東方翠魔録   作:アホジン

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風邪をひいてしまい外にも出れず、頭も回らずで辛かったです(言い訳)……はい、すみませんでした。
それと今更ですが、作者の気分や体調によって連日投稿だったり間が空いたりします、ご了承くださいm(_ _)m

では、改めまして…
第4話です、なんなりとご視聴ください。


第4話 3度目の敗北

魔理沙から紅魔館のおおよその位置と特徴を聞き出したブロリーは、幽香と別れて魔理沙が指した方向に向かって飛んでいた。周りの風景を見下ろしながらゆっくり飛んでいたが、あるものが目に入り動きを止めた。

 

(あの羽の生えたちっさいやつはなんだ?数は4か…話はできるのだろうか。まあ、ダメもとで聞いてみるか。)

 

初めて見る妖精にブロリーは少しの間考え、話しかけるという結論に至った。何やら鬼ごっこのような事をしていたようだが、ブロリーが4人の近くに降りてくると全員の視線が集まった。

 

「突然だがお前達は何だ?羽があり飛んでいる…、ムシケラか?」

 

「失礼な!私達は妖精よ、虫なんかと一緒にしないでよ!」

 

「そーですよ!それにお兄さんこそいきなり私たちの現れて、一体何者なんですか?」

 

「ああ、すまない。俺はサイヤ人という種族の外来人だ。」

 

2人の妖精は頬を膨らませてプンプンと怒っていたが、ほかの2人は違う反応を見せた。1人は興味深そうにブロリーの身体を観察しており、もう1人はのほほんとした気の緩んだ顔でブロリーの近くに寄っていった。

 

「ちょ、ちょっと!こんな大きい人に近づいたら危ないって!」

 

「大丈夫だよ〜、この人悪い人じゃなさそうだし〜。それに、なんかこの人の近くにいると安心する〜。」

 

「あっ、ちょっ…」

 

一切の警戒心も見せずにブロリーに近づき、挙げ句の果てには肩車のような感じでブロリーの肩に乗ってしまった。これには周りの妖精達だけではなくブロリーも驚いたが、何故か悪い気はしなかった。

 

(そういえば俺も親父にこんなことをしてもらったこともあったか…。)

 

「そういえば、お兄さんはなんで私たちのとこに来たの〜?」

 

「お前達に聞きたいことがあったんだ。この近くに湖はあるか?」

 

「湖なら…あっちの方向に…少し行けば…ありますよ…。」

 

「そうか、助かった。じゃあな。ほら、お前ももう降りろ。」

 

「むぅ〜。」

 

ブロリーに乗っていた妖精は、渋々降りて3人のもとに戻っていった。ブロリーは「またね〜」と手を振る妖精を一瞥すると、「ああ。」と短く返事をしてその場を飛び去った。

 

「さっきの人凄くおっきかったね!あんなに大きい人間見たことないよ!」

 

「それに…外来人なのに…空飛んでた…。」

 

「よくあんなのの肩に乗れたね、僕じゃ絶対無理だよー。」

 

「それに安心するって言ってたけど、あれはなんで?」

 

「ん〜。なんかあのお兄さんから緑色のもやもやーってしたのが出てて、それに触ったら気持ちよかったんだよ〜。」

 

「そんなの見えなかったなー。」

 

「私も…。」

 

「僕もー。」

 

「また会いたいな〜。」

 

 

 

 

妖精に言われた方向へ飛んでいたブロリーはすぐに湖を見つけることが出来た。しかし、ブロリーはそこで少し違和感を覚えたのでまた地面に降りることにした。

 

(変だな…、この湖だけやけに気温が低い。少し周りを見てみるか。)

 

この湖付近だけ気温が低いことを不思議に思ったブロリーは、その原因を探ることにしたのだが──

 

「そこのあんた!ちょっと待ちなさい!」

 

何者かによって呼び止められた。ブロリーが振り返って見ると、そこには先程とは違うがおそらく妖精であろう2人の少女がいた。

 

「また妖精か、何のようだ?」

 

「ムダンであたいのナワバリに入ったんだ。あたいと勝負しろ!」

 

「ちょ、ちょっとチルノちゃん!?やめようよ〜、あの人凄く強そうだよ?」

 

「ええい、止めてくれるな大ちゃん!それにあたいはサイキョーだから負けないって!」

 

「チルノちゃ〜ん…。」

 

「……。」

 

2人が何かもめ始めてしまったのを傍観していたブロリーだったが、いくつか分かったことがあった。一つは、水色の妖精はチルノ、緑色の妖精は大妖精(大ちゃん)というらしいこと。もう一つは、チルノという妖精が近づいてきてからさらに気温が下がったこと。そして最後に、気温低下の原因を見つけたからといって何かしなければならない義務はないこと。結果、「ここを離れる」という結論に至ったブロリーは、2人に背を向け歩き始めた。

 

(ここに留まる理由もないな。さっさとこの湖を越えて紅魔館とやらを探そう。)

 

「あ、おい!逃げるな!あたいと勝負しろ〜!」

 

「……逃げる、だと…?それは俺に言っているのか…?」

 

瞬間、ブロリーからとても鋭く禍々しい殺気が溢れ出た。

 

「戦闘民族サイヤ人の一人であるこの俺に言っているのか?」

 

「あ……うあぁ………」

 

明らかに自分たちへ向けられた殺気に、大妖精は姿勢を維持することすらできずに地面に崩れ落ちた。しかし、チルノはそうはいかなかった。

 

「当たり前だろ?おまえ以外に誰がいるんだよ。それにヤサイ人ってなんだよ、バカか?」

 

(あ…、私たち終わった……。)

 

ブロリーの殺気に怯えて失禁寸前の大妖精と殺気に全く気づかないチルノを見て、ブロリーは勘違いをした。最強を自称し、自分の殺気にも全く動じないこいつは本当に強いやつだ、と。ブロリーの機嫌が良くなると殺気も霧散していき、安心した大妖精は半泣きになっていた。

 

「大ちゃん…だったか?すまない、大丈夫か?」

 

「あ…え…?(こ、この人悪い人じゃな、ないのかな?)」

 

「……ダメそうだな。ここは少し危ないから向こうの木に隠れているといい。」

 

「あ、はい…ありがとうございます…。」

 

「待たせたなチルノ。お前との勝負、受けてやろう。だが、俺が勝ったら、一つ質問に答えてもらうぞ。」

 

「いいよ、まぁサイキョーのあたいがお前に負けるなんてありえないけどね!」

 

「そうか、せいぜいこの俺を楽しませてくれよ!」ポーヒー

 

「え?ちょっ…」ピチューン

 

「……は?」

 

ブロリーは呆然としていた。なにせ自分の殺気にも全く怯えなかったのだからできるヤツなのだろうと踏んでいたのに、ただの気弾一発で消えたのだ。まさか罠か?などと意味の無い警戒もしていたが、それも違うと分かると肩を落とし、大妖精のいる木に向かった。

 

(こ、こっちに来る…!)

 

「おい、大ちゃん。紅魔館の場所を教えろ。」

 

「え…紅魔館、ですか?」

 

「ああそうだ。」

 

「そ、それならこの湖の向こうにありますよ…。」

 

そうか、と言い残してブロリーは紅魔館を目指して飛んでいった。一方、大妖精は──

 

(別に悪い人ってわけじゃなさそうだけど、すごく…怖い。あまり関わりたくないな…。)

 

完全にブロリーに屈してしまっていた。

 

 

 

 

紅魔館の外見が特徴的なこともあり、大妖精と別れてから5分も経たないうちにブロリーは紅魔館を見つけることが出来た。

 

「まさか館全体が紅いとは…。あの館の主人とは気が合わなそうだ。…む?門の前に誰かいるな、仕方ない正面から入るか。」

 

門から少し離れたところに降り、壁に寄りかかって立っている門番に近づいていった。

 

「(これが門番というやつか。俺の住んでいた宮殿にもいたな。)おい、ここが紅魔館で合っているか?…聞いているのか?」

 

しかし、ブロリーがいくら声をかけても門番はピクリとも動く様子を見せなかった。流石にイライラしてきたブロリーは門番に右ストレートをくり出した。しかも顔面、女性の顔面にだ。そして、無慈悲にも振るわれた剛拳が門番の顔面を捉える…………ことは無かった。

 

「……」

 

「やはり寝たフリか。」

 

「おや、気づかれていましたか。だとしても女性の顔をいきなり殴るなんて良くないですよ?」

 

「うるさい。訪ねてきたものに門番として対応しなかったお前が悪い。」

 

「あはは、確かに一理ありますね。…それでは、この"紅魔館"に一体何の用ですか?」

 

「最初からそうしていれば良いものを。俺が紅魔館に来たのはここの主人に頼みたいことがあるからだ。」

 

「頼みたいこと、ですか。」

 

「ああ。」

 

「……わかりました。掛け合って見ましょう。ですがその前に……」

 

「なんだ、まだ何かあるのか?」

 

「私とお手合わせ願います。」

 

「なぜだ?」

 

「私は紅魔館を不逞の輩から守る門番。ですが、門番である前に一人の武術家です。それに貴方と同じ"気"の使い手…」

 

「!」

 

「一週間程前に感じた凄まじい気。その時に感じた気と貴方の気は酷似している。」

 

(一週間前…。そうか、幽香との勝負の時の超サイヤ人か。)

 

「服の上からでもわかる鍛え上げられた肉体に貴方の気…、これが理由です。」

 

「わかった、いいだろう。」

 

「ありがとうございます。貴方のお名前を伺ってもよろしいですか?」

 

「ブロリーだ。」

 

「ブロリーさんですか。それでは……、紅魔館が門番 紅美鈴 参ります!!」

 

美鈴の言葉を合図に戦いの火蓋は切って落とされた。だが、決着はあっけなくついた。

 

「え…?」

 

開始と同時に両者共に人外の力を発揮し、お互いの拳を拳で止める激戦を繰り広げていた。しかし、美鈴が混ぜたフェイントにかかったブロリーは美鈴による顎へのアッパーを喰らってしまった。そしてあっさりとその場に倒れた。まさか一撃でやられるとは思っていなかった美鈴もその場で立ち尽くしていた。

 

「ど、どどどうしましょう。と、とりあえず中へ……重い、ですね…。」

 

倒れたブロリーを背負い、美鈴は紅魔館の中へ入っていった。

 

 

 

 

一方、人里へ来た幽香は花屋にいた。

 

「さて、買い物も済んだし、綺麗なお花たちも見れたし今日の用事は終わりね。さて、どうしましょう……紅魔館にでも行ってみましょうか。」

 

人里での用事が無くなった幽香は、ブロリーのことも気になり、一度紅魔館に行ってみようと思いたった。「もしブロリーに会えたら一緒に帰りましょう」などと、とてもお気楽なことを考えていた。




いかがでしたでしょうか?
モブ妖精の4人はまたいずれ出すかも知れません。あくまで未定ですが(⌒-⌒; )
出すとしたらその時までには名前も考えておかなければですかね〜

それと、ブロリーの服装は読者様の想像にお任せします!もういつしかの補足とかどうでもいいです!…まあ、いつもの半裸でもいいんですが、作品内では服着てないと上裸の筋肉モリモリマッチョマンの変態ですからね…。

ではまた次回!( 。・ω・。)ノシ

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