インフィニット・ストラトス 夜天の息子の鮮烈なる物語   作:ウィングゼロ

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八十三話『簪の修行 不届き者に制裁を(後編)』

 

 

「くっそ…!」

 

飛び交う弾丸の嵐、その殆どは優希に向けて放たれた攻撃であり、上手く連携して優希の近距離攻撃を封じてきて苦戦を強いられてきた。

 

「多勢に無勢か……なんとかしないと!」

 

そう言いながらアーマーシュナイダーを回して向かってくる銃弾を弾き飛ばす。

 

「やはり、中々落とせないか……しかし我々の優勢なのは違いない……よし!一部隊はヘリを落とせ!ISはそれほど柔ではない…ヘリの搭乗者の生死は問わん!」

 

隊長の指示に隊員達は迷うことなく返事を返し4機がヘリへと向かっていく。

 

「しまった!ヘリを!……母さん!そっちに敵機が4機向かった!」

 

抜かれた事で急いでヘリへと通信を繋げる優希、しかしヘリの方に気を取られたのが失敗だった。

 

「いまだ!アンカー射出!!」

 

気を取られた隙に隊長が指示を下すと4機が特殊な銃器を取り出して射出し、飛び出したアンカー付きのワイヤーは優希の両手両足を拘束して身動きを封じた。

 

「くそ!これぐらい!!」

 

動きを封じられて優希であるが引きちぎろうと強引に体を動かそうとしたが次の瞬間ワイヤーから電流が流れて優希の体を電流が襲いかかってくる。

 

「ぐわあぁぁぁぁっ!!」

 

電気を浴びて優希は悲鳴を上げるとそのままぴくりとも動かなくなってしまった。

 

「気絶したか……よし、障害は取り除けた……後は打鉄弐式だけだ」

 

 

 

……

 

ヘリから出撃した簪、それを確認した倉持技研の戦闘員は空かさずに武装を葵へと変更して突っ込んでくる。

 

「相手は中距離機体だ!近接攻撃で攻め続ける!」

 

そういって簪の懐に入ると葵を振り下ろす隊員達、それを睦月と如月で強化しながら捌き続ける。

 

「くっ!」

 

昨日の優希のお陰もあり四人の攻撃を捌ききれることはできるがそれでも一時的な部分強化なためにエネルギーが著しく削られてくる。

 

《このままじゃっ!》

 

エネルギーが0になったとき待っているのは死という結末だけ…簪はそれを恐ろしくも感じるが同時に人物が選んだ道であると

 

《落ち着け…冷静に初心に戻る……優希はこの強化を教えたとき……まずエネルギーを武装に通し……それを覆うようにエネルギーの膜を形成する!》

 

「動かなくなった!もらったぞ!」

 

初心に戻る簪は動きを止め、それを好機とみてか1人が動きを止めた簪に特攻する。

 

《後は強化を維持しつつ……敵に対処する!!》

 

特攻する敵を見て振り落とされた葵を如月で捌き完全に全体強化された睦月を思いっきり振るいシールド突き破ると如月で至近距離での射撃を放ち、スラスターを破損させる。

 

すると一部の故障で浮力を失い打鉄を纏った女性は落ちていく恐怖で悲鳴を上げながら消えていった。

 

「っ!」

 

《あれじゃあ、もう……駄目だ今は迷っちゃ……》

 

自分の行いで1人落ちたそう思うと自分の心を締め付ける気持ちに駆られるが今はそれどころでは無いと闘いに集中する。

 

「おまえぇ!!」

 

仲間がやられて激情に駆られる一人は何も考えずただ我武者羅に簪を殺そうと突撃する……しかし今の簪はそのような攻撃は通用するはずもなく睦月と如月で防ぎきる。

 

「くそ!くそ!!なんであいつが死なないと行けないんだよ!!」

 

「私にも譲れないものがあるから!!」

 

墜落したパイロットのことを悔しがる女性、そんな彼女の言葉に簪は揺れることなく譲れないと言い切り、葵を弾くとそのまま強化されている睦月で葵の刀身を折る。

 

「なっ!」

 

折られたことで即座に下がろうとするが下がったところで睦月と如月は射撃武器、当然のごとくエネルギー弾を放たれて女性の打鉄のエネルギーが削られていく。

 

「くそ!こうなれ…!?」

 

「もう…遅いよ」

 

反撃しようとしたが既に簪が次の一手を打ち込んでいて女性の左右から山嵐12発が向かってきており、気づくのが遅すぎたため全弾直撃し女性の打鉄はエネルギーが尽きた。

 

「後…二人!!」

 

二人撃墜したことで後の二人もとそちらに視線を向けるがその二人は既に逃走を開始…それを見て構えていた睦月と如月を解き、先ほどの去り詰めていた空気から開放される……

 

「終わった……」

 

勝ったしかし喜べるものではない。

 

「……ご苦労さま……ごめんな、簪ちゃん」

 

ヘリから見ていたはやてはヘリを救ってくれたことを、労うと同時に戦場に駆り出したことを謝罪する。

 

「……いえ、私が選んだことですから」

 

《優希は大丈夫だよね……》

 

 

一方その頃……簪の戦いが終わった直後残りの打鉄6機はというとヘリを撃墜に行った部隊が全滅したことの知らせを聞き隊長は難しい顔をしていた。

 

「……ちっ!作戦中止だ……このまま撤退する……打鉄弐式奪還は失敗したが八神優希は捕縛した……かくなる上は交渉材料に……」

 

隊長は作戦の中断を決定し残りの隊員に撤退命令を下すと……次の策を巡らせようとする中…

 

 

「…え?」

 

隊員の一人がほつりとそう呟く、次の瞬間隊員は胸に謎の光の刃が突き刺さっていて、その後力尽きて墜落していく。

 

「な、なにが……っ!?」

 

突然の不可思議なことに戸惑う隊長だがここで優希の異変に気がつく。

 

優希の右手が刃のように光っていることに

 

 

「っ!!!全員八神優希から離れろぉ!!」

 

すぐさま、先程の現象は優希が起こしたものだと判断した隊長だが既に遅かった。

 

解放されている右手をエネルギーの物凄い長さの刃を形成し隊長以外の隊員を高速で切り裂く。

 

「え?なに?」

 

「やら……れた」

 

「助けて……おかあ」

 

気づかぬ合間に打鉄の中枢や浮遊するスラスターなどを切られ切られたことで起きた爆発に飲まれて焼け死ぬ隊員達。

 

一瞬のことで何がおきたか頭が混乱する隊長であるが優希は冷静な目で隊長を睨みつけていた。

 

「……全く……本当これだけはしたくはなかったんだよな」

 

「な、なにがだ…」

 

で似れば聞きたくは無いが自然とそう口にしてしまった隊長。

 

そんな隊長に優希は答えた。

 

「修業だよ…簪の……」

 

「なん……だと……!」

 

「こんな短期間で強くなるためには普通の方法じゃあ間に合わない……だからこそ普通じゃない方法をとったんだ」

 

「元々、倉持技研が報復にくるのはわかりきっていた……だからこそ、空路でその上バックアップ人員も込みでバニングス社に向かった……」

 

「まさか……我々を利用したというのか!!先程の捕まったのもただの……演技?」

 

「本当に悪いと思ってる……だが……利用できるものは利用するもんだろ?」

 

「き、貴様は!!!」

 

利用されていたことに怒りのボルテージが最高潮に達した隊長は真っ向から突撃してくる。

 

それを優希がエネルギーを纏ったアーマーシュナイダーを投擲し隊長の打鉄のシールドを貫いて左肩のスラスターに突き刺さる。

 

「まだだぁ!!!」

 

「いや、終わりだ」

 

直撃を避けて葵を持って構えるが優希は冷静に終わりだと口にする。

 

バースト(爆けろ)

 

その瞬間打鉄に突き刺さっていたアーマーシュナイダーのエネルギーが暴発してハリネズミのようにとげとげしい尖ったエネルギーの刃が隊長を襲う。

 

「ぐっはぁ……っ!」

 

口から血を吹き出しそして打鉄の爆発にその身を焼かれるのであった。

 

「……来なかったらやられなかったのにな」

 

報復など考えずにいればと苦い顔をしてそう呟くのであった。

 

 

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