講堂に入って中を見ると前後で綺麗に別れた新入生の姿があった。
誰に決められたわけでもなく、自然とそのような形になったのだろう。
噂には聞いていた。
しかしここまでとは…
「どうする?俺は後ろの方に座るつもりだが」
「達也さんは私に前に行って非難の的になれと言うのですか?」
「…すまない。なら、あそこでいいか?」
「あまり私といると妹さんに怒られてしまいますよ?」
「…」
「達也さん?」
「…何故俺に妹がいるのを知っている。しかも今の口ぶりだと妹がここにいると分かっているようだが?」
「え…」
完全に私のミスだ。
達也さんはとても鋭い。
何とかしてごまかさなくては…
「新入生総代の苗字が達也さんと同じだったので兄妹かなと思っただけですよ」
「…なら、いいが」
「それで、当たっていましたか?」
「あぁ、深雪は俺の妹だ」
「間違っていなくて良かったです。とりあえず座りましょう?」
「…そうだな」
何とか誤魔化せただろうか。
これからはもっと発言に気を付けなくてはいけない。
「隣、宜しいでしょうか?」
考え事をしているといつの間にか眼鏡をかけた生徒と赤髪の生徒が横に立っていた。
「えぇ、構いませんよ」
「あ、ありがとうございます」
「良かったわね美月」
どうやら、眼鏡をかけた女子生徒は美月さんと言うらしい。
「柴田美月と言います。美月と呼んでください」
「あたしは千葉エリカ。エリカでいいわよ」
「白咲雪です。私も名前で呼んでくださいね」
「分かったわ雪、それで隣の男子生徒とは知り合い?」
「司波達也だ。達也で構わない。先に言っておくが雪とは外で初めて会った」
「あたしが聞きたかったことピンポイントで答えてくるのね。もしかして、聞かれる自覚あったりして?」
「そんなようなことを言われたのは今日二回目だ。あと美月。その眼鏡は霊子放射光過敏症用の物か?」
「はい」
霊子放射光過敏症?
聞いたことが有るような無いような。
「簡単に言うと目で見えないものが見えすぎてしまう症状ですよ」
「そうなんですか…」
目で見えないもの…
幽霊とかも見えるのかなと考えていると嫌な予感がした。
幽霊が見える…それって…
「ねぇ、美月?それってお化けとかも見えたりするの?」
エリカが私の考えていたことを言ってくれた。
お願いだから杞憂であってほしい。
「お、お化けですか…。見たことはありませんがそこにいるなら…」
「なら、外して見てよ!いるかもしれないし!」
ま、まずい!早く隠れさせ
「ひっ…」
「ど、どうかしたの?」
「ゆ、雪さんの後ろに…お、女の子が…」
「え!?嘘!?」
「雪の後ろには俺しかいないぞ」
「そ、そんなはず…あ、あれ?消えた…?」
「美月の見間違いじゃなくて?」
「ほ、本当にいました!青い目の女の子がこっちを見てたんです!」
「美月落ち着け。すごい見られてるぞ」
「あ…」
美月さんは恥ずかしそうに下を向いてしまった。
しかし今の私に彼女を気遣う余裕はなかった。
見られた…
彼女を見られてしまった…
その事だけで頭の中は一杯だった。
「……!…き!雪!」
「は、はい!」
突然大きな声で呼ばれて驚いてしまった。
「何度呼んでも返事ないから心配したのよ。大丈夫?その幽霊に何かされたとか?」
「え…あ…だ、大丈夫です」
あからさまに挙動不審だろう。
背後からは達也さんの視線が刺さる。
恐らく何か疑っているのだろう。
入学早々に面倒の種を1つ蒔いてしまったのだった。
はい
初めて2話目でオリキャラ追加が確定しました。
本当に安定しないストーリーになりそうな…
「自分でハードルを上げていくスタイルなんですね」
…こ、今後も暖かい目で見守ってください
オリキャラについては次回の前書きにでも…
それではまた!