継ぐ者~提督物語   作:お気楽Y

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主な登場艦娘
 五月雨 白露型駆逐艦6番艦 不思議な青色の長い髪、がんばり屋で少しドジな艦娘
 初霜  初春型駆逐艦4番艦 小柄で長い黒髪に桃色の瞳、紺のブレザーを着た艦娘
 初雪  吹雪型駆逐艦3番艦 切り揃えられた前髪、白いセーラー服の眠たげな艦娘
 文月  睦月型駆逐艦7番艦長い茶髪をポニーテールにした茶色の瞳の艦娘
 三日月 睦月型駆逐艦10番艦セミロングの黒髪にアホ毛、金色の瞳の艦娘
 名取  長良型軽巡洋艦3番艦 茶色のショートボブに白のカチューシャをつけ、目は髪と同じ茶色の艦娘


出撃-2

 月光に照らされて明るかった海面が、所々に浮かんだ雲によって月が隠され暗闇に黒くなる。再び月明かりが射した雲と雲の間を黒い点が横切っていく。

 

「こちら川内機、異常なし、天候は曇り、雲量4、雲底1,000」 複葉で上翼の真ん中にプロペラをつけた98式水上偵察機が雲の下を時速130kmで滑るように飛んでいく。軽快なエンジン音と風きり音を聞きながら偵察員の妖精が左側に双眼鏡を向けると彼方に白波を発見する。98式水偵は緩やかに左旋回して高度を下げる。

 

「川内、お客さんを発見した、軽巡1、駆逐5、これから誘導する」

 

 

 ☽ ☁ ☂

 

 名取の頭の上の見張り妖精が左舷から向かってくる航空機を発見し名取の頭を叩く、

 

「左舷、航空機が来ます」

 

 五月雨はエンジンの音が聞こえる夜空を見上げた、航空機が近づいてくる。

 

「対空戦闘用意~」 機銃を航空機に向けると、相手から発光信号が発せられた。

 

「夜偵ですね」 機銃を下ろしながら初霜、

 柱島鎮守府の艦娘達は柱島から16時間、四国から400Km程沖合いまで来ていた。

 

「会えてよかったです」 文月もホッとしながら機銃を下ろす。

 

「疲れた...帰りたい」

 

 五月雨たちは98式水偵が誘導する方角に針路を向け後を追う、2時間ほどで祥鳳さんたちと会合できた。

 

 22:00

 

「柱島の方々、ご苦労様です、補給と休息をとって下さい」 祥鳳さんから言われ、名取から順番に補給を受ける、宿毛の川内と第11駆逐隊は、五月雨たちが着く少し前に補給を終え目的ポイントに向け出発したとのことだ。補給艦で、補給と仮眠を少し取った後、ブリーフィングする。

 

「文月、起きてる」 眠そうな文月に声をかける

 

「あ・・・はい」

 

「初霜は」

 

「はい、準備万端です」

 

「では、文月と三日月は予定通り、ここで祥鳳さんの護衛をしながらリザーブ、もしもの時はよろしくね」

 

「はい」

 

「残りの4人で目的ポイントに向かいます、天候は曇り、午後から雨の予報です、風は北西の風5M、波2M、視程10Km、小笠原諸島父島の南西50Kmが目的ポイントです、ここから約550Km、第2戦速で250Km進み、残り300Kmを第3戦速で、15:00到着、反転帰投、会敵した場合は直ちに反転します」

 

「他に情報あるんですか」

 

「まだ、会敵した艦隊はありませんが、小笠原諸島付近には深海凄艦の艦隊が常に2~3の艦隊がいると思われます」

 

 ブリーフィングを終え海上へ出る。

 

「柱島の皆さん、天候は悪そうですが、航空支援任せてください」 祥鳳さんが言葉をくれた。

 

 01:30 

 

「艦隊、第二戦速、行きます」 五月雨を先頭に初霜、初雪、名取の順で出発する。

 

 離れていく4人を文月と三日月は手を振って見送り、自分の配置に付く。

 

 04:00

 

 雲に覆われた東の水平線はまだ暗く明るくなる気配が無い、進行方向の南南東は真っ暗で海と空の境も見分けられない。前を行く艦娘の船尾灯の白い光を頼りについて行く。

 やっと東の空から明るくなってくる、しかし空は雲に覆われて今にも雨が降り出しそうな気配だ。

 

 09:30 

 

「艦隊、第3戦速、見張りを厳重に」 雨が少し降り始める、雲量8、雲底1000、視程10kmほどか、

 

「名取さん、水偵の発進をお願いします」

 

「は、はい」

 

 名取は準備していた水偵を射出するため隊列を離れ風上に向かい 

 

「妖精さん、お願いします」

 

 呉式2号3型改一カタパルトから ポンという音とともに98式水偵を射出した。水偵は飛び出したあとゆっくり高度を上げ艦隊の上を一回りする。

 

「頼んだよ~」 初霜が手を振るなか南へ飛んでいった。

 

 14:30

 

「あと20kmで目標地点です」 敵を発見することもなく到着するのかな そんな考えも五月雨に浮かぶ

 

 名取に水偵から通信が入る。

 

「す、水偵からです、敵艦見ゆ、艦隊から南へ30km、父島から西南西60km、深海凄艦艦隊、ル級1、リ級1、ト級2、ハ級2、東北東へ進んでいます」 

 

 ル級が居るという事は、すでにル級の主砲の射程圏内、五月雨は前方を遠望するが雨で灰色に霞んで何も見えない、すぐに決断する。

 

「艦隊、左16点一斉回頭、用意~、回頭」 4人の艦娘はUターンし、先頭から名取、初雪、初霜、五月雨の順になり北北西に進む、

 

「...何しに...来たのか...」 雨に打たれ始めて不機嫌な初雪が洩らす、

 

「もともとそういう計画ですから」 初霜が返事する。

 

「名取さん、水偵を収容する時間はないので、祥鳳さんたちのところへ向かわせてください、艦隊第5戦速」

 

「水偵より、深海凄艦が転針、こ、こちらに気がついたようです」 深海凄艦もレーダーを積んでいると聞いている、しかも、性能は艦娘の電探より上らしい。

 

 14:50

 

「水偵より、ル級発砲開始、艦隊との距離28.000、」 五月雨は思わず後ろを振り返る、しかし何も確認できなかった。かなり、近弾だったようだ。この天候では着弾確認が出来ないと思われるので当たる確立は低い、

 

「水偵より、敵艦隊分かれました、ル級とリ級を残して軽巡と駆逐艦が追ってきます」

 

「艦隊、最大戦速、各艦は個別に不規則に針路を変更し回避運動、方位3-1-5」

 

 艦娘たちは、それぞれの最大戦速で進む、自然と隊列が解ける、五月雨が一番最後だ。ル級は速度が遅い、たぶん、ル級の有効射程を抜けるのに、ほぼ10分、その間に15斉射60発ほど浴びるだろう、まぐれ当たりが無いことを祈るばかりだ。五月雨の頭の上の見張り妖精が頭の左後ろを叩き注意を促す、振り返って左舷後ろを見ると、800mほどのところに水柱が上がる。

 

「ひ~実戦~」 名取が叫ぶ

 

「面舵、針路、3-2-5」 五月雨が指示する、

 

 次は、左舷後方400mほどに水柱が数本上がる、初霜を真ん中にすると前を行く名取に初雪が近づき離れていく、後ろの五月雨は初霜から遅れつつ離れていく。10分が長く感じる、生きた心地がしない、水柱が五月雨の左舷200mほどのところに上がる、

 

「面舵、針路 0-0-0」 初霜は五月雨の隊内通信の声を聞き針路を変更し終えると、初霜の頭の上の見張り妖精が頭の後ろを叩くので思わず身構える、

 

 ボゥウオーン

 

 思わず振り返ると初霜の後ろに水柱が立ち並んでいる。

 

「五月雨さ~ん」

 

 

 

 五月雨の前方200m、初霜と五月雨の間で水柱の壁が出来る、 

 

「取り舵、針路、 2-5-5」 五月雨の顔は水柱からの飛沫と雨と汗でぐっしょり濡れている。

 

 ボゥウオーン

 

 今度は、五月雨の右舷前方に水柱が数本立ち上がる。ル級は艦娘達の進路方向とクロスするように砲撃してゆき弾着修正を省き、まぐれ当たりを狙ったようだ。もう修正して撃つには間に合わないだろう。五月雨は少しホッとする。

 

 15:05

 

「水偵より、南から北へ向かう編隊見ゆ」 名取から隊内通信が入る、5分ほどで敵機がくる、

 

「艦隊、第5戦速、輪陣形へ、針路2-7-0、対空戦闘用意~」

 

「航空支援は...どこ」

 

「初雪、煙幕展張準備を」 先頭の初雪に五月雨が指示する。

 

「祥鳳さ~ん」

 

 五月雨たちの後ろ、南の空、灰色の雲の下側に黒い点がいくつか現れ、みるみる近づいてくる。

 

 15:10

 

「煙幕展張~、対空戦闘~、高度は上げられないから」

 

 深海凄艦の航空機が五月雨たちに低空から襲い掛かる。

 

 

 

 




 ル級はコロラド級を想定して書いています。
 夏イベも終わりですね、長かったな~
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