快斗side
新一と俺との間には重苦しい空気が流れていた
どちらからとも声を発することなく静かに時間だけが過ぎていく
最初に声を発したのは新一だった
ウル「その話はさっきしたはずだ。それ以上何を話す必要がある?」
これ以上俺に関わるな、まるでお前は俺にそう言ってるように聞こえるな…。
快斗「ああ、確かにさっき話し終わったさ。でもお前のさっきの態度を見ても普段の新一じゃそこまで取り乱すことはそうないんだよ」
新一、お前は何にそんな怯えてるんだ?
ウル「…俺でも取り乱すことはあるさ」
快斗「じゃあ、その理由くらい答えれるだろ?
それを答えれないってことはお前何か隠してるだろ?」
俺は至って冷静に新一に問いただす。
ウル「(チッ、くそこういう時に勘の鋭い野郎は困るんだ…)
それは、シャーロック・ホームズが…」
快斗「シャーロック・ホームズ?」
シャーロック・ホームズがなんだ?
意味がわからないぞと言うか理由になっていないが…
ウル「シャーロック・ホームズの特番があったんだ…快斗も知ってるだろ?俺が彼の大ファンであることはそのシャーロック・ホームズの特番を録画し忘れててさ」
快斗「……でもそんなのあったけ?」
ウル「(無いに決まってんだろ!嘘なんだから!)
ああ、お前にマジック見せにいったろ?その時あってたのに俺としたことが…」
ショックを受けたように項垂れる新一
そういえば昔もそんなことがあったけと思い出すコイツしっかししてるようでどこか抜けてるんだよな…
快斗「お前ってそういうとこあるよな!
なんだ、そうだったのか。それならそうと言えよ!
二度も疑っちゃったじゃねぇか!」
ウル「(苦し紛れのいい訳だったがなんとか大丈夫だったか)
いや、お前に言う程でもないかと思ってな」
まあ、確かに言う程でもないけどいつも冷静沈着なお前があれだけ取り乱したら誰だって心配するだろ
快斗「はぁ…、心配して損した。もうこんな時間か!
じゃあ新一、俺はそろそろ帰る…ってあれ?新一?」
後ろを振り向くとさっきまでいたはずの新一の姿が消えていた。
快斗「おーい、新一!」
口に出した声は静寂にかきけされる
アイツどこに行ったんだ…?まさか今朝のマジックの続きか!だとしてもいきなりすぎだろ!普通心の準備ってものが必要だろ!
快斗「ったく、サプライズマジックか?」と、その時室内にいるというのにビュウウと強い風が吹いた。目も開けてられないほどの強風にギュッと目を瞑る
快斗「……止んだか?」
恐る恐る瞑っていた目を開くと…、そこは全くの別世界にいた
快斗「…は?えっ!なんだよ、ここ…」
ポツリと呟いた言葉は風に消されるあれは…東京タワーか?よく周りを見れば見慣れた景色がある
でもどれもこれも朽ち果てたようになっていてまるで映画でも見ているかのようなそんな非現実的な光景があった
快斗「そ、そうだ新一!
新一を捜さないとアイツどこに行ったんだよ…!
俺をこんなとこに連れて来やがって!会ったら一発殴ってやる!」
つーか、これどんなマジックをしてんだ?妙にリアルだけど…。
快斗「おーい、新一!!
どこにいるんだよー!おーいってばー!」
ん?なんだあれ?
遠くに人影のようなものを見つけ
俺はその人影に向かって走るしかし、その人影に近付くに連れその影に違和感を感じる。待てよ、人だと思って近付いたけどもしこれが人じゃないとしたら…
???「@#?$☆♪*」
快斗「ゲッ、やべえ…!!」
視線と視線がぶつかりその瞬間
俺はすぐさま方向転換をし全速力で走る。
やばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいヤバいヤバイッて!!
チラっと後ろを振り向けば人型の“何か”が迫ってくる。慌てて前を向きキョロキョロと周りに身を隠せるような場所を探す
…見つけた!20mくらい先に古びた木造建築が見え急いでそこまで走ると扉を蹴破るように中に入り扉を近くにあるテーブルなんかで押さえ薄汚れた窓から外の様子を見る
おいおいおい、あれは一体何なんだよ!!
体型や外見は人に近いものの、全体で見れば人とは全く異なっている。 爬虫類のような身体に頭蓋骨のような仮面、黒マントを着用し、禍々しい形状をした大剣を持っている。 しかも、さっきは一体しかいなかったはずなのになんか人数まで増えてるし!
ちょっとこれはマジでやべえって!
恐怖で震える身体を抱きしめるように小さく体操座りをして、自分を落ち着かせるように強く抱きしめる
快斗「こんな姿新一に見られたら一生笑い者にされそうだ」
なんかそう思うと腹立ってきたな。
思えばいつもアイツのせいで俺まで巻き添え食らってるよなそれで毎回俺がフォローしてさ。
うわ、思い出せば思い出すほど腹立たしいな。
快斗「こんなとこで、
くたばってたまるかってんだよ!」
もう怒ったぞ!
今すぐ新一探して一発と言わず何発かぶん殴ってやる!扉の前にあるテーブルを退けて扉を開く
???「@☆?*$#★」
快斗「あ、間違えました。」
何事もなかったかのように、スッと静かに扉をしめ慌ててテーブルを扉の前に置き直し窓から外を覗く
あっぶねー!びっくりした、なんだよあれ!なんか新しいのが増えてたぞ?!
全体的なフォルムはカエルそのものだが、腕が複数本生えていて、鼻にあたる部分には人の顔のようなものがくっついていて正直気持ち悪い。俺が知っているカエルとはかなり形が異なっている
ドンドンドンと扉を叩くバケモノ共に怯えるように部屋の隅っこで、普段はしない神頼みをする
扉を叩く音が消えた。
快斗「…どっか行ったのか?」
恐る恐る窓から外の様子をみれば先程までいたバケモノが消えている 。
快斗「…はあ、助かった」
そう思った時、扉が壊れる音がした
快斗sideend