ずっと貴女が好きでした。だから僕と結婚してください。 作:黒カルビ
黒カルビと申します。
全編を通し、そんなに長くするつもりはないです、お付き合いくださいまし。
その触りの触りだけ、取り敢えず投下します。
因みに、容姿のイメージ。
泰葉→『ロウきゅーぶ』の長谷川昴(黒髪ver)
由乃→『閃乱カグラ』の詠(微乳ver)
みたいな感じです。
他のキャラクターについては追々。
「ずっと貴方が好きでした。だから私と結婚してください」
――これは、6年前のある寒い日に、ある女の子――白峰由乃に言われた言葉。
呆気にとられた僕は、言葉を返せないままで……
そうして次の日、白峰さんは僕の前からいなくなった。
そんな濃厚な出来事も、時間が経てば思い出になり、やがて忘れる。人間なんてそんなものだろう。
それでもそれは、記憶の隅の隅にきちんと丁寧に折り畳まれて仕舞われていたみたいだ。
誰かが僕にそれを開かせれば、忽ちその記憶は思い出となって、出来事となって、僕にまた、濃厚な刺激を与える。
まるでカップラーメンみたいだなんて思ったりもして。
実際に起こるまで、こんなことになるなんて全く考えてもいなかった。
*****
――僕は黒木泰葉。今日から高校3年生になった、平凡な男子生徒だ。
部活は剣道部で、一応部長だ。
趣味は……歌うことかな?
あとは、ゲームとか。
まぁ、僕の紹介なんてどうでもいいかな?
最後に言うなら、僕は“そこそこ”人生を楽しんでる。
でも、たった1つ、どこかに置き忘れている大切なものがあった気がする。
それが何だかは思い出せない。
――と、そんなことを考えていると。
「ねぇ、聞いてる?泰葉?」
僕の肩を、指でチョンチョンとつつきながら、隣で歩く親友が僕を呼ぶ。
ボーッとしていた僕はハッとなった。
「あ、ごめんシノ。で、何だっけ?」
僕が聞き返すと、プクッと膨らませた頬を萎ませながら、彼女――赤城東雲(アカギ シノノメ)が答える。
あ、彼女って[girl friend]じゃなくて[she]の意味だからね!?
「だーかーらー!転校生だって、転!校!生!」
「ふぅーん」
「何よ、せっかく人が話したのに興味無さそうね」
ご名答。
実際、興味が無いというか、関係無いんじゃないか?と思う。
転校生がとんでもない美少女だったとて、それで生活を変えるようなキャラじゃないし、そもそも、塔賀高校はマンモス校で、3年だけでも、文系理系やその他細かく分かれて14クラスある。多すぎだ。
何が言いたいかというと、同じクラスになる気がしない。
単純に考えて、その転校生の文系or理系が分からない現状、同じクラスになる確率は1/14であり、サイコロを一回振って6を出すことより難しいのだ。
そんな中、隣のシノとは中1~高2までの5年間、同じクラスだったのだが。
ん?その前はって?
あぁ、元々シノも中1から家の近所に越してきた“元”転校生である。
で、何の話だったっけ……あ、そうだ!
「マンモス?」
「何がよ?」
「何だっけ?」
「ハァ!?」
そう言ってまた頬を膨らせる。
シノに対する下心はもうほとんど無いが、不覚にもカワイイと思った。
そんなこんな他愛のない話をしながら、僕らは学校に到着した。
学校に着くと、クラス分けが貼り出されていて……
「……あった。私はF組ね」
「あ、シノも?僕もF組だったよ」
「「……また一緒(だ)ね」」
ハモった。
当然の反応である。
確かに、同じ文系に行くのは確定だったが、それでも――文系の方が2クラス多いので――1/8の確率を引き当てたことになる。
もしかしたら僕は、サイコロで狙った数字を出し続けられるのではないだろうか?なんて考える。
「でもよかったわ。ぼっち回避ね」
不意にシノが言う。
……何を隠そう、シノには僕以外の友達がいない。“狭く深く”の交友関係が極端すぎるのだ。
よってクラスが分かれてしまえば、シノはクラス内で孤立するだろう。
「とりあえず教室行こうか」
「そうね」
そうして僕らは教室へ向かった。
*****
それから、僕らは教室に着き、どちらからともなく二人で固まり、駄弁っていた。
しばらくすると、担任――1年ぶり2度目――の桃井彩(モモイ アヤ)先生、通称モモちゃんが教室に入ってきた。
「え~っと、皆さん、進学おめでとうございます。3年F組の担任になりました、桃井彩です」
間延びした声と共に、モモちゃん先生が黒板に名前を書く。
「これから1年間、皆さんよろしくお願いします~」
『『よろしくお願いします!』』
全クラスメイトがハモった。
挨拶を終えると、複数名の男女が「モモちゃーん!」と叫びだす。
理由なんて単純明快。モモちゃん先生は生徒一番人気の教師といっても過言ではないくらいの人気なのだ。
女子になぜ好きなのかと聞くと、大半が「ちっちゃくてカワイイ」と言う。
男子になぜ好きなのかと聞くと、大半が「ロリ巨乳最高」と言う。
最低の回答だ。
まぁ実際、僕から見ても顔はとてもカワイイと思う。
だがしかし。
胸に関してだが、僕は無類の微乳好きだ。なので、あまりというか全然刺さらない。
おっと、話が逸れたようだ。
僕が教室内に意識を戻すと、モモちゃん先生の口から、信じ難い一言が発せられる。
「それと~、なんとこのクラスに転校生が来ますよ~」
僕とシノは思わず顔を見合わせた。
僕、本当にサイコロの狙った数字を出し続けられるのではないか?
「ちなみに、女の子ですよ~」
モモちゃん先生が言うと、クラスメイト――主に男子――が口々に「可愛いのかな」「ギャルゲかよ」と言う。
いや、ギャルゲって。
心の中でツッコミを入れる。
「それじゃあ、入ってくださ~い」
次の瞬間、教室のドアがガラッと開き、白髪の美少女が入ってくる。
クラスメイトから「キレイ~」とか「あ、俺一目惚れしたわ」なんて声が聞こえる。
かく言う僕も、その転校生から目が離せなくなっていた。
そして、転校生は教壇の中央で止まると、黒板に名前を書く。
その名前は、僕の記憶の隅の隅で折り畳まれた紙を、いとも容易く開いてしまう。
そして、転校生は口を開き。
「白峰由乃です。皆さん、よろしくお願いいたします」
と、ペコリとお辞儀をすると、真っ直ぐ僕の方へ歩いてくる。
僕の前――正確には席の横――で立ち止まると、柔らかな笑みを浮かべて、
「…お久しぶりですね、黒木くん。ずっとずっと、会いたかったです」
と言い、呆然とする僕の頬にキスをした。
僕の記憶は、まるでお湯をかけて3分経ったカップラーメンの様に、絡まりなく綺麗に解れた。
……改行難しすぎない?
なんかやり方とかあれば教えていただけると有り難いです。
次の更新は、仕事の関係上いつとは言えませんが、今週中にはします。
それでは、ありがとうございました。