※白欄のSAN値が0です。
一回目の人生は世界征服一歩手前で死んでしまった。
沢田綱吉との最後の決戦で火力で負けてそのまま炎に焼かれて消えた。
何ていうか…完敗だったよ。
もうこれ以上ないくらい完膚無きまでに負けちゃって逆に清々しかったね。
転生なんて言葉信じてはいなかったけど、この時はふと今度の生では普通の人でありますようにって願っちゃったんだ。
神様になりたかった僕が言えることじゃないけど、神様って意地悪だね。
だって気付いたら僕は子供の頃に戻ってたんだから。
ちょっと待ってよ、また僕はこの違和感だらけの世界で生きろっていうのかい?冗談よしてよ…ハハッ…
こうして僕の二度目の人生がスタートした訳なんだけどさ、ほんと最初は何していいか分かんなかったんだよね。
もう1度世界征服に向けて頑張るのもいいけど、何もしなかったらどんな生き方になってたのか気になったんだ。
だってどのパラレルワールドでも僕はトゥリニセッテを集めて世界をこの手に収めちゃってたし。
そんなわけで、2度目はなーんもせずに淡々と生きてみたんだ。
大学で正ちゃんとも出会ったし、チェルベッロからマーレリングの話も来たし、パラレルワールドとの知識共有も出来た。
だけど、友好は築かなかったし、リングも返却したし、共有も1度きりであとはやってない。
本当に一般人になりたかったんだ。
あー、なんて違和感だらけなんだろう…
僕が人であるが故の違和感に浸かったままこの生を全うしよう…
そう思ってたのに、僕が前回死んだ時期になるとトラックに轢かれて死んじゃった。
なんてこった…まさかパラレルワールドを征服した僕がトラックの衝突事故で死んじゃうなんて思ってもみなかったよ。
今度があれば…もっかい世界征服目指してみようかなーって死に際思ってみた。
なんとなくだけど、また戻る気がしたんだ。
案の定、再び時間は巻き戻った。
何だかおかしなことに巻き込まれちゃったみたいだね。
まぁ退屈で違和感しかない日々なんて慣れっこだからまた生きてみるけどね。
2度目の人生の死に間際に思った世界征服を今生では目指そうと思う。
前々回、つまりは一回目である程度未来は分かってるから今回の世界征服は簡単じゃないのかなーって楽観視してた。
ブルーベルも桔梗もザクロもトリカブトもデイジーもみんなみんな同じように仲間にして、正ちゃんとも友達のフリして、ユニちゃんと同盟組んで、全部順調だったんだ。
なのに、また、負けてしまった。
一体何処に不備があったのだろう。
あぁ、イタリア勢力はどの道ヴァリアーに殺られちゃうから日本に半分以上戻したのが原因なのかな?
予定より早くヴァリアーが日本に到着しちゃってたし。
にしてもユニちゃんっていつ魂を他の世界に逃がしてたんだろう。
今度があればちゃんと警視しとかなきゃね。
今度があればだなんて…おかしいな、またあるみたいに思ってる僕がいるよ。
フフ、知ってるよ僕。
これフラグって言うんだろ?
ほら見たことか、また戻ったね。
4度目の生は何をしようか迷ったけど、前回の反省を活かしてもう1回ボンゴレに挑もうと思う。
ていうか、何でパラレルワールドの僕は世界征服出来てこの世界の僕だけ出来ないんだろう。
何だか癪に障るよね。
最後まで気を抜かずに挑んだんだけど結局清々しいほど負かされちゃった。
5度目とくると、流石に負けてばっかで正直落ち込んだ。
そう言えば、ボンゴレを殲滅し出した直後にユニちゃんが魂を別の世界に逃がしてたってことが分かった。
あの時からもういなかったのか、やられたなぁ。
今度は精神とかを逃がさない部屋をまた作ってそこに監禁でもさせようかな…ダメだね、ブラックスペルにバレちゃうや。
まぁまだ時間はあるからじっくり考えようかな。
あと正ちゃんをチョイスの時点で確実に殺したらどうなるんだろう。
うん、次こそは綱吉君に勝ちたいなぁ。
何であの逆境から引っくり返されるんだろう…。
結構ボンゴレ側ってボロボロで、死亡者も数名出したハズなんだけどな。
また殺られちゃったよ、悔しいね。
6回目は、ちょっとマフィアから遠ざかって生きてみた。
マシュマロ製造会社を立ち上げて社長生活満喫してたんだけど、やっぱり同じ時期に何かの事故で死んじゃった。
これはもう、何かの力が作用してるとしか思えないや。
やっぱりこの世界はゲームのようになっていて、僕はプレイヤーじゃなくてゲームキャラだったのかな?と思い始める。
でも何をしたらいいかなんて分かんないから別の生き方を模索してみた。
7回目はブラックスペルを全滅させて、ユニちゃんを奪おうとしたら寸でのところで魂だけ逃げられたし、その後綱吉君に負けちゃった。
8回目は、綱吉君を集中して殺しにかかったけど、スパナや正ちゃんの裏切りが早まるだけだった。
いっそのこと正ちゃん殺そうかな?
いやそうしたら綱吉君達が過去から来れなくなってトゥリニセッテが集まらなくなっちゃうや。
9回目は大統領になってみたけど、暗殺されちゃったよ。
10回目はトゥリニセッテを諦めて、ボンゴレを潰すことだけを目指すとなんなく殺せた。
綱吉君を殺した時嬉しかったけど、直ぐにリセットされてドン底に落とされたみたいな気持ちに陥ったよ。
それからは回数なんて数えてないや。
ただ一つだけこのループを繰り返して分かったことがある。
それは僕が25歳で死ぬということ。
その前にわざと死んだり、自殺したりすることは出来ても26歳になることはなかった。
それからまた何十回もループした。
トゥリニセッテって何?美味しいの?ってレベルにまで興味を無くしちゃったんだけど、これからどうしようか。
一体いつになったら僕って次へ行けるのかな。
他のパラレルワールド分の不幸が僕に来たのかな。
もうやだなあ。
最近じゃ、ほかの人達の顔が黒く塗り潰されてて表情が見えなくなってるんだ。
まぁ髪型や声で識別にしてるんだけどね。
そういえばいつかの生ではユニちゃんが逃げなかった時があったんだ。
もうその時には何にも興味がなくなってたから、そんな僕の考えに気付いてたのかもしれないね。
そろそろ300いきそうなんだけどまだまだ僕が死ぬ様子はない。
いや物理的に死んでるけど、精神的には仙人のようになってる気がするよ。
ここまで生きてると、色々知ったことがあるんだ。
シモンファミリーのことや、初代ボンゴレ霧の守護者Dスペードの裏切りの真相や、透明のおしゃぶりを持つバミューダのことや、それに従う復讐者の正体や、チェッカーフェイスの正体とか。
でもどれも僕の興味をそそるものは無いし、まず僕は死にたい。
早く次へ転生したい。
この前の生では正ちゃんに顔の表情筋が死滅してるって言われたけど、いちいち笑うのも億劫になってきてる。
早く死にたい。
あー…何でもいいからもうこの姿も変化が欲しいな。
と、思ってたのが原因なのか知らないけど、今度の生はいつもと違うらしい。
まず目が覚めた時の天井が違う。
次に自分の手を見ると、いつもより小さかったし、窓から見る景色は日本の町並みだった。
自分の頭を触っても違和感は無かったけど、目線の高さが変わってた。
久しぶりの新鮮な刺激に一重の期待を乗せて、手探りで自分の寝ていた部屋を出た。
そして洗面台のある場所を見つけて、鏡を覗いた。
「え……そうきたか…」
今回の僕の顔は、あの大敵であり、僕を何度も殺してくれた沢田綱吉だった。
Emilioの白蘭が病み始めた頃に思いついたネタ。
多分続かない。