Fate/Resurrection フェイト/リザレクション 作:ジャンマル
――体は剣で出来ている――
ノイズが走る。どこか、懐かしいノイズが。このノイズは何だろうか――でも、私の記憶にはそんな言葉はないし覚えもない。
――血潮は鉄で心は硝子――
これは――詠唱? そういえば、サーヴァントとつながっている時、お互いの夢を見ることがあるんだっけ? なら――だとすれば――これは、ライダーの記憶? いや、そんなはずはない。ライダーに詠唱はない。だとすれば、アーチャー……? でも、なんでアーチャーが詠唱を?
「――よい」
「……」
「――よい。弥生!!」
「両……?」
「両……? じゃねえよ、今まだこいつの尋問中だろ」
「そ、そうだった……」
「……? すげえ汗だぞ?」
「い、いえ。気にしないで」
あの記憶は、つらい。辛すぎる。それに、あれが真実なら、アーチャーの真名は――
いや、今は考えるのを辞めよう。あいつにもう一度会って、突き止める。このことは今後は考えるのを辞めます。
「では市ヶ谷さん。あなたの聖杯に選ばれた理由――徹底的に調べます」
「は……?」
「わりいな。こいつには未来予知とか、相手の記憶を探れるそういう能力があるんだ。もちろん、魔術と別でな」
「そうなんですか……」
「……集中する。黙って」
「おう」
こいつの過去を覗き見る――
うっ……こいつ、一般人じゃなかったの? ならなんで――
こんな殺人鬼が――!!
「どうした?」
「両。こいつは消す」
「おい」
「こいつは生かしておけない……現に――こいつは、こいつは!」
殴った初めて、人を殴った。心が痛む……だって、誘拐されていた人たちは、関係ないアーチャーに殺されてるし、殺し合いを強要させられてるんだよ? 許せるわけないじゃん。許せないよ――!!
「こいつみたいな下衆が選ばれてるのは納得がいかない――!」
「でも、言峰さんには何も言われてないだろ!?」
「こいつがA級なら殺しの許可が下りてるわ……」
「……後悔しないんだな?」
「うん……」
「つらくないんだな?」
「うん……」
「だったら――」
「その役目はサーヴァントの役目だ」
「ライダー……」
「下がってろ」
いつになくシリアスな口調でしゃべるライダーに、少しだけ同情した……だけど、ライダーだって本当は嫌なはずだ。殺しなんて――生前に苦しむほど行ってきたはずなのだから。でも、だとすると、殺しをさせられたアーチャーは――
「マスター。下手な同情は敗因になるぞ。生き残りたきゃやめろ」
「うん……」
「まあ、ここにいてもあれだ。アーチャーのとこでも行って来い」
「ありがとね……」
「気にするな」