モノクロの世界   作:琲世。

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新一side

新一side

 

新一「ッ…クソッ、いつの間にこっち来たのか…」

 

しばし呆然としたように立ちつくしていると、荒野を徘徊していた「禁人種(タヴー)」が俺に気付き襲い掛かってくる

 

はじめから攻撃が来ることを知っていたかのように、俺は余裕で攻撃かわし「ふっ」と壊れた笑みを口元に浮かべる。

 

新一「ククッ…「禁人種(タヴー)」如きが俺に傷を付けようなんざ…100万年早えンだよッ!!!」

 

再び、攻撃をしてくる「禁人種(タヴー)」の攻撃をかわしながら逃げられないようにバンジーガムで捕らえて黒鎌でぶった斬る

 

しばらく「禁人種(タヴー)」との戦闘を楽しんでいると肩を叩かれここでようやくハッとしたように我にかえり後ろを振り向く

 

ウル「おい、新一、大丈夫か?(チッ。相当壊れてきてやがんな…)」

 

ウルが俺を心配するように顔を覗き込み「大丈夫か?」と声をかける。それに対し俺は歯切れの悪い返事をする

 

新一「あ、ああ。問題ない」

 

ウル「そうか。しかし最近こっちの世界にしょっちゅう来てるな」

 

ウルの言葉に「そうだな」とだけ返して辺りを見渡す。この景色も見慣れたもんだな。

 

最初の頃は戸惑っている部分もあったが今では戸 惑うどころかむしろ今の状況を楽しんでいる自分がいる

 

新一「そう言えば、今回はアイツ等はいねえみてぇだな」

 

ウル「アイツ等って、あの少年達か。

そうみたいだな今回はオレ達だけのようだな…。

まあ、いいじゃねえか?その方が気楽だし」

 

新一「ふっ、そうだな。アイツ等がいたら邪魔にしかならないからな」

 

アゲハ「邪魔で悪かったな!!」

 

その時、聞き覚えのありすぎる声に俺とウルは顔を見合わせ一緒に後ろを振り向きそして、何事もなかったかのように前を見る

 

アゲハ「いや、なんで無視?!」

 

ウル「おい、新一誰だあの困ったちゃんは」

 

新一「俺も知らねえな、会ったことあるっけ?」

 

後ろにいる彼を二人でチラチラと見ながらコソコソ話しをする

 

アゲハ「いや、全部聞こえてるから?!

って、アンタ等俺に対して酷くない!!」

 

とりあえずうるさかったので一発殴っといた

 

新一「それで、お前等なんでここに来た?今すぐ帰れ。お前等なら、こんなとこすぐにでも帰れるだろ?」

 

アゲハ「俺達は、新一さん達を助けに来ました。帰る気はありません」

 

頭に大きなたんこぶを作るアゲハがなんかかっこいい言葉を言うが見た目が残念なことになってるから全くかっこ良くもなんともない。

新一「助け?てめえ等如きが俺達を助けるだと?ぷっはは、おい聞いたかよウル!コイツ等マジで頭イカれてやがるぜ、くくくっ」

 

雨宮・アゲハ・カブト(((イカれてるのはアンタ(新一さん)の方だとは言えない)))

 

ウル「くくっ、そりゃ面白い。でも、オレ達に助けなんて必要ねえんだよ」

 

雨宮「わかってます。私達はお二人の邪魔にならないように戦います」

 

新一「…いらねぇよ。てめえ等の助けなんて」

 

アゲハ「いらねぇってことはねえだろ!」

 

新一「余計なお世話なんだよ」

 

その後も何かと、隣でギャーギャー騒ぐバカを放っておいてウルに話しかける

 

新一「…さて、と。

ウルお前快斗と最後にあったのはいつだ?」

 

ウル「オレがこっちに飛ばされる直前まで」

 

飛ばされる直前てことは、ずっと一緒にいたってことか。

もし、もしも快斗がこの世界に来ているとしたら…

 

新一「アイツが危ない」

 

携帯を乱暴にポケットにいれ走り出す

 

アゲハ「ちょっ、え?!アイツって誰?!」

 

ウル「まさかあのマジック少年が…」

 

ウルも俺の後ろを追うように走りついてくる

 

アゲハ「いや、だからそのマジック少年って誰よ?!」

 

雨宮「誰かわからないけど、新一さんのあの様子じゃよっぽどの人よ。私達も行きましょ!!」

 

カブト「そうだね、リトルバニー!!

安心して、リトルバニーのことは俺の命にかえても守ってあげるからさ!!」

 

雨宮「…あなたの命にそれだけの価値があるんですか?」

 

アゲハ「おい、二人とも早く追わねぇと見失うぞ!!」

 

ウルと並ぶように荒野を走っていると、50m先にある木造建築にわらわらと集まる「禁人種(ダヴー)」を見つける

 

ウル「いかにもって感じだな」

 

新一「ああ、一気に片付けるぞ!」

 

「禁人種(ダヴー)」も俺達を見つけ一斉に襲い掛かってくる

 

ウル「───穿て 銀陰」

 

ウルがそう唱えたと同時に空から雪が舞い氷の結晶が床に落ちた瞬間眩い光に包まれる、そこから浮かび上がるように氷と電撃を纏った花の刃を召喚し構える。

 

新一「───水天逆巻け 捩花」

 

ふわっと自ら風を起こすように髪や服が舞い上がる。鞘から出した刀は三叉の槍(矛)に変化し、同時に多量の水を発生させる。

 

新一「いくぞ、ウル」

 

ウル「おう、相棒」

 

ウルと背中合わせになるように迎え撃ち、片手首で軸を回転させるように巻き上げた水の波濤と槍で「禁人種(タヴー)」を一網打尽する。

 

新一「ウル、お前は外で待っててくれ。

お前までき たら厄介なことになるからな」

 

ウル「そうだな。オレは外で少年達を待ってよう」

 

ドアをダンッ!!と勢い良く蹴り中に入る

 

新一「おい、快斗いるか?」

 

声に出した言葉はシーンと静まり返った部屋に消える。ここじゃなかったのか?一抹の不安が胸をよぎる。室内を歩き回り探すが結局見つかることはなかった。帰ろうとしたその時、薄汚れた窓のそばに光るものを見つけ手にとる。

 

新一「これは…」

 

ウル「新一、マジック少年はいたか?」

 

なかなか出てこない俺を心配したのか

ウルがそっと扉を開け俺に声をかける

 

新一「いや、快斗はいなかった」

 

ウル「そうか。じゃあ他の場所を探すしかないな

新一、その手に持ってるものはなんだ?」

 

新一「ああ、これか?そこで拾ったものはなんだが…トランプみたいだな」

 

ウル「トランプ?新一、ちょっとそれいいか?」

 

神妙な面持ちをするウルにトランプを手渡す、ウルはジッとスペードのAの書かれたトランプをみてボソッとひとり言のように呟く

 

ウル「ロイヤルストレートフラッシュ」

 

新一「は?」

 

ロイヤルストレートフラッシュって、ポーカーの話か?

 

ウル「あ、いや。新一達が遊んでるときオレもマジック少年とポーカーをしてたんだ。

 

それで、このカードはオレが最後にマジック少年と勝負して勝った一枚だ。スペードの10、J、Q、K、Aのロイヤルストレートフラッシュでな」

 

なるほど、快斗とはトランプで遊んでいたのか

まあ、でもウルの場合普通のポーカーじゃないだろうけど

 

新一「なるほど、な。

それがあるってことはここにいたのは確かだな」

 

ウルと共に部屋を出ると、やっと俺達に追いついたであろう彼等が腰に手をあてぜえぜえと苦しそうに息をする

 

アゲハ「はあ、はあ、っはあ…アンタ等早すぎ!

やっと追いついたし…はあ、っ…疲れたぁ。

ってあれ?二人しかいないってことは見つからなかったのか?」

 

アゲハの言葉に耳を傾けながらも俺の視線はその後ろへと流れる。

 

アゲハ「いや、だから無視は酷くね?!俺の話聞いてる?!」

 

新一「ああ、聞いてるよ 。

でも、どうやら今は悠長に話している暇はなさそうだぜ」

 

俺の満面笑みを見て察したのかカクカクと変な動きをしながら後ろを振り向く。

 

アゲハ「マジ、かよ…嘘だろ?!

なんで、あんなに「禁人種(タヴー)」がいんだよ?!」

 

目の前には、何十、何百と何処から沸いて出て来たのか種類も様々だが、中には人型の「禁人種(タヴー)」までいる。

 

アゲハ「これじゃまるであの時と一緒じゃないか…」

 

ウル「おい、ボサッとしてんな少年!余所見をしてたら、死ぬぞ」

 

アゲハ「ッわかってるよ!言われなくても!ってあれ?新一さんは…?」

 

ウル「チッ、マズイな…。理性が飛びかけてやがる。

 

おい、少年それとお嬢ちゃん達、新一の巻き添えを食らいたくなければ下手に近付くな。死ぬぞ」

 

アゲハ「理性が飛びかかってるってあの時みたいに?!」

 

誰よりも早く敵陣に突っ込み狂ったように笑いながら黒鎌で「禁人種(タヴー)」を瞬殺する

 

新一「あッははハハはははは!!!死ね死ね死ねエッ!!」

 

─────おい、新一、落ち着け!

 

新一「お前等全員弱すぎンだよッ!!

弱い奴に興味はねエ。強い奴だけこい!もっと俺を楽しませろ!!」

 

─────クソッ、俺の声が全く聞こえてねえ

 

新一sideend

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