インフィニット・ストラトス 夜天の息子の鮮烈なる物語   作:ウィングゼロ

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八十七話『簪、本局へ』

 

 

 

バニングス社、演習場のアリサの執務室、そこに社長椅子に座り、とある場所と通信しているアリサの姿があった。

 

表情は少し険しいが内心では呆れて物も言えないもので淡々と述べていく通信相手の話を聞いていた。

 

「今回の件、また八神優希が関わっているというではないですか、やはりIS委員会に身柄を保護すべきです」

 

「お言葉ですが八神優希が手を下しているのはこちらに被害を加えに来た時のみです。身柄の件も彼はそちらに行くことはありませんし、私個人でも彼を渡すわけには行きません」

 

ことあるごとに厄介ごとを起こす優希を無理にも手元に置きたいIS委員会は優希をこちらに引き込もうと画策するが、アリサは優希の行動理念と個人での意見を述べて優希を連れて行かれることに頑固拒否する。

 

「……八神優希の件は置いておきましょう…もう一つ…回収されたISコアと倉持技研についてですが」

 

「ISコアについては3つお返しします。これから打鉄弐式をモデルに量産型の雛形を開発するためにコアを4つほどこちらに譲ってくれるのでしたら問題ありません」

 

今回の戦利品としてコアの半数の保有を提示するアリサ…しかし、疑問に思うことがあったが直ぐに返事を返される。

 

「4つ?5つの間違いではないのですか?報告では十機中の八機を撃ち落としたはずです、ではあと一つは?」

 

「優希が探した結果あと一つは見つからなかったようです。恐らく深い海底に沈んでしまったのでしょう」

 

コアの数が足りないことに追求をされるアリサだが余裕な表情で追求を逃れる。

 

「…そうですか…今回の件で倉持技研のISに関する開発は剥奪されることになります…倉持技研のもつ残りのコアと機体もIS委員会が管理する予定です。つまりは今日本の中でバニングス社がIS事業の先端を担うことになるでしょう…明日から長期期間、査察を執り行います。それではISの更なる発展を期待していますよ」

 

倉持技研の処遇を話、倉持技研が無くなった中、バニングス社が日本のIS事業を担うと説明をされると通信が終わり、アリサは張り詰めた緊張を解いて盛大に息を吐く。

 

「やっと、終わったわ…にしても…査察…ねえ不味いわね」

 

溜め息を吐いたのも束の間、最後にIS委員会が言い残した査察について、アリサは頭を悩まされる

 

長期期間となれば何時終わるかもわからない…つまりは簪と楯無の決闘にも支障がきたすことなるのだ

 

「アリサちゃん…入るよ…頭、抱えてるけど何かあったの?」

 

悩まされているとすずかが部屋に入ってきて、悩んでいるアリサを見て、首を傾げながら訪ねられる。

 

「いやあね…明日から査察が入ってこのままだと演習場使えないなと思ってね」

 

「そうなんだ……そういえばなんだけど、アリサちゃんの方に簪ちゃん達来なかったかな?」

 

「あの二人?来たわよ…優希を探してるんでしょ?…でも優希は多分本局に行ってるからはぐらかしといたわ…私の予想だと…優希は…」

 

 

 

 

 

 

「へ~これがISのコアなんだね」

 

所変わって本局の整備室、マリエルは優希が持ってきたISコアを見て興味を示していた。

 

「ロンギヌスにギリギリ収納して探知されないように封印処理を施して起きました…これで問題は無いと思いますよ」

 

「ありがとうね、早速解析班にコアを渡しておくから…何か分かれば詳細の情報を送っておくよ」

 

「そうですか、わかりました…それで話は変わるんですが…簪の夢現の方…どうなってるんですか?」

 

「あの子の武装はあと少しって所だよ…明後日に来てくれれば完成してると思う」

 

ISのコアについてはひとまず置いて、優希は夢現の状態を訪ねるとマリエルは笑みを浮かべて概ね良好であることを伝える。

 

 

「そうですか、それじゃあ俺はこれで明後日の早朝に受け取りに来ますので」

 

「うん、それまでに完成させておくから…期待しててね」

 

優希は明後日の朝に受け取りに来るという趣旨をマリエルに話すと部屋から出て行く。

 

「さてと…このまま帰るのもなんだな…少しカフェテリアでのんびりと寛ぐか」

 

そういって優希は転送ポータルのある広間へと足を運んでいくのであった。

 

 

簪SIDE

 

奇妙な感覚に見舞われて数秒間…地面に足がついている感覚を感じて恐る恐る閉じていた目を開けると…目を大きくして見える光景に驚愕した。

 

 

先程の転送装置しかなく、薄暗い部屋ではなく、明かりがしっかりして人もまばらにいる。

 

『………』

 

本当に転移してしまったのか…疑いたくなる気持ちに駆られる私…隣の本音はまだ混乱して目を瞑っているようだ。

 

『本音、目を開けて』

 

「ふえ?もう大丈夫なの?…あれ!?か、か、かんちゃん此処何処!?」

 

私が本音に語りかけるとゆっくりと目を開けて辺りを見渡すと本音も別の場所に居ることに驚きを隠せないようだ。

 

『取りあえず…一度部屋から出てみよう…あそこに扉があるみたいだし』

 

取りあえず色々と調べたいことが多くて先ずは部屋から出てみようとドアに近づくと自動でドアが開き、部屋の外の光景を見ると再び圧巻と言えるような一言だった。

 

往来していく人達にだだっ広いロビー至るところに空中投射がたのウィンドウも目だつ。

 

それに往来して人達も空中投射のウィンドウを展開している人達が多いことから、私の知る技術より優れているのでは無いかと思わせる。

 

……ここに優希が居るのかな…というかこの中で優希を見つけられるのかな…

 

まさかここまで人が往来しているとは知らずに、焦りを見せる私。横に居る本音もどうしようと言いたげな表情を浮かべており、これからどうしよう考えていると…

 

「あのあなたたちちょっと良いかな?」

 

突っ立っていたのが目だってしまったのか声からして女性が優しい声で話しかけてきて、私は慌ててその人の顔を見ると、思考が止まってしまう。

 

長い綺麗な金髪に…赤い瞳…そしてピシッとした黒い制服を身に纏う女性、一瞬で見惚れてしまう女性は少し首を傾げながら私達を見詰めている。

 

『は、はいなんでしょうか?』

 

「いきなり声を掛けてごめんね、でもこんなところで立っていると、周りの人の迷惑にもなるから…ね?」

 

そういって私達を注意する女性…そのあと女性に連れられてロビーの邪魔にならない場所に連れてこられると、また話しかけられる。

 

「あなたたち、本局に来るのは始めてかな?」

 

『本局?は、はい!はじめてです』

 

本局…そういえばはやてさんもそんな単語を言っていた…つまり此処の名称を意味しているのだろう

 

「そうなんだね…やっぱり、どこか私の友達と同じ感じだったから何となくわかったんだ」

 

そういってくすりと微笑みを浮かべる女性…

 

「本局には何をしにきたのかな?わかることなら教えられるんだけど…」

 

困ってる私達を見過ごせないのだろう…そういって手を貸してくれる女性に私は言うべきか判断に迷う。

 

此処で優希を探しに来たことを話せばもしかしたらわかるかも知れないけど…ここまで人が多い中個人を引き当てるなど…相当な高い確率であるのは間違いない。

 

「えっとね、やーくんを探してるんだよ~」

 

って私が考えてる横で本音が優希を探していることを暴露…でも女性は首を傾げて困った表情を見せる。

 

「えっと…やーくんじゃあわからないかな…」

 

『あ、えっと…優希っていう人を探しているんです』

 

ハッキリと言った…流石に無理だろうな…

 

「え?優希?」

 

優希の名前に反応を示す女性、あれ?これはもしかして…

 

 

「もしかして八神優希…って名前じゃないかな?」

 

女性から口に出される優希の名前…声を掛けられた女性から優希の名前が出て来たことに私は驚くのであった。

 

 

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