モノクロの世界   作:琲世。

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アゲハside

アゲハside

 

俺達は戦闘の邪魔にならないように端っこのほうに身を寄せ新一さん達の戦いを見守る

 

カブト「リトルバニー達は大丈夫だろうか」

 

雨宮のことを特徴的な呼び方でするカブトに俺は「さあ、どうだろな」とありきたりな言葉しか言えず震える拳を強く握った

 

そんな俺の姿を横目でみて「しゃきっとしろ」とでも言うようにカブトがバシッと俺の背中を強く叩く

 

アゲハ「痛っ!おまっ、何すんだよ!!」

 

カブト「お前が信じてやらないで誰が信じるんだよ」

 

まさか、コイツにこんなこと言われるとは俺はどうかしていたのかもしれない。俺も同じようにカブトの背中をカブト以上の力で叩く

 

カブト「あいっだ!」

 

横にいるカブトに睨まれるが俺は「知りませーん」とでも言うようにそっぽを向けば肘で横腹を小突かれる

 

アゲハ「いっ!!ッてめえ…!!」

 

なっ、コイツ絶対さっきの仕返しだろ!隣にいるカブトをキッと睨むがそんなカブトは俺を見て「え?なんのこと?僕何もしてないよ」と言うように肩を上げる

 

ダメだ、こんな奴相手しててもきりがない

と言うか今はそんなことしてる場合じゃなかった

 

アゲハ「なあ、なんか見えるか?」

 

カブト 「あー…ちょい待ち」

 

集中するように彼等を視線にいれ手で望遠鏡を作るようにしてジッと彼等をみる

 

カブト「リトルバニーがどうやら何かするみたいだ」

 

アゲハ「何かってなんだよ」

 

カブト「……しっ。始まる」

 

いや、だから何がだよ!っとツッコミをいれるまえに戦況はガラリと変わった

 

雨宮「その全心で味わってください

M・J:“凶気の鎌”(マインド・ジャック:インサニティサイズ)」

 

あれは、雨宮のトランスのPSIで形成された巨大な凶気の鎌か?でも確かあれは直接攻撃できないんじゃ?あ、いやそうか破壊させることで相手に幻覚を見せる能力を持つから新一さんに幻覚を見せる気か?

 

でも、幻覚を見せるためには

相手の至近距離で爆発させる必要があるんだよな

 

……雨宮、頑張れ。俺は応援することしかできねぇけど

 

カブト「おい、これは、彼女と新一さんの戦いだ。

俺達はただ黙って見てるしかねぇんだよ」

 

アゲハ「ああ、わかってるさ」

 

わかってるけど、いざとなったらその時は俺が…

 

カブト「わかってねえから言ってんだよ」

 

アゲハ「はあ?!わかってるつーの!」

 

カブト「助けに行くつもりだろ。

いざとなれば、その時はお前だけじゃない俺も彼女を助けに行く」

 

あらやだかっこいい、って何コイツ

 

アゲハ「お前、それただ単に雨宮に惚れられたいからだろ!」

 

カブト「当たり前だろ!それ以外になんの理由がある!ピンチの時にヒーローが助けに来てくれたらこう思うはずだ「カブトくん、かっこいい」って!!」

 

そうだよな…

コイツ金と女の子が大好きな奴だったよな。それ以外にはなんの興味もないしなんて単純な奴なんだ!でも、まあ信用できる人物であるのは確かだけど

 

カブト「お前俺の話聞いてる?」

 

アゲハ「え、まだ話してたの?ごめーん半分も聞いてねぇわ」

 

カブト「(#^ω^)イラッ。おいこら「しっ、静かに戦いの最中だろ」てめえ、いつか絶対ぶっ飛ばす」

 

カブトの話を聞き流しながら

目の前で行われてる戦闘に視線をうつす

 

雨宮「では、いきますっ!!」

 

何の迷いもなく新一さんに向かって特攻を仕掛ける雨宮を彼は余裕の笑みで迎え撃つ。鎌と鎌がぶつかりいとも簡単に雨宮の鎌は破壊される

 

アゲハ「掛かったな」

 

俺がそう呟いたと同時に新一さんも

何かに気付いたのか焦ったような表情をする

 

新一「まさかっ?!」

 

新一さんの周りで爆発を起こす、それから逃れるように空中に行くがそ こにも同様に破壊された鎌の粒子がばら撒かれており爆発する

 

新一「チッ、全部は避けきれなかったか」

 

爆発によって起こった砂埃から彼の姿がみえるが、すぐにその様子が急変する。

 

新一「チッ、くそ。戦いの邪魔してんじゃねえよ」

 

アゲハ「あれは…」

 

カブト「幻覚だな」

 

言おうとしていた言葉を言われムッとしたように隣を見れば口笛を吹いてそっぽを向く。いかんいかん俺とコイツがここで争っても意味ない

 

自分を落ち着かせるように深呼吸をして前を見る

彼はひたすら周りにいる“何か”を黒い鎌を振り回すようにきってハッと我に返ったように周りをキョロキョロしだす

 

アゲハ「マジかよ」

 

新一「…幻覚に惑わされるな、敵は」

 

呟いた言葉は彼等の刀と刀が交わる音によって

かき消される。

 

あれが勘で動いてるのかそれともすでに幻覚は消えているのか定かではないがもし勘で動いてるとしたら大したものだ

 

雨宮「流石、新一さんですね

でも、戦いはこれからですよっ!!」

 

目をキラキラと光らせ真っ黒い笑みを浮かべる彼に雨宮も嬉しそうに顔をほこらばせる

 

新一「チッ、鬱陶しい!!」

 

最後の「しい」を言い終える前に鎌を破壊し周りにばら撒かれたそれを俺を拘束した時に使用したゴムのように伸縮しガムのようにくっつくそれで粒子を掴まえ雨宮に向かって投げつける

 

新一「夢でも見てろ」

 

アゲハ「雨宮?!」

 

雨宮「ッ?!」

 

だが、雨宮になんの変化もなく逆に変化があったのは新一さんの方だった。

 

いきなり狂ったように笑いだしたかと思うとピタリと止み虚ろな目で雨宮を見て襲いかかる

 

が、雨宮はそれは最初からわかっていたかのように

寸前でさけ新一さんの様子を見守る

 

新一さんは俺達には見えていない“何か”をまるで首を絞めるように力を入れ、そしてふと我に返ったように立ち上がりわなわなと身体を震わせる

 

新一「ヤバいな…

ちょっと理性が飛びかけてた…」

 

アゲハ「理性が飛びかけてたってアンタ一体何してんの?!」

 

雨宮「クスクス、いい夢は見れましたか?」

 

そこで、新一さんはやっと今まで見ていたものが幻覚だったのだとしる。

 

あの人が一体どんな幻覚を見ていたのか気になるが

きっと恐ろしい物を見ていたに違いない

 

新一「まさか…幻覚を見てたのか」

 

雨宮「そうです。今ま での全て幻覚です」

 

ニコッと笑う雨宮の声は表情とは裏腹にひどく無機質な声でそれに対し新一さんも

 

新一「くっふふ、あはははハハははははハハハハ!!!」

 

それはもう愉快そうに腹を抱え笑いそして、ゆっくり深呼吸をし武器を構える。あまりの出来事に俺もカブトも無言でただただ雨宮たちの戦いを呆然と眺めていることしか出来なかった

 

新一「ククッ、ああ…ありがとな

いい夢が見れてよかったぜ」

 

いい夢ってそれ絶対嫌味だろうな…。なんて二人して思ったがあえて言葉にすることなく静かに戦況を見守る

 

新一「さあ、続きをしようや」

 

雨宮「…はい、全力で行かせてもらいます」

 

カブト「これからが本番ってとこだな」

 

アゲハ「ああ、そうみたいだな」

 

カブトと言葉を交わし、瞬きをしたその一瞬で雨宮の鎌と新一さんの鎌が交差する。あまりの衝撃に立って雨宮を応援していた俺達は吹き飛ばされるように尻もちをつく。

 

ピリピリとさす肌をさすような空気と床に目を向ければ衝撃でヒビが入っている

 

アゲハ「おいおい、マジかよ…

あまりの速さについてけねえよ」

 

カブト「…俺もギリついていけてる感じだけどありゃすげぇな」

 

あまりの速さに二人が交差 するたび火花が散り地面が震える

 

雨宮「腕一本もーらった」

 

一瞬の隙を狙って雨宮が、新一さんの腕に絡みつくようにしがみつき骨を身体全身を使って砕く

 

雨宮「え、なんで…」

 

新一「ククッ、お前等みたいなやわな身体じゃねぇんだよ!!」

 

だが、砕いたはず新一さんの腕は全くの無傷で逆に雨宮の腕が傷だらけだった

 

新一「もうそんな腕じゃ使いもんになんねぇだろうなぁー。さぁ、次はどこを狩りとろうか…?」

 

雨宮「腕の一本や二本失くなっても構いません

あなたに勝てるのなら。それに…余所見は厳禁ですよっ!!」

 

雨宮は再び新一さんに向け特攻を仕掛ける

だが…、二度も同じ手に乗るはずもなく呆気無く鎌を奪われさらに腹部に強烈な回し蹴りをくらい絶体絶命かに思えたが寸前で足を掴みあろうことか

 

雨宮「ふふ、つーかまえたッ!!」

 

新一「うおっ、マジかよ!!」

 

壁に向かって陸上なんかでみる

円盤投げのようにギュンとぶん投げる

 

雨宮「心鬼紅骨―しんきべにぼね―」

 

アゲハ「あれは、妖刀、心鬼紅骨か!」

 

カブト「みたいだな。何度見ても目を奪われる程の美しさだよな」

 

カブトとそんな話をしている間にも戦いは進む

 

カブト「リトルバニーが優勢だ な…、今のとこ」

 

新一さんは防戦一方と言うように

雨宮の攻撃を防ぐことだけに一生懸命でなかなか攻撃に動けないでいた

 

アゲハ「でも、新一さんならきっと…」

 

このままで終わるはずがない。

彼は俺の今持ってる力全て出し切っても勝てなかった。それどころか傷一つ付けれなかった相手そんな彼がずっとこのままなわけない…

 

新一「ちょこまかと、うぜぇんだよ!!」

 

動いた!やっぱりそうだ、新一さんはわかっていたんだ!次にどんな攻撃が来るのかをその為にも攻撃をうけ待っていたんだその一瞬を

 

雨宮「キャッ!! …ッ、」

 

床に叩きつけられるように落下していく

雨宮の後を追うようになんの感情もこもってない目で見下し首に鎌をかける

 

新一「下手に動かねえほうがいいぜ

動けばアンタの首が、とぶぜ…ククッ」

 

悪魔のような笑みで言う新一さんに

諦めたように口を開く

 

雨宮「…私の、負けです」

 

口から出た言葉は震えていてそれだけで

彼女の悔しさが伝わってきた

 

アゲハ「雨宮…」

 

カブト「結果、勝負には負けたが良い経験もできたんじゃないか?

さぁて…リトルバニーのところに行って俺が慰めてあげよう!!」

 

アゲハ「あ、お前ズルいぞ!!」

 

カブトと競うように走って雨宮達のもとに来る途中異変を感じる。

 

カブト「はにゃ?新一さんの様子が変だぞ」

 

カブトの言葉に新一さんをみると

血相を変えたように周りをキョロキョロと見渡し俺達を見て

 

新一「サイレンせ…」

 

雨宮「え、新一さん?! …消えた」

 

そう、何かを言いかけてスッと姿を消した。いや、今のは消したではなく消えたんだ。

 

最初の雨宮が俺の前から姿を消したあの時のように…

 

カブト「「サイレンせ」って

サイレン世界の事を言いたかったのか?」

 

アゲハ「もし、そうだとしたら俺達も行かなきゃ」

 

カブト「は?ちょっと待てよ。俺達が行っても邪魔するだけだぞ」

 

雨宮「それでも、新一さんを

放っておくなんて危険。でしょ?」

 

いつの間に俺達の話を聞いていたのかカブトの話に割って入って言う雨宮にさっきまでの態度はどこへやらカブトはキリッとした表情で

 

カブト「当たり前だぜ、リトルバニー!

助けに行こう、さあ行こう!!」

 

雨宮「………」

 

雨宮のカブトをみるそれは

道端に落ちてるゴミを見るような目だった

 

アゲハsideend

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