快斗side
新一がパチンと指を鳴らすと、ビュウウと音をたて強い風がふいた。そして気付いた時には新一の部屋にいた
快斗「ここは…、戻ってきたのか?」
ポツリと呟いた言葉は静かな部屋に響く。
そう言えばあの少年達はどこにいった?!机の上にはあの時したポーカーの手札が散乱している
ウル「よお、いい夢は見れたか?」
快斗「あれのどこがいい夢なんだよ!!」
ウル「くくっ、そりゃそうだ」
沈黙が二人の間に流れる、最初にその沈黙を破ったのは俺だった
快斗「…なあ、一体お前は誰なんだ?新一じゃないんだろう。」
ウル「はあ、またその話か。お前も懲りないねえ」
もうその話は聞き飽きたとでも言いたげに大袈裟にため息をついて、テーブルの上にあるトランプを片付け始める。あー。そうかい、あくまで俺の話を聞かないってスタンスか。それとも、俺に何か隠し事があるからこれ以上関わるなって事か?
快斗「…わかった。じゃあ、質問を変える。
俺がさっきまでいたあの場所は…、夢でも幻でもましてやお前のマジックでもないだろ?」
探りを入れるような目でジッと新一を見れば、ふいっと視線を外される。
快斗「今、視線を外したってことは俺に隠し事をしてるってことでいいんだな、新一」
ウル「……ほんとは、こんなこと言いたくなかったんだけどそんなに聞きたいなら教えてやるよ」
新一は近くにあるソファーに深く腰掛けふう、と大きく息をはく。俺はゴクンと生唾をのみ畏まったように姿勢を正して膝の上で拳を強く握る
ウル「実は、な。」
快斗「ゴクン」
ウル「俺は…ッああ、やっぱりダメだ俺には言えない!!」
真っ赤に染まる顔を、女の子が照れた時にする特有の両手で顔を隠し首を左右に振る仕草をしチラチラと指の隙間から俺を見る
快斗「なんだよ、言ってみろよ!」
ウル「怒らない?」
快斗「ああ、怒らない」
ウル「絶対?」
快斗「絶対」
…いや、ちょっと待て。何だこのカップルみたいな会話わ!男同士で気持ち悪いわ!さっきからモジモジと人差し指と人差し指をぐるぐるしながら俺をチラチラ見てはぼそぼそ呟く新一に痺れを切らしバンッ!と机を叩き立ち上がる
思ったより机を強く叩きすぎたせいか手のひらがジンジンと痺れたように痛む
快斗「どうでもいいから早く言えよ?!お前は告白する前の女子か!」
ウル「女子って、ぷはっ!!なんだよその例え!
お前って、ほんと面白いよな!!ははは、やべぇ腹いてえ」
え、なになに?今のどこにそんな笑いのツボが!
あ、でも新一ってみんなが笑うような場所では笑わずその逆でこれの何が面白いんだってとこで笑ったり、笑いのツボがおかしい奴だった
ほんとにおかしそうに腹を抱え笑う新一に引いた目で見てると何事もなかったかのようにスッと笑い声を引っ込めて無表情となる
ウル「まあ、座れよ快斗
お茶でも飲みながら喋ろうぜ」
快斗「はあ?お前な俺は「まあまあまあ、いいからいいから」もう、わかったよ座るよ」
何なんだよこいつ、話すのか話さないのかどっちだよ!まさか、新一の奴こうして話を紛らわそうとする魂胆か?そうはさせねえぞ!今日は何がなんでも聞き出してやる!
ウル「お茶、珈琲、紅茶もしくはココアさあ、何を飲む?」
快斗「あ、じゃあココアで」
ウル「ぷっ、おこちゃまかよ」
言ったな!今世の中のココア好きを敵に回したからな!ココアはな美味いんだぞ!甘くて特にマシュマロなんかのせたら最高なんだからなっ!!
快斗「うるせー!おこちゃまで悪かったな!」
ウル「くくっ、まあそんなカリカリすんなって」
誰のせいでこんなカリカリしてると思ってんだ!
って新一に言ったて流されるだけだから言うだけ無駄か
ウル「さて、快斗はココアな?
作ってくるから、ちょっと待ってろ」
それから5分後。
新一がお盆にのせてマグカップを2つ持ってくる。
あ、イイ香り。ココアの甘い匂いだ。
トンっとテーブルにココアの入ったマグカップを置く。小さなマシュマロが2、3個入ったココアをふうふうと冷ますように息を吹きかけゆっくりと飲む。熱いものが身体の中に流れ込んでいるのがわかるくらいに身体がぽかぽかと暖まる
室内にココアのほろ苦く甘ったるい香りが充満する。
ウル「うん、美味い」
新一は自分の淹れた珈琲を一口飲んで満足そうに微笑みふう、と一つ息を吐く
快斗「新一さっきの続きだけど「マジック」は?」
今なんて言った?マジックって言ったのか?
俺の言葉に被さるようにして言った新一の言葉に「?」を浮かべると持っていたマグカップをテーブルに置いてスクっと立ち上がる
ウル「続きだよ、マジックの。
お前が俺のマジックの種明かしを出来たら聞きたいこと全てに答えてやる。
ただし、もし出 来なければくだらない質問はするな
さあ、どうする?やるか、やらないか」
快斗「やる」
ウル「くくっ、即答だな」
当たり前だ、俺は新一お前に山ほど聞きたいことがある。どんなにそれがくだらない質問と言われようとな
ウル「んじゃ、早速いくぜ」
新一がパチンと指を鳴らすとテーブルやテーブルに置かれたトランプや珈琲、ココアなんかが宙に紐に吊られたようにぷかぷかと浮く。そして続け様に俺の座っているソファーが俺を乗せたまま宙に浮く
快斗「は?え、ちょっ?!なになになに?!めっちゃ浮いてんだけどこれなに?!」
ウル「なにって、マジックだろ?」
いやいやいや、マジックなのこれ?!完璧浮いてたんだけど今!いや、何か種があるはず!どっかにこっそり紐を吊るしてるとか…え、ない。何処にもそれらしきものがない!じゃ、じゃあアレだアレ。だから、ほら…
ウル「くくくっ、わからないって面だな?マジックしょう…」
「え?」「あ。」
え、今俺の事なんて言いかけた?マジック少年って言いかけたよな。しかも今小さい声だったけど「あ」って一瞬だったけど焦ったように「しまった」とでも言うような顔してたよな?
快斗sideend