爆発により誘爆して、発生した煙に無人機は覆い被される。

 

ありえないパターンに無人機もデータ処理に追われる中、それを見逃さない簪ではない

 

「これが本命!!」

 

山嵐発車直後から睦月と如月で貯めた特大のエネルギー弾を生成し声と共にエネルギー弾を放ち、動きを封じ込めていた無人機に直撃させて後ろへと吹き飛ばす。

 

「来たわね!とりゃあぁぁっ!!」

 

吹き飛ばした先には待ち構えていた鈴、タイミングを、合わせて双天牙月を振り落として地面へとたたき落とし、無人機が落下していく中、鈴は追撃するため追いかける。

 

しかし、無人機もただやられるわけではない動きが鈍くなっていながらも残っている左腕を鈴に突きだして残った力でビームを放とうとする

 

「っ!!」

 

「鈴!!」

 

ビームが来ると予感する鈴に殆ど力を使い果たしてしまった簪は悲痛な声を上げる。

 

しかし今戦っているのは彼女達三人だけではない…もう一人(優希)もいるのだから

 

「もう一発!!」

 

戦いを見ていた優希は鈴が危ないのを見て、すかさず凍結魔法でできた氷柱(フリーズランサー)を生成すると大きく振りかぶって無人機めがけて飛ばしもう片方の左腕も切断した。

 

「これで!!終わりよ!!」

 

もう武装がなくなった無人機に鈴は連結した双天牙月を無人機めがけて投擲、無人機は避ける間もなく双天牙月によって胴体を真っ二つに切り裂かれた。

 

 

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