インフィニット・ストラトス 夜天の息子の鮮烈なる物語   作:ウィングゼロ

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八十四話『簪の修行 傷ついた心に癒やしを』

 

 

優希SIDE

 

『……これで最後だな』

 

あの戦闘の後色々と戦闘中域を周りコアを回収……撃墜した人達は爆発四散したのだろう肉片一つ見当たらなかった。

 

彼女達はこんなところで死ぬと……そう思わなかったのだろう

 

あの人達にも家族と言える人達が居たのだろう……だけど……自分達の地位のため、放っておいた打鉄弐式と簪に目を付けるのは烏滸がましい気持ちもある。

 

『取りあえず……戻ろう……』

 

そういってスラスターを吹かせてヘリのある方向にへと向かっていった。

 

スラスターでヘリへと急ぐと数分もしない内にヘリに追いついて、俺が帰ってきたのを見計らって後部ハッチが開き無事に着地し、リヴァイヴを解除する

 

「…お疲れ様…優希」

 

『…ああ…』

 

俺の心境を組み取りながら戦いのことを労う母さん…俺はそれに目をそらしながら短く返事をする。

 

色々と疲れているため座席に荒っぽく座る。

 

「優希…」

 

俺の様子を見て心配してか簪は元気のない声で俺に語りかけてくる

 

あっちも大体、落ち込んでいる理由は分かっているのだろう

 

「…生きてて…よかった…」

 

簪の言葉に俺は自然と頷いて簪は俺の隣の座席に座り体をもたれかけてくる。

 

『簪!?』

 

「今はこう…させて…」

 

驚く俺だが、簪は温もりが欲しいためか俺の制服の袖を摑んで懇願、周りも気を利かせて目をそらしている。

 

戦いが終わったのに晴れない気持ち…その性で簪は暗くなるんだったらあまり気負いするわけにもいかないな

 

そんなことを思いながらヘリは演習場にへと向かっていった。

 

 

 

簪SIDE

 

戦闘が終わって再びヘリが目的地へと向かい始めてから1時間半…漸くバニングス社の演習場に辿り着いた。

 

優希の話から無人島を買って島丸ごとIS関係の基地であると聞いていたけど、凄いと一貫して言える…流石はバニングス社だ。

 

演習場のヘリポートに私達を乗せたヘリが着陸し後部ハッチが開くと優希やはやてさん達は何事もなく降りていく。

 

「さてと、漸く、来れたわね」

 

と途中の襲撃のことを示唆するようにアリサさんがうんざりとした表情でそう呟くと隣のすずかさんが苦笑いの笑みを浮かべる。

 

「さてと、優希も簪も…お疲れ様…変なことになっちゃったけど…みんな無事に辿り着いたわ…適当な人に寝泊まりする場所を案内させるわ」

 

アリサさんがそういうと近くの社員に説明すると社員は二つ返事で了承し私達は泊まる場所に案内された。

 

案内され寝る部屋で新しいベッドに寝転がっていると数時間前のことを考えてしまう   

 

初めての人と人とも殺し合い…やっぱり生半可なものではなかった。

 

…優希もあの時そういう気持ちに駆られてたんだよね…

 

………

 

『少し……歩こう』

 

気分転換とベッドから起き上がり部屋を出て宿舎内を歩き出す。

 

そして一階の隅の休憩フロア……そこに差し掛かると、先に休憩フロアにいる2人を見て思わず身を隠して様子を窺う。

 

先にフロアに居たのは優希とはやてさん……何やら真剣な表情で話し合っているようだ。

 

「今日は本当に助かったよ、母さん…お陰で後ろは心配しなくても良かったから」

 

「支援するんがフルバックの手本やからな……まあ、まさか簪ちゃんと打鉄弐式のために全戦力を投下するのは予想外やったわ」

 

「でもそれでも…こっちに被害はない…物理的には…だけどな」

 

「…簪ちゃんのことか?」

 

「ああ、倉持技研が打鉄弐式を狙ってるのはうちの諜報員から聞かされていたから今回の根回しをしてヴァイスを回してくれた……だから、俺は倉持技研の襲撃を利用して簪の更なるパワーアップを計った……」

 

え?それって優希は今回のことは事前に気がついてたってこと?

 

それも私が出てくる前提での話……初めから来るってわかっていたようだ。

 

「結果は……優希の思惑通り簪ちゃんは武装の全体強化とマルチタスクを習得した。」

 

「それに引き替えは何かときついがな……」

 

そう目をそらしながら後悔している表情を見せる

 

「……それでそろそろ行くの?」

 

「うん、行くわ……本局直通の転移ポータルはこの演習場にあるさかい、気軽に帰ってきい」

 

そういうと休憩フロアの自動販売機の隣の壁そこに手を添えると突如として壁がエレベーターの扉へと変わる。

 

「隠し扉か」

 

「そうや、しかもただのやなくて…魔力を使わな、現れへん、擬装済みや…それじゃあな…気が向いたら帰ってきいや」

 

そういうとはやてさんは出現した扉の向こうへ行き、その直ぐに壁は先程と同じく元に戻った。

 

 

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