モノクロの世界   作:琲世。

1 / 26
衝撃的な出会い

アゲハ「…くそ、まだいるのかよ」

 

肩で息をしながら、目の前にいる「禁人種(タヴー)」に視線をうつす

 

倒しても倒してもどこからわいて出てくるのか一向に減る気配のない「禁人種(タヴー)」

 

アゲハ「はあ、はあ…ッはあ。」

 

鼻の奥がツーンと痛み、目の縁から涙が染み出る

頭が朦朧としはじめ足元がふらつく。

 

周りをみても、疲れたように膝に手をつくもの地面に倒れる者それぞれだがみんな疲労困憊であることは確かだった

 

???「へぇ、楽しいことやってんじゃん」

 

その時、どこからかそんな声が聞こえた

 

アゲハ「ッ?!だ、誰だ?!」

 

雨宮「みて、上!!」

 

指差す先、誰かが俺達の方に向かって飛んでくる

ドオォンと地響きがなり砂埃が舞う。そしてそこから姿を現したのは闇にも映える黒髪に端正な顔立ちをした華奢で長身な男が一人

 

???「助けてやろうか?」

 

アゲハ「…え、アンタ誰だよ」

 

なんだコイツすげえ、上から目線なんだけど

それに…、一番最初の雨宮に雰囲気が似てる

いや、もしかしたらそれよりも酷いかも…。

 

雨宮「(この人私より酷い状態?)

あの…、もしかして間違っていたらすみません。

祭先生の一番弟子の工藤新一 さんですよね…?」

 

アゲハ「え?!マジで?!あのおん…人の一番弟子?!」

 

衝撃的な言葉に俺は思わず声をあげ、俺達の目の前にいる男に視線をうつす

 

だって、え、嘘だろ…?!祭ってあの祭先生だよな?

酒が大好きで吐くまで呑んでいるあの…!!

 

???「まあ、そうだけど。でも、俺はアイツを越える。

誰かの下につくなんざまっぴらごめんなんでな」

 

アゲハ「マジかよ…。本当に祭先生の一番弟子だなんて…」

 

衝撃がでか過ぎて言葉が出てこない

 

彼は俺達の反応に気にすることもなく

周りにいる「禁人種(タヴー)」に視線をうつす

 

新一「お前等も早くここから逃げたほうがいい」

 

アゲハ「いや、でもアンタは…」

 

新一「俺がこんな雑魚に遅れを取るわけないだろ」

 

そう呟いて、新一さんは歪んだ笑みを口元に浮かべ颯爽と走り出す

 

アゲハ「ちょっ、え?!待っ…」

 

いやいやいや、流石にあの数を一人では無理だろ!

 

まるで、彼にひかれるように「禁人種(タヴー)」の数が先程より増す

 

アゲハ「ッ、くそ!俺達も加勢するぞ!」

 

新一「おい、邪魔すんなよ。

ここにいる敵全部俺の獲物だ。手え出したらぶっ殺すぞ」

 

ぶるっと身体が自然と震えた。

この人本気かよ、まじでこの数を一人で殺る気か?

 

雨宮「流石の新一さんでもこの数は、私達も…」

 

と、その時一瞬にして空気が変わった

 

いいようのない恐怖が俺達を纏う

なんだこれなんだこれなんだこれ!!

この男本当に人間か?やばすぎる…

 

新一「…聞いてなかったか?

俺は自分の楽しみを邪魔されんのが一番嫌いなんだよ。

二度は言わねぇ。邪魔したらお前らから殺す」

 

俺達は無言で何度も首を縦に振る

新一さんは満足気に笑い死神なんかが持ってそうな大きな黒い鎌を持ってバッサバッサ「禁人種(タヴー)」を斬っていく

 

新一「あっはははははははは!!!!

おいおいこんなもんかよ?弱えな!!」

 

戦いを楽しんでやがる。

子供みたいにはしゃいで闘う姿に圧倒される俺達をよそに彼は、光の玉をサッカーボールでも蹴るかのように勢い良く蹴り一気に倒していく

 

新一「弱エ弱エ弱エ!!!

どいつもこいつも弱すぎんだよ!!」

 

違う「禁人種(タヴー)」が弱いんじゃない、 この人がでたらめに強いだけだ

 

アゲハ「アイツ…、マジかよ。

あれだけの数を本当に一人で殺っちまった」

 

周りにいた「禁人種(タヴー)」の姿はもうない

全て白い灰となって辺り一面真っ白に染めている

 

新一「しばらくこっちの生活か

気をつけないと戻れなくなっちまう

でも…、白い俺と黒い俺どっちもあるから楽しいんだよ」

 

ぞっとするような笑みを口元に浮かべるその表情は鬼いや悪魔そのものだった

 

この人はこれまでにどんな経験をしてきたんだろう

それはきっと俺達には計り知れないほどの苦悩だったに違いない。

だがそれをこの人はまるで自分から望んでいるようにも見える

 

アゲハ「アンタ凄えな!めちゃくちゃ強えよ!」

 

新一「別に、これくらいやれて当然だろ?」

 

なんというかこの人の言い方いちいち鼻にかけて言うのがイラっとくるが強いのは確かだ

 

アゲハ「そ、そうだよな、当然だよな!あはは、はは…。

なあ、俺達の仲間になってくれ…ませんか!

アンタがいれば俺達も心強いし! なあ、雨宮もそう思うだろ?」

 

俺はそう同意を求めるように隣にいる雨宮に話しかける

 

雨宮「うん。私も新一さんが仲間になってくれたら嬉しいです」

 

新一さんは考えるように顎に手をやり視線を地面にそらし

そして「ふっ」と人を馬鹿にするような笑みで俺と雨宮をみて口を開く

 

新一「っはは、おいおい冗談だろ?

何で俺がお前等と一緒に行かなきゃなんねえの?弱い奴と群れる趣味ないんだよ」

 

アゲハ「ッ?! 弱い奴って俺達のことか!」

 

新一「そうだけど。何?俺、間違ったこと言った?」

 

その言葉に何も言い返せない俺達をみて彼は、冷ややかな意地の悪い微笑みを口元に浮かべてまるで煙のように俺達の前から姿を消した

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。