「思ったよりも早くついてしまいましたね…」
入学式を待ち望んでいたわけではない…はずだ。
しかし時計の針が指すのは入学式開始の一時間以上も前だった。
はぁ…とため息をついてしまう。
やっと彼に会える。
思っていたよりも重症だなと改めて感じてしまう。
また彼の役に立てる。
私はそれが何よりも嬉しかった。
本当のことは言えなくても側にいられることに幸せを感じていた。
そんなことを考えているといつのまにか中庭に来ていた。
そこには一人の生徒がいた。
私は胸が高鳴るのを感じた。
「どうかしたか?」
彼だ。
間違えようもない私がずっと会いたかった相手が目の前にいた。
ただ私の正体をばらすわけにはいかない。
それは八雲さんとの約束だからだ。
あのときから髪の色だけでなく見た目も多少は変わっただろう。
私が迷っていると彼は私の視線に気付いたようだ。
目があった瞬間、一瞬だが彼の目が見開かれたのは気のせいだと信じたい。
「いえ、なにを読んでいるのかなと少し気になったもので、お邪魔になってしまいましたか?」
「いや、式までの暇潰しだから構わない」
「お隣失礼してもいいですか?」
「…あぁ」
そんなことを話していると遠くから声が聞こえた。
「ねぇあの子達、ウィードじゃない?」
「こんなに早く……補欠が張り切っちゃって」
「所詮スペアなのにね」
本当に下らないと思った。
自分の立場に胡座をかいて大切なことがなにも見えていない何て。
「気にしないのか?」
「何がですか?」
「今の話聞こえていたんだろ?」
「他人の評価何て気にしませんよ。そんなもの何の役にも立ちませんから」
「そうか…」
「それはお互い様でしょう?えっと…」
「司波達也だ。達也で構わない」
「白咲雪です。私も雪と呼んでください」
そんなことを話していると
「新入生ですね?開場の時間ですよ」
いつの間にか目の前には小柄な女子生徒がいた。
腕にはCADがあった。
ここではCADの常時携帯が認められていないはずだ。
ということはそれなりの役職の人なのだろう。
どこかで見たことが…何て考えていると。
「申し遅れました。私は第一高校の生徒会長を務めています七草真由美です。ななくさ、と書いて、さえぐさ、と読みます。よろしくお願いしますね」
七草、と言うことは
私自身の過去の事もあるのであまり言ってはいけないが、正直なところ十師族はあまり好きではなかった。
何よりも十師族は目立つ。
私はそれが嫌だった。
「ありがとうございます。それじゃあ達也さん私は先に行きますね」
「すぐに行かなくても遅れたりしないわよ」
手を捕まれ行くに行けなくなってしまった。
「あ、えっと、名乗っていないことですか?失礼しました。私は白咲雪です。それではこれで」
一刻も早く逃げ…
「だからそんなに慌てなくても大丈夫よ」
られなかった。
「それで、貴方は…」
「俺は……いえ、自分は司波達也です」
「えっ!君があの司波君なの!?」
相変わらず、彼は頭がいいらしい。
昔から知っている側としては普通だろうと思ってしまうが…。
「ところで司波くんと白咲さんはお付き合いでもしているの?」
「っ!?」
突然とんでもないことを言うものだからかなり動揺してしまった。
恐らく突然じゃなくても動揺してしまうが。
「自分達は今日会ったばかりですよ」
彼の言葉は私に複雑な感情を与えた。
バレてなくて良かったと思う反面、やはり気付いては貰えないと少し悲しくもなった。
「ふーん…そうなんだ」
あまりいい気分のしない視線を向けられていると彼が前に入ってきた。
「時間について教えていただきありがとうございました。自分達はこれで」
そう言うと彼は、私の手を引いて講堂へと足を向けた。
「た、達也さん?」
「嫌なら嫌と言えば良かったんじゃないか?複雑そうな顔をしていたぞ」
「あ、ありがとうございました。助けてくれて」
「気にするな」
やっぱり達也くんは達也くんだな…。
そんなことを考えながら私達は講堂へと歩いていった。
はい1話何とか書けましたね
今回は早かったですが次はいつになるのやら…
「1週間以上はあきませんよ」
勝手に決めないでいただけると…
「何か言いましたか?」
い、いえ何も…
と、ということでまた1週間以内にはあげようと思うのでお時間ある日とはまた見てくださいね
それではまた!