モノクロの世界   作:琲世。

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快斗side

快斗side

 

扉が壊れる音がした。

俺は咄嗟に近くにある机の下に身を隠す

 

???「@★*#?♪$?☆」

 

マジかよマジかよマジかよ!!入ってきやがったあのバケモノ共!!俺は息を殺すように気配を消しバケモノの視界に入らないように忍び足で二階に上がる階段をのぼる

 

快斗「ここにいても、どのみちアイツ等にみつかる」

 

バケモノがいる方とは反対側の錆びついた窓をこじ開け、身を乗り出し外を見る。何体かはいるけどこれくらいなら撒ける。

 

大丈夫。俺は怪盗キッド様だぞ?今更何をビビる必要がある?ないだろ?いつもの高さに比べりゃこんなもん余裕だ。ふっと短く息をはきバンジージャンプをするように窓から華麗にジャンプし地面に着地する。そして、バケモノ共に見つかる前に猛ダッシュで遠くに見える東京タワーを目印に走る

 

快斗「はあ、はあ、ッはあ…くそ、新一どこにいんだよ!」

 

新一を探しながら走るがまず、俺以外の人がいない

いるものとすれば、さっきもいたバケモノが荒野を徘徊しているだけ。

 

なんで誰もいねえんだよ!!マジでここはどこなんだよ!イライラを募らせ舌打ちと悪態ばかりをつく。

 

???「$?☆*#?♪@★」

 

快斗「ッ?! マジかよ!!」

 

あー、クソッ!!最悪だバカ野郎!!さっきとはまた違うバケモノが俺を見つけ襲いかかってくる。それから逃げるようにひたすら走って走って走りまくる

 

快斗「はっ、はあ…ッはあ、はあ。

も、無理ッ…、足が…動かねえ。」

 

足が棒のようになる、その表現がぴったりなほど一歩も歩けないほどに足に激痛を伴う。長距離を走ったあとの倦怠感が一気に襲う。喉がカラカラと乾いてむせ返る。息をするだけで脇腹が痛み鼻の奥がツンと痛み目の端に涙が浮かぶ その時ただならぬ気配を感じ後ろを振り向く

 

快斗「マジかよ…は、ははっ、もう、笑うしかねえや」

 

目の前には先程いたバケモノと見たこともないバケモノ共が俺に向かって一斉に襲いかかってくる。

 

快斗「ッ?!」

 

俺は思わず目をぎゅっと瞑り海老のように身体を縮めこむ

 

でも、いくらまってもその衝撃はこない。瞑っていた目を恐る恐る開くと目の前には新一がいた。

 

新一「アッハハハハハハハハ!!もっとだもっと!!もっとコイ!!楽しい楽しいッ時間はこれからだろおおおお!!くっふはははははッ!!!」

 

快斗「え?え?え?ちょっと待って、え?

し、新一だよな?新一なんだよな!おまっ、なんでここにっ…てか、お前やっぱ新一じゃねえだろ!!」

 

俺を助けるどころか新一は狂ったような笑い声をあげながら周りにいるバケモノ狩りに夢中になっていて俺の声など聞こえていない。

 

そして、周りにいるバケモノを全て倒し終え、少ししたあとハッとしたように動きがピタリと止まる。

 

新一「……あれ、快斗お前いつからいたの?

影薄すぎて気付かなかったわ、ごめん」

 

快斗「お前な…!!大体、新一お前のせいで俺はこんな意味不明な場所に連れて来 られたんだぞ?!

それにさっきのバケモノはなんだよ!例えあれがマジックだとしても、していいことと悪いことがあるだろ!!

 

つーか、言わせてもらうけどお前俺を助けに来てくれたんじゃねえの?!俺を無視して何楽しそうにしてんだよ!バカなの?!お前ほんとバカなの!マジであの時は死ぬかと思ったんだからな!とりあえず、一発殴らせろ!バカ!」

 

はあはあはあ、と息を切らし一気に捲し立てる

…言っちまった。いや、でも今回はこれくらい言わないと気がすまない!新一はそんな俺をみてクスクスと笑う。それはもう楽しそうに

 

快斗「お前な、何笑ってんだ!わかってんのかどれだけ俺が「わかってるよ」じゃ、じゃあなんで笑ってんだよ!」

 

わかってるよ、と言って新一は俺に柔らかい笑みを浮かべる

 

新一「いや、別にお前のことだからちびるほどビビってんのかと思ったけど案外元気だったからよ

 

悪かった、お前を巻き込むつもりはなかった。

俺を殴りたきゃ殴ればいい。それでお前の気が晴れるなら。…ただし、条件反射でお前を殴っても怒るなよ?」

 

さっきまでの柔らかな笑みはどこへやら、一瞬にして黒い笑みをする新一。

 

嘘だろ?!コイツどこまで強気なの?!いや、なんで俺が殴られなきゃいけないわけ?!意味がわからないんだけど?!

 

快斗「いや、怒るだろ普通?!なんで俺まで殴られなきゃいけねえんだよ!はあ、もういいよ…。新一を殴るほうが俺の命を縮めかねないからな。」

 

新一「くくっ、そうだなそれがいい」

 

快斗「……それにしても、新一さっきから思ってんだけどコイツ等誰?」

 

新一の後ろにいる、彼等を指差し問う。

なんの無関係もないってことは流石にないはずだ。それに、さっきの新一といコイツは間違いなく俺に隠し事をしてる

 

アゲハ「え?!あ、えーと俺達は…」

 

バンダナを付けていない方の少年が俺に何か言おうとするが口ごもる

快斗「まさか…新一、お前…。俺以外に友達がいたのか?!」

 

そうなのか?!そうなんだろ!と新一に問いただす俺に何故か周りが「ぷぷっ」と笑う。おや?この反応は違うってことか?友達じゃないってことは、新一のことだから下僕とかか?…いや、まさかな。ないない流石の新一でもそんなな?

 

新一「ふっ、まさか。カブト以外俺は知らん。他人同然だ」

 

んん?今聞き捨てならない言葉をきいたような

 

アゲハ「いやいやいや!他人同然って?!」

 

快斗「ええ?!嘘だろ?!俺も他人同然なのかよ?!お前いくらなんでもそりゃないだろ!!!」

 

コイツ等が誰か知らないが俺まで他人同然とされれば聞き捨てならんぞ新一!ふざけんなよ、お前のせいでどけだけ俺が苦労したことか!!

 

新一「………」

 

聞こえてませーん、とでも言うような態度で無視をきめこむ新一に俺と彼は顔を真っ赤にし激怒する

 

快斗・アゲハ「「無視するな!!!」」

 

俺は思わず隣にいる少年と視線を合わせる

コイツも新一に苦労している一人か…!!

 

無言で視線を合わせガシっと強く手を握る

 

快斗「お前も新一に相当苦労してるんだな」

 

アゲハ「アンタも新一さんに相当振り回されてるんだな」

 

新一「おい、誰が誰に苦労して振り回されてるって?」

 

……おっと、俺達の真後ろに死神がいるよ。いや、悪魔だ。悪魔がいる

 

アゲハ「あは、は…じょ、冗談じゃないっすか~。新一さん」

 

快斗「そ、そうだよ~新一!!今のはほんの冗談だって!!もう、お前ってほんと冗談通じないよな~!! あはは、はは…」

 

アゲハ・快斗「「すみませんでしたー!!!」」

 

二人して地面にズザザァと跪き土下座をする

こういう時は下手にいい訳するより謝るにつきる!

地面に頭を擦り付けるように謝れば、笑い声が聞こえ顔を上げる

 

新一「くっふふ、はは、あはははッ!!

お前等ほんと騙されやすいよな、くくっ」

 

まさか…まさか今のは冗談だったのか?!

おまっ、お前こそそんな怖い顔で冗談なんか言ったら通じるものも通じねえだろうが!!

 

新一「さあ、楽しいマジックショーもお終いだ」

 

 

快斗sideend

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