七夕転生物語。   作:すぴか。

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今日は七夕ですね。
この話は七夕どころか夏までに完結するのすら怪しいですが⋯。

…上の文章を打ち込んだ時は確かに七夕でした。
ちょっと他の小説の執筆と今月31日締め切りのレポートを進めていたのでここの更新が遅れました。…忘れてたわけじゃないんですよ…。


警告。

やがて、こつ⋯、と、足音が消える。すぐ後ろの炎の明かりに照らされて、目の前にいる者が姿を現した。

「あなた⋯どこから来たの?」

姿勢を低くしながら、警戒している目の前のボケモンは、エーフィ。

湖から来た、そう言おうとしたが不可能だ。動きを止められていて口を開くことすら出来ない。

「…ふーん⋯そう、まぁ興味無いけど」

何も答えてもないのにエーフィは納得したように頷くと、俺の背中に乗っているリディアに気づく。

「⋯解除」

「わっ…」

エーフィがそう呟いた途端、唐突に体が動くようになった。体の力が一気に解放されて勢い余って前方に倒れる。

「いたっ…」

「あぁ、急に解除してごめんね」

無気力な声だ。次にエーフィは俺達に間近まで近づくと、体をぺたぺたと触り始める。

「何してんだ⋯?」

一通り触り終えた後、エーフィは短く息を吐く。

「⋯見たところ敵ではないようね、それにこの子⋯」

エーフィはリディアをじっと見つめた。すると…リディアの体が徐々に俺を離れ宙へ浮く。

驚いている俺を無視してエーフィはリディアを炎の近くまで移動させ、そこにゆっくりと置いた。

「取り敢えずあそこで寝かせれば大丈夫かな」

「あの、あなたは⋯?」

ようやく俺の声に反応したエーフィは振り返った。

「え?ああ…私はあなたと同じ元人間だよ、ブイさん」

「な、なんで俺の名前を⋯!?」

まぁ本当の名前じゃないんだけど、エーフィにブイという名前を教えた覚えは無い。エーフィはそんな俺を小馬鹿にするように笑った。

「あの子⋯リディアちゃんがこの世界に来てからの記憶を覗かせてもらったよ、あんたからなんでここに来たかとか説明聞くと長くなるしね、長い話を聞くのって嫌いだから」

「そ、そうなのか⋯」

ゲームのエーフィってそんな能力あったっけ。⋯いやこれはゲームじゃないしあるんだろうな⋯。

「それにしてもあんた…元の世界に帰りたいの?」

エーフィは意味深な口調で言った。

「そりゃ勿論…帰りたいに決まってるだろ」

「なんで?」

「なんでって…」

その瞬間、一瞬、ほんの一瞬だけだが…目の前にいるエーフィが泣いているように見えた。あれ、と思っているうちにもう今までと同じ無表情に戻っていたが。

「私は帰る方法を知っている。それと…2つの短冊のありかも知っている。ここに移動する道中で偶然見かけた」

「その場所って…!?」

エーフィは黙って俺に背を向けると、そのまま洞窟の外へ出ようとする。

「ちょ、どこ行くんだよ!」

慌ててエーフィの進行方向へ立ち塞がる。エーフィは足を止め、俺を見つめた。

「教えない。私はあの黒いポケモンの仲間ではないけれど、あのポケモンの言う新しい世界に興味があるから」

「黒いポケモン…?」

エーフィは呆れたようにため息をついた。

「この世界の事本当に何も知らないんだね。そんなんじゃここを脱出出来てもいずれ来る新しい世界で死ぬことになるよ」

エーフィは不意に地面に木の実を数個バラまいた。乾いた音を立てて転がり、俺の前足に当たって止まる。

「その実をリディアに食べさせるといいよ、すぐに良くなる筈だからさ」

「あっ…」

俺は言われるがまま木の実を拾い集める。その様子を少し眺め、エーフィはまた足を進め始める。

「ま、待てエーフィ!」

「…あ、そうだ」

エーフィは洞窟の入り口で思い出したかのように再び足を止めて、振り返った。

「無知なあなたに一つだけ教えたげる。この世界は作られたモノ、偽の世界。それと…」

その時。突如鳴り響いた落雷がエーフィの声をかき消した。なんて言った?俺がそう言うより早く、エーフィは荒れ狂う外へと行ってしまった。

「………なんだったんだ、あの子は…」

追いかけようかとも思ったが、この天候。それにリディアを早く元気にしてあげたい。その思いで俺はリディアの待つ洞窟の奥へと戻った。

 




タグにほのぼのとかついてるけど全然ほのぼのしていなかった…
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